無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ

桜井正宗

文字の大きさ
上 下
151 / 478

最強の門番

しおりを挟む
 部屋へ戻り、ストレルカにも説明した。ドヴォルザーク帝国に不穏な動きがあること。レオポルド騎士団のことを。

 全てを説明し終えると、ストレルカは理解を示した。

「そうだったんですね。今の騎士団長がアルフレッドさんの名を名乗っているのですね。いったい何者なのでしょう。本人なわけないでしょうし」

「明日、それを確認する為にレオポルド騎士団へ乗り込もうと思う」
「分かりました。わたくしも同行します」


 話がまとまったところで今日は寝ることにした。部屋にはベッドが二つある。広く快適に寝れるふかふか高級ベッドだ。
 少し前から眠気に襲われているし、横になったら一瞬で眠ってしまいそうだな。

「ふたりとも使うといい。俺はソファで寝る」


「えっ、ラスティさんも一緒に寝ましょう」
「そうですよ。スコルさんの言う通りです! ラスティ様もベッドをお使い下さい」

「けど、うーん……」


 困っているとスコルがとんでもない提案をした。


「ラスティさん、三人で寝ればいいんですよぉ~」


 その手があったか――って、マジか!! それはつまり、スコルとストレルカに挟まれて寝るってことか? いや、挟まれる必要はないかもだが、そんな光景が目に浮かぶようだった。

「スコルさん、それです! ラスティ様を離さないように腕を組むんですよ」
「おぉ! ストレルカさん、それでいきましょう」

 二人は俺の方へ近づくなり、腕を絡めてくる。右も左も捕らえられ、俺は身動きできなくなった。そのままベッドまで強制連行、結局挟まれて眠る羽目になった。

 なんだこの状況。
 どうしてこうなった!?

 二人が俺を見つめてくる。

 どっちを見ればいいんだよ、これ。

 スコルは、エメラルドグリーンの瞳で見つめてきて――息を吹きかけてくる。俺は、ぞくっときて眠気が吹っ飛んだ。そしてストレルカは、俺の胸元あたりを擦ってきた。

 こ、これは……!

 ――って、こんなんで寝れるかッ!

 嬉しいけど寝れる予感がしない。
 このままだと寝不足コース必至だ。


「ふ、二人とも……近いって。もう少し離れてくれないか」


 だが、二人ともそのままだった。
 ……くそう、だめか。

 仕方ない、このまままぶたを閉じて……寝よう。スコルとストレルカの体温が温かくて、ポカポカしていた。……あれ、意外と寝れそうだぞ。

 最初は、ドキドキして心臓が破裂しそうだったけれど、今は落ち着いてすらいた。なんか居心地いいっていうか、スコルは包み込むような安心感あるし、ストレルカは優しさがあった。

 そうか、これがぬくもり・・・・か。


 * * *


 早朝、ホテルをチェックアウトして外へ出た。
 最高のホテルだったな。もう少し満喫したかったけど、今は騎士団が優先だ。レオポルド騎士団。

 アルフレッドを名乗る騎士団長の正体を暴く。偽物なら正義の鉄槌を下す。でも、本物ならどうする?

 俺は……。
 俺は……。

 いや、そんなはずはないんだ。
 本物のアルフレッドは、俺の島で安らかに眠っている――はずなんだ。くそう、島へ戻れれば確認できるだけどな。

 こんな時、エドゥからテレパシーがあるといいんだが、その兆候はなかった。こちらからも連絡できればな。

「スコル、ストレルカ。レオポルド騎士団は西の方角だ。歩いて向かうぞ」

「分かりました。ついていきますね!」

 スコルは元気な返事をくれた。
 だが、ストレルカは沈黙していた。
 おや?


「…………」
「どうした、ストレルカ」

「い、いえ。その少々嫌な予感がして……朝も部屋の花瓶が割れましたし、靴紐も千切れるし……変な声が聞こえたりで怖いんです」


 ホテルでそんな事があったのか。不吉だな。けど、それでも向かわねばならない。ホテルを立ち去り、俺たちは騎士団を目指した。


 * * *


 ドヴォルザーク帝国の西地区。
 レオポルド騎士団が近づくにつれ、聖騎士の姿も多くなった。俺を知る騎士もいるようで、ギョッとしていた。いかんな、かつての知り合いもいるかもしれない。

 その予想は当たった。

 騎士団の前につくと門番が駆け寄ってきて、俺を睨んだ。やっべ、いきなり捕まった。

「そこのあなた様! その顔に覚えがある! あなた様はまさか……!!」
「よう、久しぶりだな……シベリウス」

 シベリウス、その名は偽名。
 本当の名は『ブルース』という。

 レオポルド騎士団の最強の門番・・・・・にして、あのアルフレッドの息子だ。つまり、ブルース・スナイダーということになる。

 偽名なのは、理由を教えてくれなかったけど今なら分かる気がした。そうか、まだ門番をやっていたんだな。ちょうどいい、騎士団長のことを聞き出す。
しおりを挟む
感想 14

あなたにおすすめの小説

無限初回ログインボーナスを貰い続けて三年 ~辺境伯となり辺境領地生活~

桜井正宗
ファンタジー
 元恋人に騙され、捨てられたケイオス帝国出身の少年・アビスは絶望していた。資産を奪われ、何もかも失ったからだ。  仕方なく、冒険者を志すが道半ばで死にかける。そこで大聖女のローザと出会う。幼少の頃、彼女から『無限初回ログインボーナス』を授かっていた事実が発覚。アビスは、三年間もの間に多くのログインボーナスを受け取っていた。今まで気づかず生活を送っていたのだ。  気づけばSSS級の武具アイテムであふれかえっていた。最強となったアビスは、アイテムの受け取りを拒絶――!?

隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜

桜井正宗
ファンタジー
 能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。  スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。  真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。

金貨増殖バグが止まらないので、そのまま快適なスローライフを送ります

桜井正宗
ファンタジー
 無能の落ちこぼれと認定された『ギルド職員』兼『ぷちドラゴン』使いの『ぷちテイマー』のヘンリーは、職員をクビとなり、国さえも追放されてしまう。  突然、空から女の子が降ってくると、キャッチしきれず女の子を地面へ激突させてしまう。それが聖女との出会いだった。  銀髪の自称聖女から『ギフト』を貰い、ヘンリーは、両手に持てない程の金貨を大量に手に入れた。これで一生遊んで暮らせると思いきや、金貨はどんどん増えていく。増殖が止まらない金貨。どんどん増えていってしまった。  聖女によれば“金貨増殖バグ”だという。幸い、元ギルド職員の権限でアイテムボックス量は無駄に多く持っていたので、そこへ保管しまくった。  大金持ちになったヘンリーは、とりあえず念願だった屋敷を買い……スローライフを始めていく!?

追放された魔女は、実は聖女でした。聖なる加護がなくなった国は、もうおしまいのようです【第一部完】

小平ニコ
ファンタジー
人里離れた森の奥で、ずっと魔法の研究をしていたラディアは、ある日突然、軍隊を率いてやって来た王太子デルロックに『邪悪な魔女』呼ばわりされ、国を追放される。 魔法の天才であるラディアは、その気になれば軍隊を蹴散らすこともできたが、争いを好まず、物や場所にまったく執着しない性格なので、素直に国を出て、『せっかくだから』と、旅をすることにした。 『邪悪な魔女』を追い払い、国民たちから喝采を浴びるデルロックだったが、彼は知らなかった。魔女だと思っていたラディアが、本人も気づかぬうちに、災いから国を守っていた聖女であることを……

お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。

幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』 電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。 龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。 そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。 盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。 当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。 今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。 ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。 ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ 「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」 全員の目と口が弧を描いたのが見えた。 一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。 作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌() 15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26

姉の陰謀で国を追放された第二王女は、隣国を発展させる聖女となる【完結】

小平ニコ
ファンタジー
幼少期から魔法の才能に溢れ、百年に一度の天才と呼ばれたリーリエル。だが、その才能を妬んだ姉により、無実の罪を着せられ、隣国へと追放されてしまう。 しかしリーリエルはくじけなかった。持ち前の根性と、常識を遥かに超えた魔法能力で、まともな建物すら存在しなかった隣国を、たちまちのうちに強国へと成長させる。 そして、リーリエルは戻って来た。 政治の実権を握り、やりたい放題の振る舞いで国を乱す姉を打ち倒すために……

自分が作ったSSSランクパーティから追放されたおっさんは、自分の幸せを求めて彷徨い歩く。〜十数年酷使した体は最強になっていたようです〜

ねっとり
ファンタジー
世界一強いと言われているSSSランクの冒険者パーティ。 その一員であるケイド。 スーパーサブとしてずっと同行していたが、パーティメンバーからはただのパシリとして使われていた。 戦闘は役立たず。荷物持ちにしかならないお荷物だと。 それでも彼はこのパーティでやって来ていた。 彼がスカウトしたメンバーと一緒に冒険をしたかったからだ。 ある日仲間のミスをケイドのせいにされ、そのままパーティを追い出される。 途方にくれ、なんの目的も持たずにふらふらする日々。 だが、彼自身が気付いていない能力があった。 ずっと荷物持ちやパシリをして来たケイドは、筋力も敏捷も凄まじく成長していた。 その事実をとあるきっかけで知り、喜んだ。 自分は戦闘もできる。 もう荷物持ちだけではないのだと。 見捨てられたパーティがどうなろうと知ったこっちゃない。 むしろもう自分を卑下する必要もない。 我慢しなくていいのだ。 ケイドは自分の幸せを探すために旅へと出る。 ※小説家になろう様でも連載中

良家で才能溢れる新人が加入するので、お前は要らないと追放された後、偶然お金を落とした穴が実はガチャで全財産突っ込んだら最強になりました

ぽいづん
ファンタジー
ウェブ・ステイは剣士としてパーティに加入しそこそこ活躍する日々を過ごしていた。 そんなある日、パーティリーダーからいい話と悪い話があると言われ、いい話は新メンバー、剣士ワット・ファフナーの加入。悪い話は……ウェブ・ステイの追放だった…… 失意のウェブは気がつくと街外れをフラフラと歩き、石に躓いて転んだ。その拍子にポケットの中の銅貨1枚がコロコロと転がり、小さな穴に落ちていった。 その時、彼の目の前に銅貨3枚でガチャが引けます。という文字が現れたのだった。 ※小説家になろうにも投稿しています。

処理中です...