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第408話 闇の勇者のスキルを放て!!
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確実に命中した俺の必殺スキル。
だが、ギガントゴーレムMARK95はギリギリで耐えて、俺の方へ掴みかかってきた。
馬鹿な!!
俺のエンデュランスを耐えるヤツがいるだとォ!?
ありえねえ……今まで一度だって耐えた奴はいなかった。
「フハハハハ! 驚いたようだな、サトル!!」
「くそおおおおおおお!!」
こんなの信じらねえ。
エンデュランスは俺の中で最高火力のスキルだぞ。相手が神であろうと魔王であろうと問答無用で消滅させる究極奥義。なのに……!
『ギィィィィィ……!!』
ギガントゴーレムMARK95二体が大きな腕を伸ばしてくる。
どうする。
どうすればいい。
焦っていると、上からギガントゴーレムMARK95をブン殴る人影が現れた。
ちょ、えええええええ!?
あの超巨大ゴーレムがぶっ倒れたああああああ!?
「な、なんだ!?」
「なにィ!?」
俺もジークムント・ケッヘルもビビった。いったい、何が起きたっていうんだ……!?
「お待たせいたしました、兄様!」
「その声はフォル! と、ニコラス!」
ニコラスは俺の背後からやって来た。歩いてきたらしい。
「間に合ったか、サトル!」
「ニコラス、こっちへ来たんだな」
「ああ、君が心配でね。聖女様のおかげで助かったよ」
ま、ウチのフォルは世界最強の聖女だからな。そう簡単にはやられん。
そして今、ギガントゴーレムMARK95をぶちのめしたのはフォルだった。拳で一撃とはな。さすがだ。
「くらえー!! 我が奥義・覇王天翔拳!!」
更にもう一体のギガントゴーレムMARK95に対し、拳を放つ。
久しぶりの奥義スキルに俺は感動した。そういえば、フォルはそういう戦い方だったな。
しかし、ダメージは入っていないらしく、ギガントゴーレムMARK95を傾かせただけだった。さっきのもう一体も起き上がった。
くそ!!
「フォル、こっちへ来い!」
「くっ……このゴーレム、固すぎです!!」
くるくると宙を舞い、体操選手のような動きで俺の方へ戻ってくるフォルは、そのまま俺に抱きついてきた。
「ちょ、フォル!」
「兄様、兄様ぁん♪ 寂しかったです~!」
「俺もだよ、フォル。お前がいなくて泣きそうになった」
「嬉しいですっ」
イチャイチャしているとニコラスとジークムント・ケッヘルから呆れられていた。
「おい、サトル!」
「おのれ、私の前で女とベタベタしおって、馬鹿にしているのか!!」
仕方ないだろ、久しぶりなんだから。
それに、フォルの抱きつきがあれば俺のやる気がアップするのだ。
けどなぁ、あの激固ゴーレムをどう処理したものかね。
他にスキルは……うーん。
「……むむぅ」
「サトル。惨めに降参するか? 土下座すれば考えてやらんでもないぞ」
ジークムント・ケッヘルは、ニヤリと笑い、そんな提案をしてきたが。俺は一蹴した。
「ふざけんじゃねえ。てめぇに頭を下げるくらいなら、フォルに頭を下げてえっちなことさせてもらうわ!」
「な!! 貴様!! 神聖な戦いの中で……ふざけたことを!!」
「ふざけてなどいない。俺は真面目さ」
そう言って、俺はフォルに視線を合わせた。
「兄様サイテー。でも、いいですけどね!!」
フォルは白い目をしながらも、なぜか了承してくれた。いいのかよ!!
って、そんな場合ではないな。
なんとか考えないと。
――その時、俺の背筋に電流が走った。
『――――――!!!』
な、なんだ……?
声が、聞こえる、ような……?
『誰だ……?』
『サトル。俺の技を使え……お前なら使えるはずだ……』
この声はまさか……!
かつて天帝と呼ばれた男の声。
ツァラトゥストラ――いや、闇の勇者ユメの声だ。
そうか、お前……俺に力を貸してくれるのか!!
ありがてえ!!
『分かったぞ、ユメ。お前の“闇”を借りる』
『ああ……またな!』
ありがとう、ユメ。
お前がどうして俺に声を掛けられたのか理屈は分からん。でもいい、お前は良い奴だった。俺がそう覚えている。
お前がいたからこそ、俺は前へ進めた。
だから!!
「これでどうだああああああああああ!! イベントホライゾン!!!」
闇の勇者だけが扱える闇属性最大のスキルを俺は放つ!!
すると破滅的な暗黒魔法が大出力で放出され、ギガントゴーレムMARK95を飲み込み粉砕した。
『『ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!』』
二体同時に撃破!
