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第125話 レアガチャが引けるエクストラチケット
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久々の我が家。
最近【アーク】と名付けた俺とメサイアの共同建築した一軒家。
俺の【運搬スキル】で、家をミニチュアサイズにして、持ち運んでいた。それが今では、リースの故郷である『アヴァロン』のすぐそばに建っていた。
――さて、お風呂っ……とお!?
中に入るとメサイアが風呂に浸かっていた。
「ノックくらいしなさいよ……バカ」
あれ、怒ってはいないな。
てっきり、ぶっ飛ばされるかと思ったけど――ああ、フォルもいたのか。
ほーん。どれ。俺はフォルは後ろに立ち、肩に触れた。
「ひゃぁ~~~!? あ、兄様!?」
俺はさらに、うなじに息を吹きかけてみた。
「ふぁぁん……っ」
そんな甘ったるい声を出すフォル。
それに伴い、メサイアの目つきが鬼へと変化していた。
おーっと、これ以上はやめておくか。
「あ……兄様。わたくし、頭を洗っているので……その、そういう高度なプレイはあとで……。姉様もいらっしゃるので……」
「あとでな。……そう睨むな、メサイア」
「睨んでないわよ。それより、サトル。そのままじゃ風邪ひくでしょ。こっち来なさい」
手招きするメサイア。
へ……まじ?
「なんだ、隣いいのか。遠慮なくいくぞ?」
「す、好きにすれば……」
「――そ、そか。じゃ、ご好意に甘えるとするか」
俺は、メサイアの隣に入った……。
「…………」「…………」
し~~~ん。
なにを話せばいい?
フォルの髪の洗う音だけが響く――。
うーむ……。
あ、そうだ。
「メサイア……。そろそろ、ベルと同じように『シア』って呼んでいいか? 短い方が呼びやすいし」
「ダメ。読んだらコロス」
「――――はい」
俺は、メサイアを愛称で呼んではダメのようだ。
なんでや!
「あ……あんたには、フルネームで呼んで欲しいの!」
顔を赤くさせたメサイアが、肩をくっつけてくる。
「――――うお」
どくんどくん……と、俺の鼓動が高鳴る。
やべ……。かわいい……。
そうか……そうだな。うん……。
「ひゃほ~~~~~~~~~~~~い!!」
どぼーーーーん!!
――と、フォルが割って入って来た。狭い!
いつの間に髪を洗い終えたんだか。
「つーか、おい!! フォル!! どこ触って……バカ!! 近すぎだ! うあ……おまっ! 抱きついてくるな!! うああああああああああああ――――――!!」
俺は、ヘンタイ聖女の餌食となった。
◆
早朝。なんとなく散歩したくなった俺は、ひとり出歩いていた。
家から少し歩くと、ヒトの気配がふたつ。
……ん、アレは?
「……へ、へぇ、そうなんだ。面白そうね」
……あの声はもしかして。
「え……メサイア」
俺はなんとなく木の陰に隠れた。
ウソ……こんな朝からメサイアが男と立ち話?
しかも、なんかちょっと嫌そうな顔しているな、メサイア。
俺は、聞き耳を立てる。
「――それでさ、『聖地・トリスタン』に行けば、たっくさん楽しいこと教えてあげるからさ~…」
と、男はメサイアの腰に触れやがった。
ヤロー、気安く触れやがって……メサイアに触れていいのは、俺だけだ!! ……コロス!!
ブチギレ登場してやろうかと思ったが――
『奥義!! 覇王龍星拳――!!』
男はフォルの奥義を食らい、
「ぶぅぇええええぇええええ!!」
ぶっ飛ばされ、俺の横ギリギリをかすめて行った。
「ぶっね……! でも、ナイスだフォル!」
俺は、もうしばらく木の陰から様子を伺う。
「姉様、大丈夫です? ヘンな男に言い寄られていたようですけれど……」
「うん……。私ってホラ、押しに弱いから……助けてくれてありがと、フォル」
「いえいえ、おケガがなくて良かったです。姉様の身に万一があったら、兄様が暴走しますからね」
――フォルのヤツめ……まあ、その通りだけどな。
◆
俺は、家に先回りして、リビングでくつろいでいた。
すると、メサイアとフォルが帰ってきた。
「ただいまー」「ただいまです~」
「なんだ、ふたりとも姿が見えないと思ったら、出かけていたのか」
「え、ええ……ちょっとね。サトルその……。気を悪くしないでほしいんだけど、さっき変な男に絡まれたの。その時、チケットを貰ったんだけど、私はいらないって断った。突っ返そうと思ったら、フォルが男をぶっ飛ばしたから……」
だから、チケットを持っていると。
「そうか、ケガがなくて良かったよ」
「うん、いきなり腰を触られるし……怖かった」
と、メサイアは珍しく震えていた。
ふぅむ、たまに乙女なところあるよな。
「安心しろ。次にそいつが現れたら地獄を見せてやる……フォルが」
「そうです、兄様ならあの男を……って、わたくし!? なぜ、他力本願なんですか、兄様! そこはカッコよく俺が守ってやる~! ってところでしょうに」
「俺のモットーは、一人はみんなのために、みんなは一人のためにだからな。だから、他力本願なんかじゃない。俺は最後に美味しいところを戴きたいんでね」
「うっ……。なんかズルイですね」
「おっさんはズルイくらいが丁度いいんだよ」
そこで、なぜかフォルは瞳を輝かせると――
「わたくし、そんな兄様を尊敬しています。いえ、敬愛しております。お慕い申しております♡ ですから、結婚してくだいまし~♡」
「一億と二千年後くらいにな」
俺は、フォルを無視して、メサイアに向き直る。
「そや、チケットだったか。……ふぅん? 【エクストラチケット】?」
「そうなの。これは、聖地・トリスタンにある『ナイツ・オブ・ラウンドテーブル』という今話題のレジェンドレアアイテムを入手できるガチャがあるらしいの。
そのチケットは、レア以上確定みたいよ。引きに行ってみる?」
メサイアは、俺に判断を委ねた。
俺が決めろってか……てか、『聖地・トリスタン』ってどこだ……。また面倒なことにならなきゃいいが。が、コンスタンティン軍の動きも気になるところだ。
情報収集のついでに行ってみるのもありか。
何にしても、レジェンドレアっていうのは気になるよな。
最近、お財布事情もよくないし、うん。金儲けにもなるかもな。
よし、ガチャしに行ってみるか!
最近【アーク】と名付けた俺とメサイアの共同建築した一軒家。
俺の【運搬スキル】で、家をミニチュアサイズにして、持ち運んでいた。それが今では、リースの故郷である『アヴァロン』のすぐそばに建っていた。
――さて、お風呂っ……とお!?
中に入るとメサイアが風呂に浸かっていた。
「ノックくらいしなさいよ……バカ」
あれ、怒ってはいないな。
てっきり、ぶっ飛ばされるかと思ったけど――ああ、フォルもいたのか。
ほーん。どれ。俺はフォルは後ろに立ち、肩に触れた。
「ひゃぁ~~~!? あ、兄様!?」
俺はさらに、うなじに息を吹きかけてみた。
「ふぁぁん……っ」
そんな甘ったるい声を出すフォル。
それに伴い、メサイアの目つきが鬼へと変化していた。
おーっと、これ以上はやめておくか。
「あ……兄様。わたくし、頭を洗っているので……その、そういう高度なプレイはあとで……。姉様もいらっしゃるので……」
「あとでな。……そう睨むな、メサイア」
「睨んでないわよ。それより、サトル。そのままじゃ風邪ひくでしょ。こっち来なさい」
手招きするメサイア。
へ……まじ?
「なんだ、隣いいのか。遠慮なくいくぞ?」
「す、好きにすれば……」
「――そ、そか。じゃ、ご好意に甘えるとするか」
俺は、メサイアの隣に入った……。
「…………」「…………」
し~~~ん。
なにを話せばいい?
フォルの髪の洗う音だけが響く――。
うーむ……。
あ、そうだ。
「メサイア……。そろそろ、ベルと同じように『シア』って呼んでいいか? 短い方が呼びやすいし」
「ダメ。読んだらコロス」
「――――はい」
俺は、メサイアを愛称で呼んではダメのようだ。
なんでや!
