143 / 476
武器召喚スキル『グングニル』
しおりを挟む
俺は、聖槍グングニルを生成し、槍の形を作った。まさか、この最強の槍スキルが使用できるようになるとはな。
膨大な魔力を引き換えに、とんでもない物理・魔法攻撃を与える対魔神スキル。つまり、燃費は悪いけど超ダメージを与え、相手が魔物か神であるなら、弱点属性として倍のダメージを与えるという効果を持つのだ。
こんな神スキルを……ハヴァマールは、俺の頬にキスをして移植してくれた。まさか、ハヴァマールからキスされるとはな。
だけど、おかげで今の俺は限りなく最強となった。
聖光を槍の先端に集中させていく。そこへ膨大で強大な魔力が凝縮されて――やがて。
「くらえええええええッ! 聖槍グングニル!!!」
極光の槍は、爆風となり飛翔していく。それがアレクサンダーの腹部に命中し、穿つ。螺旋の風がヤツの腹を貫く勢いで押していく。
スキルを自分のものにすると、ここまでの威力になるとはな。
――そう、今までは借り物の力だった。
だけど、今は完全に移植された覚醒状態。
[グングニル][Lv.10]
[覚醒]
[武器召喚スキル]
[効果]
オーディン神の槍。
非常に大きな魔力を消費し、生成召喚する。槍は通常の武器として使う場合、攻撃力は1000%~3000%となる。武器属性は[風]となる。遠投時に限り、物理・魔法ダメージを与える。
この武器召喚スキルは、絶対に破壊されない。敵が拾ったり、使用したりできない。
Level.1 :物理・魔法ダメージ 10000%
Level.2 :物理・魔法ダメージ 20000%
Level.3 :物理・魔法ダメージ 30000%
Level.4 :物理・魔法ダメージ 40000%
Level.5 :物理・魔法ダメージ 50000%
Level.6 :物理・魔法ダメージ 60000%
Level.7 :物理・魔法ダメージ 70000%
Level.8 :物理・魔法ダメージ 80000%
Level.9 :物理・魔法ダメージ 90000%
Level.10 :物理・魔法ダメージ 100000%
「ば、馬鹿な! なんだこの光……うああああああああッ!!!」
サンダーブレイクこそ防御したアレクサンダーだったが、こればかりは防御できなかったようだ。ヤツは、体勢を大きく崩し――世界ギルドから吹っ飛んでいく。
中央にある噴水に激突。水柱を上げ、更に奥へ飛んでいく。すげぇ破壊力だ。ヤツの体は高速回転しながら、まだ飛び跳ねていく。
やがて軌道を変えたヤツの体は、空へ向かっていった。おぉ、見事に青空へ向かっていくじゃないか。
「ここまでの火力だとは思わなかったな」
『クソ、クソ、くそおおおおおおおおおおおおお……!! ぎゃああああああああああああ!!』
最後まで叫び声が聞こえたけど、頑丈なヤツだな。でも、なるほど。防御力は一丁前らしい。さすが最強の聖騎士と名乗っているだけはある。
まあだけど、かなりのダメージを受けたはず。
ふぅ、と汗を拭っていると、あのギルド職員のトレニアが俺の目の前で頭を下げていた。
「あ、ありがとうございました。傷も治していただけて……なんとお礼を言っていいやら」
傷を?