「ば、馬鹿な!!」
「ジークムント・ケッヘル……ひとつ言い忘れていた」
「なに!?」
「俺は、この新世界の神王……アルクトゥルスだ」
「……なん、だと……!」
だが、ギガントゴーレムMARK95はギリギリで耐えて、俺の方へ掴みかかってきた。
馬鹿な!!
俺のエンデュランスを耐えるヤツがいるだとォ!?
ありえねえ……今まで一度だって耐えた奴はいなかった。
「フハハハハ! 驚いたようだな、サトル!!」
「くそおおおおおおお!!」
こんなの信じらねえ。
エンデュランスは俺の中で最高火力のスキルだぞ。相手が神であろうと魔王であろうと問答無用で消滅させる究極奥義。なのに……!
『ギィィィィィ……!!』
ギガントゴーレムMARK95二体が大きな腕を伸ばしてくる。
どうする。
どうすればいい。
焦っていると、上からギガントゴーレムMARK95をブン殴る人影が現れた。
ちょ、えええええええ!?
あの超巨大ゴーレムがぶっ倒れたああああああ!?
「な、なんだ!?」
「なにィ!?」
俺もジークムント・ケッヘルもビビった。いったい、何が起きたっていうんだ……!?
「お待たせいたしました、兄様!」
「その声はフォル! と、ニコラス!」
ニコラスは俺の背後からやって来た。歩いてきたらしい。
「間に合ったか、サトル!」
「ニコラス、こっちへ来たんだな」
「ああ、君が心配でね。聖女様のおかげで助かったよ」
ま、ウチのフォルは世界最強の聖女だからな。そう簡単にはやられん。
そして今、ギガントゴーレムMARK95をぶちのめしたのはフォルだった。拳で一撃とはな。さすがだ。
「くらえー!! 我が奥義・覇王天翔拳!!」
更にもう一体のギガントゴーレムMARK95に対し、拳を放つ。
久しぶりの奥義スキルに俺は感動した。そういえば、フォルはそういう戦い方だったな。
しかし、ダメージは入っていないらしく、ギガントゴーレムMARK95を傾かせただけだった。さっきのもう一体も起き上がった。
くそ!!
「フォル、こっちへ来い!」
「くっ……このゴーレム、固すぎです!!」
くるくると宙を舞い、体操選手のような動きで俺の方へ戻ってくるフォルは、そのまま俺に抱きついてきた。
「ちょ、フォル!」
「兄様、兄様ぁん♪ 寂しかったです~!」
「俺もだよ、フォル。お前がいなくて泣きそうになった」
「嬉しいですっ」
イチャイチャしているとニコラスとジークムント・ケッヘルから呆れられていた。
「おい、サトル!」
「おのれ、私の前で女とベタベタしおって、馬鹿にしているのか!!」
仕方ないだろ、久しぶりなんだから。
それに、フォルの抱きつきがあれば俺のやる気がアップするのだ。
けどなぁ、あの激固ゴーレムをどう処理したものかね。
他にスキルは……うーん。
「……むむぅ」
「サトル。惨めに降参するか? 土下座すれば考えてやらんでもないぞ」
ジークムント・ケッヘルは、ニヤリと笑い、そんな提案をしてきたが。俺は一蹴した。
「ふざけんじゃねえ。てめぇに頭を下げるくらいなら、フォルに頭を下げてえっちなことさせてもらうわ!」
「な!! 貴様!! 神聖な戦いの中で……ふざけたことを!!」
「ふざけてなどいない。俺は真面目さ」
そう言って、俺はフォルに視線を合わせた。
「兄様サイテー。でも、いいですけどね!!」
フォルは白い目をしながらも、なぜか了承してくれた。いいのかよ!!
って、そんな場合ではないな。
なんとか考えないと。
――その時、俺の背筋に電流が走った。
『――――――!!!』
な、なんだ……?
声が、聞こえる、ような……?
『誰だ……?』
『サトル。俺の技を使え……お前なら使えるはずだ……』
この声はまさか……!
かつて天帝と呼ばれた男の声。
ツァラトゥストラ――いや、闇の勇者ユメの声だ。
そうか、お前……俺に力を貸してくれるのか!!
ありがてえ!!
『分かったぞ、ユメ。お前の“闇”を借りる』
『ああ……またな!』
ありがとう、ユメ。
お前がどうして俺に声を掛けられたのか理屈は分からん。でもいい、お前は良い奴だった。俺がそう覚えている。
お前がいたからこそ、俺は前へ進めた。
だから!!
「これでどうだああああああああああ!! イベントホライゾン!!!」
闇の勇者だけが扱える闇属性最大のスキルを俺は放つ!!
すると破滅的な暗黒魔法が大出力で放出され、ギガントゴーレムMARK95を飲み込み粉砕した。
『『ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!』』
二体同時に撃破!
「ば、馬鹿な!!」
「ジークムント・ケッヘル……ひとつ言い忘れていた」
「なに!?」
「俺は、この新世界の神王……アルクトゥルスだ」
「……なん、だと……!」
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