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第173話 女神の建築スキル再び
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女神専用スキル『ホワイト』の中には空間が広がっていた。
なにもない白い空間だ。
そんな中に、俺たちはいた。
まさかホワイトに入れるだなんてな……予想外すぎた。
「なにもないぞ、メサイア」
「そらそうよ~。これから作っていくんだから」
「これから作る……?」
「お忘れ? 私は【建築スキル】を持っているのよ。家を建てるの」
「まさか……! また作るのか家を! しかもこのホワイトの中に!」
「そう。私たちは今まで『小屋』や『家』を作ってきたじゃない。今度はでっかい邸宅でも作ってしまおうと思うの!」
ばーんと手を広げ、顔を輝かせるメサイアの顔はまぶしかった。てか、女神スキルで輝かせてる? やたら神々しいぞ。
「姉様! またわたくしたちの家が!?」
「そうよ、フォル。また住めるわ。しかも今度はより安全にね!」
「大好きです! 姉様!」
フォルはメサイアに抱きつく。
「家……なんだか懐かしい響きですね。久しぶりに、あたしの【掃除スキル】が役に立ちそうですね……!」
「それあったな、リース。ずいぶん、ご無沙汰だったけど、また輝く日が来そうだな。頼んだぜ」
「はい、サトルさん。家事全般はお任せください!」
そう意気込むリースは可愛かった。
しかし、フォルは聞き捨てならなかったようで、割って入ってきた。
「わたくしは聖女ですが、【料理スキル】に特化しているのです。ですから、料理に関しては譲る気はありません。いいですね、リース」
「わ、分かっていますよ、フォルちゃん。顔が近いよ……でも、少しは手伝わせて欲しいかな」
むぅっとフォルは意地を張っていた。
変なところで頑固だからなぁ。
「フォル、以前と同じようにみんなで楽しもう」
「そ……そうですね。ごめんなさい、リース」
「いいんです。譲れないものってあると思いますし、その気持ちはよく分かります」
「あの~、すみませんでげすが、この白い空間はなんざんしょ」
そうだ、ミザールの存在を忘れていた。
するとメサイアが説明を始めた。
「これは『ホワイト』っていう女神スキルの特殊空間よ。私が認めた人しか入れない空間。外から入ってこれないし、抜け出してしまうと入ってこれなくなる。絶対領域なの。だから、外出時は気を付けてちょうだい」
ふーむ。あんまり、不用意にウロチョロしない方がよさそうだ。
「で、メサイア。家をどうやって建てる? しかも、前はすげぇ時間掛かっていただろ。今回はバトルロイヤル中なのもあるし、いくら時間無制限といっても、そんなに待っていられんぞ~」
ふふーんと鼻を鳴らすメサイアは、得意げに腕を組んだ。
なんだ、あの企むような顔。
「サトル、今の私は女神よ? しかも、スキルも1000もあるの。これだけあるとね、便利なスキルでいっぱいなの。『高速建築』くらい可能よ」
「おお、高速建築か! そりゃいいな。――で、肝心の材料は?」
「え……材料?」
「おう、材料だ。ほら、木材とか石、布とか必要だろう?」
「…………にょ?」
「にょ~?」
汗をダラダラ流すメサイア。
おい……。
「まさか、材料もなしに建築するとか言ってんじゃねえだろうな!?」
「…………うぅ」
泣き出した。
いや、泣くなよ。
「ぽんこつ女神め……。そのポジションは、リースのはずだったけどなぁ」
100人貴族事件といい、なんかメサイアのぽんこつ具合がアップしていないだろうか。まあ、馬鹿な子ほど可愛いとも言うけれど。
仕方ない、俺のあまりない知恵を絞って、CPUをフル回転させますか。
う~~~~~~ん……そうだなぁ。
<ピコーン!!>
「発想の転換といこう」
「え? なにかあるの、サトル」
「ホワイトから飛び出て、森の木々を伐採すればいいんじゃね?」
「あぁ~~~っ!! サトル、すごいそれ! 名案!」
喜んで飛びついてくるメサイア。
よしっ……! ダブル凸《とつ》の感触がたまらんッ。
「兄様すごいですー!! わたくしも飛びつきます!」
フォルも続いて自慢の肉体を摺り寄せてきた。
もうそれはわざとらしく。余すことなく徹底的に。おかげで天国だが、やりすぎた。さすがヘンタイ聖女だ。なお、これは最上級の誉め言葉だ。
「サトルさん、家が作れるんですね!」
「もちろんだ。そのためにはリースの力も必要だ。手伝ってくれ」
「もちろんです! ですから……あたしも」
ピトっと小さな体を寄せてきた。
俺は思わず打ち震える。リースは小さくて可愛くて、金髪でバインバインの世界一可愛いエルフだからだ。それがこんなピトっと……ピトっと……。
「げふんげふん。あー、森の木々はいくら切ってもまた生えてきますし、石もその辺にいくらでも落ちていますでえ。ええと思いますだ。そいじゃぁ、オイラは護衛でもしますかね」
「すまん、ミザール。それじゃ一度、外へ出ますか! メサイア、頼む」
「分かったわ。ホワイト解放!」
――なんてメサイアが叫ぶと、そこには森が見えた。
なるほど、あのホワイトホールから出ればいいらしい。
よし――建築材料の『木材』と『石』をさっさと集めてずらかろう。
なにもない白い空間だ。
そんな中に、俺たちはいた。
まさかホワイトに入れるだなんてな……予想外すぎた。
「なにもないぞ、メサイア」
「そらそうよ~。これから作っていくんだから」
「これから作る……?」
「お忘れ? 私は【建築スキル】を持っているのよ。家を建てるの」
「まさか……! また作るのか家を! しかもこのホワイトの中に!」
「そう。私たちは今まで『小屋』や『家』を作ってきたじゃない。今度はでっかい邸宅でも作ってしまおうと思うの!」
ばーんと手を広げ、顔を輝かせるメサイアの顔はまぶしかった。てか、女神スキルで輝かせてる? やたら神々しいぞ。
「姉様! またわたくしたちの家が!?」
「そうよ、フォル。また住めるわ。しかも今度はより安全にね!」
「大好きです! 姉様!」
フォルはメサイアに抱きつく。
「家……なんだか懐かしい響きですね。久しぶりに、あたしの【掃除スキル】が役に立ちそうですね……!」
「それあったな、リース。ずいぶん、ご無沙汰だったけど、また輝く日が来そうだな。頼んだぜ」
「はい、サトルさん。家事全般はお任せください!」
そう意気込むリースは可愛かった。
しかし、フォルは聞き捨てならなかったようで、割って入ってきた。
「わたくしは聖女ですが、【料理スキル】に特化しているのです。ですから、料理に関しては譲る気はありません。いいですね、リース」
「わ、分かっていますよ、フォルちゃん。顔が近いよ……でも、少しは手伝わせて欲しいかな」
むぅっとフォルは意地を張っていた。
変なところで頑固だからなぁ。
「フォル、以前と同じようにみんなで楽しもう」
「そ……そうですね。ごめんなさい、リース」
「いいんです。譲れないものってあると思いますし、その気持ちはよく分かります」
「あの~、すみませんでげすが、この白い空間はなんざんしょ」
そうだ、ミザールの存在を忘れていた。
するとメサイアが説明を始めた。
「これは『ホワイト』っていう女神スキルの特殊空間よ。私が認めた人しか入れない空間。外から入ってこれないし、抜け出してしまうと入ってこれなくなる。絶対領域なの。だから、外出時は気を付けてちょうだい」
ふーむ。あんまり、不用意にウロチョロしない方がよさそうだ。
「で、メサイア。家をどうやって建てる? しかも、前はすげぇ時間掛かっていただろ。今回はバトルロイヤル中なのもあるし、いくら時間無制限といっても、そんなに待っていられんぞ~」
ふふーんと鼻を鳴らすメサイアは、得意げに腕を組んだ。
なんだ、あの企むような顔。
「サトル、今の私は女神よ? しかも、スキルも1000もあるの。これだけあるとね、便利なスキルでいっぱいなの。『高速建築』くらい可能よ」
「おお、高速建築か! そりゃいいな。――で、肝心の材料は?」
「え……材料?」
「おう、材料だ。ほら、木材とか石、布とか必要だろう?」
「…………にょ?」
「にょ~?」
汗をダラダラ流すメサイア。
おい……。
「まさか、材料もなしに建築するとか言ってんじゃねえだろうな!?」
「…………うぅ」
泣き出した。
いや、泣くなよ。
「ぽんこつ女神め……。そのポジションは、リースのはずだったけどなぁ」
100人貴族事件といい、なんかメサイアのぽんこつ具合がアップしていないだろうか。まあ、馬鹿な子ほど可愛いとも言うけれど。
仕方ない、俺のあまりない知恵を絞って、CPUをフル回転させますか。
う~~~~~~ん……そうだなぁ。
<ピコーン!!>
「発想の転換といこう」
「え? なにかあるの、サトル」
「ホワイトから飛び出て、森の木々を伐採すればいいんじゃね?」
「あぁ~~~っ!! サトル、すごいそれ! 名案!」
喜んで飛びついてくるメサイア。
よしっ……! ダブル凸《とつ》の感触がたまらんッ。
「兄様すごいですー!! わたくしも飛びつきます!」
フォルも続いて自慢の肉体を摺り寄せてきた。
もうそれはわざとらしく。余すことなく徹底的に。おかげで天国だが、やりすぎた。さすがヘンタイ聖女だ。なお、これは最上級の誉め言葉だ。
「サトルさん、家が作れるんですね!」
「もちろんだ。そのためにはリースの力も必要だ。手伝ってくれ」
「もちろんです! ですから……あたしも」
ピトっと小さな体を寄せてきた。
俺は思わず打ち震える。リースは小さくて可愛くて、金髪でバインバインの世界一可愛いエルフだからだ。それがこんなピトっと……ピトっと……。
「げふんげふん。あー、森の木々はいくら切ってもまた生えてきますし、石もその辺にいくらでも落ちていますでえ。ええと思いますだ。そいじゃぁ、オイラは護衛でもしますかね」
「すまん、ミザール。それじゃ一度、外へ出ますか! メサイア、頼む」
「分かったわ。ホワイト解放!」
――なんてメサイアが叫ぶと、そこには森が見えた。
なるほど、あのホワイトホールから出ればいいらしい。
よし――建築材料の『木材』と『石』をさっさと集めてずらかろう。
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