128 / 436
平和な世界へ...
しおりを挟む
視界が晴れると、浜辺には全身がズタボロになった魔王アントニンの姿があった。手足は捻じれ、酷い有様だ。あの最強の魔法だったんだ、致命傷を与えられたようだな。
「……ぐふぁぁっ」
血を吐き出し、今にも死にそうだ。
あれだけの猛攻撃を受けたんだ……無事じゃ済まない。だが、まだ息はある。コイツの息の根を止めねば、世界は滅ぶ。だから……。
「おい……アントニン」
「……ラ、ラスティ。この父である私を殺すのか……?」
「ああ、殺す。お前はこの世界を滅ぼす魔王だからな。俺は、今のこの世界が気にっているんだ。それを破壊されては困るし、大切な人を奪うのは言語道断だ」
吐血しながら、アントニンは愉快そうに笑う。まだそんな笑う余裕があるのか。
「い、いいのか……?」
「何がだ」
「この私を殺しても、次はお前の兄・ワーグナーやブラームス、大神官アルミダが……その次はまた別の誰かが世界を滅ぼそうとするだろう」
「その時は俺が止めるだけだ。……もう消えてくれ、魔王」
「く、クハハハ……。まあいい、中々楽しい皇帝生活だった。後は息子たちに任せよう。そうだ、私でなくとも誰かが世界の破壊を成す……! 世界聖書の運命が“滅亡”である以上な。……くくく。さらばだゴミ共…………!」
トドメを刺す前にアントニンは絶命した。黒い塵となり、肉体が消滅していく。こいつは本当に人間じゃなかったんだ。ただの怪物だ。同情も何もできない。
全てが終わり、溜息を吐いていると――
「ラスティさん!!」
スコルが飛び込んで来た。
俺はぎゅっと抱きしめて迎えた。
ああ、このぬくもりを待っていた。
「終わったよ、スコル。俺はもう島を離れない、スコルの前からもね。ゆっくり暮らそう」
「……はい。ずっと一緒です」
抱きしめ合っていると、ルドミラ達が合流してきた。
「お熱いところ申し訳ないです。この度は、ご迷惑をお掛けしました」
「いや、いいんだ。俺としても親父……アントニンとは決着を付けたかった。まさか魔王そのものだとは思わなかったけどな」
「ですが、貴方の大切な執事が……」
そうだ、アルフレッドがやられちまった。俺のせいなんだ……俺の。
冷たくなったアルフレッドの元へ向かう。今はただ安らかに眠っている。立派な墓を作ろう。それが俺にできる唯一の弔いだ。
◆
一週間後。
家や防衛設備を立て直し、島のレベルも一気に引き上げた。今や、一万人は余裕で暮らせる規模となってしまった。頑張ったな、俺。
「家がたくさん増えたなぁ。あの無人島だった場所に街並みができるなんて」
「そうですね、ラスティさん。ボロディンや他の国からの移住者も増えて……なんだか活気が増えました。ギルドとかアイテムショップもあんなに増えて、凄いです」
そう、ボロディンや共和国、滅んだ連合国ニールセンの生存者たちを迎いれていた。そのせいか人口は一万人に迫る勢いになっていた。
俺はついに、一国の主として構えていたのだ。
信頼できる仲間も随分と増えた。
スコル、ハヴァマール、ストレルカは当然として、聖魔伝説の人達であるルドミラとエドゥアルド、テオドールを迎えた。
改めて島の事を考えていると、ハヴァマールは向かってきた。
「兄上、兄上、大変だ!」
「どうした、ハヴァマール」
「帝国で大革命が起きて……第一、第二皇子が捕らえられたそうだ! 理由は、連合国ニールセンへの戦争犯罪という事だ。一週間後には処刑されると風の噂が!」
「な、なんだって……まあ、魔王の息子と判明したんだ。そうなるわな」
実の兄でもなかったわけだし、同情もできない。ヤツ等はやりすぎた。周辺諸国を巻き込み、やりたい放題やったツケが回ってきたんだ。
これから、帝室を失った帝国がどうなっていくか見極める必要があるな。うんうんと納得していると、今度はルドミラがやって来た。
「ラスティくん、大変です!」
「君もか、ルドミラ」
「ええ、エルフの国・ボロディンです」
「ボロディンで何かあったの?」
「はい。ブラックアウル……『フクロウ』によれば、大神官アルミダが皇帝と繋がっていたと判明し、クロード共々失脚したようです」
――そうか、俺が流した情報が役立ったな。
アントニンを倒した後、ボロディンに『アルミダと魔王』の情報を流しておいた。ユーモレスク宮殿の方はともかく、一般のエルフは結束力があり、団結力もあった。エルフは、裏切りを許さなかった。
その結果、直ぐにアルミダは打倒されたようだ。帝国のアントニン皇帝と同じ、人々を騙した罪だ。秘密裏に繋がっていたのだから仕方ない。
「そうか、これでボロディンも平和を取り戻したわけだ」
そう纏めると、スコルは安心していた。
