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第137話 かつての仲間たち - ギルド加入へ -

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 マーリンは言った。
 今から最大の敵である――言ってしまえば、ラスボスの『コンスタンティン』を討つと。それは、言い換えれば『戦争』をすると言っているようなものだ。

 ……まったく、息つく暇もないな。

「だが、問題は『聖者の行進』とまで言われている十万の兵だ。そんなヤツ等の相手をいちいちしていたら身がもたんぞ」

「ええ、その為にも【円卓の騎士】を緊急招集し、派兵したいと思います」

「なるほど――【円卓の騎士】か。確かに、あんた達のような戦力が集まってくれれば百人力か。じゃ、そっちは任せていいか。生憎なんだが、俺たちは人探ししている暇なんてないからな」

「承知しております。緊急招集に関してはこちらにお任せを。ですが、これからの旅路で万が一【円卓の騎士】のメンバーに会うようであれば、お伝えください」

「分かった。それで、この戦いはどうなってんだ?」
「ええ。アーサー、あなたから話してください」

 マーリンにうながされ、アーサーは口を開く。なんか、緊張しているな。


「……『聖地・パーシヴァル』を救って戴いたあの半月後、十万のコンスタンティン軍がいきなり攻めてきたのです。どうやら、僕の【聖剣】を狙ってきたようで……それで。
 マーリンに助けられ、僕は必死に逃げ惑う日々。そして、日を追うごとに分かってきたのです。コンスタンティンは、聖剣を破壊し……僕を殺し……。全ての聖地を破壊、手中に収め……【真の世界】を作ろうとしているのです」


「…………な」


 そりゃ、全てを破壊して……征服するってことか。やってることがまるで『魔王』じゃないか。ちきしょう、道理でアヴァロンを滅ぼしたりするわけだ……なんてヤツ等だよ!!

 そうか、それで『聖地・パーシヴァル』も滅んでしまった、と。

「サトル、まずくない……? このままだと、他の聖地が……。それに『花の都』だってまずいかも」
「え……メサイア、お前なんて……」
「だから、『花の都』もよ。あれ、言ってなかったっけ……あそこは【聖地・ベディヴィア】よ」
「なにィ!! そんなん知らんかったぞ!」

 結構あの場所に居たけど、はじめて知ったわ……。

「兄様、わたくしの故郷もこのままでは……」
「フォル……」


 まずいな。聖地全体が危うい状況だったなんて。


「くそ、こうしてはいられんな……。けど、コンスタンティンを倒すには、まずは十万の兵を何とかしなきゃ………」

 しゃーない。いけるところまで俺の【オートスキル】で何とかするか。いや、無謀すぎるか。どこかでやられるのがオチか。

 そう悩んでいると――


「ちょおおおおおおおおっと待ったあああああああ!!!」


 なんか、どこかで聞いたような声が張りあがった。

 ん、なんだあの黒い影。


「俺たちが来たからには、聖地は滅ぼさせないぜ! そうさ、俺たちはかつて世界を救った……! お前と一緒にな、サトル!」


「え……な、え? お前、どうしてここに……!!」


 あれは……

 ギルド『サンフラワー』のマスター!

「ぽむぽむじゃないか!!」
「おう! 話は全て聞いた!! 俺たちはお前たちに加勢する!! しかも、俺だけじゃないぜ?」


「まさか!」


 いきなり大人数が集結しはじめた。

 あ、あれは……そうだ、あの時のギルドたちじゃないか。


 『Fireworksファイアーワークス
 『ああああ騎士団』
 『テラボンバー』


「お前たち、駆けつけてくれたのか……!! パースケもグースケも久しぶりだな!」

「うっす! 久しぶりです、サトルの旦那!! 俺たちはチョースケの兄貴の分も頑張ってやす!! 俺たちゃぁ今は立派な『情報屋』になりやした。これも、旦那のおかげです!!」

「おまえたち、すっかり見違えるようになったな。あのダセぇモヒカンやめたんだな」
「ええ、あんなもん卒業です!! これからは情報の時代でっせ!」

 次に、『ああああ騎士団』の……

「えーっと……『ええええ』だっけ……」
「ちがあああああああああああう!!! 『ああああ』だっつーの!! 覚えろよ! つーか、むしろ、憶えやすいだろう!?」

「よう。『けけけけ』と、『でででで』も久しぶりだな」

「俺は『いいいい』ですってば!」「俺も『うううう』ですってば!」


 どっちでもええわっ!!


 そして、気づけば、かつてを共にした『エイル』や『村雨』、花火の『ルミナス』もいた。懐かしい面々だ。

「――で、ぽむぽむ、お前たちが協力してくれるって?」
「おう、聖地崩壊の危機と聞いちゃ黙っていられん。ま、そこのマーリンさんに教えてもらったんだがな」

 な……、マーリンが。
 なるほどな、全てはマーリンの計画通りってことか。あの角女が主犯だったか。まあいい、おかげでギルドと再会できた。


「それで、なにをしてくれるんだ?」

「俺たちは各聖地に向かい、協力を仰ぐ。――で、こっちの戦力をコンスタンティンを上回る300万規模にしたいと考えている。すべての聖地の賛同が得られれば、こっちの勝ちだ。どうだ? やるか?」

 そうきたか……!

 そりゃ心強いし力強い。なんつーか……ワクワクするじゃねぇか!

「よし、ぽむぽむ……みんな、よろしく頼む!!」


「「「「「おおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」」」」」


「ところで、サトル。よかったら、俺たちのギルド『サンフラワー』に入らないか? 歓迎するぞ」

「いや、すまないが俺たちは『テラボンバー』のギルドに入る」

 すると、

「「「「ええ~~~~~~~~~!!!」」」」

 メサイア、リース、フォル、ベルが驚いていた。

「な、なんでよ。なんであんな元モヒカンのギルドなんかに!」
「落ち着け、メサイア。あと、リースは涙目になるな。トラウマは分かるけども!」
「いいか、今のパースケもグースケは、心を入れ替え『情報屋』になった。つまり、使えるってことだ。いいか?」

「えー…」
「えー…って、そんな嫌そうな顔するなよ。これも勝つためだ。そんなわけだ、ぽむぽむ、すまないな」

「いいってことさ。じゃ、ギルド『テラボンバー』以外は出立する。いいな」

「「「おう!!」」」

 手を振って別れた。
 また会えるさ、そのうちな。

 ……うん、懐かしかった。

「さて、俺たちはっと……って、リース! 泡吹いてぶっ倒れてとる――――!?」

「……きゅぅ」


 と、とにかくだ……俺たちも先を急ごう。
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