全スキル自動攻撃【オートスキル】で無双 ~自動狩りで楽々レベルアップ~

桜井正宗

文字の大きさ
上 下
425 / 473

第425話 賢者の街をぶっ潰す

しおりを挟む
 歩いて『スターバトマーテル城』へ向かう。
 しかし、兵士に追われているため隠密行動だ。
 俺たちは気配を押し殺し、枝で顔を隠しながら歩いた。

「……あのぅ」
「どうした、リース」
「この枝って意味あるのでしょうか……?」

 なんとなく顔隠しに使ってみたが、体は隠れていないからな。そりゃあ、一瞬でバレるわけでして――。


「貴様ら!!」


 やっぱり見つかったか。


「ちょ、サトル。この枝、意味ないじゃない!」

 叩きつけるように小枝を地面に投げ捨てるメサイア。うむ、この方法では頭隠してなんとやらだな。

 四人の兵に囲まれ、俺たちは追い詰められたような、そうでもないような状況におちいった。
 相手は剣や槍、盾に杖といった具合に手に持つ武器エモノがバラバラだ。
 なんだコイツ等。統一感がないというか。


「不法侵入者たちよ、ここは将軍ルキウス様のお膝元ひざもと。安易に立ち入ってよい場所ではない。貴様たちのような下等冒険者は貧民街での行動しか許されない」

 と、剣を構えるリーダー格らしき兵が怒りをにじませながら警告してきた。そう言われてもね、貧民街は食べ物もロクにないし。
 というか、この貧富の差は正直よろしくない。ぜひ、この俺が是正ぜせいしたいところだね。

 なので俺はこう言い放った。


「うるせえ。その将軍ルキウスに合わせろ。指一本でぶっ飛ばす」
「な、なにィ!? 不敬ふけいなッ!! お前のような無能中年に何ができる!」

「そりゃあ――」

 言い返す前に剣で突撃してくる兵。
 俺に“敵意”を向けるということは、オートスキルが発動するということ。俺は何もしなくていい――はずだった。


 ドゴォっと鈍い音が響き、剣を持つ兵の顔面がへこんでいた。


 驚いたことにベルが『シールド』を使い、物理攻撃。剣の兵をぶっ飛ばしていた。兵は秒で吹き飛び、かなり遠方にある馬車に激突していた。あーあ……やっちまったな。


「さすがに身内の悪口は看過かんかできなねえ」

「ほぉ、ベル。俺の為かよ」
「……まあね」


 珍しく恥ずかしそうに答えていた。へえ、ベルがね。いつもクールでツンツンしているかと思えば……たまにこういう可愛げのあることしてくれるので好きだな。


「わぁ、ベルさん凄いです……!」


 賞賛しょうさんを送りながら拍手送るリースは、憧れの眼差しをベルに向けていた。俺も素直に賛辞さんじを送ろう「ありがとう」とな。


「ん、理くん、なにか言った~?」
「いや~、なんでも。それより、残りの三人をぶっ飛――」


「「「うああああああああああ!!」」」


 に、逃げやがったー!?

 恐れをなして逃亡する兵三人。それでいいのかよ……? 敵前逃亡は、将軍ルキウスに処刑されるんじゃ。

 まあいい、先を急がねばならない。

 さっさと将軍に会ってこの貧富の差、そして山ダンジョン『ケントゥリア』の突破を許してもらいたいね。でなければ、いつまで経っても聖地へ行けぬ。
 それでは困るのだ。
 俺たちはアーサー達に会わねばならないのだから――。

 世界各地にある聖地復興の為に。



 歩いてついに駐屯地ちゅうとんちに入った。正面から堂々どうどうとだ。


 無論、衛兵がワラワラと現れて俺たちを即座に敵認定。あらゆる武器を向けられたわけでして……。


「もう、面倒臭いですね! わたくしが蹴散けちらしましょうか!」


 腕をまくり、ファイティングポーズで構えるフォル。さすが武闘派聖女。血の気が多いというか頼もしいというか。

 だがしかし、この状況は若干じゃっかんながら面倒である。

 俺の【超覚醒オートスキル】でも対処できる限界というものが……ないけどな。


「フォル、落ち着きなさい」
「え~、メサイアさん。わたくし、戦いたいんですよぉ~。この名ばかりの賢者の街をぶっ潰したいんです」


 ニコリと微笑むフォル。おま、聖女だろう!? ――いやだけど、その通りだ。この街は酷すぎる。まるで人権なんてない。一定の貴族や兵が得をしているだけだ。


「仕方ないわねー。ここは女神の私に任せなさいな」


 いやまて、メサイア。お前が出ると余計な混乱を招くだけだと思うんだが……! てか、一体なにをする気だよ。

 この数百人の兵を相手に。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜

桜井正宗
ファンタジー
 能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。  スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。  真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。

無限初回ログインボーナスを貰い続けて三年 ~辺境伯となり辺境領地生活~

桜井正宗
ファンタジー
 元恋人に騙され、捨てられたケイオス帝国出身の少年・アビスは絶望していた。資産を奪われ、何もかも失ったからだ。  仕方なく、冒険者を志すが道半ばで死にかける。そこで大聖女のローザと出会う。幼少の頃、彼女から『無限初回ログインボーナス』を授かっていた事実が発覚。アビスは、三年間もの間に多くのログインボーナスを受け取っていた。今まで気づかず生活を送っていたのだ。  気づけばSSS級の武具アイテムであふれかえっていた。最強となったアビスは、アイテムの受け取りを拒絶――!?

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ

桜井正宗
ファンタジー
 帝国の第三皇子・ラスティは“無能”を宣告されドヴォルザーク帝国を追放される。しかし皇子が消えた途端、帝国がなぜか不思議な力によって破滅の道へ進む。周辺国や全世界を巻き込み次々と崩壊していく。  ラスティは“謎の声”により無人島へ飛ばされ定住。これまた不思議な能力【無人島開発】で無人島のレベルをアップ。世界最強の国に変えていく。その噂が広がると世界の国々から同盟要請や援助が殺到するも、もう遅かった。ラスティは、信頼できる仲間を手に入れていたのだ。彼らと共にスローライフを送るのであった。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

月が導く異世界道中extra

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  こちらは月が導く異世界道中番外編になります。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

処理中です...