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レオポルド騎士団・騎士団長
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神聖王国ガブリエルは、とんでもない相手と取引していた。
第一皇子ワーグナーでもない。
第二皇子ブラームスでもない。
「それは本当か、ドム」
「……あ、ああ。このドヴォルザーク帝国のレオポルド騎士団……騎士団長アルフレッド・スナイダーだ」
「……ありえない」
そうだ、ありえないんだ。
だって、アルフレッドは魔王アントニンに殺されて……それで、俺は墓も作って、今は島にある湖の中心に小島を作って、そこへ埋葬したんだ。
スコルやハヴァマールにも手伝って貰ったんだぞ。
「本人と取引をした。間違いない」
「ふざけるな!!」
チェーンを強く巻き上げ、俺はドムを締め付けた。
「ぐぉぉぉおぉ!! やめ、やめてくれえええ!!」
「出鱈目言うんじゃねえ! アルフレッドは死んだ。魔王に殺されたんだ!!」
「で、出鱈目なものか。あの白髪白髭の眼帯は間違いない。アルフレッド・スナイダーといえば、帝国を盤石した陰の実力者とも言われている男。世界最強の聖騎士だぞ。ヤツは超有名人だぜ」
そうだったのか。
アルフレッドが、本当の騎士団長だったんだ。ルドミラの前の団長だ。でも、なんで俺には教えてくれなかったんだ。
いや、それより違和感がひとつあった。
今、ドムは『眼帯』と言っていた。
アルフレッドは眼帯なんてしていなかった。――そうか、分かったぞ。そいつはアルフレッドの名を語る偽物だ。
「そうか、よく分かった。その偽アルフレッドが騎士団長か。で、そいつがドヴォルザーク帝国をどうするか、何か言っていたか?」
「簡単ことさ。ニールセン様と手を組み……お前の島を滅ぼすと言っていた。世界にとって、あの島は邪魔でしかないからだ」
「邪魔? 誰がそんなことを決めた。俺の島は、直に国となるんだぞ」
「そんなの決まっている。ニールセン様さ! あのお方こそ、ドヴォルザーク帝国の本当の第三皇子! ラスティ、貴様の方こそ偽物!! 認められぬ存在だ!!」
ハヴァマールからすでに聞いていた。俺はオーディンの子だって。でも、元親父アントニンはどんな経緯か知らんが、俺とニールセンと交換したらしい。
きっと、魔王を復活させるためか何かだろう。結局、あのクソ親父は魔王でしかなかった。
そうだから、帝国なんてどうでもいいと思っていた。けれど、状況が変わった。
アルフレッド。
その名を聞いて、俺はレオポルド騎士団へ行かなければならなくなった。偽物をぶっ潰す必要があるし、島の脅威となるニールセンとの取引も認めない。
「情報をたんまりありがとさん! ドム、お前にもう用はないから消えてくれ」
「そうはいかん。このチェーンが外れた瞬間、貴様を噛み殺してやる。ラスティ、貴様を抹殺すれば、ニールセン様が喜ぶからだ。そして、このワシは出世するのだ!!」
「外すわけないだろ。お前はしばらくそのままだし、どこかに閉じ込めておく」
「――なッ! ラスティ、おま……え? 嘘だろ!?」
しかし、こいつ無駄に体が大きいからな。どこへ入れておくか。う~んと悩んでいると、スコルが現れた。
「あ、あの……ラスティさん」
「スコル、来ちゃだめだ。危ないぞ」
「その、ごめんなさい。心配になっちゃって」
「そうか、それは悪かった」
「ところで、その獣人さんは?」
「こいつは、ドム。実は――」
さっきあった事をスコルに説明した。特に、アルフレッドが生きているかもという情報に驚きを隠せずにいた。
「え……そんな、アルフレッドさんが……? でも、そんな」
「それで、この獣人をどこかへ閉じ込めておきたい。けど、同じ部屋に置いておくのもな……でも、仕方ないか」
「それなら、わたしのスキルで何とかしましょうか?」
「スコルのスキル? なんだい、それ」
スコルは、スキルの詳細を明かしてくれた。
[ミニマム]
[補助スキル]
[効果]
自分・対象に【ミニマム】の効果を付与する。自分もしくは相手のサイズを【小】にする。実体も極小となり、てのひらサイズとなる。この効果は三日間持続する。
いつの間にこんな便利なスキルを習得していたんだか。聖女って、こういうスキルも覚えられるか。まあ、エルフでもあるし……スコルが特殊なのか。
けど、これを使えばドムを小さくできるわけか。そりゃいいや!