ああ、よく見たらスコルがヒールをしていた。サムズアップしあって合図を送った。ナイスだ、スコル。
「いや、俺はただ君を助けただけさ。それじゃ、迷惑も掛けたし帰るよ」
「……あ、あの! 待って下さい」
「ん?」
「移民を探しているのですよね。なら、私にお任せ下さい」
「でも……」
「さきほどの非礼をどうかお許しください。どうしてもお礼がしたいんです」
トレニアは、態度を改めて協力姿勢を見せてくれた。さっきは信じていなかったみたいだけど……少々困惑していると、ストレルカが耳打ちしてきた。
「アレクサンダーを撃退したので、彼女はラスティ様を信じてくれているのですよ」
「そういうことね。よし……」
俺は改めてトレニアに依頼を出した。
「移民を募集したいのですね。分かりました、私は世界ギルドの『ギルドマスター』を任されておりますので、後は『騎士団長の承認』が得られれば上手くいくかと」
「え……騎士団長の承認だって?」
「はい、世界ギルドの最高責任者は『レオポルド騎士団』の『騎士団長』となります。次に三人存在するギルドマスターですが、そこまでの権限はないのです」
肩を落としながらトレニアは説明をしてくれた。……そうか、可能とはいえ、そんな手続きが必要だったとはな。これは意外というか、想定外だ。
現在、ドヴォルザーク帝国のレオポルド騎士団に、騎士団長は不在。
……参ったな、ルドミラを辞めさせなきゃよかった。でも、もう遅かった。三日前に辞任済みだし、どうしたものか。
「トレニアさん、騎士団長って新しい人が就いたりしないのか?」
「そういえば、前任の方が近々復帰予定だとか」
「ルドミラの前の騎士団長か」
「はい、名前は分かりませんけど三十年も前にルドミラ様に席を譲ったようなので……正体も不明なんです」
正体不明だって?
しかも、三十年も前の話なのか。そんな前からルドミラは騎士団長を……不老不死である“エインヘリャル”を持つ彼女なら違和感はないけど、前任の騎士団長は“高齢者”なのか。
五十代、あるいは六十代か。
考え込んでいると、スコルが俺の肩を突いた。
「あの、ラスティさん。そのレオポルド騎士団へ行ってみはどうでしょうか」
「それは無理だ。騎士団は、城の中にあるんだ。下手すりゃ、兄貴達に見つかるし、大事だ」
「そ、そうですよね……ごめんなさい」
「謝る必要はない。けど、なにか良い手はないものか」
クソ兄貴や知り合いに会わずに騎士団長に相談とか……難易度高いな。もしくは、着任を待ってトレニアにお願いするかだ。
しかし、その場合はいつになるか分からないしな。
「どうしましょうか?」
「うーん、今は難しそうだな。ありがとう、トレニアさん。俺たちは一度この情報を持って島へ帰る。またお世話になるかも」
「そうですか。えっと……ラスティ様、ですよね。あれ……第三皇子様と同じ名前?」
「偶然同じ名前なんだ」
「そうなのですね。分かりました、そういう事にしておきますね」
「ああ。じゃあ、また」
「はい、私はいつでもラスティ様の味方です」
最初に会った頃とは大違いの笑顔を貰い、俺はドキドキしてしまった。背後のスコルとストレルカが呆れた圧を流してきて、別の意味でドキドキしたけど!
「さ、さあ……帰ろうか、スコル、ストレルカ」
「はい、ラスティさん、行きますよ」
「ええ、ラスティ様、参りましょう」
二人は俺の両腕をガッチリ確保。
そのまま連行されてしまった。
中央噴水広場のベンチに座りなり、二人から「トレニアさんにデレデレしすぎ!」と説教を食らった。そんなつもりはなかったんだけどなあ、表情に出てしまっていたか。
「すまない、スコル」
「しばらくこうさせて下さいっ」
隣に座るスコルは、俺の右腕を抱えたまま……頭を預けてきた。うわぁ、近い。それに対抗するようにストレルカも同じ動作を。
二人に挟まれ、腕を抱えられ――頭を預けられた。
周囲の男冒険者が羨ましそうに見てくるし、嬉しいような困ったような。
しばらく、まったりして俺は島へ帰ろうと思ったのだが……重大な事実に気づいた。
え……嘘だろ?
