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大物が釣れる釣り竿
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無人島の気候は穏やかだ。
静かな波の音が子守歌になっていた。俺に身を寄せて頭を預けているスコル。船を漕ぐようにしていた。
口元にはヨダレ。
幸せそうに寝ているな。
そんな俺は、ワークテーブルで自作した『大物が釣れる釣り竿』で釣りをしていた。竿は頑丈な素材。糸もそう簡単には切れないようなコーティングがされていた。
「けど、釣れないんだよなー」
今のところ魚が掛かる気配はない。でもいいや、スコルの可愛い寝顔が見れるだけで十分。そんな至福の一時の中で背後から声がした。
「兄上、兄上ぇ~!」
この声は、我が妹だな。
振り向くとビキニ姿のハヴァマールがいた。白銀の髪を靡かせ、相変わらずの猫耳。けど、今日は水着か。
手には俺がワークテーブルで製造し、与えた『銛』を持っていた。
「おう、ハヴァマール。なにかゲットできたか?」
「なんとブルーオクトパスを倒したのだ!!」
ブルーオクトパス?
ハヴァマールの手には、全身が青色のタコがいた。なんだか毒々しいというか、猛毒を持っていそうな危険度の高そうな生物だな。
「それ、食えるのか?」
「分からぬ! こんな青い生物は初めて見たのだ。どうやら、この無人島周辺の海は変な生物が多いようだな」
「そうなのか」
そんな時だった。ハヴァマールの持つブルーオクトパスが暴れ出した。触手がウネウネと動き、銛から離れようと必死だ。
ブルーオクトパスは、触手が引っ掛かってるだけだったようで――手を自ら切断。トカゲのしっぽ切りをしやがった。なんてタコ野郎だ!
しかし、ハヴァマールは必死に捕まえようとした――のだが!
「あぁん、兄上! ブルーオクトパスが絡みついて……ちょ、いやなのだ! き、気持ち悪いのだああああああああああ」
「ああ!! ハヴァマールの腹部に絡みついて……やべ、胸の方に向かって!! それ以上は危険だっつーの!!」
俺は、スコルを優しく寝かせた後にゲイルチュールを召喚。ブルーオクトパスに向けた。だが……ハヴァマールを傷つけてしまう恐れがあった。
どうする?
いや、どちらにせよタコ野郎が触手でハヴァマールに凄い事をしてしまう!! そんな過激なシーンになってしまう前に排除せねば。
「あ、兄上ぇ……ヌメヌメして、ひぃぃ!!」
「う、動くな! 今取ってやるから!」
狙いを定め、ゲイチュールを絶妙な距離感で横に払う。すると、うまくブルーオクトパスにヒット。ダメージを与えると共に、ハヴァマールから引き剥がす事に成功した。
ぴゅ~~~とブルーオクトパスは宙を舞う。
それが丁度やってきたルドミラの胸の上に落ちた。
「へ……いやああああああああああ~~~~~~!! なんですか、この物体!!」
ビキニアーマーのルドミラに、タコの触手が絡みつく……って、ああああああああああああ!! しかも勇者で騎士だし、なんだか危険度が高すぎる!!
ルドミラは、顔を真っ赤にしてバタバタと暴れる。けれど、暴れるたびに触手が絡んでいく。だめだ、これ以上は!!
ていうか、ルドミラのヤツこっちへ来るし!!
「ちょ、来るな!!」
「と、取ってくださいよ! ラスティくん!」
「うわ、ヌメヌメじゃないか。なんだよ、このヤバイ粘液……はぁ、分かった。任せろ」
「さすが、ラスティくんです」
俺は、ルドミラの胸に張り付いているタコを素手で引き剥がす。ヌメヌメして気持ち悪いな。もういい、捨てよう。
海へ投げようとしたが、今度は俺の腕に絡みついた。
「……えっと」
振っても離れない。
ぜんぜん剥がれない。
「兄上!?」
「ラスティくん!?」
「あああああああああああああああああああああ!! このタコ野郎ぉおおおおおおおおおおおお!!」
ブンブン腕を振るが、強く絡みついてきやがる。ふざけんなッ!! たこ焼きにすんぞ!!
「むにゃむにゃ……ラスティさん、おはようござ――」
そのタイミングでスコルが起きた――瞬間。タコ野郎が俺の腕から『スポ~ン』と抜け、スコルの股に落ちる。
「あ……」
「……え」
不気味な青いタコを見つめるスコル。時を止め、絶句していた。多分、スコルはこういうヌメヌメ系は苦手のはず。
みるみる内に青ざめ、スコルは絶叫した。
「い、いやあああああああああああああああああああああああああああああああ~~~~~~!!!」
ブルーオクトパスを素手で掴むスコルは、海へ全力投球。すげえ遠投だ! 空の遥か彼方まで飛んでいき、ようやく姿を消したのである……。
スコルすげぇ。
静かな波の音が子守歌になっていた。俺に身を寄せて頭を預けているスコル。船を漕ぐようにしていた。
口元にはヨダレ。
幸せそうに寝ているな。
そんな俺は、ワークテーブルで自作した『大物が釣れる釣り竿』で釣りをしていた。竿は頑丈な素材。糸もそう簡単には切れないようなコーティングがされていた。
「けど、釣れないんだよなー」
今のところ魚が掛かる気配はない。でもいいや、スコルの可愛い寝顔が見れるだけで十分。そんな至福の一時の中で背後から声がした。
「兄上、兄上ぇ~!」
この声は、我が妹だな。
振り向くとビキニ姿のハヴァマールがいた。白銀の髪を靡かせ、相変わらずの猫耳。けど、今日は水着か。
手には俺がワークテーブルで製造し、与えた『銛』を持っていた。
「おう、ハヴァマール。なにかゲットできたか?」
「なんとブルーオクトパスを倒したのだ!!」
ブルーオクトパス?
ハヴァマールの手には、全身が青色のタコがいた。なんだか毒々しいというか、猛毒を持っていそうな危険度の高そうな生物だな。
「それ、食えるのか?」
「分からぬ! こんな青い生物は初めて見たのだ。どうやら、この無人島周辺の海は変な生物が多いようだな」
「そうなのか」
そんな時だった。ハヴァマールの持つブルーオクトパスが暴れ出した。触手がウネウネと動き、銛から離れようと必死だ。
ブルーオクトパスは、触手が引っ掛かってるだけだったようで――手を自ら切断。トカゲのしっぽ切りをしやがった。なんてタコ野郎だ!
しかし、ハヴァマールは必死に捕まえようとした――のだが!
「あぁん、兄上! ブルーオクトパスが絡みついて……ちょ、いやなのだ! き、気持ち悪いのだああああああああああ」
「ああ!! ハヴァマールの腹部に絡みついて……やべ、胸の方に向かって!! それ以上は危険だっつーの!!」
俺は、スコルを優しく寝かせた後にゲイルチュールを召喚。ブルーオクトパスに向けた。だが……ハヴァマールを傷つけてしまう恐れがあった。
どうする?
いや、どちらにせよタコ野郎が触手でハヴァマールに凄い事をしてしまう!! そんな過激なシーンになってしまう前に排除せねば。
「あ、兄上ぇ……ヌメヌメして、ひぃぃ!!」
「う、動くな! 今取ってやるから!」
狙いを定め、ゲイチュールを絶妙な距離感で横に払う。すると、うまくブルーオクトパスにヒット。ダメージを与えると共に、ハヴァマールから引き剥がす事に成功した。
ぴゅ~~~とブルーオクトパスは宙を舞う。
それが丁度やってきたルドミラの胸の上に落ちた。
「へ……いやああああああああああ~~~~~~!! なんですか、この物体!!」
ビキニアーマーのルドミラに、タコの触手が絡みつく……って、ああああああああああああ!! しかも勇者で騎士だし、なんだか危険度が高すぎる!!
ルドミラは、顔を真っ赤にしてバタバタと暴れる。けれど、暴れるたびに触手が絡んでいく。だめだ、これ以上は!!
ていうか、ルドミラのヤツこっちへ来るし!!
「ちょ、来るな!!」
「と、取ってくださいよ! ラスティくん!」
「うわ、ヌメヌメじゃないか。なんだよ、このヤバイ粘液……はぁ、分かった。任せろ」
「さすが、ラスティくんです」
俺は、ルドミラの胸に張り付いているタコを素手で引き剥がす。ヌメヌメして気持ち悪いな。もういい、捨てよう。
海へ投げようとしたが、今度は俺の腕に絡みついた。
「……えっと」
振っても離れない。
ぜんぜん剥がれない。
「兄上!?」
「ラスティくん!?」
「あああああああああああああああああああああ!! このタコ野郎ぉおおおおおおおおおおおお!!」
ブンブン腕を振るが、強く絡みついてきやがる。ふざけんなッ!! たこ焼きにすんぞ!!
「むにゃむにゃ……ラスティさん、おはようござ――」
そのタイミングでスコルが起きた――瞬間。タコ野郎が俺の腕から『スポ~ン』と抜け、スコルの股に落ちる。
「あ……」
「……え」
不気味な青いタコを見つめるスコル。時を止め、絶句していた。多分、スコルはこういうヌメヌメ系は苦手のはず。
みるみる内に青ざめ、スコルは絶叫した。
「い、いやあああああああああああああああああああああああああああああああ~~~~~~!!!」
ブルーオクトパスを素手で掴むスコルは、海へ全力投球。すげえ遠投だ! 空の遥か彼方まで飛んでいき、ようやく姿を消したのである……。
スコルすげぇ。
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