「お役に立てそうでしょうか」
「ああ、そのミニマムを使ってみてくれ」
「はいっ! では……ミニマム!」
ぽわぁんと黄色いオーラがドムを包む。
すると、どんどん体が縮んでいく。瞬く間に虫みたいなサイズになってしまった。まるで蚊だな。あまりの極小サイズに俺はビックリした。予想以上じゃないか。
『な、なんだこりゃ~! お、おい、元にもどせえぇ!』
声まで可愛らしくなってしまっているな。なんだか、こうなると愛らしいというか、怖くも何ともないな。
俺は、ドムを摘まんでポケットへ閉まった。これでもう抵抗できまい。
「スコル、よくやった! さすが聖女だな」
「え、えへへ……褒められると照れちゃいます。でも、ラスティさんも今日は、ストレルカさんを守ったり、カッコ良かったですよ」
「いや、一歩遅かった感はあったからなあ。もうちっと早く動けていれば良かったんだけど、あんな不意打ちビンタはさすがの俺でも止められない」
「いいえ、ストレルカさんは喜んでいましたよ。さっき話していたんですけどね」
そうか、それは良かった。
少し安心した。
俺はちょっと気にしていたんだよね。
そうと分かれば部屋へ戻ろう。
第一皇子ワーグナーでもない。
第二皇子ブラームスでもない。
「それは本当か、ドム」
「……あ、ああ。このドヴォルザーク帝国のレオポルド騎士団……騎士団長アルフレッド・スナイダーだ」
「……ありえない」
そうだ、ありえないんだ。
だって、アルフレッドは魔王アントニンに殺されて……それで、俺は墓も作って、今は島にある湖の中心に小島を作って、そこへ埋葬したんだ。
スコルやハヴァマールにも手伝って貰ったんだぞ。
「本人と取引をした。間違いない」
「ふざけるな!!」
チェーンを強く巻き上げ、俺はドムを締め付けた。
「ぐぉぉぉおぉ!! やめ、やめてくれえええ!!」
「出鱈目言うんじゃねえ! アルフレッドは死んだ。魔王に殺されたんだ!!」
「で、出鱈目なものか。あの白髪白髭の眼帯は間違いない。アルフレッド・スナイダーといえば、帝国を盤石した陰の実力者とも言われている男。世界最強の聖騎士だぞ。ヤツは超有名人だぜ」
そうだったのか。
アルフレッドが、本当の騎士団長だったんだ。ルドミラの前の団長だ。でも、なんで俺には教えてくれなかったんだ。
いや、それより違和感がひとつあった。
今、ドムは『眼帯』と言っていた。
アルフレッドは眼帯なんてしていなかった。――そうか、分かったぞ。そいつはアルフレッドの名を語る偽物だ。
「そうか、よく分かった。その偽アルフレッドが騎士団長か。で、そいつがドヴォルザーク帝国をどうするか、何か言っていたか?」
「簡単ことさ。ニールセン様と手を組み……お前の島を滅ぼすと言っていた。世界にとって、あの島は邪魔でしかないからだ」
「邪魔? 誰がそんなことを決めた。俺の島は、直に国となるんだぞ」
「そんなの決まっている。ニールセン様さ! あのお方こそ、ドヴォルザーク帝国の本当の第三皇子! ラスティ、貴様の方こそ偽物!! 認められぬ存在だ!!」
ハヴァマールからすでに聞いていた。俺はオーディンの子だって。でも、元親父アントニンはどんな経緯か知らんが、俺とニールセンと交換したらしい。
きっと、魔王を復活させるためか何かだろう。結局、あのクソ親父は魔王でしかなかった。
そうだから、帝国なんてどうでもいいと思っていた。けれど、状況が変わった。
アルフレッド。
その名を聞いて、俺はレオポルド騎士団へ行かなければならなくなった。偽物をぶっ潰す必要があるし、島の脅威となるニールセンとの取引も認めない。
「情報をたんまりありがとさん! ドム、お前にもう用はないから消えてくれ」
「そうはいかん。このチェーンが外れた瞬間、貴様を噛み殺してやる。ラスティ、貴様を抹殺すれば、ニールセン様が喜ぶからだ。そして、このワシは出世するのだ!!」
「外すわけないだろ。お前はしばらくそのままだし、どこかに閉じ込めておく」
「――なッ! ラスティ、おま……え? 嘘だろ!?」
しかし、こいつ無駄に体が大きいからな。どこへ入れておくか。う~んと悩んでいると、スコルが現れた。
「あ、あの……ラスティさん」
「スコル、来ちゃだめだ。危ないぞ」
「その、ごめんなさい。心配になっちゃって」
「そうか、それは悪かった」
「ところで、その獣人さんは?」
「こいつは、ドム。実は――」
さっきあった事をスコルに説明した。特に、アルフレッドが生きているかもという情報に驚きを隠せずにいた。
「え……そんな、アルフレッドさんが……? でも、そんな」
「それで、この獣人をどこかへ閉じ込めておきたい。けど、同じ部屋に置いておくのもな……でも、仕方ないか」
「それなら、わたしのスキルで何とかしましょうか?」
「スコルのスキル? なんだい、それ」
スコルは、スキルの詳細を明かしてくれた。
[ミニマム]
[補助スキル]
[効果]
自分・対象に【ミニマム】の効果を付与する。自分もしくは相手のサイズを【小】にする。実体も極小となり、てのひらサイズとなる。この効果は三日間持続する。
いつの間にこんな便利なスキルを習得していたんだか。聖女って、こういうスキルも覚えられるか。まあ、エルフでもあるし……スコルが特殊なのか。
けど、これを使えばドムを小さくできるわけか。そりゃいいや!
「お役に立てそうでしょうか」
「ああ、そのミニマムを使ってみてくれ」
「はいっ! では……ミニマム!」
ぽわぁんと黄色いオーラがドムを包む。
すると、どんどん体が縮んでいく。瞬く間に虫みたいなサイズになってしまった。まるで蚊だな。あまりの極小サイズに俺はビックリした。予想以上じゃないか。
『な、なんだこりゃ~! お、おい、元にもどせえぇ!』
声まで可愛らしくなってしまっているな。なんだか、こうなると愛らしいというか、怖くも何ともないな。
俺は、ドムを摘まんでポケットへ閉まった。これでもう抵抗できまい。
「スコル、よくやった! さすが聖女だな」
「え、えへへ……褒められると照れちゃいます。でも、ラスティさんも今日は、ストレルカさんを守ったり、カッコ良かったですよ」
「いや、一歩遅かった感はあったからなあ。もうちっと早く動けていれば良かったんだけど、あんな不意打ちビンタはさすがの俺でも止められない」
「いいえ、ストレルカさんは喜んでいましたよ。さっき話していたんですけどね」
そうか、それは良かった。
少し安心した。
俺はちょっと気にしていたんだよね。
そうと分かれば部屋へ戻ろう。
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