全スキル自動攻撃【オートスキル】で無双 ~自動狩りで楽々レベルアップ~

桜井正宗

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第123話 敵のチート級スキルを【オートスキル】で完全無力化

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 メサイア、お前はよくやった……!!

「ふん。所詮は悪あがき……! 貴様たちに未来はないのだ……消え失せろ!!」

 ドクトリンが剣を構え、


世界終焉ワールドエンドの力……エクスカイザァァ――――――!!!!!」


 マジか……!

 ありゃ、俺の能力を大きく上回る。
 あんなモンを食らったらひとたまりもないだろう。


 だが……!!


「お前の『攻撃の無力化』……【イミテーション】でコピーさせてもらうぜ!!!」


 俺のこのスキルは、ほぼどんなスキルもひとつだけコピーし、使用できるのだ。すっかり出番のなくなっていたスキルだが、こんなところで役に立つとはな!


「なにィ!? コピーだと!?」


 俺は、ドクトリンの『攻撃の無力化』を【オートスキル】として、使用セット。エクスカイザーの大技を無力化した。

 そして――


 俺の背後から、メサイアが飛び跳ねた。


「女神専用の攻撃系スキルの全てをぶつけるわ……!!」

「その時をまっていたぜ、メサイア! ヤツは俺が抑える。だから、存分にぶっ飛ばせ!」

 メサイアは、目にも止まらぬスピードで駆けていく。


「あたしも……!」「わたくしも!」


 リースとフォルも続く。


『善と悪、世界破滅のアルマゲドン―――――!!』


 最大火力にして、世界滅亡級のスキルが発動した。
 ええい、もうどうとでもなれ!!


『最後の審判、破滅、死、そして運命……ドゥーム―――――!!』


 フォルは、装備『ジュピター』に付与されている極禁呪スキルを使った。
 ……ついにお披露目か!!


 さあて、極めつけはこの俺。


 ヤツは、俺たちの最大にして最強スキルを自慢の『攻撃の無力化』の連打で、必死になんとかしようとしている。


 ならば、俺も……!!



 ヤツの『攻撃の無力化』を……完全無力化する・・・・・・・!!!



「うぉっぉぉぉぉぉぉおぉおおおおお! ……つっても俺は【オートスキル】にセットした『攻撃の無力化』をチート並のウルトラオート連打だけどな!!! みんな後は頼んだぞ!!!」


 メサイア、フォル、リース……


 パロも加わり、


 全ての想いが放たれた――――――。



「ドクトリン!! お前は、終わりだああああああああああああ!!!!!」



『バカなバカなバカなバカなバカなあああああああァ!!!!!!
 ぬわぁぁあがががががあばばばあああああああああああああべべべばばばばばあああああうあうあああああほんぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ――――――!!!!!!!!!!!!!!!!』



 ・

 ・

 ・



 はじめて見る、この世のものではない虹。


 言葉では言い表せない幻想。


 それが魔剣を粉々に破壊し、ドクトリンを倒した。



 視界は次第に回復し――


 異空間は消滅した。



 おそらく、魔剣が壊れたことにより、異空間を制御できなくなったのだろうな。


 ――なんにせよ。



「終わったな……」


 最高指導者プロビデンスマスターを撃破した。
 俺たちは勝利したのだ。


「やったのですね……兄様!」
「サトルさん……」


「ああ……やったな、みんな。
 あの不思議な虹のおかげで、俺たちに実害はなかったな。よく分からんけど、メサイアもお疲れ」

「うん。ここで取得しまくったスキルが役に立つだなんてね。苦労した甲斐かいがあったわ……」


 へにゃへにゃとメサイアは、へたり込んだ。

 さてと……俺は。


「パロ」
「…………」


 ビクっとパロは反応を示す。
 裏切ったことへの罪悪感か、パロは非常に落ち込んでいた。

「顔をあげな、パロ」
「サトにゃん……」


「俺はお前を許すよ。みんなもそうだろ?」


 みんな頷く。

「……みんにゃ。…………うあぁぁぁぁあ!」


 泣き出すパロ。


「帰りましょう」

 メサイアがパロをなだめた。
 それこそ女神のように……いや、あれは紛れもない女神だ。


 ◆


 【 アヴァロン - リース邸 】


「――お世話になりました。お義父さん」

「なんだもう行くのかね。キミたちならずっと居ても良かったんだよ」

 リースの親父さんは引き留めてくれる。
 しかし、以前にメサイアが言った通り、俺たちがアヴァロンにいると巻き込んでしまう。それに、アヴァロンに『聖剣』も『魔剣』もない。


 理由がない以上、コンスタンティン軍が闇雲に狙ってくることもないだろう。


 ――であれば。


「アヴァロンは、このパロミデスがお守りしてくれます。コイツが俺たちの代わりです」
「このコが? 失礼だが、とても強そうには見えないがね」


「俺たちを信じてください。コイツは小さくて、アイテムの知識は疎いですが、俺に負けないくらいの槍裁きをもっています」


 ……一応、俺に不意打ちを食らわせたしな。
 その実力は認めてやる。


「本当かね。……分かった。頼むよ、槍のお嬢ちゃん」

 親父さんとパロは握手を交わした。


「パロ、あとは頼んだぞ」

「任せるにゃ! 短い間だったけど、アヴァロンは、パロが守るにゃ。……だから、メイドたちをお願いにゃ」

「ああ、約束だ。
 ドクトリンに買収されて、コンスタンティンで働いているメイドたちは、取り戻してやる」


 約束をし、俺たちはリースの親父さんとパロと別れた。
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