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第254話 脳筋聖女用 - 奥義スキル・覇王拳 -
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割とピンチへと追い込まれているこの『準決勝戦』だが、俺はここに来てネメシアがくれた『SPGミナギール』を飲んだ。
幸い、回復アイテムの使用は禁止されていない。
よし……これでスキルの発動はまだ可能だ。
「ふぅ、良かった。前のような『暴走』はないみたいだな。さーて……あの口裂け女・エグザイルを倒すにはこれだけじゃ足りない。『スキルポイントが1つ増える不思議なドリンク』も飲む!!」
味は絶望的にマズイのを覚えているが、それがどうした!
今は勝つためそんな些末な問題はスルーだ。
俺は『ゴクッ』とそれを飲み干した。
「ぐげえええええ…………まじぃ」
だけど、これで新しいスキルを覚えられるし、それともスキルレベルをアップさせるか。メインで使用している『ほーりー☆くろす』は、すでに【Lv.3】になっている。だから、さっきのような集中攻撃のような芸当も出来たわけだ。
「むぅ。――と、まず! そりゃ狙ってくるよな!!」
「隙が多いぞ、ヘデラ。そんな棒立ちでは殺してくださいと言っているようなものだ。クククク……さあ、私に殺されるか……それとも仲間を犠牲にしてでも私に攻撃するか。好きな方を選ぶがいい」
……迷っている暇はねぇ!!
これでどうだ!!
【 覇王拳 Lv.1 】
「にゃあ!? ヘデラさま、なぜそのスキルを取られたのです!? それは脳筋聖女用のスキルですよ!? あなたさまのようなか弱い聖女では扱いにくいかと」
エコは顎が外れそうなくらいに驚いていた。驚きすぎだろ!
「いや~…なんとなくカッコいいから……」
そんな単純な理由だった。スマン。
「ま……まあいいんじゃないか。戦闘型聖女がいてもさ……」
「そうですかにゃー…。まあ、そんな伝説の聖女がいたと聞いたことがありますけどね」
「そうなのか。なんだ俺に似たヤツがいたんじゃないか」
「ええ、噂ですけどね。おっと、危ないですよ!」
っぶねえ、エグザイルのヤロー…舞台の『床』を外して投げてきやがった。俺はそれを右へステップし、緊急回避した。
よし、ここから一気にヤツのもとへ!
「っらああああああああああああ!!」
エグザイルもまた大きな口を開け、俺に噛みつこうとしてくる。そんなワンパターンはもう見切ったんだよ!!
「いけえええ!! エコ、ひっかき攻撃!!」
「にゃああああああああああああああ!!!」
エコが飛び出し、口裂け女の顔を『バリバリバリバリバリバリ』と引っ掻いた。
「ギャアアアアアアアアアッ!!!!!」
さすがだぜ。
確か前に研いで更に威力を高めたとか言っていたし、ありゃ相当痛いぞ。
「いまだああああああああああああァ!!!」
ヤツが怯んでいる隙を狙い、俺は姿勢を低くし突進した。それから体をバネにし――拳に全身全霊をこめた。
「俺の最強奥義・覇王拳――――――!!!!!!!」
「ごっヴぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」
神の如く光る拳がエグザイルの鳩尾に決まった。
ヤツは顔を顰め、胃の中のモノをぶちまけ――――
わずか0.5秒で上空へふっ飛んでいってしまった。
『キラーン☆』
・
・
・
「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」」」」」
会場は一気に熱気に包まれ、そして、
『ヘデラ選手の勝利です!!! 試合を見守っていた皆様も大興奮! かくいう私も興奮を抑えきれません!! 素晴らしい大逆転でしたァ!!』
「ふぅ……。エコ、力を貸してくれてありがとな」
「いえ、私は爪で引っ掻いただけですよ。ほとんどヘデラさまのお力です」
そう謙遜するエコ。
うん、あとでご褒美に『ちゅぅ~るぅ』いっぱい食わせてやろう。
「ヘデラ~! かっこよかったわよー!!」
「ヘデラ~! 結婚してー!」
ネメシアもトーチカもワイワイ騒いでいた。
いやー、あいつらが無事でよかった。
さあ、次はついに『決勝戦』だ。
俺がこの『聖女コンテスト』に勝ち……世界一の聖女になる!!
幸い、回復アイテムの使用は禁止されていない。
よし……これでスキルの発動はまだ可能だ。
「ふぅ、良かった。前のような『暴走』はないみたいだな。さーて……あの口裂け女・エグザイルを倒すにはこれだけじゃ足りない。『スキルポイントが1つ増える不思議なドリンク』も飲む!!」
味は絶望的にマズイのを覚えているが、それがどうした!
今は勝つためそんな些末な問題はスルーだ。
俺は『ゴクッ』とそれを飲み干した。
「ぐげえええええ…………まじぃ」
だけど、これで新しいスキルを覚えられるし、それともスキルレベルをアップさせるか。メインで使用している『ほーりー☆くろす』は、すでに【Lv.3】になっている。だから、さっきのような集中攻撃のような芸当も出来たわけだ。
「むぅ。――と、まず! そりゃ狙ってくるよな!!」
「隙が多いぞ、ヘデラ。そんな棒立ちでは殺してくださいと言っているようなものだ。クククク……さあ、私に殺されるか……それとも仲間を犠牲にしてでも私に攻撃するか。好きな方を選ぶがいい」
……迷っている暇はねぇ!!
これでどうだ!!
【 覇王拳 Lv.1 】
「にゃあ!? ヘデラさま、なぜそのスキルを取られたのです!? それは脳筋聖女用のスキルですよ!? あなたさまのようなか弱い聖女では扱いにくいかと」
エコは顎が外れそうなくらいに驚いていた。驚きすぎだろ!
「いや~…なんとなくカッコいいから……」
そんな単純な理由だった。スマン。
「ま……まあいいんじゃないか。戦闘型聖女がいてもさ……」
「そうですかにゃー…。まあ、そんな伝説の聖女がいたと聞いたことがありますけどね」
「そうなのか。なんだ俺に似たヤツがいたんじゃないか」
「ええ、噂ですけどね。おっと、危ないですよ!」
っぶねえ、エグザイルのヤロー…舞台の『床』を外して投げてきやがった。俺はそれを右へステップし、緊急回避した。
よし、ここから一気にヤツのもとへ!
「っらああああああああああああ!!」
エグザイルもまた大きな口を開け、俺に噛みつこうとしてくる。そんなワンパターンはもう見切ったんだよ!!
「いけえええ!! エコ、ひっかき攻撃!!」
「にゃああああああああああああああ!!!」
エコが飛び出し、口裂け女の顔を『バリバリバリバリバリバリ』と引っ掻いた。
「ギャアアアアアアアアアッ!!!!!」
さすがだぜ。
確か前に研いで更に威力を高めたとか言っていたし、ありゃ相当痛いぞ。
「いまだああああああああああああァ!!!」
ヤツが怯んでいる隙を狙い、俺は姿勢を低くし突進した。それから体をバネにし――拳に全身全霊をこめた。
「俺の最強奥義・覇王拳――――――!!!!!!!」
「ごっヴぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」
神の如く光る拳がエグザイルの鳩尾に決まった。
ヤツは顔を顰め、胃の中のモノをぶちまけ――――
わずか0.5秒で上空へふっ飛んでいってしまった。
『キラーン☆』
・
・
・
「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」」」」」
会場は一気に熱気に包まれ、そして、
『ヘデラ選手の勝利です!!! 試合を見守っていた皆様も大興奮! かくいう私も興奮を抑えきれません!! 素晴らしい大逆転でしたァ!!』
「ふぅ……。エコ、力を貸してくれてありがとな」
「いえ、私は爪で引っ掻いただけですよ。ほとんどヘデラさまのお力です」
そう謙遜するエコ。
うん、あとでご褒美に『ちゅぅ~るぅ』いっぱい食わせてやろう。
「ヘデラ~! かっこよかったわよー!!」
「ヘデラ~! 結婚してー!」
ネメシアもトーチカもワイワイ騒いでいた。
いやー、あいつらが無事でよかった。
さあ、次はついに『決勝戦』だ。
俺がこの『聖女コンテスト』に勝ち……世界一の聖女になる!!
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