無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ

桜井正宗

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深海のSS級ボスモンスター

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 朝食を済ませ、いよいよ出発。
 城を出てストレルカの船へ向かった。
 街を抜け、少しすると立派な港が見えてきた。

「ラスティ様、予定通りのメンバーでよろしいですね?」
「ああ、俺、スコル、ハヴァマール、ストレルカ、エドゥで行く」

 ハイオークの件が気になるが、きっとルドミラが排除してくれるだろう。そのことは出掛ける前に伝えておいたし。

 防衛力も十分高めておいた。

 なにかあれば、切り札・・・を使う手もあるだろう。


「では出発しましょう」


 船に乗り込み、少しすると出航した。目指すはグラズノフ共和国。最速で一日というところだろうか。


「……島が小さくなっていきますね」


 俺の隣で上品に髪を押さえるスコル。金髪がなびいて美しい。……しかし、そうだな。故郷を離れるのは久しぶり。移住者も増えたから、心配はないと思うけど。

 今はルドミラ率いる騎士団もいるし。

 信じよう、民たちを。


「寂しいか、スコル」
「はい、少し。でも、ラスティさんがお傍にいるから……不安はありません」

 そう身を寄せてくれるスコル。柔らかい体で俺を包んでくれる。

「スコル……」

 俺は思わずスコルの腰に腕を回した。頬を赤らめ、嬉しそうにしてくれて俺も顔が綻びかけた。すると、ハヴァマールとエドゥが突撃してきた。
 

「あー! スコルばかりズルいのだ。余も混ぜるのだ!」
「自分もラスティ様とイチャイチャしたいです!」


「そ、そんなには無理だ!」


 三人から押し倒され、俺は困るしかなかった。嬉しいけど!

 ワチャワチャしていると海の方から気配を感じた。それはストレルカも察していたようで叫んだ。


「ラスティ様! オケアノスによれば、深海のモンスターが現れたようです!! 皆様、ご注意ください!!」

「マジかよ」


 こんな場所に深海モンスターだって?
 ――いやだけど、この周辺はそういう海域だって以前ストレルカが言っていた。怪物が現れてもおかしくはない。


 俺は船首へ向かい、様子を伺った。


 ……なんだ、あの黒い影。
 とんでもない大きさだぞ。


「こいつは一体……」


 海面を観察していると、それは飛び上がってきた。


『――――ッ!!』


 ……ウソ、だろ。
 巨大なニョロニョロが現れた。……蛇?


「兄上、このモンスターは大変なのだ!!」
「ハヴァマール、これはなんだ?」
「コヤツは深海のボスモンスター『シーサーペント』なのだ。詳細を出す」


 [シーサーペント]
 [属性:水/闇]
 [種族:動物]
 [詳細]
  深海に棲むSS級大海蛇。全長三十メトル級。非常に高い体力HPを持つ。水属性攻撃『クラウドバースト』は広範囲に破壊的ダメージを与える。体力が僅かになった時、闇属性攻撃『ブラックアウト』を発動する。


「なんでこんなのがいるんだよ!」
「分からないのだ。とにかく倒すしかないのだ」

「倒すって……どうやって」
「聖槍を使うのだ」

「……まあ、それしかないよな」


 俺は身構えつつも、聖槍・グングニルを生成。魔法の槍を手にした。敵の出方を伺っていると、ストレルカが焦ってこう言った。


「ラスティ様。このまま船を攻撃されれば沈没します……どうか討伐を」
「なんだって! そりゃ一大事だ。俺に任せろ」
「お願いします。オケアノスは船の方で魔力を使っているので動かせないのです」

「それなら仕方ないさ」


 みんなを守るは俺の仕事だ。
 シーサーペント、恐ろしく禍々しい様相だが――そこを通してもらう!
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