「あ……あんたには、フルネームで呼んで欲しいの!」
顔を赤くさせたメサイアが、肩をくっつけてくる。
「――――うお」
どくんどくん……と、俺の鼓動が高鳴る。
やべ……。かわいい……。
そうか……そうだな。うん……。
「ひゃほ~~~~~~~~~~~~い!!」
どぼーーーーん!!
――と、フォルが割って入って来た。狭い!
いつの間に髪を洗い終えたんだか。
「つーか、おい!! フォル!! どこ触って……バカ!! 近すぎだ! うあ……おまっ! 抱きついてくるな!! うああああああああああああ――――――!!」
俺は、ヘンタイ聖女の餌食となった。
◆
早朝。なんとなく散歩したくなった俺は、ひとり出歩いていた。
家から少し歩くと、ヒトの気配がふたつ。
……ん、アレは?
「……へ、へぇ、そうなんだ。面白そうね」
……あの声はもしかして。
「え……メサイア」
俺はなんとなく木の陰に隠れた。
ウソ……こんな朝からメサイアが男と立ち話?
しかも、なんかちょっと嫌そうな顔しているな、メサイア。
俺は、聞き耳を立てる。
「――それでさ、『聖地・トリスタン』に行けば、たっくさん楽しいこと教えてあげるからさ~…」
と、男はメサイアの腰に触れやがった。
ヤロー、気安く触れやがって……メサイアに触れていいのは、俺だけだ!! ……コロス!!
ブチギレ登場してやろうかと思ったが――
『奥義!! 覇王龍星拳――!!』
男はフォルの奥義を食らい、
「ぶぅぇええええぇええええ!!」
ぶっ飛ばされ、俺の横ギリギリをかすめて行った。
「ぶっね……! でも、ナイスだフォル!」
俺は、もうしばらく木の陰から様子を伺う。
「姉様、大丈夫です? ヘンな男に言い寄られていたようですけれど……」
「うん……。私ってホラ、押しに弱いから……助けてくれてありがと、フォル」
「いえいえ、おケガがなくて良かったです。姉様の身に万一があったら、兄様が暴走しますからね」
――フォルのヤツめ……まあ、その通りだけどな。
◆
俺は、家に先回りして、リビングでくつろいでいた。
すると、メサイアとフォルが帰ってきた。
「ただいまー」「ただいまです~」
「なんだ、ふたりとも姿が見えないと思ったら、出かけていたのか」
「え、ええ……ちょっとね。サトルその……。気を悪くしないでほしいんだけど、さっき変な男に絡まれたの。その時、チケットを貰ったんだけど、私はいらないって断った。突っ返そうと思ったら、フォルが男をぶっ飛ばしたから……」
だから、チケットを持っていると。
「そうか、ケガがなくて良かったよ」
「うん、いきなり腰を触られるし……怖かった」
と、メサイアは珍しく震えていた。
ふぅむ、たまに乙女なところあるよな。
「安心しろ。次にそいつが現れたら地獄を見せてやる……フォルが」
「そうです、兄様ならあの男を……って、わたくし!? なぜ、他力本願なんですか、兄様! そこはカッコよく俺が守ってやる~! ってところでしょうに」
「俺のモットーは、一人はみんなのために、みんなは一人のためにだからな。だから、他力本願なんかじゃない。俺は最後に美味しいところを戴きたいんでね」
「うっ……。なんかズルイですね」
「おっさんはズルイくらいが丁度いいんだよ」
そこで、なぜかフォルは瞳を輝かせると――
「わたくし、そんな兄様を尊敬しています。いえ、敬愛しております。お慕い申しております♡ ですから、結婚してくだいまし~♡」
「一億と二千年後くらいにな」
俺は、フォルを無視して、メサイアに向き直る。
「そや、チケットだったか。……ふぅん? 【エクストラチケット】?」
「そうなの。これは、聖地・トリスタンにある『ナイツ・オブ・ラウンドテーブル』という今話題のレジェンドレアアイテムを入手できるガチャがあるらしいの。
そのチケットは、レア以上確定みたいよ。引きに行ってみる?」
メサイアは、俺に判断を委ねた。
俺が決めろってか……てか、『聖地・トリスタン』ってどこだ……。また面倒なことにならなきゃいいが。が、コンスタンティン軍の動きも気になるところだ。
情報収集のついでに行ってみるのもありか。
何にしても、レジェンドレアっていうのは気になるよな。
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