163 / 476
帰還、再会、波乱
しおりを挟む
港に着き、船を降りる。
ルドミラとエドゥ、そしてハヴァマールから歓迎を受けて抱きつかれた。
「待っていた、ラスティくん」
「おっす、ルドミラ。ドヴォルザーク帝国から戻ったよ。そっちは元気そうだけど変わりはないか?」
「みんな健康に問題はないよ。ただ、報告は一件ある」
「む? そうか。後で頼む」
一件かあ。何事だろうな。
少し嫌な予感がするが――まあいいや。
今はみんなの無事を祝おう。
「久しぶりです、ラスティ様」
「エドゥも元気そうだな」
「はい、あれからずっと島を守っていました。調査も随分進みましたよ」
「おぉ、さすがだな。こっちも移住希望者を募ってきたところだ」
「ついに人がやってくるのですね!」
エドゥは変わりなくか。
さて、次に照れ臭そうに立ち尽くす我が妹。
「どうした、ハヴァマール。なんか、らしくないぞ」
「うぅ……兄上」
「おいおい、まさか離れ離れになって寂しかったのか?」
「そ、そんなことはない! 断じて!」
とか言いつつも動揺してるな。
まさかこの兄を思ってくれていたとはな。けど、ハヴァマールのおかげで『聖槍グングニル』を使用できるようになったし、助かった場面は多かった。
「ハヴァマール、こっちへ来い」
「そ、そのぉ……うん」
走って来るハヴァマールは、俺に抱きついて来た。まさか、寂しい思いをさせてしまっていたとは。
猫耳が垂れ下がっているし、尻尾も元気がない。
妹は連れていくべきだったかもしれないな。ちょっと反省しつつ、俺はハヴァマールの頭を撫でた。
最後に気になる人物。
ロープでぐるぐる巻きにされたテオドール。口元も布で塞がれているし、苦しそうだ。いったい、何をしたらそうなるんだか。
「なあ、ルドミラさん。テオドールなんだが」
「やっぱり気になる?」
「そりゃな。これでは、挨拶も交わせないぞ。何があった?」
「うん。実はね、神聖王国ガブリエルの刺客が現れたんだ」
「なんだって!?」
俺とスコル、ストレルカが船でドヴォルザーク帝国へ旅立った後、神聖王国ガブリエルから来たという青年に襲われたらしい。
名を『ヤスツナ』というらしい。
変わった名だな。
まるで“異国”の人みたいだ。
「――で、私が倒して牢にぶち込んだんだ」
「それがどうテオドールに関係するんだ?」
そこからはエドゥが話してくれた。
「そのヤスツナは、他人の体に乗り移る特殊なスキルを持っていたんです。だから、今のテオドールの中には『ヤスツナ』がいるんです」
「なっ!!」
そんな馬鹿な。乗り移る能力だって?
それでこんなグルグル巻きに拘束されていたのか。
スコルが心配そうな顔で「なんとかならないのですか?」とエドゥに聞くけど、首を横に振るだけだった。
「それが、未知の力が使われているんです」
それは大賢者であるエドゥにすら分からない代物らしい。マジかよ。コイツが分からないなら、誰が分かるんだ。
神聖王国ガブリエルの謎技術ってことか。
――ん?
待てよ。
神聖王国ガブリエルか。
「そうだ、みんなに紹介していなかった」
みんな「?」と浮かべ、俺に注目する。俺は懐から、超ミニマムサイズの獣人ドムを取り出した。ドムは諦めているのか眠っていたけど。
「兄上、それは?」
ハヴァマールが珍しそうにのぞき込む。
「うん。コイツは『ドム』。ちっこいけど獣人だ。ドヴォルザーク帝国で襲われてな。なんと神聖王国ガブリエルからやって来た男だ」
「な、なんと! 兄上の方でも襲われていたのだな」
「そうなんだ、ハヴァマール」
このドムなら、ヤスツナのことについて何か知っているかもしれない。俺は眠っている掌サイズのドムを指で突く。
瞬間、サイズが戻っていく。
そうか、スキルの有効期限が切れたのか。
「んぉ!? んおおおおおおおお!!」
ムクムクと多くなっていくドムは、元のサイズに戻った。こうして見ればデケェな。
瞬間、ドムは殺意をもって近くにいたハヴァマールを人質に取った。
「しまった! ハヴァマール!!」
「あ、兄上……」
ドムのゴツイ腕の中でハヴァマールは涙を流す。くそっ、スコルが施してくれた『ミニマム』の効果がこんなタイミングで切れるとは――!
「フハハハハハ!! 油断したな、ラスティ!! この間抜けが!! これで形勢逆転ってわけだ」
「ドム、てめえ」
「お~っと、動くんじゃねぇぞ! この銀髪の嬢ちゃんの顔がどうなっても知らねぇぜ? いっそ、お前の目の前で服をひん剥いてやろうか!?」
邪悪に笑うドム。
……ああ、そうだ、この男は『神聖王国ガブリエル』の刺客。敵だ。
当然、元に戻ればどんな手段を使ってでも俺を苦しめてくる。そういう男だ。
「ドム、ひとつ聞かせろ」
「あぁん!? 俺様と取引ってか!? まあいいぜ、言ってみろ」
「そこのテオドールに『ヤスツナ』ってヤツが乗り移っている。元に戻す方法はあるのか?」
「ヤスツナぁ? ああ、あの若造か。異国出身で、なぜかニールセン様に気に入られているんだ。気に食わねえ」
「元に戻す方法は知らないか?」
「あぁ? 馬鹿かお前。誰がそんなことを教えるか!!」
――ということは、なにか知っているようだな。ドムは、ヤスツナを知っているようだし……つまり、関係者。幹部クラスの繋がりがあると推測できる。
「分かったよ、ドム」
「動くなって言ったろ! お前の妹だか知らんが、殺すぞ!!」
「分かっていないな、お前は」
「なに? 分かっていない??」
「この島はな、俺の島なんだ。無人島開発スキルで作り上げた最強の島なんだぜ」
俺は手を挙げた。
すると後方の地面から『砲台』が上がった。
秘密兵器を隠しておいて良かった。
これを使う時がきた。
「な、なにをする気だ!?」
「てめぇには、これを『魔導レーザー兵器』をお見舞いしてやる!! いけえええええええええ!!」
火力を最大にするとハヴァマールまで巻き込んでしまうので、俺は威力を調整。一番弱い火力のレーザーを放った。
「ばかなあああああああああああああああああ!!! うあああああああああああああああ!!」
ドムの顔面に命中して一気に海へ押し出す。その隙に俺はハヴァマールを救出した。
