無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ

桜井正宗

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最強の聖属性の剣

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 俺は、ゲイルチュールを召喚。
 スコルに聖属性付与をお願いした。

「分かりました。そのゲイルチュールさんに付与すればいいのですね」
「ああ、そうすれば『シグチュール』になるはずだ」


 以前、フェルナンデスを倒した力だ。あの時は戦いの最中だったから、詳細は見れなかったけれど今なら見れる。

 スコルが俺のゲイルチュールに聖属性を付与してくれた。すると“つるはし”は、明らかに形状変化。

 それは“剣”となった。


 [シグチュール]
 [攻撃力:1000]
 [効果]
  オーディンの聖剣。ゲイルチュールに聖女による聖属性が付与されると、このシグチュールを使用可能になる。

  ①武器の属性が任意で『聖属性』となる(解除も可)
  ②この属性はディスペル不可
  ③使用者のレベルに応じて攻撃力が最大10倍アップする
  ④物理攻撃時、トリプルアタック判定となる
  ⑤防御時、防御力を大幅にアップする

  シグチュールの持続時間は十分である。


 これが『シグチュール』の詳細か。ようやく見れたぞ。
 ていうか、予想以上の強さだな。こりゃ。


 俺は、剣を握りしめて突撃していく。

 おぉ、思った通りだ。

 背中に翼が生えたかのように身が軽い。


『――ヴォォォォォォ』


 ブラッディローズが市民を襲っている。野郎、魂を吸い取ってやがる。その前にぶっ倒してやる。


「くらえええええッ!!」


 斬撃を飛ばすとブラッディローズを真っ二つに出来た。……こりゃ、凄い火力だ。弱点も相まって一撃とはな。

 残り一体!

 このまま加速していく。

 俺はジャンプして屋根に飛び乗り、邪悪な気配を追っていく。……どこだ、どこにいる。


『ヴゥゥゥゥ……!』


 あっちか!
 直ぐに邪気の方へ向かっていく。

 商店街の通りに最後のブラッディローズがいた。三人の一般人を一気に襲っていた。なんてヤツだ。


「させるかァ!!」


 シグチュールを強く振りかぶって、俺はブラッディローズに斬撃を浴びせた。これも余裕の一撃で葬った。

 討伐完了!


 ふぅっと安心していると、周囲の人々から歓声が上がった。


「おおおおおお、すげえ!!」「少年、やるなあ!」「おいおい、あの男の子がやったのか」「あの光る剣はなんだァ!?」「変わった剣だな」「噂の大賢者様じゃね~?」「さっきの死神はなんだったんだ」「助かったんだから、いいじゃねえか!」「そうだな。あの美少年に感謝だ」


 握手を求められ、俺は照れた。
 人々を守るって気持ちが良いな。

 いつしか、ブレアが駆けつけてきていた。彼女は息を切らしていた。


「ラ、ラスティ! 上空で何があった!?」
「すまん、ブレア。ニールセンと戦っていた」
「ニ、ニールセンと!? ヤ、ヤツが来ていたのか」
「フェルナンデスを倒したからな。わざわざ単独で乗り込んできたんだろうな。ヤツは、ブラッディローズという死神を三十体も召喚して、街を襲わせた。俺たちが何とかしたけど」

「見ていた。さすがラスティだ。スコルさんやエドゥ様もありがとうございます」


 素直に感謝するブレア。
 そう褒められると更に照れるのだが。悪い気はしない。

 けれど、多少なりとも街に被害が出た。人的被害も。


「俺がもっと上手く立ち回れていればな……」
「いや、これは戦争なんだ。ひとりでどうこうできる問題ではないよ。ラスティ、いったん城へ戻れ。ここは私に任せてくれ」

「ありがとう、ブレア。お言葉に甘えるよ」

「これ以上、ニールセンの好き勝手にはさせない。グラズノフ共和国も立ち上がり、ドヴォルザーク帝国に加勢するかもしれん」

「マジか!」


 そうなれば、帝国の勢いも増すし……ニールセンは迂闊に動けなくなる。戦況がガラリと変わるぞ。

 そうか、共和国の力を借りるという手があったか。
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