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第327話 イクラスライム出現 - 撃破してイクラ丼を作れ!! -

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 金髪エルフことリースがノーパンである。

 ……さてはて、どうしたものか。

 今は海上だから、いつ強風が吹いてもおかしくはない。その奇跡の神風を待つべきか――それとも、今すぐフォルを探し出して、リースのパンツを奪取して……我が物にするか。


「…………」


 そんな事決まってる。



 どっちもだァ・・・・・・!!!



 俺はしばらくリースの様子を見守った。


「あのぅ……サトルさん?」


 深緑の瞳で淋しそうに俺を見るリース。そんな目で見られると、ちょっと辛いものがあるが、ここは風を待つ。

 すると、悪戯っ子のような突き上げるような風が『ぴゅ~』と吹いて、リースのスカートをめくった。なんと都合の良すぎる風だ。

 ふわっと上がって――


 俺は凝視を――



『ザブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ――――――ン!!!!!』



 奇跡のタイミングでモンスターが打ちあがってきやがった。そのモンスターがリースのちょうど捲れ上がったスカート部分を隠す。


「のおおおおおお、見えねええええええええ!!」


 てか、いきなり海からモンスター襲来かよ。
 ふざけんなっ!!


「しかも、イクラ型のスライムかよ」


 紅色のイクラスライムが出現。
 しかも、五体。


「サトルさん! これ!」


 顔を赤くし、恥ずかしそうにスカートを押さえるリースは、俺の元へ。


「ああ、モンスターだ」
「……ところで、見ていませんよね?」
「残念ながらな……(血涙)」
「ほっ……そうでしたか」

 安堵するリースだったが、俺は悲しみ。
 おのれモンスター、よくも邪魔を!!!


 チクショ――――――――!!!


 敵モンスターの物理攻撃、体当たりが向かって来る。単純だが、食らえばダメージは大きいだろう。

 しゅっと右と左と回避して、聖槍でチクッとしておいた。すると、バンバン弾けていく、イクラスライム。

 ドロップアイテムは、当然『イクラ』であった。

 これ、新鮮で食えそうだな。


「わあ、イクラです!」
「ちゃんと洗えば食えるかもな」
「はいっ」


「そうだ、イクラ丼にするか」


「そうですね、せっかくの海の幸ですから名案かと!」


 すっかり『ご飯』になったな。


 ◆


 モンスターを撃破後、俺はフォルを探し回った――というか、彼女の自室にいた。

「フォル、入るぞ」

 フォルの部屋に入ると、ベッドの上で体育座りしてショボくれた聖女がいた。なんだか、複雑な顔だな。

「……」
「どうした、美人が台無しだぞ」
「リースと……喧嘩しちゃったのです」

 この二人、たまに喧嘩しているらしいからな。だが、喧嘩するほど仲が良いとも言う。なんだかんだ、仲直りしているからな。

「俺の為に喧嘩してくれるな。ていうか、リースのパンツは返してやれ。スースーして困っているぞ」

 摘ままれて示される、リースのパンツ。

「いや、俺じゃなくて本人に返してやれ。俺が受け取ったら、ただのヘンタイだ」
「顔を合わせ辛いので……兄様が返して下さいなのです」
「えー…」

 ああ、もう仕方ないな。

 俺はフォルに近づいていく。


「……ぁ、兄様」


 そのままお姫様抱っこした。

「行くぞ」
「……はぅ……」

 照れているなあ。
 でも、今はリースと会わせるのが優先だ。


 ◆


 再び甲板へ。
 階段に腰を掛けるリースを発見した。


「よ、リース。フォルを連れてきたぞ」


「フォルちゃん」
「リース」


 二人は顔を合わせて――


「「ごめんなさい」」


 とまあ、ハモるように謝罪し合った。
 それから笑い合い、なんとか仲直りしたようだ。


「フォル、リースのを」
「あ、そうでした」


 フォルからパンツを受け取り、リースはそのまま穿いた。

「…………」

 俺の目を気にしているのか、顔がかなり赤い。でもこれで元通りだな。


「よ~し、解決もしたし、イクラ丼でも食うか~」
「イクラ丼ですか? あれ、ご飯にするんです?」
「ああ、フォル。さっきイクラスライムを撃破してな。それでイクラを大量にドロップしたんだよ。なあ、リース」

「そうなんですよ~。だから、しばらく食料には困りませんよ~」


 メサイアも呼んで、みんなでイクラパーティだなっ。
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