膨大な魔力を引き換えに、とんでもない物理・魔法攻撃を与える対魔神スキル。つまり、燃費は悪いけど超ダメージを与え、相手が魔物か神であるなら、弱点属性として倍のダメージを与えるという効果を持つのだ。
こんな神スキルを……ハヴァマールは、俺の頬にキスをして移植してくれた。まさか、ハヴァマールからキスされるとはな。
だけど、おかげで今の俺は限りなく最強となった。
聖光を槍の先端に集中させていく。そこへ膨大で強大な魔力が凝縮されて――やがて。
「くらえええええええッ! 聖槍グングニル!!!」
極光の槍は、爆風となり飛翔していく。それがアレクサンダーの腹部に命中し、穿つ。螺旋の風がヤツの腹を貫く勢いで押していく。
スキルを自分のものにすると、ここまでの威力になるとはな。
――そう、今までは借り物の力だった。
だけど、今は完全に移植された覚醒状態。
[グングニル][Lv.10]
[覚醒]
[武器召喚スキル]
[効果]
オーディン神の槍。
非常に大きな魔力を消費し、生成召喚する。槍は通常の武器として使う場合、攻撃力は1000%~3000%となる。武器属性は[風]となる。遠投時に限り、物理・魔法ダメージを与える。
この武器召喚スキルは、絶対に破壊されない。敵が拾ったり、使用したりできない。
Level.1 :物理・魔法ダメージ 10000%
Level.2 :物理・魔法ダメージ 20000%
Level.3 :物理・魔法ダメージ 30000%
Level.4 :物理・魔法ダメージ 40000%
Level.5 :物理・魔法ダメージ 50000%
Level.6 :物理・魔法ダメージ 60000%
Level.7 :物理・魔法ダメージ 70000%
Level.8 :物理・魔法ダメージ 80000%
Level.9 :物理・魔法ダメージ 90000%
Level.10 :物理・魔法ダメージ 100000%
「ば、馬鹿な! なんだこの光……うああああああああッ!!!」
サンダーブレイクこそ防御したアレクサンダーだったが、こればかりは防御できなかったようだ。ヤツは、体勢を大きく崩し――世界ギルドから吹っ飛んでいく。
中央にある噴水に激突。水柱を上げ、更に奥へ飛んでいく。すげぇ破壊力だ。ヤツの体は高速回転しながら、まだ飛び跳ねていく。
やがて軌道を変えたヤツの体は、空へ向かっていった。おぉ、見事に青空へ向かっていくじゃないか。
「ここまでの火力だとは思わなかったな」
『クソ、クソ、くそおおおおおおおおおおおおお……!! ぎゃああああああああああああ!!』
最後まで叫び声が聞こえたけど、頑丈なヤツだな。でも、なるほど。防御力は一丁前らしい。さすが最強の聖騎士と名乗っているだけはある。
まあだけど、かなりのダメージを受けたはず。
ふぅ、と汗を拭っていると、あのギルド職員のトレニアが俺の目の前で頭を下げていた。
「あ、ありがとうございました。傷も治していただけて……なんとお礼を言っていいやら」
傷を?
ああ、よく見たらスコルがヒールをしていた。サムズアップしあって合図を送った。ナイスだ、スコル。
「いや、俺はただ君を助けただけさ。それじゃ、迷惑も掛けたし帰るよ」
「……あ、あの! 待って下さい」
「ん?」
「移民を探しているのですよね。なら、私にお任せ下さい」
「でも……」
「さきほどの非礼をどうかお許しください。どうしてもお礼がしたいんです」
トレニアは、態度を改めて協力姿勢を見せてくれた。さっきは信じていなかったみたいだけど……少々困惑していると、ストレルカが耳打ちしてきた。
「アレクサンダーを撃退したので、彼女はラスティ様を信じてくれているのですよ」
「そういうことね。よし……」
俺は改めてトレニアに依頼を出した。
「移民を募集したいのですね。分かりました、私は世界ギルドの『ギルドマスター』を任されておりますので、後は『騎士団長の承認』が得られれば上手くいくかと」
「え……騎士団長の承認だって?」
「はい、世界ギルドの最高責任者は『レオポルド騎士団』の『騎士団長』となります。次に三人存在するギルドマスターですが、そこまでの権限はないのです」
肩を落としながらトレニアは説明をしてくれた。……そうか、可能とはいえ、そんな手続きが必要だったとはな。これは意外というか、想定外だ。
現在、ドヴォルザーク帝国のレオポルド騎士団に、騎士団長は不在。
……参ったな、ルドミラを辞めさせなきゃよかった。でも、もう遅かった。三日前に辞任済みだし、どうしたものか。
「トレニアさん、騎士団長って新しい人が就いたりしないのか?」
「そういえば、前任の方が近々復帰予定だとか」
「ルドミラの前の騎士団長か」
「はい、名前は分かりませんけど三十年も前にルドミラ様に席を譲ったようなので……正体も不明なんです」
正体不明だって?
