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アイテムボックス問題
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建てた家には庭もあり、花壇は作れそうな広さがあった。玄関へ向かい、扉を開ける。俺は初めて『家』というものに入った。
これが平民の家。
ワクワクするな。
中へ入ると、そこには落ち着いたシンプルモダンの空間が広がっていた。木材がふんだんに使用され、木の良い香りが漂う。
まだ何もない部屋だけど、四、五人は余裕で寛げる広さ。
「おぉ~、これはリビングですね」
声を上げるスコルはキョロキョロと内装を見渡す。それに対し、ハヴァマールは「落ち着きがないの~」と呆れた様子で溜息を吐く。
「だって、家ですよ、家……って、アレ。この銀髪猫耳の子は誰ですか!!」
おっと、説明を忘れていた。
俺は、スコルに『ハヴァマール』の事を教えた。途端、目が飛び出そうな勢いで驚いていた。おいおい、驚きすぎだろう。
「台所に風呂、トイレも完備か」
一方のハヴァマールは、ひとつひとつ各所をチェックしている。ていうか、めっちゃ興味津々だな。どうやら、あの自称妹もこういう家は初めてらしい。俺もだが。
いやしかし、これは素晴らしい。俺のスキルがこんな生活空間を生み出すとはな。真面目に開拓すれば、島を国へ変えられるかもしれない。
俺の隣で涙するアルフレッドに心境を聞いた。
「泣くほど嬉しいか、アルフレッド」
「ええ……この私、歓喜のあまり、涙腺が崩壊しました。ぼっちゃんがここまで成長していたとは」
「そう褒めるな、照れるだろう」
「それに懐かしいのです」
「懐かしい?」
「ええ、私の実家にそっくりなのです。まるで帰ってきた気分に陥っており、そのせいもあり涙が止まらなかったのです」
そんなに喜ばれるとは、作った甲斐があったな。喜ぶのはこれくらいにして、俺も一階を回った。リビングの他にフリールームがひとつあり、更に二階は四つの部屋があった。
「部屋の割り当てだが、全員二階でいいだろ。階段を上がって右の部屋が俺、その隣がスコル。階段から見て左側がハヴァマール、隣がアルフレッドって感じで」
反対はなかった。
決定だな!
◆
スコルもアルフレッドも新しい部屋でのんびりしているようだった。俺も後で自室を確認しよう。それより、今はリビングで赤色のスライムクッションに身を預けるハヴァマールに問い合わせる必要があった。
「なあ、ハヴァマール」
「なんだ、兄上」
「あ……兄上?」
「一応、兄なのでな。これから一緒に住む以上は、兄上は兄上だ」
そんな可愛い声で言われるとたまらんな。てか、俺に妹ねぇ……。確かに俺は、ぼっちだったし、妹はいなかった。義兄の第一、第二皇子はいたけどな。……そうか、俺には生き別れ(?)の妹がいたんだな。
「それより、教えてくれ。ゲイルチュールのアイテムボックス機能なんだが、数値で言うと『1000』が限界なんだ。これ以上、増やせないかな」
「そうだな、石なんかは重量が『3』と重いでな。木材は『1』、土は『2』とそれぞれのアイテムの重さは違う。食料は基本的に『1』と軽いが、数が多ければその分の数値は増加する」
なので、家を建てるまでは『1000』ギリギリだった。これからもっと材料の必要な島開発や防衛設備を作るとなると、今のアイテムボックス量では圧迫する。
「どうにか……ならないかな」
「ならば、スコルかアルフレッドに荷物持ちをさせるとか」
「なるほどな。じゃあ、ハヴァマール、頼むわ」
「なんで余!?」
「今までずっと楽していた分、働いて貰う」
「くぅ~……。この余が荷物持ちかぁ。まあよい、これでもアイテム所持量は常人の三倍はある。任せるが良い」
えっへんと、ハヴァマールは胸を張った。どうやら、協力してくれるようだな。意外と素直というか、臨機応変で助かった。
これが平民の家。
ワクワクするな。
中へ入ると、そこには落ち着いたシンプルモダンの空間が広がっていた。木材がふんだんに使用され、木の良い香りが漂う。
まだ何もない部屋だけど、四、五人は余裕で寛げる広さ。
「おぉ~、これはリビングですね」
声を上げるスコルはキョロキョロと内装を見渡す。それに対し、ハヴァマールは「落ち着きがないの~」と呆れた様子で溜息を吐く。
「だって、家ですよ、家……って、アレ。この銀髪猫耳の子は誰ですか!!」
おっと、説明を忘れていた。
俺は、スコルに『ハヴァマール』の事を教えた。途端、目が飛び出そうな勢いで驚いていた。おいおい、驚きすぎだろう。
「台所に風呂、トイレも完備か」
一方のハヴァマールは、ひとつひとつ各所をチェックしている。ていうか、めっちゃ興味津々だな。どうやら、あの自称妹もこういう家は初めてらしい。俺もだが。
いやしかし、これは素晴らしい。俺のスキルがこんな生活空間を生み出すとはな。真面目に開拓すれば、島を国へ変えられるかもしれない。
俺の隣で涙するアルフレッドに心境を聞いた。
「泣くほど嬉しいか、アルフレッド」
「ええ……この私、歓喜のあまり、涙腺が崩壊しました。ぼっちゃんがここまで成長していたとは」
「そう褒めるな、照れるだろう」
「それに懐かしいのです」
「懐かしい?」
「ええ、私の実家にそっくりなのです。まるで帰ってきた気分に陥っており、そのせいもあり涙が止まらなかったのです」
そんなに喜ばれるとは、作った甲斐があったな。喜ぶのはこれくらいにして、俺も一階を回った。リビングの他にフリールームがひとつあり、更に二階は四つの部屋があった。
「部屋の割り当てだが、全員二階でいいだろ。階段を上がって右の部屋が俺、その隣がスコル。階段から見て左側がハヴァマール、隣がアルフレッドって感じで」
反対はなかった。
決定だな!
◆
スコルもアルフレッドも新しい部屋でのんびりしているようだった。俺も後で自室を確認しよう。それより、今はリビングで赤色のスライムクッションに身を預けるハヴァマールに問い合わせる必要があった。
「なあ、ハヴァマール」
「なんだ、兄上」
「あ……兄上?」
「一応、兄なのでな。これから一緒に住む以上は、兄上は兄上だ」
そんな可愛い声で言われるとたまらんな。てか、俺に妹ねぇ……。確かに俺は、ぼっちだったし、妹はいなかった。義兄の第一、第二皇子はいたけどな。……そうか、俺には生き別れ(?)の妹がいたんだな。
「それより、教えてくれ。ゲイルチュールのアイテムボックス機能なんだが、数値で言うと『1000』が限界なんだ。これ以上、増やせないかな」
「そうだな、石なんかは重量が『3』と重いでな。木材は『1』、土は『2』とそれぞれのアイテムの重さは違う。食料は基本的に『1』と軽いが、数が多ければその分の数値は増加する」
なので、家を建てるまでは『1000』ギリギリだった。これからもっと材料の必要な島開発や防衛設備を作るとなると、今のアイテムボックス量では圧迫する。
「どうにか……ならないかな」
「ならば、スコルかアルフレッドに荷物持ちをさせるとか」
「なるほどな。じゃあ、ハヴァマール、頼むわ」
「なんで余!?」
「今までずっと楽していた分、働いて貰う」
「くぅ~……。この余が荷物持ちかぁ。まあよい、これでもアイテム所持量は常人の三倍はある。任せるが良い」
えっへんと、ハヴァマールは胸を張った。どうやら、協力してくれるようだな。意外と素直というか、臨機応変で助かった。
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