393 / 430
第393話 百個のオートスキルと運命の力
しおりを挟む
単純に【神】の数で言えば、こちらが二人。向こうが一人。圧倒的に有利。形勢逆転にして、大チャンス。この機を逃すわけにはいかない。
「フォル……いや、フォーチュン! 力を貸してくれ」
「もちろんです。盟約に従い、アルクトゥルス、貴方に助力します」
フォルを大切にして良かった。
もし、フォーチュンの気の触れる事態になっていたら――いや、でもフォルとは散々、えっちな事をやった気もするけど! まあ、そこは愛があるからいいのだ!
フォーチュンとの記憶は皆無だが、フォルとの思い出はたくさん。きっとその分、味方してくれると信じている。そうだよな、フォル。
「助かるぜ、フォーチュン!!」
「バテンカイトスと魔法使いの動きを止めます」
「分かった。俺も【超覚醒・オートスキル】を任意で発動する」
状況は、拮抗。膠着状態。
このままでは単純に魔力が切れた方が負け。だが、その魔力も互いに無限に等しい。いつまでこの状態が続くやら。ならば、以降は力比べとなる。
そう、スキルの多重掛け。
俺は単純にスキルが多いから有利のはずだ。高火力のスキルを乱発していく――!!
発動中の『ミレニアムエンデュランス』を【オートスキル】モードに移行。自動に任せ、俺は素早く後退。距離を取り、魔力を増幅させる。
これでいく……!
右手に『黄金』の光を溜めていく。
今頃戦っているはずのアーサー達の象徴。騎士王の栄光。アーサー、俺に力を貸してくれ……!!
『究極覚醒聖槍・ロンゴミニアド!!!』
黄金の槍を穿ち、敵の『闇』を消し去っていく。金色の輝きはどんどん広まって敵の攻撃を押し返していった。効果は抜群だな。
「……馬鹿な。スキルをもうひとつ発動した……だと。これが『理』の力だというのか……!!!」
俺の圧倒的な力に、ついに天帝は膝をつく。
だが、これだけでは終わらない。
フォーチュンがいつの間にか宙に舞い、かなりの高度を保ってスキルを放った。
『コズミックドゥーム!!』
いつもの『奥義』ではなく、フォーチュン独自のスキルが展開された。真っ白な閃光が瞬く間に闇を押し返す。なんて力だ……!
「おのれ、フォーチュン!」
やはり、天帝も『フォーチュン』を理解しているようだな。魔法使いのフォースを守りながら、必死に抵抗している。まだ足掻くか!
ならば、俺はどんどん【オートスキル】を発動していく。ひとつ、ふたつ、みっつ……加速していくスキルの数。十、二十、三十と普段使わないようなマイナースキルまで混ぜていく。
「これで、どうだッ!!!」
「――あぁ、認めよう。お前は確かに『理』であり……神王【アルクトゥルス】であるとな!! だが……俺はそれでも諦めないッッ!!」
まるで俺と同じように『怒り』を爆発させる天帝。あのしぶとくも執念深く、それでいて仲間を守るあの姿勢……まるで自分を見ているようだった。
アイツは……本当は悪いヤツではないかもしれない。でも、それでもだ。
とうとう『百個のスキル』に到達しようとし、俺の完全勝利が見えてきた。
「これで、最後だああああああっ!!!」
「くそぉぉおおぉぉぉぉぉぉおお!!!」
あと一歩で天帝をぶちのめそうな――その時。
『カチッ……』
そんな不思議な音がこだました。
直後、俺とヤツの『闇』が消えてしまう。それどころか、天帝の――いや、ユメが必死に守っていた魔法使い・フォースが人質に取られていた。
「なっ……なぜ、お前が!!」
俺はビビった。
この【死の要塞国・デイ】に何故、ヤツの姿が!! いや、ありえる話ではあった。あの金髪、鋭く光る赤眼の男は間違いない。
「なぜって? なぁに簡単な話さ……そこの天帝を殺されては困るからだよ」
「お前……時の魔法使い『ラグラス・アドミラル』!! どういう事だ!!」
「フフフ、フハハハハハハハ……!!!」
不敵に笑うラグラス。
この男……!!!
