全スキル自動攻撃【オートスキル】で無双 ~自動狩りで楽々レベルアップ~

桜井正宗

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第338話 対ゴーレム爆撃作戦、テレポートで爆弾投下!?

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「……お前は!」

 一目で貴族・・と認識できる完璧に整った容姿。肩にまで掛かる桃色の髪。この豪華で派手なワインレッドのドレス。それを着こなす令嬢は世界でただ一人だろう。威風堂々のその姿は――。


「サイネリア!」
「ええ、サイネリア・ヘールボップただいま帰還致しましたわ。皆様、遅くなってしまった事をお詫び致します」


 そう彼女が謝罪すると、


「謝らないで下さいよ!」「そうです、サイネリアさんには莫大な援助をして貰っています」「ある国の潜入捜査に行っていたのでしょう」「そうですよ、仕方ありませんよ」「それより今は、敵ゴーレムを何とかせねば」「副ギルドマスターが帰って来たんだ、何とかなるさ」


 皆そう反応をした。
 へぇ、信頼されているんだな。
 当然か。


「お久しぶりですわね、サトル。それに、メサイアさん、フォル、リースさんも」

「ああ……お前は、また一段と綺麗になったな。なんちゅー美貌びぼうだよ」

「ありがとう。それは大変嬉しいめ言葉ですわ。ですけれど、今はゴーレムです。流石さすがのわたしもキックスキルでは、どうにもできませんわね」

「だろうな」


「ですが――グースケ、パースケ」

「なっ!?」


 その名を口にして、ゴーレム並みにごっつい男たちがドタドタ入って来た。今やモヒカンでは無くなって、かなりマトモな冒険者の二人。かつてのアウトローな雰囲気は皆無だ。

「お前たち……」


「お久しぶりです、アニキ! 事情は全て聞いていやす!」
「うっす! 俺たち、今や世界一・・・の情報屋・・・・ですからね。アニキの事は全て存じ上げておりやす」


 ちなみに、リースはブルブルおびえていた。未だに彼等に植え付けられたトラウマを抱えていたのだな……。


 中々に懐かしい面々がそろうが、これで逆転出来るとは到底思えなかった。


「どうするんだよ、サイネリア」
「こんな事もあろうかと、大量の【エクサダイト】を量産しておきましたの。全財産の五分の三をつぎ込みましたけれどね」

「そんなにか!」


 しかもどこかで聞いたセリフ!
 成程なるほど。エクサダイトと来たか。
 世界最強の爆発力を誇る鉱石。


 そのエネルギーは莫大で、魔導具の燃料になったり、武具のオーバー精錬に使われたり、爆薬に使ったり用途は様々なのである。

 そう、使いどころは沢山ある。
 それに故に高需要で希少。
 出回っている数はあまりに少ない。


 レア中のレアアイテムなのである。


 それを量産したと!?


「錬金術か……」
「その通りですわ、サトル。とある最強の錬金術師アルケミストに頼みましたの。だから、他の国へ旅立っていたのです。ごめんなさい、黙っていて……これは最高機密で、ギルドマスターのぼむぼむしか知り得ていなかったのです」


 だますつもりも裏切るつもりもなかったと釈明する。いや、疑うつもりなんて毛頭ない。彼女は今までたくさん貢献こうけんしてくれている。感謝しても仕切れない。


「あのぅ~」


 そこでリースが手を挙げる。


「どうした、リース」
「そのエクサダイトで、ゴーレムさんを爆破するんですか? どうやって?」


 うん、それは俺も気になった。


「それは勿論もちろん、リースさんのアイテム転移も可能な『テレポート』を使うのです」
「え……えぇ!? あたしですか……そんな自信が……」


 責任重大となり、あたふたしてしまうリース。う~ん、彼女には荷が重すぎるような気もするけど、アイテム転移なんて高等テレポートは、リースにしか出来ない。


「俺からも頼む、リース。フォルが頑張ってくれているんだ。リースには、リースにしか出来ない、リースになら必ず成し遂げられる力があるはずだ。俺はキミを信じているよ」

「サトルさん……」


 瞳をうるませて、ぐっと手に力を入れて、リースは決起した。その顔に迷いはない。俺も全力でサポートする。


「メサイア! フル支援をしてくれ!」
「任せて、女神の力を見せてあげる!」


 超全力にして女神スキル約500個を一括使用・・・・した。とんでもねぇ量の支援、補助スキルが掛かり、全員超パワーアップした。うぉい! いくらなんでも、やりすぎだが、まあいいや!


 サイネリアが前へ出る。


「いいですか、皆さん! 特製のエクサダイトは、一個につき重さ3kgもありますの。世界ギルドのメンバーの皆様にはバケツリレー形式で運搬して戴きます。それをリースさんのテレポートで飛ばすわけです」


「で、その肝心のエクサダイトは?」


「ええ、既に庭に置いてあります。ここまで運んでくるのに中々苦労しましたのに、いきなり使用する羽目になるとは。ですが、レメディオスを守る為ならば惜しくはありません。思う存分使用下さい」


 さっそく庭へ向かう。
 そこには積み上げられた大量のエクサダイト。一歩取り扱いを間違えれば、この周辺地域が跡形もなく吹き飛ぶだろう。レメディオスも一瞬で消えてなくなる。それほど危険な爆発物だが、この特製エクサダイトは、簡単には爆発できない構造となっている。安全装置付らしい。


「へえ」
「あ、兄様……ちょっと怖いですね」


 俺の服を掴むフォルは、青ざめていた。どうせなら、いつものように抱きついてくれると雰囲気があって良いんだがな。――あ、因みに、聖域の制約はあるが、この程度の行動は可能らしい。


「え! 抱きついていいのですか!?」
「人の心を勝手に読むな!」
「えへっ」


 お仕置きに俺は、フォルを抱き寄せた。

「…………好きです」

 顔を赤くして、ぼそっと何か聞こえた。
 やれやれ。


「よ~~~し、みんな、運びまくって、リースのテレポートでエクサダイトを送りまくり、ゴーレムの頭上に落としてやろうぜ!!」




「「「「「おおおおおおおおおおおおッ!!!!」」」」」




 エクサダイト爆撃作戦が開始された――!
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