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小さな悪魔
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ゼロ距離からの聖槍攻撃。
ヤスツナは塵となって消滅した。
……コイツ、人間じゃなかったのか。ヤスツナが塵となった中から小さな悪魔が現れたんだ。つまり……コイツは何なんだ……?
「ラスティ様、終わったのですね」
「ああ、アルフレッド。だが、この悪魔はなんだ」
「聞いたことがあります。人間に似せて作った悪魔が存在すると。なので、この悪魔は魔界の者でしょう」
「なんだって……!?」
「ニールセンという人物は、何かしらの方法で偽人間を作り出しているのでしょう」
偽人間……そんなものを作っているだと。恐ろしいヤツだな、ニールセン。そうか、だけど分かった。ヤスツナの異常性が悪魔の仕業だということが。
「情報をありがとう、アルフレッド。とにかく、お前はまだ目覚めたばかり、休め」
「……ありがたきお言葉。ですが」
「構わないよ。アルフレッドの体が優先だ」
「ラスティ様……」
アルフレッドは涙を流し感激していた。
良かった、戻ってきてくれて。
* * *
壊れた壁とかはスキルで修繕した。
その後、俺は地下牢へひとりで向かった。
「……これは惨い」
ヤスツナの仲間だったドムや男達が惨殺されていた。敵とはいえ、こんな死に方は酷過ぎる。これが悪魔のやり方だというのなら……許せない。
踵を返し、俺は地下牢を後にした。
階段を上がっていくと、エドゥがいた。
「地下牢を見たのですね、ラスティ様」
「まあな。ヤツ等は後で弔ってやる」
「……それなら心配いらないです。たった今、自分が水葬しておきました。海洋散骨です」
「そうか……手間を掛けさせたな」
「いえ、大賢者として当然の仕事をしたまでです」
賢者ってそういうものだっけ……?
でも、ありがたい。
「ありがとう、エドゥ」
「いえいえ」
「そういえば、騎士団を結成するんだが聞いたか?」
「ルドミラちゃんが言っていましたね。まさかここへ来てまた騎士団に所属することになるとは」
「無理に所属しなくてもいいぞ。ここは自由だから」
「いえ、世界が危機的状況に陥っていますし、このラルゴを守らなければなりません。自分も参戦いたします」
「マジか! それは助かる。エドゥ、これからも俺に力を貸してくれ」
「もちろんです。その代わり、甘えさせてください」
「なぬ!?」
エドゥはいきなり俺に抱きついてきた。
いつも澄ましたクールな顔をしているのに、内面的には甘えん坊なのかも。
「……ラスティ様」
「エドゥ……仕方ないな」
ぎゅっと抱きしめると、エドゥは嬉しそうに頬んだ。笑えば天使のように可愛いな。
* * *
エドゥと別れ、外へ出ると街に変化があった。
新しいお店がオープンしたり、喫茶店などレストランがあったりなど活気に満ち溢れていた。
おぉ、露店もあるじゃないか。
早くも洞窟ダンジョンの攻略組がレアアイテムを獲得してきたようだな。
貨幣もベルリオーズ金貨、ヴォルムゼル銀貨、アリアーガ銅貨が流通しているし、経済も回り始めていた。
凄いな、俺が手を加えなくとも街は人々によってどんどん発展していく。人間の力は凄いな。
感服していると、反対側からテオドールがやってきた。
「ラスティ! 探したぞ」
「どうしたんだい、テオドール」
「場内で事件があったそうじゃないか。ルドミラが大慌てだったぞ」
「そうだった……ルドミラにも伝えないと。忘れていた」
「もう解決したのか?」
「ああ、さっきね。テオドールは何をしていたんだ?」
「私はペットショップ、ポーション屋、鍛冶屋を経営していて多忙なんだ」
トリプルジョブを最大限に活かしているわけか。さすがだ。
「その調子で頼む」
「では、私は戻るが……大丈夫だろうね?」
「こっちは平気さ。テオドールも頑張って」
「また会おう、ラスティ」
テオドールと別れた。
俺は冒険者ギルドを見てみようかな。
トレニアがいるはずだ。
ヤスツナは塵となって消滅した。
……コイツ、人間じゃなかったのか。ヤスツナが塵となった中から小さな悪魔が現れたんだ。つまり……コイツは何なんだ……?
「ラスティ様、終わったのですね」
「ああ、アルフレッド。だが、この悪魔はなんだ」
「聞いたことがあります。人間に似せて作った悪魔が存在すると。なので、この悪魔は魔界の者でしょう」
「なんだって……!?」
「ニールセンという人物は、何かしらの方法で偽人間を作り出しているのでしょう」
偽人間……そんなものを作っているだと。恐ろしいヤツだな、ニールセン。そうか、だけど分かった。ヤスツナの異常性が悪魔の仕業だということが。
「情報をありがとう、アルフレッド。とにかく、お前はまだ目覚めたばかり、休め」
「……ありがたきお言葉。ですが」
「構わないよ。アルフレッドの体が優先だ」
「ラスティ様……」
アルフレッドは涙を流し感激していた。
良かった、戻ってきてくれて。
* * *
壊れた壁とかはスキルで修繕した。
その後、俺は地下牢へひとりで向かった。
「……これは惨い」
ヤスツナの仲間だったドムや男達が惨殺されていた。敵とはいえ、こんな死に方は酷過ぎる。これが悪魔のやり方だというのなら……許せない。
踵を返し、俺は地下牢を後にした。
階段を上がっていくと、エドゥがいた。
「地下牢を見たのですね、ラスティ様」
「まあな。ヤツ等は後で弔ってやる」
「……それなら心配いらないです。たった今、自分が水葬しておきました。海洋散骨です」
「そうか……手間を掛けさせたな」
「いえ、大賢者として当然の仕事をしたまでです」
賢者ってそういうものだっけ……?
でも、ありがたい。
「ありがとう、エドゥ」
「いえいえ」
「そういえば、騎士団を結成するんだが聞いたか?」
「ルドミラちゃんが言っていましたね。まさかここへ来てまた騎士団に所属することになるとは」
「無理に所属しなくてもいいぞ。ここは自由だから」
「いえ、世界が危機的状況に陥っていますし、このラルゴを守らなければなりません。自分も参戦いたします」
「マジか! それは助かる。エドゥ、これからも俺に力を貸してくれ」
「もちろんです。その代わり、甘えさせてください」
「なぬ!?」
エドゥはいきなり俺に抱きついてきた。
いつも澄ましたクールな顔をしているのに、内面的には甘えん坊なのかも。
「……ラスティ様」
「エドゥ……仕方ないな」
ぎゅっと抱きしめると、エドゥは嬉しそうに頬んだ。笑えば天使のように可愛いな。
* * *
エドゥと別れ、外へ出ると街に変化があった。
新しいお店がオープンしたり、喫茶店などレストランがあったりなど活気に満ち溢れていた。
おぉ、露店もあるじゃないか。
早くも洞窟ダンジョンの攻略組がレアアイテムを獲得してきたようだな。
貨幣もベルリオーズ金貨、ヴォルムゼル銀貨、アリアーガ銅貨が流通しているし、経済も回り始めていた。
凄いな、俺が手を加えなくとも街は人々によってどんどん発展していく。人間の力は凄いな。
感服していると、反対側からテオドールがやってきた。
「ラスティ! 探したぞ」
「どうしたんだい、テオドール」
「場内で事件があったそうじゃないか。ルドミラが大慌てだったぞ」
「そうだった……ルドミラにも伝えないと。忘れていた」
「もう解決したのか?」
「ああ、さっきね。テオドールは何をしていたんだ?」
「私はペットショップ、ポーション屋、鍛冶屋を経営していて多忙なんだ」
トリプルジョブを最大限に活かしているわけか。さすがだ。
「その調子で頼む」
「では、私は戻るが……大丈夫だろうね?」
「こっちは平気さ。テオドールも頑張って」
「また会おう、ラスティ」
テオドールと別れた。
俺は冒険者ギルドを見てみようかな。
トレニアがいるはずだ。
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