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さらば、第二皇子
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ボロボロになったブラームスを運び、近所の木に縛り付けておいた。エドゥが帰宅次第、テレポートで強制送還する。
――少し待つと、エドゥが帰宅。
「あら、どうされたのですか、ラスティ様」
「おかえり、エドゥ。いや、実はさっき帝国から攻撃されてね。ご覧の通り、ゴミ兄貴が攻めてきたんだ」
「なるほど、ブラームスでしたか。いつか現れると思っていましたが、こんなに早く攻めてくるとは」
まさにゴミのようになっているブラームスを見つめるエドゥ。
「このまま強制送還して欲しい。さすがに帝国も第一、第二皇子がボコられた姿を見たら、しばらく島には近づこうと思わないだろう」
「そうですね。殺したり捕虜にしたりすると返って危険でしょう。では、テレポートします」
エドゥは、気を失っているブラームスに対して手を翳す。青白い光に包まれると、ブラームスの姿は消えた。
「これで撃退完了だな。助かったよ」
「いえいえ。これくらいはお安い御用ですよ~」
「さあ、日も暮れる。家に戻ろうか」
島の平和は無事に守れた。
ただ、今後の帝国がどう動いてくるか注視していかないとな。次は誰が襲ってくるか分からないし、もしかしたら皇帝自らという可能性もある。用心しておかないとな。
◆
食事後、俺はハヴァマールを呼び出した。
「――糸を作りたい?」
「そうなんだ、ハヴァマール。獣の毛が20個とココナツの繊維があれから増えて80個ある。このアイテムを使って生成できないかな」
「うん、分かったのだ」
注文を出すとハヴァマールはあっさり快諾。さすがだな。
「じゃあ、頼む。はい、アイテム」
「確かに受け取った」
獣の毛とココナツの繊維を手渡した。あとはハヴァマール次第だが、ここからどう『糸』を作るんだろう。見守っていると、ハヴァマールは指を鳴らした。
「何が始まるんだ?」
「裁縫スキルを発動した。詳細を見せよう」
[裁縫スキル][Lv.5]
[製造スキル]
[効果]
帽子、服、手袋、外套、靴下、下着などを作れる生活スキル。衣類や寝具、鞄、財布や人形なども製造可能。スキルレベルが『4』の時、製造したアイテムの耐久値がアップする。
Level.1 :成功率30%アップ
Level.2 :成功率30%アップ
Level.3 :糸を製造可能
Level.4 :耐久値アップ
Level.5 :全て製造可能
これが『裁縫スキル』の全容か。
布関係のあらゆるアイテムを製造できるわけか。これがあるだけで生活が豊かになるな。スキルを吟味していると、ハヴァマールは呆気ないほど早く『糸』を作り出した。
「もう出来たのか?」
「うん。一発変換だ。このスキルは材料を一括で取り扱えるからな」
便利だなぁと、俺は感心。
ハヴァマールは戦闘には向いていない感じだし、こうして生活面を支えてくれるのは俺としては嬉しいな。
そんなわけで、糸を50個入手した。
「元のアイテムに対して半分かぁ」
「それほど糸は貴重なのだ」
「そういうものなんだな」
「うむ。さて、これで何を作る?」
そうだった。糸を作った以上、次は何を作るか――だ。やっぱり、いつもお世話になっているスコルの為に服を作りたい気はする。だけど、思い出した。
俺はもともと『釣り』がしたかったんだ。
服はエルフの国『ボロディン』で買うという手もあるし、う~ん。けど、スコルにプレゼントもしたい。悩ましい。
「なあ、ハヴァマール。服の場合は糸を何個消費するんだ?」
「服の種類によるが、20~30個だな」
「おぉ、なら『ワンピース』と『釣り糸』を作ってくれないか」
「ワンピースとな。もしや、自分で着るのか?」
「そんなわけないだろ! 俺が着たら変態じゃないか。スコルにプレゼントしたいんだ。最近、スカートを破って雑巾にしてくれたからな……そんなの悪すぎる」
「そうだな、余としてもスコルには世話になっているし、分かったのだ」
