無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ

桜井正宗

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風属性魔法・サンダーブレイク二連撃

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 敵モンスターの水属性攻撃『クラウドバースト』が雨のように降り注いできた。……やべぇ、こんなの船に落ちたら沈むぞ。

 だが、船に到達するより前に透明な壁が阻んだ。


「――スプレンディッドフィールド!」


 エドゥの“大賢者”の魔法スキルか。
 どうやら守護結界を展開するようだな。さすがだ。


「ナイス、エドゥ!」
「これくらいはお安い御用です」

 おかげで砲弾のような豪雨を防げた。もし、落ちてきていたら船が沈むどころではなかった。木っ端微塵になっていたな。


「よし、この隙に畳みかける。エドゥ、結界を解除できるか?」
「了解しました。結界……解除!」


 攻撃のチャンスは今しかない。
 俺は体をバネにして、思いっきり振りかぶった。


「穿て、聖槍・グングニル!!!」


 魔力の塊を放つ。光は一直線にシーサーペントの腹部を貫いた。


『――グアァァァアァァァ……』


 断末魔の上げ、海へ沈んでいく。なんだ、楽勝だったな。


「ラスティさん、あの大きな蛇……」
「ああ、もう倒した。安心してくれ、スコル」
「はい、お疲れさ――」


 しかし、その時だった。
 シーサーペントの巨体がいきなりニョロニョロと動き出した。……な、なんだ!?


「兄上! あのシーサーペントはまだ生きているのだ!!」
「なに!?」


 直後、シーサーペントは体を再生して復活した。
 馬鹿な! 再生能力だと……!


「あれは自己再生スキル『リペア』ですね。また動き出しますよ」


 [リペア][Lv.3]
 [魔法スキル]
 [効果]
  上位の自己再生スキル。
  体の破損した部位を再生し、体力を半分回復する。

 Level.1 :部位再生・体力回復 50%
 Level.2 :30秒間回復速度 50%アップ
 Level.3 :60秒間回復速度 50%アップ
 Level.4 :90秒間回復速度 50%アップ
 Level.5 :120秒間回復速度 50%アップ


 エドゥがそう解説してくれた。そうか、あれはスキルだったのか。SS級ボスっていうのは伊達じゃないらしい。
 やがてシーサーペントはほとんどを回復して襲い掛かってきた。なんてヤツ!

 ならば、俺は万能つるはし『ゲイルチュール』で応戦する。

 無人島開発スキルで予め作っておいた『鉄の杭』をアイテムボックスから取り出し、それを放り投げてゲイルチュールで打った。

 杭を見事に打撃して、シーサーペントに向けてた。


「おぉ、その発想はなかったです!」


 珍しくエドゥが驚く。
 これは随分昔にアルフレッドが教えてくれた異国のスポーツを真似たものだ。

 杭はそのままシーサーペントの体に命中。しかし、たいしたダメージは与えられていない。……いや、だがこれでいい。


「兄上、あれでは倒せぬぞ!」
「大丈夫だ、ハヴァマール。あの杭には『猛毒』を塗布してあるんだ」


 いつだったか、アレクサンダーとかいうヤツから鹵獲ろかくした『猛毒剣トキシン』を再利用したんだ。あの猛毒が役に立つとはな


 一気に広まる猛毒は、シーサーペントの体を侵食していく。効いているじゃないか。まさか、こんなに強力だったとはな。

 だが、それでもトドメには至っていない。

 なら、俺の十八番おはこで奴を潰す。


 聖槍を使用した反動で魔力はあと僅かだが、これを使うくらいの余裕はある。


「ラスティさん、わたしも支援します! キリエとグローリアです!」


 俺のステータスは更に上昇。
 これで決める!!


「くらえええええええ、サンダーブレイク!!!」


 ゲイルチュールの穂先から風属性の稲妻が走る。強烈で最強のヤツだ。だが、シーサーペントも最後の抵抗を見せた。闇属性攻撃・ブラックアウトだ。

 周囲が真っ暗になって夜になった。……そうか、これは“深海”ということか。

 闇属性で海の底を具現化し、赤い稲妻を発してきた。


「兄上、加勢するのだ!!」
「ハヴァマール!」


 ぴょんと飛び跳ねるハヴァマールは詠唱を開始した。


「怒れ、怒れ、怒れ。終焉の約束、神々の黄昏……新世界のゲートよ、我が望みに応え、顕現せよ――ライトニングボルテックス!!」


 轟雷の渦がシーサーペントを飲み込む。これで活路は見出せた。ナイス、我が妹。俺は残りかすの魔力を使ってもう一発お見舞いした。


「これで最後だ!!! サンダーブレイク!!!!!!」


 二発目の稲妻を力いっぱい放出し、シーサーペントに激突させた。


『――グォォォォォォォォッッ!!!』


 物凄い衝撃波が広がり、ついにシーサーペントは倒れた。


「…………」


 空は晴れ、元の青空。
 だけど、あまりの事態に沈黙するしかなかった。


「ふぅ、今度こそ倒したようだ」


 汗を拭っていると、スコル、ハヴァマール、エドゥ、ストレルカ全員が俺に飛びついてきた。またかーっ!


「ラスティさん凄いです!」「さすが兄上えええ、愛してるのだああ」「ラスティ様のお力は偉大です」「もう皆さんずるいですよ。わたくしだって船を守っていたのです」


 こうみんなから飛びつかれては……うん、しばらくこうしていよう。
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