ルドミラとエドゥ、そしてハヴァマールから歓迎を受けて抱きつかれた。
「待っていた、ラスティくん」
「おっす、ルドミラ。ドヴォルザーク帝国から戻ったよ。そっちは元気そうだけど変わりはないか?」
「みんな健康に問題はないよ。ただ、報告は一件ある」
「む? そうか。後で頼む」
一件かあ。何事だろうな。
少し嫌な予感がするが――まあいいや。
今はみんなの無事を祝おう。
「久しぶりです、ラスティ様」
「エドゥも元気そうだな」
「はい、あれからずっと島を守っていました。調査も随分進みましたよ」
「おぉ、さすがだな。こっちも移住希望者を募ってきたところだ」
「ついに人がやってくるのですね!」
エドゥは変わりなくか。
さて、次に照れ臭そうに立ち尽くす我が妹。
「どうした、ハヴァマール。なんか、らしくないぞ」
「うぅ……兄上」
「おいおい、まさか離れ離れになって寂しかったのか?」
「そ、そんなことはない! 断じて!」
とか言いつつも動揺してるな。
まさかこの兄を思ってくれていたとはな。けど、ハヴァマールのおかげで『聖槍グングニル』を使用できるようになったし、助かった場面は多かった。
「ハヴァマール、こっちへ来い」
「そ、そのぉ……うん」
走って来るハヴァマールは、俺に抱きついて来た。まさか、寂しい思いをさせてしまっていたとは。
猫耳が垂れ下がっているし、尻尾も元気がない。
妹は連れていくべきだったかもしれないな。ちょっと反省しつつ、俺はハヴァマールの頭を撫でた。
最後に気になる人物。
ロープでぐるぐる巻きにされたテオドール。口元も布で塞がれているし、苦しそうだ。いったい、何をしたらそうなるんだか。
「なあ、ルドミラさん。テオドールなんだが」
「やっぱり気になる?」
「そりゃな。これでは、挨拶も交わせないぞ。何があった?」
「うん。実はね、神聖王国ガブリエルの刺客が現れたんだ」
「なんだって!?」
俺とスコル、ストレルカが船でドヴォルザーク帝国へ旅立った後、神聖王国ガブリエルから来たという青年に襲われたらしい。
名を『ヤスツナ』というらしい。
変わった名だな。
まるで“異国”の人みたいだ。
「――で、私が倒して牢にぶち込んだんだ」
「それがどうテオドールに関係するんだ?」
そこからはエドゥが話してくれた。
「そのヤスツナは、他人の体に乗り移る特殊なスキルを持っていたんです。だから、今のテオドールの中には『ヤスツナ』がいるんです」
「なっ!!」
そんな馬鹿な。乗り移る能力だって?
それでこんなグルグル巻きに拘束されていたのか。
スコルが心配そうな顔で「なんとかならないのですか?」とエドゥに聞くけど、首を横に振るだけだった。
「それが、未知の力が使われているんです」
それは大賢者であるエドゥにすら分からない代物らしい。マジかよ。コイツが分からないなら、誰が分かるんだ。
神聖王国ガブリエルの謎技術ってことか。
――ん?
待てよ。
神聖王国ガブリエルか。
「そうだ、みんなに紹介していなかった」
みんな「?」と浮かべ、俺に注目する。俺は懐から、超ミニマムサイズの獣人ドムを取り出した。ドムは諦めているのか眠っていたけど。
「兄上、それは?」
ハヴァマールが珍しそうにのぞき込む。
「うん。コイツは『ドム』。ちっこいけど獣人だ。ドヴォルザーク帝国で襲われてな。なんと神聖王国ガブリエルからやって来た男だ」
「な、なんと! 兄上の方でも襲われていたのだな」
「そうなんだ、ハヴァマール」
このドムなら、ヤスツナのことについて何か知っているかもしれない。俺は眠っている掌サイズのドムを指で突く。
瞬間、サイズが戻っていく。
そうか、スキルの有効期限が切れたのか。
「んぉ!? んおおおおおおおお!!」
ムクムクと多くなっていくドムは、元のサイズに戻った。こうして見ればデケェな。
瞬間、ドムは殺意をもって近くにいたハヴァマールを人質に取った。
「しまった! ハヴァマール!!」
「あ、兄上……」
ドムのゴツイ腕の中でハヴァマールは涙を流す。くそっ、スコルが施してくれた『ミニマム』の効果がこんなタイミングで切れるとは――!
「フハハハハハ!! 油断したな、ラスティ!! この間抜けが!! これで形勢逆転ってわけだ」
「ドム、てめえ」
「お~っと、動くんじゃねぇぞ! この銀髪の嬢ちゃんの顔がどうなっても知らねぇぜ? いっそ、お前の目の前で服をひん剥いてやろうか!?」
邪悪に笑うドム。
……ああ、そうだ、この男は『神聖王国ガブリエル』の刺客。敵だ。
当然、元に戻ればどんな手段を使ってでも俺を苦しめてくる。そういう男だ。
「ドム、ひとつ聞かせろ」
「あぁん!? 俺様と取引ってか!? まあいいぜ、言ってみろ」
「そこのテオドールに『ヤスツナ』ってヤツが乗り移っている。元に戻す方法はあるのか?」
「ヤスツナぁ? ああ、あの若造か。異国出身で、なぜかニールセン様に気に入られているんだ。気に食わねえ」
「元に戻す方法は知らないか?」
「あぁ? 馬鹿かお前。誰がそんなことを教えるか!!」
――ということは、なにか知っているようだな。ドムは、ヤスツナを知っているようだし……つまり、関係者。幹部クラスの繋がりがあると推測できる。
「分かったよ、ドム」
「動くなって言ったろ! お前の妹だか知らんが、殺すぞ!!」
「分かっていないな、お前は」
「なに? 分かっていない??」
「この島はな、俺の島なんだ。無人島開発スキルで作り上げた最強の島なんだぜ」
俺は手を挙げた。
すると後方の地面から『砲台』が上がった。
秘密兵器を隠しておいて良かった。
これを使う時がきた。
「な、なにをする気だ!?」
「てめぇには、これを『魔導レーザー兵器』をお見舞いしてやる!! いけえええええええええ!!」
火力を最大にするとハヴァマールまで巻き込んでしまうので、俺は威力を調整。一番弱い火力のレーザーを放った。
「ばかなあああああああああああああああああ!!! うあああああああああああああああ!!」
ドムの顔面に命中して一気に海へ押し出す。その隙に俺はハヴァマールを救出した。
0
お気に入りに追加
555
あなたにおすすめの小説

