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第405話 第9999代皇帝ジークムント・ケッヘル
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『皇帝の間』の前には、高さ数百メートルの扉があった。
まてまて、どんだけ巨大なんだよ。
ゴゴゴっと重苦しい音と軋みを上げ、開くのに十分以上は要した。
なげぇよ!!
「では、これより先に皇帝陛下がございます。くれぐれも失礼のないように」
「いや、これから失礼をするんだがな」
シモノフの言葉を無視して、俺は中へ。
いよいよご対面か。
いったい、どんなヤツなんだろうな。
初対面だけに、ちょっと緊張する。
えっと確か、エルフ族、ドラゴン族、ドワーフ族、オーク族の混血で、天使と悪魔の血を引くだとかで、しかもゴーレムの精霊王だっけ。
改めても無茶苦茶だな。
だがいい。
この異世界は、そういうバケモノが数多く存在している。今更驚くようなことはない。
ついに奥に辿り着く。
そこには……。
『――――――』
む?
なんだこの気配は……。
凄まじい魔力と闘気。レベルの高さが伺える。……アイツか!
「ようこそ、サトル。お前がここへ来るのは分かっていた」
「お、女の声……だと!」
「ああ、そうだ。私こそがジークムント・ケッヘル」
目の前に現れたのは、紫色の長い髪をした少女だった。わ、若い……こんな少女が第9998代皇帝ジークムント・ケッヘル!?
俺はてっきり、ヒゲ面のおっさんをイメージしていたんだがな。
こんなフォルと同じくらいの女の子だとは。
「だが、まて。男の名前だよな」
「気になるか、サトル」
「まあな。教えてくれ、お前は本当に第9998代皇帝ジークムント・ケッヘルなのか?」
警戒しながらも、俺は疑問を投げかけた。
すると少女は答えた。
「父の名だ」
「父親の?」
「そう。第9998代皇帝ジークムント・ケッヘルはこの私が殺した」
「なにッ!?」
「だから、今はこの私が皇帝なのだ」
自分の父親を殺して皇帝になったのかよ……! なんて女だ!
「そんなことしていいのかよ。大問題だろ」
「父は私を城に閉じ込め、自由を与えてくれなかった。くだらぬお見合いにも付き合わされ、好きでもない男と結婚させられそうになった」
だから殺したという。
おっかないな。
けど、なるほど……いろいろあって我慢の限界が来たわけだ。
だからって親を殺すなんて、どうかしているが。
「そうか、同情するよ。とりま、お前を倒して神聖国ネポムセイノから出たい。ニコラスに頼まれているんでね」
「この私を? 面白い。お前のような愚か者は初めてだ。いや、この城に堂々と入った者も初めてだ。初めての客人を歓迎しようじゃないか。第9999代皇帝ジークムント・ケッヘルとしてな!!」
第9999代皇帝ジークムント・ケッヘルと名乗るか……!
ならば、コイツがこの神聖国の皇帝で間違いはない。
俺は超覚醒・世界終焉剣エクスカイザーを構えた。
「後悔するぞ」
「ほう、世界終焉剣か……」
「やっぱり知っているんだな」
「コンスタンティンとコンスタンティヌスからよく剣術を習っていた。そして、私の身にも“剣”が宿っているのだ」
「!?」
身構えているとジークムント・ケッヘルは、手に魔力をこめて剣を生成した。コイツ……マジかよ。
「これが私の剣……『ニュートリノ』だ」
光の魔法剣だと……!
聖属性を帯び、光輝いていた。
こ、これは……!
まてまて、どんだけ巨大なんだよ。
ゴゴゴっと重苦しい音と軋みを上げ、開くのに十分以上は要した。
なげぇよ!!
「では、これより先に皇帝陛下がございます。くれぐれも失礼のないように」
「いや、これから失礼をするんだがな」
シモノフの言葉を無視して、俺は中へ。
いよいよご対面か。
いったい、どんなヤツなんだろうな。
初対面だけに、ちょっと緊張する。
えっと確か、エルフ族、ドラゴン族、ドワーフ族、オーク族の混血で、天使と悪魔の血を引くだとかで、しかもゴーレムの精霊王だっけ。
改めても無茶苦茶だな。
だがいい。
この異世界は、そういうバケモノが数多く存在している。今更驚くようなことはない。
ついに奥に辿り着く。
そこには……。
『――――――』
む?
なんだこの気配は……。
凄まじい魔力と闘気。レベルの高さが伺える。……アイツか!
「ようこそ、サトル。お前がここへ来るのは分かっていた」
「お、女の声……だと!」
「ああ、そうだ。私こそがジークムント・ケッヘル」
目の前に現れたのは、紫色の長い髪をした少女だった。わ、若い……こんな少女が第9998代皇帝ジークムント・ケッヘル!?
俺はてっきり、ヒゲ面のおっさんをイメージしていたんだがな。
こんなフォルと同じくらいの女の子だとは。
「だが、まて。男の名前だよな」
「気になるか、サトル」
「まあな。教えてくれ、お前は本当に第9998代皇帝ジークムント・ケッヘルなのか?」
警戒しながらも、俺は疑問を投げかけた。
すると少女は答えた。
「父の名だ」
「父親の?」
「そう。第9998代皇帝ジークムント・ケッヘルはこの私が殺した」
「なにッ!?」
「だから、今はこの私が皇帝なのだ」
自分の父親を殺して皇帝になったのかよ……! なんて女だ!
「そんなことしていいのかよ。大問題だろ」
「父は私を城に閉じ込め、自由を与えてくれなかった。くだらぬお見合いにも付き合わされ、好きでもない男と結婚させられそうになった」
だから殺したという。
おっかないな。
けど、なるほど……いろいろあって我慢の限界が来たわけだ。
だからって親を殺すなんて、どうかしているが。
「そうか、同情するよ。とりま、お前を倒して神聖国ネポムセイノから出たい。ニコラスに頼まれているんでね」
「この私を? 面白い。お前のような愚か者は初めてだ。いや、この城に堂々と入った者も初めてだ。初めての客人を歓迎しようじゃないか。第9999代皇帝ジークムント・ケッヘルとしてな!!」
第9999代皇帝ジークムント・ケッヘルと名乗るか……!
ならば、コイツがこの神聖国の皇帝で間違いはない。
俺は超覚醒・世界終焉剣エクスカイザーを構えた。
「後悔するぞ」
「ほう、世界終焉剣か……」
「やっぱり知っているんだな」
「コンスタンティンとコンスタンティヌスからよく剣術を習っていた。そして、私の身にも“剣”が宿っているのだ」
「!?」
身構えているとジークムント・ケッヘルは、手に魔力をこめて剣を生成した。コイツ……マジかよ。
「これが私の剣……『ニュートリノ』だ」
光の魔法剣だと……!
聖属性を帯び、光輝いていた。
こ、これは……!
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