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第213話 女王が呼んでいる !? - 恐ろしき死の呪い -
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朝食を済ませ、店を出た刹那――また波乱が起きた。
「あ、さっきのアマゾネス」
トーチカが指さす方向には、あのアマゾネス三人組。
そや、お前たちも三人組だったな。
俺は無言のまま、エコをヤツ等に向けた。
「…………っ!!」
おー…引いてる引いてる。
さっきぶっ飛ばされたのがトラウマになっているな。
俺は、エコを出したり引っ込めたりを繰り返して、ヤツ等の反応を楽しんだ。
「こ、こら! やめなさい! 話があるんです!!」
「話ィ? いいぞ、聞いてやる。ただ、ビーム兵器の黒猫は掴んだままだ」
「ぐっ…………分かりました。続けます」
アマゾネスたちは警戒したまま、話を続けた。おー、ビビってんなぁ。
「王です。この王国【レメディオス】の女王様があなた方をお呼びなのです。ですので、ご同行願いたいのです」
「なんだ、そんなことか――へ? 女王様だって? それなら、ネメシアを人質に取る必要はなかったろうに」
「ええ、すみません。抵抗するようなら、無理にでもとのご命令でしたので。非礼はお詫びいたします」
「そか。まー、聖女として女王様に会わないわけにはいかないよなー。な、ネメシア」
「そね。スターダストは女王様が持っているし、どのみち会わなきゃ」
「そそ。スターダストは女王様が隠し持ってる」これはトーチカ。
「そう。スターダストは女王様が誰にも見つからない場所に保管しているとか」これはエコ。
みんな、そこだけやたら詳しいな!
助かったけども!
「じゃ、お城へ行くかー」
「「「お~!」」」
アマゾネスに連れられ、俺たちはお城へ向かった。
◆
お城に連れられ、王の間に辿り着いた。
「女王様、聖女様たちをお連れ致しました」
アマゾネスが誰もいない王座に向かって、そう報告した。
「え? 誰もいないぞ」
なんだ、女王は透明人間なのか?
それとも、どっかから湧いて出てくるのか?
――とか、思っていると。
『よくぞ連れて参った。下がってよいぞ』
なんか、品のある気高い声がどっかからした。
え……どこ? どこ!?
玉座からだった。
「んにゃ!? まさか……」
エコが何かに気づいていた。……えぇ?
「ヘデラ、女王様なんていないわよ~?」
「エコが何かに気づいたみたいだな」
「え、どこ?!」
「みなさん、玉座に近付いてよぉ~~~~~~~~く見てみて」
肉球で指さすエコ。
まじ!? そこにいるの!?
「「「え~~~~?」」」
俺たちは玉座に出来る限り接近し、目を凝らした。
すると、そこには米粒サイズの人間がいた。
「やや!? この小人はまさか……!」
驚いた。俺は女王様っていうから、てっきり普通の人間かと思っていたんだ。だが――。
「女王様、ちっさ!!!」
「……女王様ってアリだったの?」
ネメシアもトーチカもその驚愕すぎる光景に、ただ驚いていた。
「ちっさいとかアリとか無礼な! 余にはきちんとした『カルミア』という名があるのじゃ。よいか、お前たちを呼んだのは他でもない――。この忌まわしき【死の呪い】を解いて欲しいのじゃ」
「え、それ【呪い】だったのか――って、【死の呪い】?」
「そうじゃ、ヘデレ。こんな姿では、死んだも同然じゃ」
「ヘデラだ! 人の名前を勝手に、なんかデレそうな感じにしないでくれ、女王様。……しかし、なるほどな。恐ろしい呪いだ」
「おう、すまぬ。人の名前を覚えるのは得意じゃないのじゃ。この通りじゃ許せ。それより、聖女・ヘデラ――お主は、噂に違わぬ美貌と気品を兼ね揃えているようじゃな。それに、透き通るような心も持っておる」
「そ、そこまで言って戴けるとは……恐悦至極に存じます」
俺は低い姿勢でそう女王に申し上げると、
「あ、女王様。このヘデラですが、中身はおっさん臭いんで騙されないように注意ですよ~」
「おま! 余計なことを! ネメシア!」
「うむ、確かにな。言葉遣いはヘンじゃ」
「な、なにを仰るのですか~。わたくしはこの通り、この国と女王様をお支えするしがない聖女です!」
なぜか空気が死んだ。
つか、みんなドン引きしすぎだろ!!
「おい、なんで引く!」
「いやぁ、あんたらしくないっていうか……」
「ネメシアに同感。今のヘデラは好きくない」
「不思議ですね。普段の方がよっぽど聖女っぽいです。今のヘデラさまは不気味です」
ネメシア、トーチカ、猫はそれぞれ俺の印象を口にした。
って、クソ猫! 不気味だとー!? シャミセンにすぞ!!!
「とにかくじゃ、ヘデラ。余を指に乗せるがよい」
「分かりました。では失礼して」
俺は、女王様の指示通りに指に乗っけた。その時、鼻がなんかムズムズして……
「へっくちっ!」
女王様が俺のクシャミで飛んで行った。
「ああああああああああああああああああああああああああああああ!! 女王様がああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
「あ、さっきのアマゾネス」
トーチカが指さす方向には、あのアマゾネス三人組。
そや、お前たちも三人組だったな。
俺は無言のまま、エコをヤツ等に向けた。
「…………っ!!」
おー…引いてる引いてる。
さっきぶっ飛ばされたのがトラウマになっているな。
俺は、エコを出したり引っ込めたりを繰り返して、ヤツ等の反応を楽しんだ。
「こ、こら! やめなさい! 話があるんです!!」
「話ィ? いいぞ、聞いてやる。ただ、ビーム兵器の黒猫は掴んだままだ」
「ぐっ…………分かりました。続けます」
アマゾネスたちは警戒したまま、話を続けた。おー、ビビってんなぁ。
「王です。この王国【レメディオス】の女王様があなた方をお呼びなのです。ですので、ご同行願いたいのです」
「なんだ、そんなことか――へ? 女王様だって? それなら、ネメシアを人質に取る必要はなかったろうに」
「ええ、すみません。抵抗するようなら、無理にでもとのご命令でしたので。非礼はお詫びいたします」
「そか。まー、聖女として女王様に会わないわけにはいかないよなー。な、ネメシア」
「そね。スターダストは女王様が持っているし、どのみち会わなきゃ」
「そそ。スターダストは女王様が隠し持ってる」これはトーチカ。
「そう。スターダストは女王様が誰にも見つからない場所に保管しているとか」これはエコ。
みんな、そこだけやたら詳しいな!
助かったけども!
「じゃ、お城へ行くかー」
「「「お~!」」」
アマゾネスに連れられ、俺たちはお城へ向かった。
◆
お城に連れられ、王の間に辿り着いた。
「女王様、聖女様たちをお連れ致しました」
アマゾネスが誰もいない王座に向かって、そう報告した。
「え? 誰もいないぞ」
なんだ、女王は透明人間なのか?
それとも、どっかから湧いて出てくるのか?
――とか、思っていると。
『よくぞ連れて参った。下がってよいぞ』
なんか、品のある気高い声がどっかからした。
え……どこ? どこ!?
玉座からだった。
「んにゃ!? まさか……」
エコが何かに気づいていた。……えぇ?
「ヘデラ、女王様なんていないわよ~?」
「エコが何かに気づいたみたいだな」
「え、どこ?!」
「みなさん、玉座に近付いてよぉ~~~~~~~~く見てみて」
肉球で指さすエコ。
まじ!? そこにいるの!?
「「「え~~~~?」」」
俺たちは玉座に出来る限り接近し、目を凝らした。
すると、そこには米粒サイズの人間がいた。
「やや!? この小人はまさか……!」
驚いた。俺は女王様っていうから、てっきり普通の人間かと思っていたんだ。だが――。
「女王様、ちっさ!!!」
「……女王様ってアリだったの?」
ネメシアもトーチカもその驚愕すぎる光景に、ただ驚いていた。
「ちっさいとかアリとか無礼な! 余にはきちんとした『カルミア』という名があるのじゃ。よいか、お前たちを呼んだのは他でもない――。この忌まわしき【死の呪い】を解いて欲しいのじゃ」
「え、それ【呪い】だったのか――って、【死の呪い】?」
「そうじゃ、ヘデレ。こんな姿では、死んだも同然じゃ」
「ヘデラだ! 人の名前を勝手に、なんかデレそうな感じにしないでくれ、女王様。……しかし、なるほどな。恐ろしい呪いだ」
「おう、すまぬ。人の名前を覚えるのは得意じゃないのじゃ。この通りじゃ許せ。それより、聖女・ヘデラ――お主は、噂に違わぬ美貌と気品を兼ね揃えているようじゃな。それに、透き通るような心も持っておる」
「そ、そこまで言って戴けるとは……恐悦至極に存じます」
俺は低い姿勢でそう女王に申し上げると、
「あ、女王様。このヘデラですが、中身はおっさん臭いんで騙されないように注意ですよ~」
「おま! 余計なことを! ネメシア!」
「うむ、確かにな。言葉遣いはヘンじゃ」
「な、なにを仰るのですか~。わたくしはこの通り、この国と女王様をお支えするしがない聖女です!」
なぜか空気が死んだ。
つか、みんなドン引きしすぎだろ!!
「おい、なんで引く!」
「いやぁ、あんたらしくないっていうか……」
「ネメシアに同感。今のヘデラは好きくない」
「不思議ですね。普段の方がよっぽど聖女っぽいです。今のヘデラさまは不気味です」
ネメシア、トーチカ、猫はそれぞれ俺の印象を口にした。
って、クソ猫! 不気味だとー!? シャミセンにすぞ!!!
「とにかくじゃ、ヘデラ。余を指に乗せるがよい」
「分かりました。では失礼して」
俺は、女王様の指示通りに指に乗っけた。その時、鼻がなんかムズムズして……
「へっくちっ!」
女王様が俺のクシャミで飛んで行った。
「ああああああああああああああああああああああああああああああ!! 女王様がああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
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