二人分働いてたのに、「聖女はもう時代遅れ。これからはヒーラーの時代」と言われてクビにされました。でも、ヒーラーは防御魔法を使えませんよ?
小平ニコ
ファンタジー
「ディーナ。お前には今日で、俺たちのパーティーを抜けてもらう。異論は受け付けない」
勇者ラジアスはそう言い、私をパーティーから追放した。……異論がないわけではなかったが、もうずっと前に僧侶と戦士がパーティーを離脱し、必死になって彼らの抜けた穴を埋めていた私としては、自分から頭を下げてまでパーティーに残りたいとは思わなかった。
ほとんど喧嘩別れのような形で勇者パーティーを脱退した私は、故郷には帰らず、戦闘もこなせる武闘派聖女としての力を活かし、賞金首狩りをして生活費を稼いでいた。
そんなある日のこと。
何気なく見た新聞の一面に、驚くべき記事が載っていた。
『勇者パーティー、またも敗走! 魔王軍四天王の前に、なすすべなし!』
どうやら、私がいなくなった後の勇者パーティーは、うまく機能していないらしい。最新の回復職である『ヒーラー』を仲間に加えるって言ってたから、心配ないと思ってたのに。
……あれ、もしかして『ヒーラー』って、完全に回復に特化した職業で、聖女みたいに、防御の結界を張ることはできないのかしら?
私がその可能性に思い至った頃。
勇者ラジアスもまた、自分の判断が間違っていたことに気がついた。
そして勇者ラジアスは、再び私の前に姿を現したのだった……

追放された魔女は、実は聖女でした。聖なる加護がなくなった国は、もうおしまいのようです【第一部完】
小平ニコ
ファンタジー
人里離れた森の奥で、ずっと魔法の研究をしていたラディアは、ある日突然、軍隊を率いてやって来た王太子デルロックに『邪悪な魔女』呼ばわりされ、国を追放される。
魔法の天才であるラディアは、その気になれば軍隊を蹴散らすこともできたが、争いを好まず、物や場所にまったく執着しない性格なので、素直に国を出て、『せっかくだから』と、旅をすることにした。
『邪悪な魔女』を追い払い、国民たちから喝采を浴びるデルロックだったが、彼は知らなかった。魔女だと思っていたラディアが、本人も気づかぬうちに、災いから国を守っていた聖女であることを……

聖女の力を隠して塩対応していたら追放されたので冒険者になろうと思います
登龍乃月
ファンタジー
「フィリア! お前のような卑怯な女はいらん! 即刻国から出てゆくがいい!」
「え? いいんですか?」
聖女候補の一人である私、フィリアは王国の皇太子の嫁候補の一人でもあった。
聖女となった者が皇太子の妻となる。
そんな話が持ち上がり、私が嫁兼聖女候補に入ったと知らされた時は絶望だった。
皇太子はデブだし臭いし歯磨きもしない見てくれ最悪のニキビ顔、性格は傲慢でわがまま厚顔無恥の最悪を極める、そのくせプライド高いナルシスト。
私の一番嫌いなタイプだった。
ある日聖女の力に目覚めてしまった私、しかし皇太子の嫁になるなんて死んでも嫌だったので一生懸命その力を隠し、皇太子から嫌われるよう塩対応を続けていた。
そんなある日、冤罪をかけられた私はなんと国外追放。
やった!
これで最悪な責務から解放された!
隣の国に流れ着いた私はたまたま出会った冒険者バルトにスカウトされ、冒険者として新たな人生のスタートを切る事になった。
そして真の聖女たるフィリアが消えたことにより、彼女が無自覚に張っていた退魔の結界が消え、皇太子や城に様々な災厄が降りかかっていくのであった。

私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜
AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。
そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。
さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。
しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。
それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。
だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。
そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。

【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う
たくみ
ファンタジー
圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。
アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。
ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?
それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。
自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。
このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。
それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。
※小説家になろうさんで投稿始めました

強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは

子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…

婚約破棄された上に国外追放された聖女はチート級冒険者として生きていきます~私を追放した王国が大変なことになっている?へぇ、そうですか~
夏芽空
ファンタジー
無茶な仕事量を押し付けられる日々に、聖女マリアはすっかり嫌気が指していた。
「聖女なんてやってられないわよ!」
勢いで聖女の杖を叩きつけるが、跳ね返ってきた杖の先端がマリアの顎にクリーンヒット。
そのまま意識を失う。
意識を失ったマリアは、暗闇の中で前世の記憶を思い出した。
そのことがきっかけで、マリアは強い相手との戦いを望むようになる。
そしてさらには、チート級の力を手に入れる。
目を覚ましたマリアは、婚約者である第一王子から婚約破棄&国外追放を命じられた。
その言葉に、マリアは大歓喜。
(国外追放されれば、聖女という辛いだけの役目から解放されるわ!)
そんな訳で、大はしゃぎで国を出ていくのだった。
外の世界で冒険者という存在を知ったマリアは、『強い相手と戦いたい』という前世の自分の願いを叶えるべく自らも冒険者となり、チート級の力を使って、順調にのし上がっていく。
一方、マリアを追放した王国は、その軽率な行いのせいで異常事態が発生していた……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる