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第316話 ブラックオーク出現!! - 忍び寄る闇の恐怖 -
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コンスタンティンの兄・コンスタンティヌスをぶっ飛ばして、メサイア、フォルトゥナ、リースと合流。直ぐにテレポートして『天空帝国・デン』を脱出した――。
【レメディオス】
本拠地へ戻った。
すると、そこには大勢の人間がいて……
「「「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおッ!!」」」」」
――と、声高らかに叫んだ。
「な……なんだ?」
俺は呆然となった。
メサイアたちもこの歓迎に固まる。
けれど、リースが何かに気付いたようだ。
「この人たち、世界ギルド『フリージア』の方々ですよ!」
「なんだって?」
よ~~~く見ると、筋肉ムキムキマッチョの巨体・ぼむぼむがいた。あんな筋肉オバケは彼しかいない。
――って、やべ!!
俺、聖女の姿じゃないぞ!!
男の姿のままだった。
ぼむぼむは俺の姿に気づいて――
「よう、久しぶりだな、サトル! 本当に帰還したんだな。前の姿のままじゃないか」
「――へ? あ、ああ……」
帰還?
機関とかじゃないだろうな。帰還か。
――って、どういう事だ?
メサイアが察して、耳打ちして来た。
「実は、サトルは『冥府』に落ちたって皆には言ってあるの。だから、最近になって、その冥府から帰ってきたという筋書になっているから」
――なるほど、俺の復活理由が『冥府』からの帰還とはな。
「って、どんな理由だよ、それ」
「だって、理由がないと怪しまれるじゃない」
「そりゃそうだが……」
まあ、まだマシといえばマシな理由か。
今はまだ『聖女・ヘデラ』の姿を明かすワケにはいかない。そもそも、ヘデラもこの都に存在している。
奇跡の願望星屑【スターダスト】で同時多発的に存在してしまっているのだ。そこに矛盾も齟齬もない。あるのは俺という存在だけ。
「サトルさん、かっこいいー!」「デンを攻略したんだって?」「すげぇおい。俺等、フリージアでさえ近づけなかった場所だぞ」「トゥースを倒したって!」「わぁ、なにそれー! 強すぎぃ~」「やはり、伝説の人物は違うな」「ええ、彼は英雄よ!」「ところで、ヘデラ様はどこへ行った?」「まあ、サトルもヘデラ様もいれば、天帝もすぐに王座から引きずり降ろされるだろうよ」
わ~わ~と百人以上が大騒ぎとなった。
「こりゃ凄い騒ぎだ」
特に女の子の視線が熱い。激アツだ!!
というか、数人が俺の元へ来て、胸を押し当てて来た。なんて天国だ……だが!
「すまんね、君たち。気持ちは嬉しいよ、でも、俺はまだ天帝を倒さなきゃならん! 世界ギルドの皆、引き続き力を貸してくれ!! 世界を取り戻すぞ!!」
「「「「「おおおおおおおおおおおッ!!!!!!」」」」」
熱気が湧いた。
すごい熱量だ。まるでコンサート会場だな。
◆
――それから、俺たちは【メサイア邸】へ帰った。
ネメシア達が住んでいる家からは距離があって、鉢合わせる事はない。そもそも、ヘデラも向こうでよろしくやってるけどな。
「ふぅ」
リビングのソファでくた~っと身体をだらけさせる。やっぱり、我が家は落ち着くな。なによりも、女神であるメサイアに膝枕して貰っている。最高だ。
そうしていると、リースとフォルがいつもの姿で。
「兄様、姉様、行きますよ」
「行く? どこへ?」
そう聞くと、リースが答えた。
「温泉ですっ! ほら、汗を流しましたし、ゆっくり療養をと」
「ほ~、温泉ね。でもさ、混浴できる場所あったっけ」
今度はフォルが先生のように指を示してこう言った。
「そこでです! 兄様はここで待機。ヘデラ様の姿で来られて下さい。それなら女風呂も問題なく入れますよ」
「なるほどな!!」
そりゃ名案だ。
向こうの姿なら問題ない。いや姿っていうか、女そのものだけどな!
というわけで、意識をメイン化開始!!
◆◇ ◆◇ ◆◇
「――――」
細い腕。白いスラっと伸びる手。
明らかに体重が変化し、身軽。自身の匂いすら変わった。……なんだろう、やっぱり聖女の姿がしっくり来ちゃうんだよな。
「ヘデラ? ねぇ、ヘデラってば」
赤い瞳で心配そうに俺の顔を覗き込むネメシア。顔が近い。
「あ? ああ……すまん、ぼうっとしていた。どうした」
「ブラックオークよ!」
「は? ぶらっくおーく?」
なんのこっちゃと視線を前にする。
すると、なぜか荒野にいた。
その眼前には、真っ黒なボディを持つオーク。手には真っ黒の斧。まさにブラックオークだった……。
「――って、なんじゃこりゃああああああああ!?」
【レメディオス】
本拠地へ戻った。
すると、そこには大勢の人間がいて……
「「「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおッ!!」」」」」
――と、声高らかに叫んだ。
「な……なんだ?」
俺は呆然となった。
メサイアたちもこの歓迎に固まる。
けれど、リースが何かに気付いたようだ。
「この人たち、世界ギルド『フリージア』の方々ですよ!」
「なんだって?」
よ~~~く見ると、筋肉ムキムキマッチョの巨体・ぼむぼむがいた。あんな筋肉オバケは彼しかいない。
――って、やべ!!
俺、聖女の姿じゃないぞ!!
男の姿のままだった。
ぼむぼむは俺の姿に気づいて――
「よう、久しぶりだな、サトル! 本当に帰還したんだな。前の姿のままじゃないか」
「――へ? あ、ああ……」
帰還?
機関とかじゃないだろうな。帰還か。
――って、どういう事だ?
メサイアが察して、耳打ちして来た。
「実は、サトルは『冥府』に落ちたって皆には言ってあるの。だから、最近になって、その冥府から帰ってきたという筋書になっているから」
――なるほど、俺の復活理由が『冥府』からの帰還とはな。
「って、どんな理由だよ、それ」
「だって、理由がないと怪しまれるじゃない」
「そりゃそうだが……」
まあ、まだマシといえばマシな理由か。
今はまだ『聖女・ヘデラ』の姿を明かすワケにはいかない。そもそも、ヘデラもこの都に存在している。
奇跡の願望星屑【スターダスト】で同時多発的に存在してしまっているのだ。そこに矛盾も齟齬もない。あるのは俺という存在だけ。
「サトルさん、かっこいいー!」「デンを攻略したんだって?」「すげぇおい。俺等、フリージアでさえ近づけなかった場所だぞ」「トゥースを倒したって!」「わぁ、なにそれー! 強すぎぃ~」「やはり、伝説の人物は違うな」「ええ、彼は英雄よ!」「ところで、ヘデラ様はどこへ行った?」「まあ、サトルもヘデラ様もいれば、天帝もすぐに王座から引きずり降ろされるだろうよ」
わ~わ~と百人以上が大騒ぎとなった。
「こりゃ凄い騒ぎだ」
特に女の子の視線が熱い。激アツだ!!
というか、数人が俺の元へ来て、胸を押し当てて来た。なんて天国だ……だが!
「すまんね、君たち。気持ちは嬉しいよ、でも、俺はまだ天帝を倒さなきゃならん! 世界ギルドの皆、引き続き力を貸してくれ!! 世界を取り戻すぞ!!」
「「「「「おおおおおおおおおおおッ!!!!!!」」」」」
熱気が湧いた。
すごい熱量だ。まるでコンサート会場だな。
◆
――それから、俺たちは【メサイア邸】へ帰った。
ネメシア達が住んでいる家からは距離があって、鉢合わせる事はない。そもそも、ヘデラも向こうでよろしくやってるけどな。
「ふぅ」
リビングのソファでくた~っと身体をだらけさせる。やっぱり、我が家は落ち着くな。なによりも、女神であるメサイアに膝枕して貰っている。最高だ。
そうしていると、リースとフォルがいつもの姿で。
「兄様、姉様、行きますよ」
「行く? どこへ?」
そう聞くと、リースが答えた。
「温泉ですっ! ほら、汗を流しましたし、ゆっくり療養をと」
「ほ~、温泉ね。でもさ、混浴できる場所あったっけ」
今度はフォルが先生のように指を示してこう言った。
「そこでです! 兄様はここで待機。ヘデラ様の姿で来られて下さい。それなら女風呂も問題なく入れますよ」
「なるほどな!!」
そりゃ名案だ。
向こうの姿なら問題ない。いや姿っていうか、女そのものだけどな!
というわけで、意識をメイン化開始!!
◆◇ ◆◇ ◆◇
「――――」
細い腕。白いスラっと伸びる手。
明らかに体重が変化し、身軽。自身の匂いすら変わった。……なんだろう、やっぱり聖女の姿がしっくり来ちゃうんだよな。
「ヘデラ? ねぇ、ヘデラってば」
赤い瞳で心配そうに俺の顔を覗き込むネメシア。顔が近い。
「あ? ああ……すまん、ぼうっとしていた。どうした」
「ブラックオークよ!」
「は? ぶらっくおーく?」
なんのこっちゃと視線を前にする。
すると、なぜか荒野にいた。
その眼前には、真っ黒なボディを持つオーク。手には真っ黒の斧。まさにブラックオークだった……。
「――って、なんじゃこりゃああああああああ!?」
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