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第224話 聖なる猫を召喚するスキル - クローチェ -
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鋭い爪が閃光となった。
ボスモンスター『ケルベロス』は軽い身のこなしで、俺との距離を縮めてくる。……まっず! 今のところ後衛キャラの俺としては、大ピンチ。
「ちょっと! ヘデラ、危ないわよ!」
「って言われても、あんなもん俺の細腕じゃ防御も出来なさそうだぞ!」
「あ~もう、仕方ないわね! ホワイトシールド!」
ネメシアが前へ出て、そんなスキルを発動した。
ケルベロスの鋭すぎる爪を防いだ。ナイス!!
「あっぶねー…。肝を冷やした……あれで引き裂かれてたらひとたまりもないな」
「それはこっちのセリフよ、ヘデラ。あんたアレよ、もうちょいSPG消費量の少ないスキル取ったら!? 今の内よ!」
あ、そっか。それもそうだ。
以前、『ぶるぶるスライム』と『クラウンゴブリン』倒してから、レベルもそこそこ上がったし……なんか取れるはずだ。
今取れるのは、えーっと……。
【クローチェ Lv.1】……聖なる猫を召喚する。SPG4消費
【レンブラント Lv.1】……対象一体に聖属性攻撃。SPG2消費
【ヒール Lv.1】……治癒スキル。SPG1消費
今のところこの三つか。
【ヒール】は回復だから除外――てなると、【クローチェ】か【レンブラント】か。うーん……ここは【クローチェ】だな!
俺は【クローチェ】を覚えた。これは強そうな予感。
「ネメシア! 新スキルを取ったぞ。タイミングを見て離れろ!」
「了解!」
「では、いくぞ……スキル【クローチェ】発動!!」
『ピカ~~~~~~~~~~~~~~ン!!』
――とまぁ、なんか派手に光った。
「んあ!? まぶしいな!」
視界が戻ると、目の前には――
「聖なる猫・エコ。召喚に従い参上しました!! あえて、問いましょう――あなたが私を呼び出したマスターさまですね!?」
「はい!? どこかで聞いたセリフと見覚えのある黒猫だな!! てか、エコじゃねーか! なにが聖なる猫だよ! 化け猫じゃねーか!!」
「なにを言いなさる。聖なる猫といえば、私しかいませんよ~」
「そうか、わざわざ新スキル取って、SPG4も消費したんだ。それなりの見返りはあるんだろうな」
「ええ、ありますとも」
「まさか、目からビームとか言わないよな」
「え」
「え、じゃねーよ!!! やっぱりそういうオチか!!」
「いきますよぉぉぉぉぉ!!」
「あー…まあ、いいか。これで片付くなら――」
が、しかし……そこで不幸は起きた!!!
『ギュルルルルルルル~~~~~~~~~~~~~』
「あああああああああああ、私のお腹がああああああ!!!」
「なぬっ!? お前まさか……まだ腹痛が!! 猫のくせに!!」
「猫だってお腹くらい下しますよおおおお、あああああああああああああ!!」
エコは唐突に姿を消した。
き、消えた……。あれは、なんだ、テレポートってヤツかね。
「っておおおおおおおおおおい!! なんの意味があったんだあ!?」
……SPGを無駄に消費しただけだった。
「うわっ! 黒い炎が……!」
幸い、ネメシアの『ホワイト』が守ってくれているが、いつまで持つか分からん。
「ちょっと、ヘデラ! なに遊んでるのよ!! こっちはもう限界よ!?」
「いや、遊んではないんだがな。まさかエコが召喚されるとは思いもしなかった……。って、あれ、もう打つ手なし?」
まず……。
「大丈夫。あたしがいる!!」
お、トーチカ。お前がいたわ。
トーチカは、【アパッチ・ナックルダスター・リボルバー】を『ナックルダスター』モードに変更したようで、今は拳を構えていた。
「なんだお前、接近戦も出来るヤツなのか?」
「ううん。無理。ただの弾切れ」
「弾切れかよ! こりゃ参ったな……」
『グルルルルルル……!!』
「くそっ、ケルベロスの爪と黒炎の猛攻撃がしつこいな……」
「ああッ、もうキツイ! 耐えられない!!」
「ネメシア……。はっ! 待ってろ、なんとかしてやる。トーチカ、ケルベロスの気を逸らせるか!?」
「それくらいなら任せて」
「頼む。まだ勝つ方法はある……!」
俺の指示に従い、トーチカは走り出した。ケルベロスは、動物の習性によって『動く物』に気を取られ、追いかけ始めた。いいぞ……これで! ヤツの背後はガラ空きだ!!
「おい、ネメシア! 『SPGミナギール』はないのか!? それか『ホワイトアロー』をぶちこめ!」
「ミナギールは高級品よ。前のがラストだった。……じゃ、わたしがトドメを刺すしかないってワケね」
体勢を崩していたネメシアは、起き上がり――
「ホワイトアロー!!!!!」
白い矢を放った。
「トーチカ! 上へ飛べ!!」
俺は叫ぶ。そして、その合図のタイミングは完璧だった。
『ホワイトアロー』到達三秒前で、トーチカは飛び上がり、回避。無数の矢は、ケルベロスの背に命中し、大ダメージを与えていた。おお!!
しかもそこが『ウィークポイント』――弱点だったらしく、ケルベロスを……
【 ケルベロス 1体 討伐完了! 】
= リザルト =
【 15,225 の 経験値 を 獲得しました 】
【 42,100セル を 入手しました 】
【 ケルベロスの首輪 × 3個 を 入手しました 】
【 ボーナスアイテム 月光の書 を 入手しました 】
「お………おふぅ」
倒したか。
ボスモンスター『ケルベロス』は軽い身のこなしで、俺との距離を縮めてくる。……まっず! 今のところ後衛キャラの俺としては、大ピンチ。
「ちょっと! ヘデラ、危ないわよ!」
「って言われても、あんなもん俺の細腕じゃ防御も出来なさそうだぞ!」
「あ~もう、仕方ないわね! ホワイトシールド!」
ネメシアが前へ出て、そんなスキルを発動した。
ケルベロスの鋭すぎる爪を防いだ。ナイス!!
「あっぶねー…。肝を冷やした……あれで引き裂かれてたらひとたまりもないな」
「それはこっちのセリフよ、ヘデラ。あんたアレよ、もうちょいSPG消費量の少ないスキル取ったら!? 今の内よ!」
あ、そっか。それもそうだ。
以前、『ぶるぶるスライム』と『クラウンゴブリン』倒してから、レベルもそこそこ上がったし……なんか取れるはずだ。
今取れるのは、えーっと……。
【クローチェ Lv.1】……聖なる猫を召喚する。SPG4消費
【レンブラント Lv.1】……対象一体に聖属性攻撃。SPG2消費
【ヒール Lv.1】……治癒スキル。SPG1消費
今のところこの三つか。
【ヒール】は回復だから除外――てなると、【クローチェ】か【レンブラント】か。うーん……ここは【クローチェ】だな!
俺は【クローチェ】を覚えた。これは強そうな予感。
「ネメシア! 新スキルを取ったぞ。タイミングを見て離れろ!」
「了解!」
「では、いくぞ……スキル【クローチェ】発動!!」
『ピカ~~~~~~~~~~~~~~ン!!』
――とまぁ、なんか派手に光った。
「んあ!? まぶしいな!」
視界が戻ると、目の前には――
「聖なる猫・エコ。召喚に従い参上しました!! あえて、問いましょう――あなたが私を呼び出したマスターさまですね!?」
「はい!? どこかで聞いたセリフと見覚えのある黒猫だな!! てか、エコじゃねーか! なにが聖なる猫だよ! 化け猫じゃねーか!!」
「なにを言いなさる。聖なる猫といえば、私しかいませんよ~」
「そうか、わざわざ新スキル取って、SPG4も消費したんだ。それなりの見返りはあるんだろうな」
「ええ、ありますとも」
「まさか、目からビームとか言わないよな」
「え」
「え、じゃねーよ!!! やっぱりそういうオチか!!」
「いきますよぉぉぉぉぉ!!」
「あー…まあ、いいか。これで片付くなら――」
が、しかし……そこで不幸は起きた!!!
『ギュルルルルルルル~~~~~~~~~~~~~』
「あああああああああああ、私のお腹がああああああ!!!」
「なぬっ!? お前まさか……まだ腹痛が!! 猫のくせに!!」
「猫だってお腹くらい下しますよおおおお、あああああああああああああ!!」
エコは唐突に姿を消した。
き、消えた……。あれは、なんだ、テレポートってヤツかね。
「っておおおおおおおおおおい!! なんの意味があったんだあ!?」
……SPGを無駄に消費しただけだった。
「うわっ! 黒い炎が……!」
幸い、ネメシアの『ホワイト』が守ってくれているが、いつまで持つか分からん。
「ちょっと、ヘデラ! なに遊んでるのよ!! こっちはもう限界よ!?」
「いや、遊んではないんだがな。まさかエコが召喚されるとは思いもしなかった……。って、あれ、もう打つ手なし?」
まず……。
「大丈夫。あたしがいる!!」
お、トーチカ。お前がいたわ。
トーチカは、【アパッチ・ナックルダスター・リボルバー】を『ナックルダスター』モードに変更したようで、今は拳を構えていた。
「なんだお前、接近戦も出来るヤツなのか?」
「ううん。無理。ただの弾切れ」
「弾切れかよ! こりゃ参ったな……」
『グルルルルルル……!!』
「くそっ、ケルベロスの爪と黒炎の猛攻撃がしつこいな……」
「ああッ、もうキツイ! 耐えられない!!」
「ネメシア……。はっ! 待ってろ、なんとかしてやる。トーチカ、ケルベロスの気を逸らせるか!?」
「それくらいなら任せて」
「頼む。まだ勝つ方法はある……!」
俺の指示に従い、トーチカは走り出した。ケルベロスは、動物の習性によって『動く物』に気を取られ、追いかけ始めた。いいぞ……これで! ヤツの背後はガラ空きだ!!
「おい、ネメシア! 『SPGミナギール』はないのか!? それか『ホワイトアロー』をぶちこめ!」
「ミナギールは高級品よ。前のがラストだった。……じゃ、わたしがトドメを刺すしかないってワケね」
体勢を崩していたネメシアは、起き上がり――
「ホワイトアロー!!!!!」
白い矢を放った。
「トーチカ! 上へ飛べ!!」
俺は叫ぶ。そして、その合図のタイミングは完璧だった。
『ホワイトアロー』到達三秒前で、トーチカは飛び上がり、回避。無数の矢は、ケルベロスの背に命中し、大ダメージを与えていた。おお!!
しかもそこが『ウィークポイント』――弱点だったらしく、ケルベロスを……
【 ケルベロス 1体 討伐完了! 】
= リザルト =
【 15,225 の 経験値 を 獲得しました 】
【 42,100セル を 入手しました 】
【 ケルベロスの首輪 × 3個 を 入手しました 】
【 ボーナスアイテム 月光の書 を 入手しました 】
「お………おふぅ」
倒したか。
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