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第412話 神聖国ネポムセイノ領:クァンタム
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神聖国ネポムセイノの街へ来た。
すると、みんな俺にビビッて近寄らなかった。
「ん? どうしたんだろう」
「兄様に驚いているというか、怖がっていますね……?」
フォルの言う通り、なぜか貴族たちは俺に恐れをなしていた。……ああ、もしかして俺が皇帝をぶっ倒したせいかな。
なんて思っているとニコラスが指摘してくれた。
「サトル。君の頭上のレベルを見て驚いているんだ」
「え? レベル?」
自分じゃ見えないんだよな。
今度はフォルが教えてくれた。
「兄様のレベルはあれから更にアップしてLv.96000ですよ」
「へー、Lv.96000かー。って、96000!? いつの間にそんな上がったんだよ」
「恐らく皇帝を倒したから、膨大な経験値報酬が入ったのでしょう」
「なるほど」
それで貴族たちは恐れて逃げて行ったのだな。
ランキングも一位のようで……まあ、正直あんまり嬉しくはない。けど、なんだろう。この優越感のようなものは。
皇帝になったわけではないのに、この神聖国ネポムセイノの皇帝になった気分だ。
「これからどうするんだ、サトル」
ニコラスが神妙な顔で俺に話しかけてきた。
「皇帝にはお前がなれ、ニコラス」
「――は!?」
「俺はもともと皇帝よりも上の存在だ。神王アルクトゥルスだからな。これ以上の地位に興味はねーんだ」
「し、しかし……。なら、君が統治するべきでは!?」
「統治とか面倒くせーからな。それに、俺には待っている仲間がいるんだ」
「そうか。なら、私が引き受けよう」
俺は“皇帝”としての権限をニコラスに譲った。
これでもう神聖国ネポムセイノに用はない。
「じゃ、あとは頼むぞ。あの第9999代皇帝ジークムント・ケッヘルのような悪逆皇帝にはなるなよ」
「ああ、ありがとう。きっと私が良い国に変えてみせる」
「おう」
挨拶を済ませ、俺はフォルと共に神聖国ネポムセイノを去った。
◆
【神聖国ネポムセイノ領:クァンタム】
少し歩くと広大な高原が出迎えてくれた。
どうやら、神聖国ネポムセイノはまだまだ続いているようだった。
「へえ、領地があるとはね」
「そのようですね、兄様。二人きりの旅はまだ続くのですかね!」
「かもな。でも俺はそろそろメサイアたちが恋しいけどな~」
「兄様! わたくしがお嫌なのですか!?」
「違うって。ほら、もう結構会ってないし、心配だろう。それに俺たちの旅の目的はアーサーに会うことだ」
「そ、それはそうですけれど」
クァンタムは予想以上に広い。
標高も高くて山々に囲まれている。
まさかこんなのどかな場所があったとは知らなかったな。
羊や牛系モンスターがのびのび暮らしているようだ。どれも温厚でこちらを襲ってくる様子はない。
この辺りは平和なんだな。
少しすると脳内に誰かの声が語り掛けてきた。
『――さん。サトルさん……』
む、この甘い声はリースか!
「おう、リース! こっちは無事だぞ」
『よ、ようやく繋がりましたあぁぁ! サトルさん、ずっと語り掛けていたんですよ! いったいどこで何をしていたんですかー!』
「すまんすまん。フォルと共に神聖国ネポムセイノに飛ばされて戦っていた。あの国にはテレパシーは通らなかったようだな」
『そうだったんですか。フォルちゃんは無事なんですね?』
「ああ、こっちは二人で無事だ。そっちは?」
『こっちはメサイアさんとベルさんがいます。大丈夫です!』
どうやら、みんな無事のようだな。
これで合流できれば全員集合だ。
その時がきたようだな。
「分かった。今こっちは神聖国ネポムセイノ領クァンタムにいる。これるか?」
『……あ。そこは遠いですね』
「マジか」
『でも、合流はできます。その先にある“クァンタムの街”で会いましょう』
「分かった。歩いて向かう」
そこで通信は切れた。
「どうでした、兄様」
「みんな無事だってさ」
「おお!」
「この先にあるクァンタムという街で落ち合うことになった。行くぞ」
「やりましたね! これでやっと旅が進みます」
「ああ。さっさとみんなと合流してアーサーたちに会いにいこう」
「はいっ!」
高原を歩きだす。
きっとメサイアたちと会えるはずだ。
すると、みんな俺にビビッて近寄らなかった。
「ん? どうしたんだろう」
「兄様に驚いているというか、怖がっていますね……?」
フォルの言う通り、なぜか貴族たちは俺に恐れをなしていた。……ああ、もしかして俺が皇帝をぶっ倒したせいかな。
なんて思っているとニコラスが指摘してくれた。
「サトル。君の頭上のレベルを見て驚いているんだ」
「え? レベル?」
自分じゃ見えないんだよな。
今度はフォルが教えてくれた。
「兄様のレベルはあれから更にアップしてLv.96000ですよ」
「へー、Lv.96000かー。って、96000!? いつの間にそんな上がったんだよ」
「恐らく皇帝を倒したから、膨大な経験値報酬が入ったのでしょう」
「なるほど」
それで貴族たちは恐れて逃げて行ったのだな。
ランキングも一位のようで……まあ、正直あんまり嬉しくはない。けど、なんだろう。この優越感のようなものは。
皇帝になったわけではないのに、この神聖国ネポムセイノの皇帝になった気分だ。
「これからどうするんだ、サトル」
ニコラスが神妙な顔で俺に話しかけてきた。
「皇帝にはお前がなれ、ニコラス」
「――は!?」
「俺はもともと皇帝よりも上の存在だ。神王アルクトゥルスだからな。これ以上の地位に興味はねーんだ」
「し、しかし……。なら、君が統治するべきでは!?」
「統治とか面倒くせーからな。それに、俺には待っている仲間がいるんだ」
「そうか。なら、私が引き受けよう」
俺は“皇帝”としての権限をニコラスに譲った。
これでもう神聖国ネポムセイノに用はない。
「じゃ、あとは頼むぞ。あの第9999代皇帝ジークムント・ケッヘルのような悪逆皇帝にはなるなよ」
「ああ、ありがとう。きっと私が良い国に変えてみせる」
「おう」
挨拶を済ませ、俺はフォルと共に神聖国ネポムセイノを去った。
◆
【神聖国ネポムセイノ領:クァンタム】
少し歩くと広大な高原が出迎えてくれた。
どうやら、神聖国ネポムセイノはまだまだ続いているようだった。
「へえ、領地があるとはね」
「そのようですね、兄様。二人きりの旅はまだ続くのですかね!」
「かもな。でも俺はそろそろメサイアたちが恋しいけどな~」
「兄様! わたくしがお嫌なのですか!?」
「違うって。ほら、もう結構会ってないし、心配だろう。それに俺たちの旅の目的はアーサーに会うことだ」
「そ、それはそうですけれど」
クァンタムは予想以上に広い。
標高も高くて山々に囲まれている。
まさかこんなのどかな場所があったとは知らなかったな。
羊や牛系モンスターがのびのび暮らしているようだ。どれも温厚でこちらを襲ってくる様子はない。
この辺りは平和なんだな。
少しすると脳内に誰かの声が語り掛けてきた。
『――さん。サトルさん……』
む、この甘い声はリースか!
「おう、リース! こっちは無事だぞ」
『よ、ようやく繋がりましたあぁぁ! サトルさん、ずっと語り掛けていたんですよ! いったいどこで何をしていたんですかー!』
「すまんすまん。フォルと共に神聖国ネポムセイノに飛ばされて戦っていた。あの国にはテレパシーは通らなかったようだな」
『そうだったんですか。フォルちゃんは無事なんですね?』
「ああ、こっちは二人で無事だ。そっちは?」
『こっちはメサイアさんとベルさんがいます。大丈夫です!』
どうやら、みんな無事のようだな。
これで合流できれば全員集合だ。
その時がきたようだな。
「分かった。今こっちは神聖国ネポムセイノ領クァンタムにいる。これるか?」
『……あ。そこは遠いですね』
「マジか」
『でも、合流はできます。その先にある“クァンタムの街”で会いましょう』
「分かった。歩いて向かう」
そこで通信は切れた。
「どうでした、兄様」
「みんな無事だってさ」
「おお!」
「この先にあるクァンタムという街で落ち合うことになった。行くぞ」
「やりましたね! これでやっと旅が進みます」
「ああ。さっさとみんなと合流してアーサーたちに会いにいこう」
「はいっ!」
高原を歩きだす。
きっとメサイアたちと会えるはずだ。
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