全スキル自動攻撃【オートスキル】で無双 ~自動狩りで楽々レベルアップ~

桜井正宗

文字の大きさ
上 下
130 / 473

第130話 モンスターレースの結果

しおりを挟む
 勝負の世界は甘くなかった。

 一番人気『スプリンターラビット』が一着。
 二番人気だった『エンシェントタートル』は最下位に終わった。


「くそっ……固かったか」


 しかも、『スプリンターラビット』は開始0.5秒で一着ゴールというバケモノだった。あんなの反則だろ!! くそが!!


「ちきしょーーーーーー!!!」


 おかげで……全財産の『100万プル』を失った。

 オワッタ……。


「ど、どうするの、サトル!」
「メサイア……。金貸してくれ」
「あるわけないでしょう……。あってもこれだけよ」

 チャリン……と、俺の掌の上でむなしく音が鳴った。
 たったの『130プル』しかない。ジュースかよ……。

「ベル、お前は……!」

 熱にうなされているような顔をして……指で輪っかを作るベル。あー…あの意味は『0』ってことか。だめだこりゃ。


 最後の頼みの綱は……リース!


「リース……。お金は…………」
「……えっとぉ、その……あたしは、お父さんに預けてしまっているので……」

「全部!?」
「はい……」

 そうか、だからお金がないのか!
 この前のアヴァロンの時に置いていったようだ。だめだー!


「万事休す……」


 ◆


 お金がない以上、もうどうしようもない。
 一度、ホテルに戻り『イゾルデ』に再交渉するしか。

 超高級ホテル『タントリス』に戻ろうかと思ったが――レース参加者の話し声が聞こえた。俺はその会話を聞き逃さなかった。


『なんでもよ~。あの超高級ホテル『タントリス』がこのモンスターレースを主催をしているらしいぜ。だからよ~、あのオーナーが不正しているじゃないかなって、オラは思うんだよ~』


 ――!

 不正……まさか、そんなまさか!?

 でもまてよ……。


 『スプリンターラビット』は開始0.5秒で一着ゴール……。


 いくらなんでも違和感バリバリの速さ。
 普通のモンスターの移動速度ではない。つまり……スキルによる不正があった!!


 『イゾルデ』――あの女!!


「おい、みんな……大至急でホテルに戻るぞ!!」

「え? どうしたのサトル」「サトルさん?」「理くんどうしたの?」

 みんな状況が呑み込めていないようだが、俺は真相が見えてきていた。……もしかしたら、これは最初から『トラップ』だったのではないかと――。


 ◆


 【 ホテル・タントリス 】


「――私が不正を? はあ、どのような根拠があって仰るのでしょうか」

 イゾルデは白々しく惚けた。

「ふっざけんな! あのモンスターレース……このホテルが主催しているそうじゃないか。俺たちがあのレースに参加すると分かっていて、不正をしたんじゃないのか!」

「そ、そうなの!?」
 メサイアが驚く。


「はあ、確かにあのモンスターレースは当ホテルが主催しております――ですが、不正などと……そのような言い掛かりは止めて戴きたい。それより、500万プルはどうしたのですか。支払えないのなら……そうですね、担保として・・・・・お預かりしている聖女様・・・は我がホテル――いえ、聖地・トリスタンの聖女になって戴きます」


 なん…………だと……?


「なに言ってやがる! 担保は『エクストラチケット』だろうが! それで充分だろう」
「いえ、私は最初から聖女様を担保に指定しておりました。それが何か?」


 クイッと眼鏡を上げるイゾルデ。
 こ、こいつ……!


「フォル、こっち来い……ホテルを出るぞ!」

「そうはいきません。もし聖女様を連れ出すのであれば、『トリスタン』様が黙っておりません。あのお方は偉大な十聖騎士ホーリーナイトですから。それに、他の十聖騎士ホーリーナイトも賛同し、あなた方を容赦なく討伐するでしょうね」


「……くっ」

 十聖騎士ホーリーナイト――さすがに『聖者』相手は分が悪すぎる。
 それが複数ともなると余計に。


「……兄様。わ、わたくし、その…………兄様の為でしたら」


 手が震えている。
 バカ…………フォル、お前なに無理してんだよ。

 大粒の涙なんかボロボロ流しやがって。

 お前が泣く必要なんかない。


 イゾルデ……! あの魔性の女が……俺たちを騙しやがったんだ!!


 許せん……。


 絶対に許せん!!!


「イゾルデ…………」


「…………もう用件は済みましたね。聖女様はこちらで大切にさせて戴きますので。ホテル代は気になさらず。……さあ、出口はあちらですよ、お客様」


「…………兄様」

 フォルはずっと泣き続けていた。
 俺は、そんなお前を見たくない。だから……!

「フォル…………俺は……お前を絶対に取り返す…………! 待っていろ……必ずだ。必ず助けてやる。だから、今は泣くな!! 涙はその時が来るまで取っておけ!! 俺を信じろ!!!」


「…………はい。分かりました……わたくし、兄様を信じております」


 ……なんとか感情にブレーキを掛けたようで、フォルは持ち直した。


「イゾルデ……! あえて言っておくぞ……」


 俺は、イゾルデをぶち殺す勢いで睨んだ。



おっさんを舐めんなよ・・・・・・・・・・



「…………」



 イゾルデもまた、俺を鋭い目つきで睨み返してくる。


 ……その瞬間ときだった。


 ドンと慌ただしく扉が開くと、そこにはホテルのスタッフが。


「大変です、オーナー!!! 聖地・モードレッドから……ごふぁぁ……!?」


 スタッフが突然、血を吐き、倒れた。


「なっ…………」


 みんな衝撃の光景に固まる。

 なんだ……なにが起きやがった?
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

無限初回ログインボーナスを貰い続けて三年 ~辺境伯となり辺境領地生活~

桜井正宗
ファンタジー
 元恋人に騙され、捨てられたケイオス帝国出身の少年・アビスは絶望していた。資産を奪われ、何もかも失ったからだ。  仕方なく、冒険者を志すが道半ばで死にかける。そこで大聖女のローザと出会う。幼少の頃、彼女から『無限初回ログインボーナス』を授かっていた事実が発覚。アビスは、三年間もの間に多くのログインボーナスを受け取っていた。今まで気づかず生活を送っていたのだ。  気づけばSSS級の武具アイテムであふれかえっていた。最強となったアビスは、アイテムの受け取りを拒絶――!?

隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜

桜井正宗
ファンタジー
 能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。  スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。  真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。

月が導く異世界道中extra

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  こちらは月が導く異世界道中番外編になります。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

クラス転移したからクラスの奴に復讐します

wrath
ファンタジー
俺こと灞熾蘑 煌羈はクラスでいじめられていた。 ある日、突然クラスが光輝き俺のいる3年1組は異世界へと召喚されることになった。 だが、俺はそこへ転移する前に神様にお呼ばれし……。 クラスの奴らよりも強くなった俺はクラスの奴らに復讐します。 まだまだ未熟者なので誤字脱字が多いと思いますが長〜い目で見守ってください。 閑話の時系列がおかしいんじゃない?やこの漢字間違ってるよね?など、ところどころにおかしい点がありましたら気軽にコメントで教えてください。 追伸、 雫ストーリーを別で作りました。雫が亡くなる瞬間の心情や死んだ後の天国でのお話を書いてます。 気になった方は是非読んでみてください。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

処理中です...