「フォル……いや、フォーチュン! 力を貸してくれ」
「もちろんです。盟約に従い、アルクトゥルス、貴方に助力します」
フォルを大切にして良かった。
もし、フォーチュンの気の触れる事態になっていたら――いや、でもフォルとは散々、えっちな事をやった気もするけど! まあ、そこは愛があるからいいのだ!
フォーチュンとの記憶は皆無だが、フォルとの思い出はたくさん。きっとその分、味方してくれると信じている。そうだよな、フォル。
「助かるぜ、フォーチュン!!」
「バテンカイトスと魔法使いの動きを止めます」
「分かった。俺も【超覚醒・オートスキル】を任意で発動する」
状況は、拮抗。膠着状態。
このままでは単純に魔力が切れた方が負け。だが、その魔力も互いに無限に等しい。いつまでこの状態が続くやら。ならば、以降は力比べとなる。
そう、スキルの多重掛け。
俺は単純にスキルが多いから有利のはずだ。高火力のスキルを乱発していく――!!
発動中の『ミレニアムエンデュランス』を【オートスキル】モードに移行。自動に任せ、俺は素早く後退。距離を取り、魔力を増幅させる。
これでいく……!
右手に『黄金』の光を溜めていく。
今頃戦っているはずのアーサー達の象徴。騎士王の栄光。アーサー、俺に力を貸してくれ……!!
『究極覚醒聖槍・ロンゴミニアド!!!』
黄金の槍を穿ち、敵の『闇』を消し去っていく。金色の輝きはどんどん広まって敵の攻撃を押し返していった。効果は抜群だな。
「……馬鹿な。スキルをもうひとつ発動した……だと。これが『理』の力だというのか……!!!」
俺の圧倒的な力に、ついに天帝は膝をつく。
だが、これだけでは終わらない。
フォーチュンがいつの間にか宙に舞い、かなりの高度を保ってスキルを放った。
『コズミックドゥーム!!』
いつもの『奥義』ではなく、フォーチュン独自のスキルが展開された。真っ白な閃光が瞬く間に闇を押し返す。なんて力だ……!
「おのれ、フォーチュン!」
やはり、天帝も『フォーチュン』を理解しているようだな。魔法使いのフォースを守りながら、必死に抵抗している。まだ足掻くか!
ならば、俺はどんどん【オートスキル】を発動していく。ひとつ、ふたつ、みっつ……加速していくスキルの数。十、二十、三十と普段使わないようなマイナースキルまで混ぜていく。
「これで、どうだッ!!!」
「――あぁ、認めよう。お前は確かに『理』であり……神王【アルクトゥルス】であるとな!! だが……俺はそれでも諦めないッッ!!」
まるで俺と同じように『怒り』を爆発させる天帝。あのしぶとくも執念深く、それでいて仲間を守るあの姿勢……まるで自分を見ているようだった。
アイツは……本当は悪いヤツではないかもしれない。でも、それでもだ。
とうとう『百個のスキル』に到達しようとし、俺の完全勝利が見えてきた。
「これで、最後だああああああっ!!!」
「くそぉぉおおぉぉぉぉぉぉおお!!!」
あと一歩で天帝をぶちのめそうな――その時。
『カチッ……』
そんな不思議な音がこだました。
直後、俺とヤツの『闇』が消えてしまう。それどころか、天帝の――いや、ユメが必死に守っていた魔法使い・フォースが人質に取られていた。
「なっ……なぜ、お前が!!」
俺はビビった。
この【死の要塞国・デイ】に何故、ヤツの姿が!! いや、ありえる話ではあった。あの金髪、鋭く光る赤眼の男は間違いない。
「なぜって? なぁに簡単な話さ……そこの天帝を殺されては困るからだよ」
「お前……時の魔法使い『ラグラス・アドミラル』!! どういう事だ!!」
「フフフ、フハハハハハハハ……!!!」
不敵に笑うラグラス。
この男……!!!