しかも、三十年も前の話なのか。そんな前からルドミラは騎士団長を……不老不死である“エインヘリャル”を持つ彼女なら違和感はないけど、前任の騎士団長は“高齢者”なのか。
五十代、あるいは六十代か。
考え込んでいると、スコルが俺の肩を突いた。
「あの、ラスティさん。そのレオポルド騎士団へ行ってみはどうでしょうか」
「それは無理だ。騎士団は、城の中にあるんだ。下手すりゃ、兄貴達に見つかるし、大事だ」
「そ、そうですよね……ごめんなさい」
「謝る必要はない。けど、なにか良い手はないものか」
クソ兄貴や知り合いに会わずに騎士団長に相談とか……難易度高いな。もしくは、着任を待ってトレニアにお願いするかだ。
しかし、その場合はいつになるか分からないしな。
「どうしましょうか?」
「うーん、今は難しそうだな。ありがとう、トレニアさん。俺たちは一度この情報を持って島へ帰る。またお世話になるかも」
「そうですか。えっと……ラスティ様、ですよね。あれ……第三皇子様と同じ名前?」
「偶然同じ名前なんだ」
「そうなのですね。分かりました、そういう事にしておきますね」
「ああ。じゃあ、また」
「はい、私はいつでもラスティ様の味方です」
最初に会った頃とは大違いの笑顔を貰い、俺はドキドキしてしまった。背後のスコルとストレルカが呆れた圧を流してきて、別の意味でドキドキしたけど!
「さ、さあ……帰ろうか、スコル、ストレルカ」
「はい、ラスティさん、行きますよ」
「ええ、ラスティ様、参りましょう」
二人は俺の両腕をガッチリ確保。
そのまま連行されてしまった。
中央噴水広場のベンチに座りなり、二人から「トレニアさんにデレデレしすぎ!」と説教を食らった。そんなつもりはなかったんだけどなあ、表情に出てしまっていたか。
「すまない、スコル」
「しばらくこうさせて下さいっ」
隣に座るスコルは、俺の右腕を抱えたまま……頭を預けてきた。うわぁ、近い。それに対抗するようにストレルカも同じ動作を。
二人に挟まれ、腕を抱えられ――頭を預けられた。
周囲の男冒険者が羨ましそうに見てくるし、嬉しいような困ったような。
しばらく、まったりして俺は島へ帰ろうと思ったのだが……重大な事実に気づいた。
え……嘘だろ?
0
お気に入りに追加
555
あなたにおすすめの小説

二人分働いてたのに、「聖女はもう時代遅れ。これからはヒーラーの時代」と言われてクビにされました。でも、ヒーラーは防御魔法を使えませんよ?
小平ニコ
ファンタジー
「ディーナ。お前には今日で、俺たちのパーティーを抜けてもらう。異論は受け付けない」
勇者ラジアスはそう言い、私をパーティーから追放した。……異論がないわけではなかったが、もうずっと前に僧侶と戦士がパーティーを離脱し、必死になって彼らの抜けた穴を埋めていた私としては、自分から頭を下げてまでパーティーに残りたいとは思わなかった。
ほとんど喧嘩別れのような形で勇者パーティーを脱退した私は、故郷には帰らず、戦闘もこなせる武闘派聖女としての力を活かし、賞金首狩りをして生活費を稼いでいた。
そんなある日のこと。
何気なく見た新聞の一面に、驚くべき記事が載っていた。
『勇者パーティー、またも敗走! 魔王軍四天王の前に、なすすべなし!』
どうやら、私がいなくなった後の勇者パーティーは、うまく機能していないらしい。最新の回復職である『ヒーラー』を仲間に加えるって言ってたから、心配ないと思ってたのに。
……あれ、もしかして『ヒーラー』って、完全に回復に特化した職業で、聖女みたいに、防御の結界を張ることはできないのかしら?
