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第322話 無人島脱出 - イカダは船に!? 最高の船旅で出発 -
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「じゃあ、建築スキルで『イカダ』を作るわね!」
砂浜に並べた大量の『木材』、『石』、『ロープ』。ロープは即作成した。後は、これでイカダを作るって三段なワケだが、さあ、上手くいくだろうかな。
いや、きっと成功する。
なんせ、女神の力だからな。
「メサイア、頼むぜ」
「ええ、この女神に任せなさいっ!」
自信満々に材料へ向けて手を翳すメサイア。次第に収集品がピカッと白く、神々しく光って融合していく。
「「「おおおおおお~~~!!!」」」
ていうか、まぶしい!!
光強すぎだろ! 目が潰れるそうになるほどフラッシュし、俺はリースを支えるくらいの余裕はあったけど、フォルは足を滑らせたようだ。
「きゃっ……」
コケたフォルは、メサイアのケツに掴まった。そして、建築スキルは完了したようだ!
イカダ完成――――!!!
……?
「って、なんだこりゃああああああッ!!」
そこに現れたのはイカダではなく『船』だった。しかもかなり立派なガレオン船。――これは、どちらかというと……
「海賊船?」
帆には恐ろしい髑髏が刻まれている。
なるほど、イカダを超越して海賊船になっちまったらしい。どういう理屈だよ。
「なあ……メサイア、これ」
「あは……あはは……」
失敗しちゃったと、複雑そうに笑う駄女神――いや、この場合は寧ろ、有能女神か。イカダなんぞより、マシだし、快適な船旅が出来るだろう。
だって、海にはヤベ~モンスターも何百種類と棲んでいるしな。こういう頑丈な船の方が襲われた時に対処もしやすい。だから、これはラッキーではないか。
「よくやった、メサイア」
「え、怒んないの?」
「これは大当たりだろ。ありがとな」
「…………」
意外そうな顔をして、メサイアは顔を赤くした。
「そ、そう。それなら良かったわ。ちなみに、これは実在した海賊バーソロミュー・ロバーツの『ロイヤルフォーチュン』という海賊船よ」
――と、メサイアは得意気に解説してくれるが……まて『フォーチュン』だって? あれか、フォルがメサイアのケツにぶつかったから、フォーチュン効果が追加されたのか。いや、偶々の偶然か。
「フォーチュンですか! それは素晴らしい」
うんうんと、俺の隣で満足気に銀髪を揺らすフォル。まあ、フォーチュンの名があれば、航海も楽々かもな。
◆
まさか船旅になろうとはな。
帆を張って、無人島を出発。太陽島『サンデシマ』を目指した。そういえば、船旅は久しぶりだな。『聖地巡礼』振りだろうな。
うん、これぞ旅って感じだ。
いいねぇ~!
しかも、美女たちに囲まれての船旅だ。
一人、広い甲板に立ち、風を感じているとビキニ姿のメサイアが隣に来た。手すりに肘を掛けて、俺と同じように海を眺める。黒髪が風で靡いて……美しい。このワンシーンだけを切り取れば、最高の名画だな。
「ねぇ、サトル……」
「どうした、そんなノスタルジックに」
「ん~、そんな感傷的に見えた? なわけないでしょ。今、私はサトルの事しか考えていないもの」
「……え」
赤い瞳が流れてくる。
こちらに目線を合わせて、笑う女神。
見つめ合って……俺は。
「メサイア……」
「うん」
自然と抱き合って、唇を――
「待って」
「え? ダメなのか?」
急に怖い顔をして、メサイアは空を見つめた。
「ん、空?」
俺も釣られて仰ぐ。
そこには雲一つない青空が――。
『きゅぅぅぅっぅ――――!!!』
変な音がした。
なんだろう、この異音。なにかブレス攻撃的な――いや、そうだよ。これはドラゴン系の大技スキル。やべぇモンが飛んで来ようとしている。
その異常を察知した、フォルとリースもやって来る。
「兄様! これは……」
「サトルさん……」
「ああ、モンスターだ。魚介系とか海モンスターが登場するかと思ったんだがな、この周辺はドラゴンの飛空領域だったようだ」
『――――グォォォォォォォォォッ』
やっぱり、ドラゴンが……は?
「おい……嘘だろ…………」
目の前に現れた超巨大ドラゴン。
ゴツゴツとした鱗。
全身黄金のボディ。
ピカピカの金色だった。
「……ありえん、だろ……」
「サトル……これって」
「ああ……こりゃあ…………なんだ?」
メサイアは、ズルっとコケた。
いや、俺このモンスターとは初めてエンカウントしたし! こんな俺の槍・ロンゴミニアドのような黄金ドラゴンは知らんぞ。
「これは、伝説の黄金龍【シャイネンドラゴン】よ。知能が高く、人間の形も持つという、特殊なドラゴン。この近辺に『エルドラード』という彼らの幻の郷があるの。でも、そこを狙う冒険者が多発してね、人間嫌いで有名よ」
なるほどねー!
となると、このシャイネンドラゴンは、殺られる前に、俺等を襲いに来たのか。
その前に倒して、その金を売ってやらああッ!
砂浜に並べた大量の『木材』、『石』、『ロープ』。ロープは即作成した。後は、これでイカダを作るって三段なワケだが、さあ、上手くいくだろうかな。
いや、きっと成功する。
なんせ、女神の力だからな。
「メサイア、頼むぜ」
「ええ、この女神に任せなさいっ!」
自信満々に材料へ向けて手を翳すメサイア。次第に収集品がピカッと白く、神々しく光って融合していく。
「「「おおおおおお~~~!!!」」」
ていうか、まぶしい!!
光強すぎだろ! 目が潰れるそうになるほどフラッシュし、俺はリースを支えるくらいの余裕はあったけど、フォルは足を滑らせたようだ。
「きゃっ……」
コケたフォルは、メサイアのケツに掴まった。そして、建築スキルは完了したようだ!
イカダ完成――――!!!
……?
「って、なんだこりゃああああああッ!!」
そこに現れたのはイカダではなく『船』だった。しかもかなり立派なガレオン船。――これは、どちらかというと……
「海賊船?」
帆には恐ろしい髑髏が刻まれている。
なるほど、イカダを超越して海賊船になっちまったらしい。どういう理屈だよ。
「なあ……メサイア、これ」
「あは……あはは……」
失敗しちゃったと、複雑そうに笑う駄女神――いや、この場合は寧ろ、有能女神か。イカダなんぞより、マシだし、快適な船旅が出来るだろう。
だって、海にはヤベ~モンスターも何百種類と棲んでいるしな。こういう頑丈な船の方が襲われた時に対処もしやすい。だから、これはラッキーではないか。
「よくやった、メサイア」
「え、怒んないの?」
「これは大当たりだろ。ありがとな」
「…………」
意外そうな顔をして、メサイアは顔を赤くした。
「そ、そう。それなら良かったわ。ちなみに、これは実在した海賊バーソロミュー・ロバーツの『ロイヤルフォーチュン』という海賊船よ」
――と、メサイアは得意気に解説してくれるが……まて『フォーチュン』だって? あれか、フォルがメサイアのケツにぶつかったから、フォーチュン効果が追加されたのか。いや、偶々の偶然か。
「フォーチュンですか! それは素晴らしい」
うんうんと、俺の隣で満足気に銀髪を揺らすフォル。まあ、フォーチュンの名があれば、航海も楽々かもな。
◆
まさか船旅になろうとはな。
帆を張って、無人島を出発。太陽島『サンデシマ』を目指した。そういえば、船旅は久しぶりだな。『聖地巡礼』振りだろうな。
うん、これぞ旅って感じだ。
いいねぇ~!
しかも、美女たちに囲まれての船旅だ。
一人、広い甲板に立ち、風を感じているとビキニ姿のメサイアが隣に来た。手すりに肘を掛けて、俺と同じように海を眺める。黒髪が風で靡いて……美しい。このワンシーンだけを切り取れば、最高の名画だな。
「ねぇ、サトル……」
「どうした、そんなノスタルジックに」
「ん~、そんな感傷的に見えた? なわけないでしょ。今、私はサトルの事しか考えていないもの」
「……え」
赤い瞳が流れてくる。
こちらに目線を合わせて、笑う女神。
見つめ合って……俺は。
「メサイア……」
「うん」
自然と抱き合って、唇を――
「待って」
「え? ダメなのか?」
急に怖い顔をして、メサイアは空を見つめた。
「ん、空?」
俺も釣られて仰ぐ。
そこには雲一つない青空が――。
『きゅぅぅぅっぅ――――!!!』
変な音がした。
なんだろう、この異音。なにかブレス攻撃的な――いや、そうだよ。これはドラゴン系の大技スキル。やべぇモンが飛んで来ようとしている。
その異常を察知した、フォルとリースもやって来る。
「兄様! これは……」
「サトルさん……」
「ああ、モンスターだ。魚介系とか海モンスターが登場するかと思ったんだがな、この周辺はドラゴンの飛空領域だったようだ」
『――――グォォォォォォォォォッ』
やっぱり、ドラゴンが……は?
「おい……嘘だろ…………」
目の前に現れた超巨大ドラゴン。
ゴツゴツとした鱗。
全身黄金のボディ。
ピカピカの金色だった。
「……ありえん、だろ……」
「サトル……これって」
「ああ……こりゃあ…………なんだ?」
メサイアは、ズルっとコケた。
いや、俺このモンスターとは初めてエンカウントしたし! こんな俺の槍・ロンゴミニアドのような黄金ドラゴンは知らんぞ。
「これは、伝説の黄金龍【シャイネンドラゴン】よ。知能が高く、人間の形も持つという、特殊なドラゴン。この近辺に『エルドラード』という彼らの幻の郷があるの。でも、そこを狙う冒険者が多発してね、人間嫌いで有名よ」
なるほどねー!
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