0
お気に入りに追加
1,251
あなたにおすすめの小説
無限初回ログインボーナスを貰い続けて三年 ~辺境伯となり辺境領地生活~
桜井正宗
ファンタジー
元恋人に騙され、捨てられたケイオス帝国出身の少年・アビスは絶望していた。資産を奪われ、何もかも失ったからだ。
仕方なく、冒険者を志すが道半ばで死にかける。そこで大聖女のローザと出会う。幼少の頃、彼女から『無限初回ログインボーナス』を授かっていた事実が発覚。アビスは、三年間もの間に多くのログインボーナスを受け取っていた。今まで気づかず生活を送っていたのだ。
気づけばSSS級の武具アイテムであふれかえっていた。最強となったアビスは、アイテムの受け取りを拒絶――!?
無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ
桜井正宗
ファンタジー
帝国の第三皇子・ラスティは“無能”を宣告されドヴォルザーク帝国を追放される。しかし皇子が消えた途端、帝国がなぜか不思議な力によって破滅の道へ進む。周辺国や全世界を巻き込み次々と崩壊していく。
ラスティは“謎の声”により無人島へ飛ばされ定住。これまた不思議な能力【無人島開発】で無人島のレベルをアップ。世界最強の国に変えていく。その噂が広がると世界の国々から同盟要請や援助が殺到するも、もう遅かった。ラスティは、信頼できる仲間を手に入れていたのだ。彼らと共にスローライフを送るのであった。
チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?
桜井正宗
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」
その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。
影響するステータスは『運』。
聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。
第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。
すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。
より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!
真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。
【簡単な流れ】
勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ
【原題】
『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
ゴミアイテムを変換して無限レベルアップ!
桜井正宗
ファンタジー
辺境の村出身のレイジは文字通り、ゴミ製造スキルしか持っておらず馬鹿にされていた。少しでも強くなろうと帝国兵に志願。お前のような無能は雑兵なら雇ってやると言われ、レイジは日々努力した。
そんな努力もついに報われる日が。
ゴミ製造スキルが【経験値製造スキル】となっていたのだ。
日々、優秀な帝国兵が倒したモンスターのドロップアイテムを廃棄所に捨てていく。それを拾って【経験値クリスタル】へ変換して経験値を獲得。レベルアップ出来る事を知ったレイジは、この漁夫の利を使い、一気にレベルアップしていく。
仲間に加えた聖女とメイドと共にレベルを上げていくと、経験値テーブルすら操れるようになっていた。その力を使い、やがてレイジは帝国最強の皇剣となり、王の座につく――。
※HOTランキング1位ありがとうございます!
※ファンタジー7位ありがとうございます!
転生受験生の教科書チート生活 ~その知識、学校で習いましたよ?~
hisa
ファンタジー
受験生の少年が、大学受験前にいきなり異世界に転生してしまった。
自称天使に与えられたチートは、社会に出たら役に立たないことで定評のある、学校の教科書。
戦争で下級貴族に成り上がった脳筋親父の英才教育をくぐり抜けて、少年は知識チートで生きていけるのか?
教科書の力で、目指せ異世界成り上がり!!
※なろうとカクヨムにそれぞれ別のスピンオフがあるのでそちらもよろしく!
※第5章に突入しました。
※小説家になろう96万PV突破!
※カクヨム68万PV突破!
※令和4年10月2日タイトルを『転生した受験生の異世界成り上がり 〜生まれは脳筋な下級貴族家ですが、教科書の知識だけで成り上がってやります〜』から変更しました
神様との賭けに勝ったので、スキルを沢山貰えた件。
猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。突然足元に魔法陣が現れると、気付けば目の前には神を名乗る存在が居た。
そこで神は異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。
あれ?これもしかして頑張ったらもっと貰えるパターンでは?
そこで彼は思った――もっと欲しい!
欲をかいた少年は神様に賭けをしないかと提案した。
神様とゲームをすることになった悠斗はその結果――
※過去に投稿していたものを大きく加筆修正したものになります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる