無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ

桜井正宗

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楽園の島国ラルゴ

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「聖槍・グングニル!!」

 悪だけに狙いを定め、俺は槍を穿うがった。
 光速となった聖槍はグスタフの顔面に命中。
 首を引き千切る勢いで吹き飛び、ヤツは海へぶっ飛んでいった。


「ぐおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!?」


 海が真っ二つに割れる・・・ほどの威力だった。
 もうグスタフの姿はない。
 水平線の彼方だ。


「……ふぅ。たいしたことなかったな。君、大丈夫か」


 俺は女の子の無事を確認した。
 うん、ケガはないな。


「お、お兄ちゃん。助けてくれてありがとう……」
「俺の方こそ怖い思いをさせて悪かったな」

 女の子を抱き上げ、家族の元へ返した。
 両親は何度も頭を下げて感謝をした。


「ありがとうございます。ありがとうございます!」
「おかげで娘が助かりました……」


「こちらもあんな輩がいるとは思わず……申し訳ない」


 俺がそう謝罪すると父親の方が頭を横に振った。


「とんでもない! あなたのような強い人が国の主ならば心強いです! それに、娘を助けて下さった英雄ですよ!!」

「いや、そんな」


 そんな時、屋敷の方から声が沸いていた。


「さっきの光は何だったんだ!?」「なんか花火みたいな……」「いや、もっと凄い光だったぞ」「いったい、何が起きた」「ん? あそこに家族連れが」「俺、さっき見たけど国の主様らしき男が子供を守ってたよ」「あの少年が!? 信じられねえ!」「てか、王様って少年なのかよ!!」「うそー、でも強いんだな」


 いつの間にか絶賛されるようになって、俺は照れた。
 立ち尽くしていると、スコルとハヴァマールが慌てて駆け寄ってきた。


「ラスティさん、さっきの光って!」
「兄上、まさかグングニルを!」


「あ、ああ……ニールセンの刺客が船に乗っていたんだ。俺を狙っていた」


 そう説明するとスコルは涙目に。
 まさか、俺の為に泣いてくれてる!?

 というハヴァマールも泣きそうに。
 そんな心配しなくとも。


「良かった……ご無事で」
「俺もまさか船に敵がいるとは思わなかった」

 スコルは、俺に抱きついてきて離れなかった。……そんなに心配を掛けてしまったか。

「むぅ、余も兄上に抱きつきたいのだ」
「ハヴァマールも来るか?」
「いいのか!? でも、お仕事が……」
「あ、そうか。すまん、後で」
「分かったのだ。今はその席をスコルに譲るのだ。ではでは!」

 ハヴァマールは仕事へ戻った。
 ああいう素直なところが好きだな。

「その、スコル。俺は大丈夫だ。……でも、しばらくこうしていたい」

 俺の胸に顔を埋めるスコルは、静かに頷く。
 たまにはこうして二人きりで抱き合うのも……良いな。


 * * *


 ――三日後。

 グスタフを撃退した事実が広がり、移住希望者は更なる希望を見出したようだ。その噂は国外にも伝わり、ラルゴがいつしか『楽園』と呼ばれるようになった。

 そんな楽園を求めて不法侵入する者が後を絶たない。

 俺は国を守るために島全体に高い壁・・・を築いた。

 どれくらい高いかと言えば、人が簡単に登れるようなものではない高さだ。

 けれど、全ての場所に壁を建てたわけではないから、完璧とは言えなかった。

 壁を建てられない場所には警告射撃をする『撃退兵器』を設置。

 俺はどんどん兵器を置いて防衛力を高めた。


 ――城内・大広間――

 あれから三日。
 俺はルドミラから報告を受けていた。


「――移住者は三千人を超えました。ラスティくん、家の方をそろそろ増築していただけませんか。また、雇用ですが今のところは農作業で三百名ほどを動かしています」

「随分と動いたな」

「冒険者も多く、ダンジョン攻略へ向かう者も多いですね」
「それは良いことだ。俺の作った島限定のダンジョンで楽しんでもらうのも一興だ。もしかしたら、レアアイテムとか出てくるかも」


 俺の知らないところで既にギルドも結成されていた。今は三組ほどあるらしく、どのギルドも洞窟にあるダンジョンへ潜っている。

 そんな中、マットが現れた。

「ラスティ、僕に学校の先生をやって欲しいって!?」
「よう、マット。そうなんだ、君の知恵は人々に恩恵をもたらす。これから、ニールセンが攻めてくる可能性が高いし、人々に自衛の為の魔法スキルを教えてあげて欲しい」

「それは名案だ! ただのんびり暮らすなんて退屈すぎる! では、僕は学校を開くよ。ラスティ、君の力で学校を作ってくれ!」

「いいよ。じゃあ、少し待っていてくれ」
「分かった。僕はエドゥに頼んで教科書でも作るよ!」

 走り去っていくマット。
 なんだか今までで一番生き生きとしているな。

 よし、国全体に手を加えていかないとな。
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