全スキル自動攻撃【オートスキル】で無双 ~自動狩りで楽々レベルアップ~

桜井正宗

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第333話 世界最高権力 - 神聖国ネポムセイノの警告 -

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 寝ようかと思えば、扉を激しくノックする音が響く。何事かと思い、俺が出ようとするが、上機嫌なリースが出てくれた。

 扉の向こうには巨大な何がが居た。巨大と言っても、常人よりも筋肉質な大男だが。――って、この無駄に鍛えられた筋肉ムキムキマッチョは、まさか。

「ぼむぼむ」
「よう、サトル。また世界ギルド・フリージアへ来てくれないか」
「はぁ……今から!?」
「今からだ。聞いたぞ、あのスターゲイザーの元幹部・オプファを撃破したらしいな」
「あ、ああ……よく知ってるな」
「ギルドチャットからな」

 なるほどな。
 どのみち、ギルドには後で報告しに行こうとは思っていた。まあいいだろう。

「よし、じゃ、行ってくるよメサイア」
「は?」
「は? ……って、ついてくるのか。って、リースもフォルも」

 みんな俺を見ていた。
 ついて来る気マンマンだ!

 まあいいか。


 みんなと共に世界ギルド・フリージアへ。


 ◆


 あの貴族の屋敷だ。
 今や二十名以上が住み着いており、重要拠点となっている。

 玄関に入って、会議室へ。


 すると、


 パチパチと拍手と熱烈な歓迎を受けた。


「サトルさん、おかえり!!」「待っていたよ」「オプファ撃破おめでとう!」「あんたこそヒーローだ!」「やっぱり、サトルさんには敵わんな」「まさか、あのオプファが生きていたとはな」「レッドウォーで散々苦労したのにな」「ああ……数千人は命を落とした」「まさに血みどろであった」


「いやいや、俺はただ……」

「まあ、座れよ、サトル」


 ぼむぼむに促され、俺とみんなは席へ座った。俺がど真ん中。その隣にメサイア、リース、フォルといった具合だった。

「……なんだか落ち着かんな」

「そ、そうね」
 とメサイア。

「う、うぅ……」
 照れくさいのだろう、リースも顔を真っ赤に。

「これから何を?」
 フォルは慣れているのだろう、ぼむぼむに質問を。


「うむ、これから――」


 超真顔になるぼむぼむ。
 彼はこう言った。


「飲むぞ――――――!!!!!」


「へ……」
 俺は思わずキョトンフェイス。
 いやだって、祝い事をするとは予想外だったからな。ああ、そうかこれは勝利記念って事か。ようやく理解した。


 いきなりテーブル上にお酒が並べられる。豪華な料理も。そして……なんか知らんけど、踊り子も! 露出の多い踊り子は、俺の近くに来て酒を注いでくれた。


「お、おぉ……」

「サトル、これ……」
「ま、まあいいんじゃないか、たまには」

「そうね!!」

 メサイアは明るく納得した。
 納得するのはえええッ!
 しかももう酒をガブガブ飲んでるし、後先考えてないだろうこの女神。あれは酔いつぶれるな。

「サトルさん、ご一献」
「ありがと、リース」

 俺はリースから酒を注いで貰った。

「あっ、リースずるいです。わたくしもぉ♡」

 フォルは口移し!? してくる。

「今は無理だろ」

 拒否した。


「あぁん……兄様ぁん♡」
「人前じゃなぁ」
「そうですよね。では、あ~~~ん♡」
「まあ、それなら」


 ――とまあ、ドンチャン騒ぎが続きまくったワケだが――


「サトル、飲んでるか」
「ああ、お腹がやべぇよ。ぼむぼむ、ありがとな」
「これくらいの礼は当然さ」


 ◆


 宴が終わり、拠点を後にする予定だったが、メサイアが酔いつぶれてしまったし、リースも眠ってしまったので一泊決定となった。

「……酒に強いのは俺くらいか」
「そうでもありませんよ」

 フォルも酒には強かった。
 そういえば、以前、一緒に酒を飲み明かしたような。


 少し風に当たりたくて、フォルと共に屋敷内を一緒に歩いていく。門に差し掛かると、向こうから人影が。


「――ん」


「……」


 なんだ、貴族のような男がこちらを見ているような。その男は門を抜けてくる。俺はそれが迷ってきた近くの住民か不審者かと思って声を掛けた。

「あのー、ここは世界ギルド・フリージアの拠点ですが」
「ん、キミはなんだね。……おぉ、その隣の大変お美しい聖女様は、フォルトゥナ様ではないか」


 貴族の男は、フォルを認める。


「……どうして」
「フォル、知り合いか」

「……兄様、この屋敷の前の主・アレクサンドリアはご存じですよね」
「ああ、あのヘンタイな。でも、あの天帝の一味だろ」

「ええ、彼はあのアレクサンドリアの息子です。彼の名はアレクサンダー、かつては、あのサイネリアと婚約を交わしておりました」

「なっ、サイネリアと!?」

「けれど、裏切っていた事実が判明して、婚約破棄を。だから、彼はサイネリアを追ってきたのでしょう」

 そういう事か。この男は、サイネリアが諦められなくて屋敷を訪れたわけか。しかし、まさかあのサイネリアが婚約していただなんてな。


「その通り。僕はサイネリアさんと婚約していた。だが、父が余計な真似を……! おかげで家も何もかも失ってしまったよ」


 やれやれと肩をすくめるアレクサンダー。その割には、余裕がありそうな顔だな。なにか嫌な予感がする。


「そこでだ。この屋敷は返してもらうぞ」


「なんだと……」


「屋敷は父・アレクサンドリアのモノだし、それを受け継ぐ権利は、この僕である。もともと、世界ギルドへ協力の為に場所を提供してやっていた。まあ、父は世界ギルドの情報を入手する為にあえて歓迎し、利用していたようだが――僕は違う。
 サイネリアさんを心から愛しているし、まだこの想いは続いている。消える事もない。だから、全て返して・・・・・もらうぞ・・・・


「そうか、だがそのサイネリアは不在でね。他を当たってくれ」


 ニヤッと、アレクサンダーは笑う。
 なんだ、こいつ……。


「そうはいかん。この屋敷にいる愚か者共には、強制退去を願う。いいか――これをよく見ろ……」


 懐から何かを取り出すアレクサンダー。

 その紙を堂々と示した。


『レメディオスにある【アレクサンドリアの屋敷】は、アレクサンダーの正当な所有物であり、不法に占拠する事は許されない。即時返還せねば、攻撃を開始する/神聖国ネポムセイノ 第9998代皇帝ジークムント・ケッヘル』


 ――と、あった。

 9998はウソくせぇなとか思っていると、


「こ、これは……世界最高権力・・・・・・を持つ国ですよ」


 と、フォルは顔を青くしてつぶやいた。
 なん、だって……!
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