「ありがとうございます、ラスティさん」
「お礼を言われるような事は何もしていないよ」
「いえ、情報を流してボロディンを救ってくれました。だから、ありがとうなんです」
俺の手を取るスコルは、素敵な笑顔を向けてくれた。俺も同じように笑顔を返す。
「……ぐふぁぁっ」
血を吐き出し、今にも死にそうだ。
あれだけの猛攻撃を受けたんだ……無事じゃ済まない。だが、まだ息はある。コイツの息の根を止めねば、世界は滅ぶ。だから……。
「おい……アントニン」
「……ラ、ラスティ。この父である私を殺すのか……?」
「ああ、殺す。お前はこの世界を滅ぼす魔王だからな。俺は、今のこの世界が気にっているんだ。それを破壊されては困るし、大切な人を奪うのは言語道断だ」
吐血しながら、アントニンは愉快そうに笑う。まだそんな笑う余裕があるのか。
「い、いいのか……?」
「何がだ」
「この私を殺しても、次はお前の兄・ワーグナーやブラームス、大神官アルミダが……その次はまた別の誰かが世界を滅ぼそうとするだろう」
「その時は俺が止めるだけだ。……もう消えてくれ、魔王」
「く、クハハハ……。まあいい、中々楽しい皇帝生活だった。後は息子たちに任せよう。そうだ、私でなくとも誰かが世界の破壊を成す……! 世界聖書の運命が“滅亡”である以上な。……くくく。さらばだゴミ共…………!」
トドメを刺す前にアントニンは絶命した。黒い塵となり、肉体が消滅していく。こいつは本当に人間じゃなかったんだ。ただの怪物だ。同情も何もできない。
全てが終わり、溜息を吐いていると――
「ラスティさん!!」
スコルが飛び込んで来た。
俺はぎゅっと抱きしめて迎えた。
ああ、このぬくもりを待っていた。
「終わったよ、スコル。俺はもう島を離れない、スコルの前からもね。ゆっくり暮らそう」
「……はい。ずっと一緒です」
抱きしめ合っていると、ルドミラ達が合流してきた。
「お熱いところ申し訳ないです。この度は、ご迷惑をお掛けしました」
「いや、いいんだ。俺としても親父……アントニンとは決着を付けたかった。まさか魔王そのものだとは思わなかったけどな」
「ですが、貴方の大切な執事が……」
そうだ、アルフレッドがやられちまった。俺のせいなんだ……俺の。
冷たくなったアルフレッドの元へ向かう。今はただ安らかに眠っている。立派な墓を作ろう。それが俺にできる唯一の弔いだ。
◆
一週間後。
家や防衛設備を立て直し、島のレベルも一気に引き上げた。今や、一万人は余裕で暮らせる規模となってしまった。頑張ったな、俺。
「家がたくさん増えたなぁ。あの無人島だった場所に街並みができるなんて」
「そうですね、ラスティさん。ボロディンや他の国からの移住者も増えて……なんだか活気が増えました。ギルドとかアイテムショップもあんなに増えて、凄いです」
そう、ボロディンや共和国、滅んだ連合国ニールセンの生存者たちを迎いれていた。そのせいか人口は一万人に迫る勢いになっていた。
俺はついに、一国の主として構えていたのだ。
信頼できる仲間も随分と増えた。
スコル、ハヴァマール、ストレルカは当然として、聖魔伝説の人達であるルドミラとエドゥアルド、テオドールを迎えた。
改めて島の事を考えていると、ハヴァマールは向かってきた。
「兄上、兄上、大変だ!」
「どうした、ハヴァマール」
「帝国で大革命が起きて……第一、第二皇子が捕らえられたそうだ! 理由は、連合国ニールセンへの戦争犯罪という事だ。一週間後には処刑されると風の噂が!」
「な、なんだって……まあ、魔王の息子と判明したんだ。そうなるわな」
実の兄でもなかったわけだし、同情もできない。ヤツ等はやりすぎた。周辺諸国を巻き込み、やりたい放題やったツケが回ってきたんだ。
これから、帝室を失った帝国がどうなっていくか見極める必要があるな。うんうんと納得していると、今度はルドミラがやって来た。
「ラスティくん、大変です!」
「君もか、ルドミラ」
「ええ、エルフの国・ボロディンです」
「ボロディンで何かあったの?」
「はい。ブラックアウル……『フクロウ』によれば、大神官アルミダが皇帝と繋がっていたと判明し、クロード共々失脚したようです」
――そうか、俺が流した情報が役立ったな。
アントニンを倒した後、ボロディンに『アルミダと魔王』の情報を流しておいた。ユーモレスク宮殿の方はともかく、一般のエルフは結束力があり、団結力もあった。エルフは、裏切りを許さなかった。
その結果、直ぐにアルミダは打倒されたようだ。帝国のアントニン皇帝と同じ、人々を騙した罪だ。秘密裏に繋がっていたのだから仕方ない。
「そうか、これでボロディンも平和を取り戻したわけだ」
そう纏めると、スコルは安心していた。
「ありがとうございます、ラスティさん」
「お礼を言われるような事は何もしていないよ」
「いえ、情報を流してボロディンを救ってくれました。だから、ありがとうなんです」
俺の手を取るスコルは、素敵な笑顔を向けてくれた。俺も同じように笑顔を返す。
0
お気に入りに追加
499
あなたにおすすめの小説
無限初回ログインボーナスを貰い続けて三年 ~辺境伯となり辺境領地生活~
桜井正宗
ファンタジー
元恋人に騙され、捨てられたケイオス帝国出身の少年・アビスは絶望していた。資産を奪われ、何もかも失ったからだ。
仕方なく、冒険者を志すが道半ばで死にかける。そこで大聖女のローザと出会う。幼少の頃、彼女から『無限初回ログインボーナス』を授かっていた事実が発覚。アビスは、三年間もの間に多くのログインボーナスを受け取っていた。今まで気づかず生活を送っていたのだ。
気づけばSSS級の武具アイテムであふれかえっていた。最強となったアビスは、アイテムの受け取りを拒絶――!?
チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?
桜井正宗
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」
その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。
影響するステータスは『運』。
聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。
第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。
すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。
より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!
真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。
【簡単な流れ】
勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ
【原題】
『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』
金貨増殖バグが止まらないので、そのまま快適なスローライフを送ります
桜井正宗
ファンタジー
無能の落ちこぼれと認定された『ギルド職員』兼『ぷちドラゴン』使いの『ぷちテイマー』のヘンリーは、職員をクビとなり、国さえも追放されてしまう。
突然、空から女の子が降ってくると、キャッチしきれず女の子を地面へ激突させてしまう。それが聖女との出会いだった。
銀髪の自称聖女から『ギフト』を貰い、ヘンリーは、両手に持てない程の金貨を大量に手に入れた。これで一生遊んで暮らせると思いきや、金貨はどんどん増えていく。増殖が止まらない金貨。どんどん増えていってしまった。
聖女によれば“金貨増殖バグ”だという。幸い、元ギルド職員の権限でアイテムボックス量は無駄に多く持っていたので、そこへ保管しまくった。
大金持ちになったヘンリーは、とりあえず念願だった屋敷を買い……スローライフを始めていく!?
巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!
あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!?
資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。
そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。
どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。
「私、ガンバる!」
だったら私は帰してもらえない?ダメ?
聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。
スローライフまでは到達しなかったよ……。
緩いざまああり。
注意
いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。
二人分働いてたのに、「聖女はもう時代遅れ。これからはヒーラーの時代」と言われてクビにされました。でも、ヒーラーは防御魔法を使えませんよ?
