無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ

桜井正宗

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帝国の騎士団長ルーシャスと合流

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 崖を降り、安全な場所から歩いて向かった。
 そんな中でも戦争は間近で起きていた。なんて激しい戦いなんだ……。このどこかにニールセンがいるのか?

 いや、それよりもこのモンスターの数だ。
 こんなバケモノが帝国に雪崩れ込んできたら……一巻の終わりだ。街は全て破壊され尽くされ、住人も食い殺される。


「……兄上、マーダースライムをこれほど操るなど、ありえぬのだ」


 ハヴァマールがおかしいと指摘した。
 俺もこの状況には違和感があった。いくらなんでも、ここまでの闇属性モンスターを集めるだなんて、普通は不可能だ。

 まさか、魔界から連れてきたのか?

 でも、魔界の場所なんてどこにあるのか知られていないし、分からないとされてる。なのに、これほど集められるということは魔界で直接テイムしたとしか思えないな。


「魔界の知識に通ずる者がニールセン側にはいるらしいな」
「そうかもなのだ。早めにそやつを止めた方がいいと思う」
「分かった。とりあえず、先にルーシャスの方へ」


 戦闘に巻き込まれないよう、かなり迂回しているからな。時間が掛かる。

 エドゥの『ソウルリフレクター』のおかげでダメージを負うことはないけれど。

 荒れ果てた大地に降り立ち、ようやくルーシャスの元へ。


「ルーシャス、約束通り来たぞ」
「……ラスティ! 来てくれたか。待ちわびたぞ」


 飛竜から降りて俺やみんなを見つめた。疲労感が隠せていないぞ、ルーシャス。それもそうか、バケモノや神聖王国ガブリエルの兵を相手にしているのだから。


「酷いな。魔界のモンスターがいるなんて聞いていない」
「私も想定外だった。このような下劣な戦術を使うとは……なにが神聖王国だ。闇に染まっているではないか」

「ああ、恐らくだが向こうに魔界関係者がいるかも」

「可能性は高い。ところで、シベリウスではないか。お前も来ていたのか」


 シベリウスの存在に気づくルーシャスは、彼を凝視していた。ビクッと震えるシベリウスは、俺の後ろに隠れた。おいおい。


「……だ、団長。これはその……」
「お前はアルフレッドの息子。だから、スケルツォの下で働かせてやろうと便宜を図ってやったのに……お前と言う奴は」

「ぼ、僕だって戦いたいんです。今日のラスティを見てよく分かりました。このままでは帝国は滅びる。なのに、城で待機などしていられません! 僕も戦う。父さんのような立派な聖騎士になりたいんです」

「馬鹿息子が。仕方のない奴だ」


 どうやら、シベリウスも戦闘に加わるようだ。大丈夫かな。


「ここでお別れだな、シベリウス」
「ああ、こっちはこっちで上手くやる」

「死ぬなよ」
「お前もな、ラスティ」


 握手を交わし、俺は改めてルーシャスを見た。


「ルーシャス、俺たちはニールセンを追う。それとさっき、ラファエルという幹部らしき男とも戦闘になった。この二人を叩く」

「……ああ、邪悪な気配がずっとウロウロしている。ニールセンは、普通の王とは違う。直接戦況を楽しみ、嘲笑い、蹂躙するタイプのようだ」


 だろうな。そうでなければグラズノフ共和国へ直接乗り込むなんてマネもしないだろう。アイツは……ニールセンは異常だ。


「ルーシャス、この場は持ちこたえられそうか?」
「劣勢だからな……なんとも。だが、大賢者殿ともう一人を貸して貰えればあるいは……」

 エドゥともう一人を貸せ?
 けど、この状況だから仕方ないのか。
 みんなを出来れば戦に巻き込みたくはなかった。どうする……。

 悩んでいると、エドゥが俺の手を握った。


「ラスティ様、自分は大丈夫です。もともとはレオポルド騎士団の副団長ですから」
「しかし……」

「自分は生き残ります。信じてください」
「……分かった。それともう一人だが……」


 みんなに視線を向けると、ストレルカが手を上げた。


「ここは、わたくしでしょうね。オケアノスとアクアナイトの力は戦況を大きく変えられるかと」
「ストレルカ……いいのか」

「ラスティ様の為ですから」
「ありがとう。でも、無茶だけはするなよ」
「ええ、その代わり……ハグはしてくださいませ」

 みんなの目の前で少し恥ずかしいけど、俺は気にせずストレルカを抱いた。もちろん、激励の意味で。
 エドゥもして欲しそうなので抱擁を交わした。


「エドゥ、ストレルカ。頼んだぞ」


「戦場はお任せください」
「ラスティ様もお気をつけて」


 こちらは大切な仲間を二人も貸したんだ。あとは……。


「ルーシャス! エドゥとストレルカに何かあったら、お前を絶対に許さないぞ」
「命に代えても二人を守ると約束する。そうだろう、シベリウス」

 シベリウスは拳を胸に当て、自信に満ちた顔で俺を見た。

「最強の門番の名は伊達じゃないぜ、ラスティ」
「ああ、二人を頼む」


 俺たちは裏から回り込み、ニールセンを探し出す……!
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