私がその可能性に思い至った頃。
勇者ラジアスもまた、自分の判断が間違っていたことに気がついた。
そして勇者ラジアスは、再び私の前に姿を現したのだった……

追放された魔女は、実は聖女でした。聖なる加護がなくなった国は、もうおしまいのようです【第一部完】
小平ニコ
ファンタジー
人里離れた森の奥で、ずっと魔法の研究をしていたラディアは、ある日突然、軍隊を率いてやって来た王太子デルロックに『邪悪な魔女』呼ばわりされ、国を追放される。
魔法の天才であるラディアは、その気になれば軍隊を蹴散らすこともできたが、争いを好まず、物や場所にまったく執着しない性格なので、素直に国を出て、『せっかくだから』と、旅をすることにした。
『邪悪な魔女』を追い払い、国民たちから喝采を浴びるデルロックだったが、彼は知らなかった。魔女だと思っていたラディアが、本人も気づかぬうちに、災いから国を守っていた聖女であることを……

聖女の力を隠して塩対応していたら追放されたので冒険者になろうと思います
登龍乃月
ファンタジー
「フィリア! お前のような卑怯な女はいらん! 即刻国から出てゆくがいい!」
「え? いいんですか?」
聖女候補の一人である私、フィリアは王国の皇太子の嫁候補の一人でもあった。
聖女となった者が皇太子の妻となる。
そんな話が持ち上がり、私が嫁兼聖女候補に入ったと知らされた時は絶望だった。
皇太子はデブだし臭いし歯磨きもしない見てくれ最悪のニキビ顔、性格は傲慢でわがまま厚顔無恥の最悪を極める、そのくせプライド高いナルシスト。
私の一番嫌いなタイプだった。
ある日聖女の力に目覚めてしまった私、しかし皇太子の嫁になるなんて死んでも嫌だったので一生懸命その力を隠し、皇太子から嫌われるよう塩対応を続けていた。
そんなある日、冤罪をかけられた私はなんと国外追放。
やった!
これで最悪な責務から解放された!
隣の国に流れ着いた私はたまたま出会った冒険者バルトにスカウトされ、冒険者として新たな人生のスタートを切る事になった。
そして真の聖女たるフィリアが消えたことにより、彼女が無自覚に張っていた退魔の結界が消え、皇太子や城に様々な災厄が降りかかっていくのであった。

私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜
AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。
そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。
さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。
しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。
それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。
だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。
そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。

【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う
たくみ
ファンタジー
圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。
アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。
ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?
それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。
自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。
このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。
それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。
※小説家になろうさんで投稿始めました

子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…

婚約破棄された上に国外追放された聖女はチート級冒険者として生きていきます~私を追放した王国が大変なことになっている?へぇ、そうですか~
夏芽空
ファンタジー
無茶な仕事量を押し付けられる日々に、聖女マリアはすっかり嫌気が指していた。
「聖女なんてやってられないわよ!」
勢いで聖女の杖を叩きつけるが、跳ね返ってきた杖の先端がマリアの顎にクリーンヒット。
そのまま意識を失う。
意識を失ったマリアは、暗闇の中で前世の記憶を思い出した。
そのことがきっかけで、マリアは強い相手との戦いを望むようになる。
そしてさらには、チート級の力を手に入れる。
目を覚ましたマリアは、婚約者である第一王子から婚約破棄&国外追放を命じられた。
その言葉に、マリアは大歓喜。
(国外追放されれば、聖女という辛いだけの役目から解放されるわ!)
そんな訳で、大はしゃぎで国を出ていくのだった。
外の世界で冒険者という存在を知ったマリアは、『強い相手と戦いたい』という前世の自分の願いを叶えるべく自らも冒険者となり、チート級の力を使って、順調にのし上がっていく。
一方、マリアを追放した王国は、その軽率な行いのせいで異常事態が発生していた……。

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる