187 / 430
第187話 彼岸花
しおりを挟む
時は少し遡り――。
◆
死にかけたのか、それともただ無の中にいたのか。
今まで、何もかもを失っていた気がする。
果てしない虚無から目を覚ますと、花に囲まれていた。
――これは白い彼岸花。
ここは、虹の空中庭園。
見覚えのある光景だ。
「…………あれ、なんで」
思い出せない。
なにがどうしてこうなったのか。俺はどこで何をしていた?
「えっと……」
手足に若干の痺れはあるものの、なんとか動ける。
ただ、意識が朦朧として、視界もボヤけていた。……なんだ、立ち上がろうとすると、酷い立ち眩みが――。
「……うっ」
頭を押さえ、一歩ずつ先へ進んでいく。
前へ、前へ……とにかく、前へ。
見えてくる螺旋階段。到着地点が見えないほどの長い階段があった。上は雲に覆われて、なにがあるか分からない。
俺は不思議と、そこを登っていかなければならない気がして……。
こんな死にそうな体調ではあったけれど、無理を押し通してでも行かねばと思った。……きっとあの上には……大切な何かがあるはずなんだ。
◆
死に物狂いで階段を上がると、やっと頂上付近。
さっきまでいた虹の空中庭園が米粒みたいになっている。こっちはこっちで、宇宙に近い場所になってやがるし……。
なんてこった、成層圏が一望できてしまっている。
そんな広大な世界を目に焼き付け、俺はついに頂へ。
「…………」
黒色のワンピースを着た少女の背中が見えた。
あの馴染み深い服装は間違いない――。
「――――」
間違いないはずなのに、名前が出てこない。
喉まで出かかっているのに、どうしてだ。なぜ、彼女の名を思い出せない。あと名前を呼べば、こちらに振り向いて貰えるはずなのに。
でも、出てこなかった。
それじゃダメなんだ!!
このままでは俺は、きっと、一生彼女を忘れてしまう。
ああ、もどかしい!!
そうだ、別に名前を呼ぶ必要はない。もしお互いを知っているなら、顔を合わせたら分かるはずだ。それを信じて、俺は。
「お、おい……あんた!」
「………………サトル」
信じられないという顔をして、彼女は俺を見た。
そして、赤い彼岸花を地面に落とし、飛びついてきた。
「うわっ……!!」
「サトル…………サトル、本当に帰ってきたのね!?」
少女はボロボロ泣いていた。
どうして、俺なんかのために。
「キミは……」
「私よ、メサイアよ。あなただけの女神」
「……女神……」
「そう、ずっとずっと一緒だった。旅を共にしてきたじゃない」
「俺は誰なんだ……今までなにをしていた」
「大丈夫よ、サトル。この特別な『黄色い彼岸花』であなたの心と記憶を蘇らせる」
「俺の心と記憶……」
少女は俺から少し離れ、黄色い彼岸花を俺の胸に押し当ててきた。
それは、金色の光を輝かせ、俺の中へ――――。
バラバラになっていた記憶が返ってくる。
最後のピースがはまり――心はやっとひとつとなった。
「あ…………。そうか、やっと思い出した」
俺は、地面に落ちている赤い彼岸花を拾った。
別名『曼珠沙華』――花言葉は『情熱』とか『再会』とか『悲しい思い出』など深い意味が込められている。
そや……『また会う日を楽しみに』なんて意味もあったりする。
彼女はずっと、この日を待っていたんだろう。
俺もだ。
彼女の傍に向かって、その彼岸花を手渡した。
「ありがとう、メサイア」
「………………うん。……うん」
メサイアはまた飛びついてきて、今度は泣き叫んだ。
「心配をかけちまったな。すまなかった……」
「ううん……いいの。……いつものサトルが傍にいてくれるだけで嬉しい。いつまでも私を抱いていて」
「いや、それだけじゃ足りない」
メサイアの肩に手を置き、俺は唇を奪った。
「――――――」
◆
時間なんて忘れて、ただお互いを求めあった。
しかし、忘れてはいけないことがある。
まだ『星の都』には仲間たちがいるということを。
「メサイア、俺たちは……確か、星の都に行って、バトルロイヤルに参加して――そうだ、ドゥーベに心を破壊されたんだよな俺」
「そうよ。サトルは急に倒れて、呼びかけてもフォルのグロリアスヒールをしても元に戻らなかった……。でも、サトルと私はいきなりここへ飛ばされて」
俺としたことが……完全に油断していた。
というか――心を破壊するヤツがいるだなんて、想像もつかなかった。
そんな恐ろしいスキルを使ってくるなんて、常識外れにも程がある。
「――て、まて。ここに飛ばされた? 誰が飛ばした?」
「神王・アルクトゥルスよ」
「神王様が……。なるほどな」
俺は理解した。
星の都にやってくる前、しつこいくらい神への勧誘があったからだ。きっと、これを想定しての発言だったのだろう。神王には分かっていたのかもしれないな。
だけど、俺は断った。
別に、そんなものには興味ないし。
けれども、それは今までだった。
「――俺、神に近づきつつあるんだな」
「え、分かるの?」
「ああ、力が前とはまるで違う。この次から次へと湧き出るようなパワー。たぶん、次はもう心も破壊されない。というか……うん、なんか分かる。メサイア、女神スキル1001個目取ってみろ」
「1001個目って……無理よ。だって、もう女神スキルはコンプリートして――あれ、ある。一覧になぜか出現してる」
驚くメサイア。そうだろうな。
「さっきキスしたろ。神パワーがメサイアに流れたっぽい」
「えぇ!? そんなのアリなの」
「アリなんだからいいんだよ。そのスキル、ドゥーベの心破壊を無効化できるぞ。これで、俺たちは勝てる……!」
「そうね、勝ちましょう。そのためにも、今からバトルロイヤルへ戻らなきゃ……あ、でもどうやって戻るの?」
困惑するメサイアだったが、俺にはもうどうするべきか分かっていた。
「俺のまだ『未熟な神の力』と『女神の力』を合わせれば、きっと上手くいく。テレポートを頼む」
「そうね、私とサトルの力ならきっと上手くいく! じゃあ、さっそく行きましょう」
そう、はりきって手を広げる。
けど……まだ早い。
「メサイア、ちょっと寄り道したいところがある」
「寄り道?」
「ああ、そうだ。だから――」
提案をしようとした時だった。階段の方から気配がした。
「その話、ちょっとまった!!」
こ、この懐かしい声はまさか!!
◆
死にかけたのか、それともただ無の中にいたのか。
今まで、何もかもを失っていた気がする。
果てしない虚無から目を覚ますと、花に囲まれていた。
――これは白い彼岸花。
ここは、虹の空中庭園。
見覚えのある光景だ。
「…………あれ、なんで」
思い出せない。
なにがどうしてこうなったのか。俺はどこで何をしていた?
「えっと……」
手足に若干の痺れはあるものの、なんとか動ける。
ただ、意識が朦朧として、視界もボヤけていた。……なんだ、立ち上がろうとすると、酷い立ち眩みが――。
「……うっ」
頭を押さえ、一歩ずつ先へ進んでいく。
前へ、前へ……とにかく、前へ。
見えてくる螺旋階段。到着地点が見えないほどの長い階段があった。上は雲に覆われて、なにがあるか分からない。
俺は不思議と、そこを登っていかなければならない気がして……。
こんな死にそうな体調ではあったけれど、無理を押し通してでも行かねばと思った。……きっとあの上には……大切な何かがあるはずなんだ。
◆
死に物狂いで階段を上がると、やっと頂上付近。
さっきまでいた虹の空中庭園が米粒みたいになっている。こっちはこっちで、宇宙に近い場所になってやがるし……。
なんてこった、成層圏が一望できてしまっている。
そんな広大な世界を目に焼き付け、俺はついに頂へ。
「…………」
黒色のワンピースを着た少女の背中が見えた。
あの馴染み深い服装は間違いない――。
「――――」
間違いないはずなのに、名前が出てこない。
喉まで出かかっているのに、どうしてだ。なぜ、彼女の名を思い出せない。あと名前を呼べば、こちらに振り向いて貰えるはずなのに。
でも、出てこなかった。
それじゃダメなんだ!!
このままでは俺は、きっと、一生彼女を忘れてしまう。
ああ、もどかしい!!
そうだ、別に名前を呼ぶ必要はない。もしお互いを知っているなら、顔を合わせたら分かるはずだ。それを信じて、俺は。
「お、おい……あんた!」
「………………サトル」
信じられないという顔をして、彼女は俺を見た。
そして、赤い彼岸花を地面に落とし、飛びついてきた。
「うわっ……!!」
「サトル…………サトル、本当に帰ってきたのね!?」
少女はボロボロ泣いていた。
どうして、俺なんかのために。
「キミは……」
「私よ、メサイアよ。あなただけの女神」
「……女神……」
「そう、ずっとずっと一緒だった。旅を共にしてきたじゃない」
「俺は誰なんだ……今までなにをしていた」
「大丈夫よ、サトル。この特別な『黄色い彼岸花』であなたの心と記憶を蘇らせる」
「俺の心と記憶……」
少女は俺から少し離れ、黄色い彼岸花を俺の胸に押し当ててきた。
それは、金色の光を輝かせ、俺の中へ――――。
バラバラになっていた記憶が返ってくる。
最後のピースがはまり――心はやっとひとつとなった。
「あ…………。そうか、やっと思い出した」
俺は、地面に落ちている赤い彼岸花を拾った。
別名『曼珠沙華』――花言葉は『情熱』とか『再会』とか『悲しい思い出』など深い意味が込められている。
そや……『また会う日を楽しみに』なんて意味もあったりする。
彼女はずっと、この日を待っていたんだろう。
俺もだ。
彼女の傍に向かって、その彼岸花を手渡した。
「ありがとう、メサイア」
「………………うん。……うん」
メサイアはまた飛びついてきて、今度は泣き叫んだ。
「心配をかけちまったな。すまなかった……」
「ううん……いいの。……いつものサトルが傍にいてくれるだけで嬉しい。いつまでも私を抱いていて」
「いや、それだけじゃ足りない」
メサイアの肩に手を置き、俺は唇を奪った。
「――――――」
◆
時間なんて忘れて、ただお互いを求めあった。
しかし、忘れてはいけないことがある。
まだ『星の都』には仲間たちがいるということを。
「メサイア、俺たちは……確か、星の都に行って、バトルロイヤルに参加して――そうだ、ドゥーベに心を破壊されたんだよな俺」
「そうよ。サトルは急に倒れて、呼びかけてもフォルのグロリアスヒールをしても元に戻らなかった……。でも、サトルと私はいきなりここへ飛ばされて」
俺としたことが……完全に油断していた。
というか――心を破壊するヤツがいるだなんて、想像もつかなかった。
そんな恐ろしいスキルを使ってくるなんて、常識外れにも程がある。
「――て、まて。ここに飛ばされた? 誰が飛ばした?」
「神王・アルクトゥルスよ」
「神王様が……。なるほどな」
俺は理解した。
星の都にやってくる前、しつこいくらい神への勧誘があったからだ。きっと、これを想定しての発言だったのだろう。神王には分かっていたのかもしれないな。
だけど、俺は断った。
別に、そんなものには興味ないし。
けれども、それは今までだった。
「――俺、神に近づきつつあるんだな」
「え、分かるの?」
「ああ、力が前とはまるで違う。この次から次へと湧き出るようなパワー。たぶん、次はもう心も破壊されない。というか……うん、なんか分かる。メサイア、女神スキル1001個目取ってみろ」
「1001個目って……無理よ。だって、もう女神スキルはコンプリートして――あれ、ある。一覧になぜか出現してる」
驚くメサイア。そうだろうな。
「さっきキスしたろ。神パワーがメサイアに流れたっぽい」
「えぇ!? そんなのアリなの」
「アリなんだからいいんだよ。そのスキル、ドゥーベの心破壊を無効化できるぞ。これで、俺たちは勝てる……!」
「そうね、勝ちましょう。そのためにも、今からバトルロイヤルへ戻らなきゃ……あ、でもどうやって戻るの?」
困惑するメサイアだったが、俺にはもうどうするべきか分かっていた。
「俺のまだ『未熟な神の力』と『女神の力』を合わせれば、きっと上手くいく。テレポートを頼む」
「そうね、私とサトルの力ならきっと上手くいく! じゃあ、さっそく行きましょう」
そう、はりきって手を広げる。
けど……まだ早い。
「メサイア、ちょっと寄り道したいところがある」
「寄り道?」
「ああ、そうだ。だから――」
提案をしようとした時だった。階段の方から気配がした。
「その話、ちょっとまった!!」
こ、この懐かしい声はまさか!!
0
お気に入りに追加
1,251
あなたにおすすめの小説
無限初回ログインボーナスを貰い続けて三年 ~辺境伯となり辺境領地生活~
桜井正宗
ファンタジー
元恋人に騙され、捨てられたケイオス帝国出身の少年・アビスは絶望していた。資産を奪われ、何もかも失ったからだ。
仕方なく、冒険者を志すが道半ばで死にかける。そこで大聖女のローザと出会う。幼少の頃、彼女から『無限初回ログインボーナス』を授かっていた事実が発覚。アビスは、三年間もの間に多くのログインボーナスを受け取っていた。今まで気づかず生活を送っていたのだ。
気づけばSSS級の武具アイテムであふれかえっていた。最強となったアビスは、アイテムの受け取りを拒絶――!?
無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ
桜井正宗
ファンタジー
帝国の第三皇子・ラスティは“無能”を宣告されドヴォルザーク帝国を追放される。しかし皇子が消えた途端、帝国がなぜか不思議な力によって破滅の道へ進む。周辺国や全世界を巻き込み次々と崩壊していく。
ラスティは“謎の声”により無人島へ飛ばされ定住。これまた不思議な能力【無人島開発】で無人島のレベルをアップ。世界最強の国に変えていく。その噂が広がると世界の国々から同盟要請や援助が殺到するも、もう遅かった。ラスティは、信頼できる仲間を手に入れていたのだ。彼らと共にスローライフを送るのであった。
チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?
桜井正宗
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」
その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。
影響するステータスは『運』。
聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。
第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。
すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。
より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!
真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。
【簡単な流れ】
勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ
【原題】
『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
ゴミアイテムを変換して無限レベルアップ!
桜井正宗
ファンタジー
辺境の村出身のレイジは文字通り、ゴミ製造スキルしか持っておらず馬鹿にされていた。少しでも強くなろうと帝国兵に志願。お前のような無能は雑兵なら雇ってやると言われ、レイジは日々努力した。
そんな努力もついに報われる日が。
ゴミ製造スキルが【経験値製造スキル】となっていたのだ。
日々、優秀な帝国兵が倒したモンスターのドロップアイテムを廃棄所に捨てていく。それを拾って【経験値クリスタル】へ変換して経験値を獲得。レベルアップ出来る事を知ったレイジは、この漁夫の利を使い、一気にレベルアップしていく。
仲間に加えた聖女とメイドと共にレベルを上げていくと、経験値テーブルすら操れるようになっていた。その力を使い、やがてレイジは帝国最強の皇剣となり、王の座につく――。
※HOTランキング1位ありがとうございます!
※ファンタジー7位ありがとうございます!
神様との賭けに勝ったので、スキルを沢山貰えた件。
猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。突然足元に魔法陣が現れると、気付けば目の前には神を名乗る存在が居た。
そこで神は異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。
あれ?これもしかして頑張ったらもっと貰えるパターンでは?
そこで彼は思った――もっと欲しい!
欲をかいた少年は神様に賭けをしないかと提案した。
神様とゲームをすることになった悠斗はその結果――
※過去に投稿していたものを大きく加筆修正したものになります。
とあるオタが勇者召喚に巻き込まれた件~イレギュラーバグチートスキルで異世界漫遊~
剣伎 竜星
ファンタジー
仕事の修羅場を乗り越えて、徹夜明けもなんのその、年2回ある有○の戦場を駆けた夏。長期休暇を取得し、自宅に引きこもって戦利品を堪能すべく、帰宅の途上で食材を購入して後はただ帰るだけだった。しかし、学生4人組とすれ違ったと思ったら、俺はスマホの電波が届かない中世ヨーロッパと思しき建築物の複雑な幾何学模様の上にいた。学生4人組とともに。やってきた召喚者と思しき王女様達の魔族侵略の話を聞いて、俺は察した。これあかん系異世界勇者召喚だと。しかも、どうやら肝心の勇者は学生4人組みの方で俺は巻き込まれた一般人らしい。【鑑定】や【空間収納】といった鉄板スキルを保有して、とんでもないバグと思えるチートスキルいるが、違うらしい。そして、安定の「元の世界に帰る方法」は不明→絶望的な難易度。勇者系の称号がないとわかると王女達は掌返しをして俺を奴隷扱いするのは必至。1人を除いて学生共も俺を馬鹿にしだしたので俺は迷惑料を(強制的に)もらって早々に国を脱出し、この異世界をチートスキルを駆使して漫遊することにした。※10話前後までスタート地点の王城での話になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる