無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ

桜井正宗

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道具アイテム製造

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 誤魔化すようにワークテーブルへ。
 鉄はまだ60個ほど残っている。

 椅子やテーブルも必要なだけ作ってしまおう。

 それと『釣り具』が欲しい。
 釣り具は“セット”になっており、作成には『鉄』、『木』、『糸』が必要だった。今回は無理そうだな。衣類の為に糸の入手もしないとなぁ。

 今回は『梯子はしご』にしよう。

 梯子はしごがあれば木の上に生えている果実を入手できる。恐らく『ココナツ』。アレが入手できればココナツジュースとして飲用可能。

 それに、俺はひとつ気になる事があった。あのココナツの外皮は“天然繊維”となると本に書いてあったのを覚えていた。ロープや網に使われるようだし、糸としても使えるかもしれないと考えた。


 だから、今は優先すべきは『梯子はしご』だ。


 ワークテーブルにつき、俺は鉄を『5個』消費した。梯子はしごはコストが掛かるけど、一度作れば長期使用できるようだから、元は取れるだろう。


「わぁ、大きいですね。今度は何を作られたんですか?」
「これは『梯子はしご』だよ。木に立てかけて……ほら、こうすると手の届かない場所まで行けるわけさ」

「そ、そんな方法があったなんて! ラスティさん、本当に凄いですねっ」
「これで入手できる食糧も少しは増える。俺は試しに登ってココナツを採るよ」

「はい、頑張ってください」


 作ったものは『二連伸縮式階段梯子』で、二階建ての家くらいまで高さが伸びる。今目の前にある“ココヤシの木”は二階どころか三階建て――屋敷の高さに匹敵するが、梯子はしごを伸ばせば楽勝で届く。


「ほぉ、これは見事。兄上、これを登るのか」
「そうだ、見てろ」

 足を掛け、一段一段と上がっていく。
 半分も来ると中々の高さがあって、少し眩暈めまいがした。……落ちたら骨折はするだろうな。安全第一で慎重に行こう。


 確実に登りきると、天辺てっぺんまで来た。おぉ、良い眺め。海の向こうが見えるじゃないか。いや、それよりココナツだ。


「ラスティさ~ん、上はどうですかー!」


 地上にいるスコルから大声が届く。


「最高の眺めだよ! ココナツを落とす。離れてろ!」
「はぁ~い」


 スコルとハヴァマールが離れたのを確認して、俺はココナツをゲイルチュールで切り落とす。すると、複数の実が落下。これだけ採れば十分だろう。

 梯子はしごから降りると、地面には6個も落ちていた。上手くいったな!

「兄上、兄上! ココナツじゃないか!」


 [ココナツ]
 [効果]
  厚くて硬い殻に包まれている。
  中身はココナツジュースになっている。
  体力を少し回復する。
  ココナツミルクとしても飲用可能。
  外皮の繊維は『糸』として加工可能。
  加工には専用スキルが必要。


「やっと新しい食糧を入手したぞ」
「うむ、余はココナツが好きでなぁ~! スコル、さっそく包丁で穴を開けてくれぬか」

 ――と、テンションの高いハヴァマール。そんなに美味いのかなぁ。俺は初めてだから、味とか未経験なんだよな。

「了解しました。わたし、ココナツの扱いは心得ていますので――はいっと」

 スコルは手際よく包丁を刺し、ココナツに穴を作った。ハヴァマールは、ココナツをひっくり返し、そのまま口元へ。乳白の液体が零れ出る。

 ごくごくと美味そうに味わっている。

「――んまいっのだぁ!」
「へぇ、そんなに美味いのか、ココナツ」
「兄上も飲んでみぃ」

 スコルに頼んで処理して貰った。
 両手に収まるサイズの実。

 この中に液状胚乳ジュースが入っているんだなぁ。どれどれと、俺は口元へ。すると、ほのかな甘味が口内に広がる。こんな甘味久しぶりだ。ココナツのおかげで喉がうるおうなぁ。……うめぇ。


「これは贅沢な飲み物だな」
「そうだろう。しかも、ココナツの固形こけい胚乳はいにゅうも食べられるし、コリコリとした食感がクセになる万能の果実なのだ」
「すげぇや!」

 ココナツ、最高かよッ!
 驚愕きょうがくしている間にも、スコルもココナツを味わっていた。まるで酒豪のようにゴクゴクと飲み干す。こんな美味いんだから、一気飲みしちゃうよなぁ。

「――ぷはぁ! 美味しいッッ」

 これはアルフレッドにも飲ませてやりたいな。てか、ココナツは大収穫だな。梯子はしごを作って正解だった!
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