小平ニコ
ファンタジー
「ディーナ。お前には今日で、俺たちのパーティーを抜けてもらう。異論は受け付けない」
勇者ラジアスはそう言い、私をパーティーから追放した。……異論がないわけではなかったが、もうずっと前に僧侶と戦士がパーティーを離脱し、必死になって彼らの抜けた穴を埋めていた私としては、自分から頭を下げてまでパーティーに残りたいとは思わなかった。
ほとんど喧嘩別れのような形で勇者パーティーを脱退した私は、故郷には帰らず、戦闘もこなせる武闘派聖女としての力を活かし、賞金首狩りをして生活費を稼いでいた。
そんなある日のこと。
何気なく見た新聞の一面に、驚くべき記事が載っていた。
『勇者パーティー、またも敗走! 魔王軍四天王の前に、なすすべなし!』
どうやら、私がいなくなった後の勇者パーティーは、うまく機能していないらしい。最新の回復職である『ヒーラー』を仲間に加えるって言ってたから、心配ないと思ってたのに。
……あれ、もしかして『ヒーラー』って、完全に回復に特化した職業で、聖女みたいに、防御の結界を張ることはできないのかしら?
私がその可能性に思い至った頃。
勇者ラジアスもまた、自分の判断が間違っていたことに気がついた。
そして勇者ラジアスは、再び私の前に姿を現したのだった……
芋くさ聖女は捨てられた先で冷徹公爵に拾われました ~後になって私の力に気付いたってもう遅い! 私は新しい居場所を見つけました~
日之影ソラ
ファンタジー
アルカンティア王国の聖女として務めを果たしてたヘスティアは、突然国王から追放勧告を受けてしまう。ヘスティアの言葉は国王には届かず、王女が新しい聖女となってしまったことで用済みとされてしまった。
田舎生まれで地位や権力に関わらず平等に力を振るう彼女を快く思っておらず、民衆からの支持がこれ以上増える前に追い出してしまいたかったようだ。
成すすべなく追い出されることになったヘスティアは、荷物をまとめて大聖堂を出ようとする。そこへ現れたのは、冷徹で有名な公爵様だった。
「行くところがないならうちにこないか? 君の力が必要なんだ」
彼の一声に頷き、冷徹公爵の領地へ赴くことに。どんなことをされるのかと内心緊張していたが、実際に話してみると優しい人で……
一方王都では、真の聖女であるヘスティアがいなくなったことで、少しずつ歯車がズレ始めていた。
国王や王女は気づいていない。
自分たちが失った者の大きさと、手に入れてしまった力の正体に。
小説家になろうでも短編として投稿してます。
国外追放者、聖女の護衛となって祖国に舞い戻る
はにわ
ファンタジー
ランドール王国最東端のルード地方。そこは敵国や魔族領と隣接する危険区域。
そのルードを治めるルーデル辺境伯家の嫡男ショウは、一年後に成人を迎えるとともに先立った父の跡を継ぎ、辺境伯の椅子に就くことが決定していた。幼い頃からランドール最強とされる『黒の騎士団』こと辺境騎士団に混ざり生活し、団員からの支持も厚く、若大将として武勇を轟かせるショウは、若くして国の英雄扱いであった。
幼馴染の婚約者もおり、将来は約束された身だった。
だが、ショウと不仲だった王太子と実兄達の謀略により冤罪をかけられ、彼は廃嫡と婚約者との婚約破棄、そして国外追放を余儀なくされてしまう。彼の将来は真っ暗になった。
はずだったが、2年後・・・ショウは隣国で得意の剣術で日銭を稼ぎ、自由気ままに暮らしていた。だが、そんな彼はひょんなことから、旅をしている聖女と呼ばれる世界的要人である少女の命を助けることになる。
彼女の目的地は祖国のランドール王国であり、またその命を狙ったのもランドールの手の者であることを悟ったショウ。
いつの間にか彼は聖女の護衛をさせられることになり、それについて思うこともあったが、祖国の現状について気になることもあり、再び祖国ランドールの地に足を踏み入れることを決意した。
外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~
そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」
「何てことなの……」
「全く期待はずれだ」
私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。
このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。
そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。
だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。
そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。
そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど?
私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。
私は最高の仲間と最強を目指すから。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる