全スキル自動攻撃【オートスキル】で無双 ~自動狩りで楽々レベルアップ~

桜井正宗

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第297話 死者復活 - シュピネダンジョン⑦ -

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 恐ろしかった『シュピネダンジョン』を抜けた。
 森を抜けるとそこはがけだった……!


 恐ろしいほどの断崖絶壁だんがいぜっぺきでした!!


「うあぁぁぁぁ……!」


 なんぞこれ。
 どうして森の外ががけなの、ねぇ!?


「お、落ちるぅ!!」
「わぁ、なにこれヘデラ! 底が真っ暗で何も見えないわ!!」


「お……押すなよ、絶対に・・・押すなよ・・・・!?」


 俺もみんなも足元がフラついている。
 こんな高さだからな、ビビりもするって――なあ!? やばいやばいやばいって、この高さは尋常じゃない。落ちたら仏さんよ。


「にゃーーーーーーー!!!」
「うああああああ、エコもといシャミセン!! てめええ、押すなとぉ!!」

「虫があああ、私の鼻の上にウネウネの気持ち悪い虫があああああああ~~~~~~~~!!」

 どうやら、エコの鼻に虫が付着した模様。そのせいで、ジタバタ暴れまくり。俺はその反動で落ちそうになる! 我慢しなさい!!


「うああああああ!!」


 ついに俺はバランスを崩し、奈落の底へほぼ行きかけた。だが、辛うじてトーチカが俺の水着を引っ張り何とか落ちずに済んだ。

「ふぅ……。九死に一生を得た。――って、うわっ……俺、胸が丸出し……!」

 どうやら、トーチカにビキニの肩紐を引っ張られてしまい、抜けてしまったようだ。紐が辛うじて俺とトーチカを繋いでいる。

「トーチカ、放すなよ! 俺死んじゃうから!」
「それは嫌……絶対に離さない」

 しかし、トーチカもすごい体勢だ。逆さまになっている。そのトーチカの足を掴むは、ネメシア。その頂上がエコだった。


 エコ!?


 待ってほしい。
 黒猫であるエコ、しかも肉球が俺たちを支えている!? なんだこの奇跡的な状況! ありえんだろ! ありえんけどこれが現実リアル


 こういう危機的状況の場合、一番上で支えている人物が顔を真っ赤にし、全力で引っ張るものだ。だが、それが今は猫であるエコが肉球・・で引っ張っているのだ。

 マジでどうなってやがる!?

 エコの肉球は、未来の技術ペッタリハンドか何かか!? それかやっぱり、あの猫はぬえかキメラに違いない!


「ぐにゃにゃにゃ……!」


 苦しそうに俺たちを引っ張り上げる、エコ。
 まさか猫に助けられるとはな。ていうか、力持ちすぎだろ! すげぇぜ、このキメラ猫!

 一応、その正体はロリエルフだけれど――なんだろう、腑に落ちないっていうか。こんな展開を誰が予想できただろうか!


 まあいい……!
 『神』が頼れないのなら『ネコ』を頼るしかない。案外、紙一重かもな!


 此処ここからではあまりよくは見えないが、顔を真っ赤にさせ、力むエコは肉球・・に全神経を注ぎ、がけの上から俺、トーチカ、ネメシアを吊り上げている。


 頼むぜ、エコ。お前だけが頼りだ。


「うにゃあああああああああああああ……!!!」


 かつてないセクシーボイスが空へ響く。
 全力だな、猫の本気。底力。憤怒。


 そうだ、猫に不可能はない。


 そうだろう、エコ!



「……やっぱり無理ですにゃああああああああああああああ~~~~~!!」



 力尽き、肉球を放す。


「え……うあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」



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