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第284話 世界ギルド - 自由を求める者たち・フリージア -

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 突然現れたゴリゴリマッチョ男は『ぽむぽむ』改め――『ぼむぼむ』だった。

 言いにくい!!


「おい、ぼむぼむ!!!」

「むぅ~~~~~~~~ん!!」

「むぅ~~~~~~~~んじゃねええええええ!! その[バオバオバオバォォォォオン!!!!!]がな……」


「む? ああ、これか。すまんな。つい誇示したくなってしまうのだよ」


 最悪か!
 ていうか……


 ぽむぽむ・・・・だったのか。


 コイツはかつて――ギルド『サンフラワー』のギルドマスターであり、どこにでもいる普通の好青年であった。俺の親友に近しい存在でもあった。だが、今はこんなマッチョになり果ててしまっている。てか、誰やねん。別人すぎるわ!!


「トーチカ、お前、苦労してんだな」
「…………」


 あー…、トーチカのやつガチで石化してらぁ。
 余計に目が死んで……ああもうこれ、帰ってこないヤツだ。

「で、ぼむぼむ。ただ娘に会いに来ただけじゃないんだろ?」
「うむ。異様な気配を感じたのでな」
「気配?」

 ぼむぼむはその肉体を見せつけながら、俺をジッと見た。――いや、こっち見んな。むしろ、俺の柔肌を直視すんなっ!!

死神・・のだよ。ネメシア様に何か変化があったのではないかなとね。まあ、実を言えば娘から情報を受け取ったというのもあるのだがね」


「トーチカが……?」


 聞こうと思ったが、当の本人は直立不動で石化しており……無反応。……だめだこりゃ。放っておこう。


「そうだ。娘はただ聖女様あなたに接近したわけではない。我々世界ギルド『フリージア』は、自由を求め世界各地を奪還している。かつてのギルド『サンフラワー』、『Fireworksファイアーワークス』、『ああああ騎士団』、『テラボンバー』、その他はこのフリージアに統合された。そして、円卓の騎士、あの元・コンスタンティン軍ですら動いている。それとヘールボップ家の莫大な援助。サイネリア様の行動がなければ、我々は存在しなかったろう」


「サイネリアが……そこまで動いてくれていたのか」


 というか『フリージア』だって?

 それはかつての【花の都】の名前だ。


「そこでだ、ヘデラ様。あなた方をギルドに迎え入れたい。一緒に戦い、この世界を取り戻す。悪い話ではないと思うが」


 そりゃそうだ。
 それが俺の最大の目的。あるべき世界に戻し、俺はメサイアにもう一度会いたい。フォルやリース、ベルもだ。


 でも。


 ネメシアをほうっておけるかよ。


「すまんが俺はギルドに所属しない性分でね。それに、ネメシアが心配なんだ……。そっちはそっちで動いてくれ。邪魔する気もないし、天帝を倒すという目的は一緒だし」

「そう言うと思った。では、トーチカ。こっちへ戻ってこい」

 ぼむぼむは、トーチカにそう詰め寄った。
 なんだって――トーチカをギルドに?

 しかし、彼女は、

「やだ。あたしはヘデラといる。最後まで一緒にいるって決めたから。お父さんは帰って。ていうか……年頃の娘の裸を見ないでよ、サイテー」


「のおおおおおおおおおおおおおおおおおおおいおお!!!!!!!!」


 激しい蔑視べっしを受け、ぼむぼむは撃沈した。

 同情もできん。

 とりあえず、このおっさんどうすっか? 一応、トーチカの親父だしな。ぼむぼむだし。どっかに捨てるワケにもいかないな。

「ヘデラ。詳しい事はあとで話す。あたしはお父さんを捨ててくる」

 すでにメイド姿に着替えていたトーチカは、白目剥いて倒れているぼむぼむを背負い、そのまま風呂を出た。てか、力持ちだな。体格差あるのに。


「トーチカ、行ってしまわれましたね」
「おう、猫いたのか」
「ええ、おりましたとも。……仕方ありませんね、そろそろ呼び・・ますか」

「え? 呼ぶ?」

「ええ、私の召喚主であり、マスターである『リース』様をです」

「!?」


 え……


「えええええええええええええ! 呼べるのかよ!!!」

「なにをそんなに驚かれるのです。リース様は、私のご主人様ですにょ」

 だから、にょって……。
 いやそれはいい、エコのご主人が『リース』だって? ……ああ、なんか微かな記憶にあるような、ないような。
 でも、あのエルフでモチモチで、ダイナマイトボディで、胸ドーンのお尻バーンの超エロエロエルフの。しかも、スケスケのワンピースでヤバイのなんの。

 ああ、あの見惚れるような金髪が懐かしい。
 瞳の色も緑色で可愛いんだよな。


 会いたい……めちゃくちゃ会いたい!!
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