「おぉ、頼む」
裁縫スキルを再発動し、ハヴァマールは製造を開始した。
――少し待つと、エドゥが帰宅。
「あら、どうされたのですか、ラスティ様」
「おかえり、エドゥ。いや、実はさっき帝国から攻撃されてね。ご覧の通り、ゴミ兄貴が攻めてきたんだ」
「なるほど、ブラームスでしたか。いつか現れると思っていましたが、こんなに早く攻めてくるとは」
まさにゴミのようになっているブラームスを見つめるエドゥ。
「このまま強制送還して欲しい。さすがに帝国も第一、第二皇子がボコられた姿を見たら、しばらく島には近づこうと思わないだろう」
「そうですね。殺したり捕虜にしたりすると返って危険でしょう。では、テレポートします」
エドゥは、気を失っているブラームスに対して手を翳す。青白い光に包まれると、ブラームスの姿は消えた。
「これで撃退完了だな。助かったよ」
「いえいえ。これくらいはお安い御用ですよ~」
「さあ、日も暮れる。家に戻ろうか」
島の平和は無事に守れた。
ただ、今後の帝国がどう動いてくるか注視していかないとな。次は誰が襲ってくるか分からないし、もしかしたら皇帝自らという可能性もある。用心しておかないとな。
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食事後、俺はハヴァマールを呼び出した。
「――糸を作りたい?」
「そうなんだ、ハヴァマール。獣の毛が20個とココナツの繊維があれから増えて80個ある。このアイテムを使って生成できないかな」
「うん、分かったのだ」
注文を出すとハヴァマールはあっさり快諾。さすがだな。
「じゃあ、頼む。はい、アイテム」
「確かに受け取った」
獣の毛とココナツの繊維を手渡した。あとはハヴァマール次第だが、ここからどう『糸』を作るんだろう。見守っていると、ハヴァマールは指を鳴らした。
「何が始まるんだ?」
「裁縫スキルを発動した。詳細を見せよう」
[裁縫スキル][Lv.5]
[製造スキル]
[効果]
帽子、服、手袋、外套、靴下、下着などを作れる生活スキル。衣類や寝具、鞄、財布や人形なども製造可能。スキルレベルが『4』の時、製造したアイテムの耐久値がアップする。
Level.1 :成功率30%アップ
Level.2 :成功率30%アップ
Level.3 :糸を製造可能
Level.4 :耐久値アップ
Level.5 :全て製造可能
これが『裁縫スキル』の全容か。
布関係のあらゆるアイテムを製造できるわけか。これがあるだけで生活が豊かになるな。スキルを吟味していると、ハヴァマールは呆気ないほど早く『糸』を作り出した。
「もう出来たのか?」
「うん。一発変換だ。このスキルは材料を一括で取り扱えるからな」
便利だなぁと、俺は感心。
ハヴァマールは戦闘には向いていない感じだし、こうして生活面を支えてくれるのは俺としては嬉しいな。
そんなわけで、糸を50個入手した。
「元のアイテムに対して半分かぁ」
「それほど糸は貴重なのだ」
「そういうものなんだな」
「うむ。さて、これで何を作る?」
そうだった。糸を作った以上、次は何を作るか――だ。やっぱり、いつもお世話になっているスコルの為に服を作りたい気はする。だけど、思い出した。
俺はもともと『釣り』がしたかったんだ。
服はエルフの国『ボロディン』で買うという手もあるし、う~ん。けど、スコルにプレゼントもしたい。悩ましい。
「なあ、ハヴァマール。服の場合は糸を何個消費するんだ?」
「服の種類によるが、20~30個だな」
「おぉ、なら『ワンピース』と『釣り糸』を作ってくれないか」
「ワンピースとな。もしや、自分で着るのか?」
「そんなわけないだろ! 俺が着たら変態じゃないか。スコルにプレゼントしたいんだ。最近、スカートを破って雑巾にしてくれたからな……そんなの悪すぎる」
「そうだな、余としてもスコルには世話になっているし、分かったのだ」
「おぉ、頼む」
裁縫スキルを再発動し、ハヴァマールは製造を開始した。
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