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第263話 全力投球 - はじまりと逆襲の煉獄 -
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猫――いや、エコを頭に乗せたまま、闇の中を突っ走った。
「いたぞ……!!」
「ヘデラ様、敵はどんなスキルを使ってくるか、あるいは『呪い』や『体術』を使ってくるのか分かりません。まずは出方を伺ってみるのが得策かと――――にゃ!?」
「そんな暇はねぇ! エコ、お前の力を見せてやれ!」
「ヘデラ様……いきなり、ビームですかにゃ!? 街に甚大な被害が出る恐れがありますから、おススメできませんけど!」
「なぬっ! そうか。じゃあ、口から炎を吐け!!」
「だから口から炎は出せませんって!」
チクショウ。目からビームを出せるのに、口から炎を吐けぬとな!
ワガママな猫ちゃんだな。仕方ねえ!
「エコ、俺が炎を出してやる……!」
「にゃ! ヘデラ様は、口から炎が吐けたのですか!?」
「口からは無理だがな。いいから見てろォ!!」
例の必殺技にして、十八番を使う。
鼻血がなくとも、今の俺には任意でスキルが発動できるのだ。いや、そもそも出来ていたような気もするけど、記憶が曖昧だ。まあいい、なんたって最強の【オートスキル】だからな! これこそ、俺の真の力なのだから――!
「いくぜええええええええええええッ!!」
敵貴族・アレクサンドリアとの距離をつめる。
もう背中が見えた、余裕だな!
「くぅ! しつこいぞ、小娘ぇ!! この私を見逃がせ!!」
「見逃すがああああああああ、ヘンタイ貴族!!!」
猛ダッシュで逃げていく貴族を、必死で追い――俺は!
『――――今だああああああああ、オートスキル任意解放!! いけよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお、血の煉獄ぅ!!!!!!!!』
思いっきり、全力で、ただひたすらにヤツ目掛けて――
全・力・投・球!!!
「てめえ達だけは、許せねえんだよおおおおおおお、このボケエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!!!!!」
「――――――なっ!! 馬鹿な、赤い血のような、炎がァっ……!!
ウギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!」
完全命中&クリティカルヒット!
燃え盛る血の炎。地獄を超える真っ赤な煉獄は、敵を、アレクサンドリアを焦がしまくった。もちろん、殺さないようには若干の調整をしている。それでも、あれだけの大ダメージを食らえば、全治一年ってところだろう。多分な!
この確かな感触、手応え。
ヤツは全身の骨が砕け、歩行はもう不可能だろう。起き上がることさえ出来ないはずだ。……つまり、俺の勝利だ。
「…………ふぅ」
「ヘ、ヘデラ様、こんなにお強かったとは……大変、驚きました。あなた様は、ただの聖女ではなかったのですね」
「まあな。これが本当の俺の力なんだ。どうだ、惚れたか?」
「ええ。私は、過去いろんな場面を見てきましたが、これほどのキレと情熱を感じたバトルは初めてです。この私、今、モ~~~~~~~~~レツに感動しております!」
肩に乗り、頬をペロペロしてくるエコ。
「フフフフフ、フ~~~~~~~~~~ハハハハハハハハハッ!!!!!」
「あら。ヘデラ様、ご機嫌ですね! もっと、ペロペロして差し上げますよん♡」
――これが戦いのはじまりだ。
スターゲイザーを必ずぶっ潰し、全てを取り戻す!
……さて、その一味であるヘンタイ貴族もボコボコにしたし、女王様に報告して、あとの処理はアマゾネス達に任せよう。俺は我が家へ戻ろうっと。
「いたぞ……!!」
「ヘデラ様、敵はどんなスキルを使ってくるか、あるいは『呪い』や『体術』を使ってくるのか分かりません。まずは出方を伺ってみるのが得策かと――――にゃ!?」
「そんな暇はねぇ! エコ、お前の力を見せてやれ!」
「ヘデラ様……いきなり、ビームですかにゃ!? 街に甚大な被害が出る恐れがありますから、おススメできませんけど!」
「なぬっ! そうか。じゃあ、口から炎を吐け!!」
「だから口から炎は出せませんって!」
チクショウ。目からビームを出せるのに、口から炎を吐けぬとな!
ワガママな猫ちゃんだな。仕方ねえ!
「エコ、俺が炎を出してやる……!」
「にゃ! ヘデラ様は、口から炎が吐けたのですか!?」
「口からは無理だがな。いいから見てろォ!!」
例の必殺技にして、十八番を使う。
鼻血がなくとも、今の俺には任意でスキルが発動できるのだ。いや、そもそも出来ていたような気もするけど、記憶が曖昧だ。まあいい、なんたって最強の【オートスキル】だからな! これこそ、俺の真の力なのだから――!
「いくぜええええええええええええッ!!」
敵貴族・アレクサンドリアとの距離をつめる。
もう背中が見えた、余裕だな!
「くぅ! しつこいぞ、小娘ぇ!! この私を見逃がせ!!」
「見逃すがああああああああ、ヘンタイ貴族!!!」
猛ダッシュで逃げていく貴族を、必死で追い――俺は!
『――――今だああああああああ、オートスキル任意解放!! いけよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお、血の煉獄ぅ!!!!!!!!』
思いっきり、全力で、ただひたすらにヤツ目掛けて――
全・力・投・球!!!
「てめえ達だけは、許せねえんだよおおおおおおお、このボケエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!!!!!」
「――――――なっ!! 馬鹿な、赤い血のような、炎がァっ……!!
ウギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!」
完全命中&クリティカルヒット!
燃え盛る血の炎。地獄を超える真っ赤な煉獄は、敵を、アレクサンドリアを焦がしまくった。もちろん、殺さないようには若干の調整をしている。それでも、あれだけの大ダメージを食らえば、全治一年ってところだろう。多分な!
この確かな感触、手応え。
ヤツは全身の骨が砕け、歩行はもう不可能だろう。起き上がることさえ出来ないはずだ。……つまり、俺の勝利だ。
「…………ふぅ」
「ヘ、ヘデラ様、こんなにお強かったとは……大変、驚きました。あなた様は、ただの聖女ではなかったのですね」
「まあな。これが本当の俺の力なんだ。どうだ、惚れたか?」
「ええ。私は、過去いろんな場面を見てきましたが、これほどのキレと情熱を感じたバトルは初めてです。この私、今、モ~~~~~~~~~レツに感動しております!」
肩に乗り、頬をペロペロしてくるエコ。
「フフフフフ、フ~~~~~~~~~~ハハハハハハハハハッ!!!!!」
「あら。ヘデラ様、ご機嫌ですね! もっと、ペロペロして差し上げますよん♡」
――これが戦いのはじまりだ。
スターゲイザーを必ずぶっ潰し、全てを取り戻す!
……さて、その一味であるヘンタイ貴族もボコボコにしたし、女王様に報告して、あとの処理はアマゾネス達に任せよう。俺は我が家へ戻ろうっと。
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