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第237話 闇オークション - 建築スキルを競り落とせ!! -
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全てを聞かされて、俺は軽いショックを受けた。
「……うそだろ」
ラナンの持ってきた情報は、リスクが高かったからだ。だが、確実でもあった。
その内容とは……
【 闇オークション 】
――だった。
「おいおい。【闇オークション】って……そりゃやばくねーか。しかも、王子がそんなもんに参加するのもな」
「ええ、僕もその存在は初めて知りました。ですが、今は裏の世界には目をつむり、スキル入手を優先にしましょう。裁くのはそれからでも遅くはありませんから」
「分かった。じゃあ、その【闇オークション】に参加してみるか。でも、オークションってくらいだから、資金は必要そうだな。おい、ネメシア、俺たちの所持金は?」
ネメシアに話を振ると、すぐに返答が返ってきた。
「えっとね、わたしの現在の所持金は【1,320,000セル】よ。これが全財産。まあ、今までいろいろ消耗品とか買ったりしたから、こんなものね」
「それだけあれば……大丈夫だよな」
しかし、エコは思うところがあるようで、
「どうでしょう。闇オークションというほどですからね。奇特な大金持ち貴族が参加すると噂に聞いたことがあります。ですから、一気に値段が跳ね上がることもあるかもです」
そう慎重論を推してくる。
確かに、一理あった。
「誰かお金ないか?」
反応は薄い。
…………うーん、だよな。
★ ★ ★
とにかく、俺たちは【闇オークション】へ向かった。
カジノのある場所まで向かうと、そこで案内人が立っていた。
「すまないが、全員、目隠しをさせてもらう」
場所は秘密にされているらしい。
まあ、そうだよな。バレたら、国が黙っちゃいないだろうしな。つっても、もうバレバレだけどな。王子に。
・
・
・
目隠しされたまま随分と歩いた。
やっと視界が戻ると、そこは――
「うわ、なんだここ……」
「広い」
棒読みのトーチカが言うように、無駄に広かった。どこかの地下のようだ。あからさまに怪しすぎるな。
『レディース&ジェントルメ~~~ン! ようこそ! 【闇オークション】へ! 今日も、表の世界じゃなかなか出回らないレアなスキルや武具を取り揃えているぞ! さあ、参加者は着席してくれたまえ!』
司会にうながされ、俺たちは落札者専用の席に座った。
さて……。
ここからが勝負だ。
狙うは【建築スキル】だ。
それが出てくるまで粘り待つ。
・
・
・
「それでは、次です!
次はな~~~んと! 世にも珍しいスキル【建築スキル】だー! 最近、モンスター襲来事件によって、高騰しまくった高需要のスキルだぞ~~~☆ これが欲しい参加者はどんどん金を積んだ方がいいだろう!」
きたっ……! きやがった……大本命!
俺が探し求めていた【建築スキル】だ!
「では、まず【300,000セル】から……オークション☆スタート!」
ドキドキ……。
俺はらしくもなく、緊張していた。心拍数が上がってきているのが分かる。ああ……もう、恋煩いとかじゃあるまいし、なんでこんな動悸が激しいんだか!
そうこうしていると、どこかの貴族が、
「私はこのスキルが必要なのでね。では『80』で」
なっ……いきなり、『80』だと!?
つまり、【800,000セル】ってことだ。
「おいおい、もう『30』から『80』だって!」
「うぅ……。ヘデラ、わたしの資金すぐ尽きちゃうわよ!」
「なんとか粘りたいところだ……! ネメシア、いざとなったら頼むぞ」
少し焦ったが、まだ大丈夫。
「俺は……『100』だ!」
「おーっと、もう『100』だ! 100万セルだ! これは高額が期待できるぞー!」
司会が興奮している。
さすがに一気に『100』を超えると会場も少しずつだが、ざわついてきた。
――しかし、さっきの『80』を提示した貴族は……
「ふふ……。私はね、『奴隷』の小屋を【建築スキル】で作りたいのでね。どうしても、手に入れたいのだよ」
すると、ヤツは憎たらしい顔で――『150』と言い放った。
「ひゃ……ひゃくごじゅうだと!?」
くそぉ……。
しかも、表の売値と同等。手持ち的にも、これを超えたらキツイぞ。
終わったか……
と、思いきや――なんとエコが。
「まった! 『200』ですにゃ!」
なんて言いやがった。
「うおおおおおい! エコ、何言ってんだ!!
こちらの手持ちは【1,320,000セル】なんだぞ!!」
「大丈夫です。私が少しは出しますから」
「まじか!!」
「ええ……【500,000セル】なら何とか……」
そんなにお金を持っていたのかよ。
猫のクセに意外と金持ちだな。
しかし、これなら!
『250』
「かーっ!! まだいくのかよ! あの、ふとっちょ貴族しつけーな。なあ、ネメシア、なんとかならないのか!?」
「…………今、【ウルチャ】を期待していたんだけど……え! ちょっとまって!」
お?
【 合計:2,700,000セル の ウルチャ がありました 】
「やったー!!! みんな大好きー!!」
「ナイスゥ、ネメシア!! さすが、神ライバー! 最高のリスナーたちから投げ銭してもらえたな! さすがだぜ……見直した!」
だが、それでもデブ貴族は対抗してきた。
『300』(貴族)
『350』(俺たち)
『400』(貴族)
『450』(俺たち)
で、ここでついに――
「では、私は『500』だァ!!」
「ウソ――――――!!」
クソォ!!!
あのボケナス貴族め!!
つーか、『500』って……。
チクショウ。どこまで上がるんだよ!!!
「……うそだろ」
ラナンの持ってきた情報は、リスクが高かったからだ。だが、確実でもあった。
その内容とは……
【 闇オークション 】
――だった。
「おいおい。【闇オークション】って……そりゃやばくねーか。しかも、王子がそんなもんに参加するのもな」
「ええ、僕もその存在は初めて知りました。ですが、今は裏の世界には目をつむり、スキル入手を優先にしましょう。裁くのはそれからでも遅くはありませんから」
「分かった。じゃあ、その【闇オークション】に参加してみるか。でも、オークションってくらいだから、資金は必要そうだな。おい、ネメシア、俺たちの所持金は?」
ネメシアに話を振ると、すぐに返答が返ってきた。
「えっとね、わたしの現在の所持金は【1,320,000セル】よ。これが全財産。まあ、今までいろいろ消耗品とか買ったりしたから、こんなものね」
「それだけあれば……大丈夫だよな」
しかし、エコは思うところがあるようで、
「どうでしょう。闇オークションというほどですからね。奇特な大金持ち貴族が参加すると噂に聞いたことがあります。ですから、一気に値段が跳ね上がることもあるかもです」
そう慎重論を推してくる。
確かに、一理あった。
「誰かお金ないか?」
反応は薄い。
…………うーん、だよな。
★ ★ ★
とにかく、俺たちは【闇オークション】へ向かった。
カジノのある場所まで向かうと、そこで案内人が立っていた。
「すまないが、全員、目隠しをさせてもらう」
場所は秘密にされているらしい。
まあ、そうだよな。バレたら、国が黙っちゃいないだろうしな。つっても、もうバレバレだけどな。王子に。
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目隠しされたまま随分と歩いた。
やっと視界が戻ると、そこは――
「うわ、なんだここ……」
「広い」
棒読みのトーチカが言うように、無駄に広かった。どこかの地下のようだ。あからさまに怪しすぎるな。
『レディース&ジェントルメ~~~ン! ようこそ! 【闇オークション】へ! 今日も、表の世界じゃなかなか出回らないレアなスキルや武具を取り揃えているぞ! さあ、参加者は着席してくれたまえ!』
司会にうながされ、俺たちは落札者専用の席に座った。
さて……。
ここからが勝負だ。
狙うは【建築スキル】だ。
それが出てくるまで粘り待つ。
・
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「それでは、次です!
次はな~~~んと! 世にも珍しいスキル【建築スキル】だー! 最近、モンスター襲来事件によって、高騰しまくった高需要のスキルだぞ~~~☆ これが欲しい参加者はどんどん金を積んだ方がいいだろう!」
きたっ……! きやがった……大本命!
俺が探し求めていた【建築スキル】だ!
「では、まず【300,000セル】から……オークション☆スタート!」
ドキドキ……。
俺はらしくもなく、緊張していた。心拍数が上がってきているのが分かる。ああ……もう、恋煩いとかじゃあるまいし、なんでこんな動悸が激しいんだか!
そうこうしていると、どこかの貴族が、
「私はこのスキルが必要なのでね。では『80』で」
なっ……いきなり、『80』だと!?
つまり、【800,000セル】ってことだ。
「おいおい、もう『30』から『80』だって!」
「うぅ……。ヘデラ、わたしの資金すぐ尽きちゃうわよ!」
「なんとか粘りたいところだ……! ネメシア、いざとなったら頼むぞ」
少し焦ったが、まだ大丈夫。
「俺は……『100』だ!」
「おーっと、もう『100』だ! 100万セルだ! これは高額が期待できるぞー!」
司会が興奮している。
さすがに一気に『100』を超えると会場も少しずつだが、ざわついてきた。
――しかし、さっきの『80』を提示した貴族は……
「ふふ……。私はね、『奴隷』の小屋を【建築スキル】で作りたいのでね。どうしても、手に入れたいのだよ」
すると、ヤツは憎たらしい顔で――『150』と言い放った。
「ひゃ……ひゃくごじゅうだと!?」
くそぉ……。
しかも、表の売値と同等。手持ち的にも、これを超えたらキツイぞ。
終わったか……
と、思いきや――なんとエコが。
「まった! 『200』ですにゃ!」
なんて言いやがった。
「うおおおおおい! エコ、何言ってんだ!!
こちらの手持ちは【1,320,000セル】なんだぞ!!」
「大丈夫です。私が少しは出しますから」
「まじか!!」
「ええ……【500,000セル】なら何とか……」
そんなにお金を持っていたのかよ。
猫のクセに意外と金持ちだな。
しかし、これなら!
『250』
「かーっ!! まだいくのかよ! あの、ふとっちょ貴族しつけーな。なあ、ネメシア、なんとかならないのか!?」
「…………今、【ウルチャ】を期待していたんだけど……え! ちょっとまって!」
お?
【 合計:2,700,000セル の ウルチャ がありました 】
「やったー!!! みんな大好きー!!」
「ナイスゥ、ネメシア!! さすが、神ライバー! 最高のリスナーたちから投げ銭してもらえたな! さすがだぜ……見直した!」
だが、それでもデブ貴族は対抗してきた。
『300』(貴族)
『350』(俺たち)
『400』(貴族)
『450』(俺たち)
で、ここでついに――
「では、私は『500』だァ!!」
「ウソ――――――!!」
クソォ!!!
あのボケナス貴族め!!
つーか、『500』って……。
チクショウ。どこまで上がるんだよ!!!
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