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第114話 裏切り者に制裁を
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【 アヴァロン - カタバミ邸 】
すでに数十人規模のエルフが『カタバミ』の家に、彼自身に詰め寄っていた。
「どういう事だね、カタバミ! キミが軍と接触していたらしいじゃないか!」「この裏切り者ォ~! 俺たち……いや、アヴァロンを売るとはいい度胸だ!」「旅人さんによれば、エルフの郷はキミのせいで滅びるそうじゃないか」「鬼畜コンスタンティンと繋がっているんだな!? そうなんだな!?」
ワー、ワーと完全に抗議集会のような騒ぎになっていた。その群を抜けて、俺たちはカタバミに更に詰め寄った。
「やあ、カタバミさん」
「お、お前たち! ベラドンナさんも! ひょっとして……あんた達の仕業かい!? もう、あなた方のせいでいい迷惑だよ。証拠もないのに、この模範的で善良な市民である俺を疑うとは心外だよ。なあ、みんなもそう思うだろ?」
ざわざわ……と、現場は混乱する。
証拠か。そうだな、確かな証拠がないと、それは一方的な嫌疑。冤罪になりうる。……だが、証拠はあった。
「証拠ならあるさ、ベル」
「いやぁ~、その接触してきたヤツを追いかけるので大変だったよ。すばしっこいヤツでさ。……はい、この男」
ベルが『コンスタンティン兵』を捕らえて来てくれた。
これは、特別任務として、俺がベルにお願いした案件だ。見事捕まえてくるとはな、さすがだ。
……さて、拷問を始めよう。
「おい、あんた。名前は?」
「お、俺は……コンスタンティンの騎士だぞ! こんな極悪非道な拉致行為が発覚すれば戦争だぞ!? いいのか!?」
「うるせー!!」
俺は、コンスタンティン兵の肩に『パニッシャートライデント』をぶっ刺した。
「ひぃィぎゃあああああああああああああああッ!!!」
「いいから素直に吐け。この目の前にいる男……『カタバミ』と繋がっていたとな」
「……がぁっ、知らん。俺は知らんぞそんな男…………」
「ふむ。そう簡単には口は割らないか。さすが、誉れ高き騎士様。けどな、俺のこれは今まで見てきた炎の数には程遠い……だからな!!」
「ひぃ~~~!! 分かった。やめろ、やめてくれ!! それ以上、肩に槍を押し込まないでくれ!!! 死ぬ、出血多量で死んでしまう~~~~~~!!!」
「なら、素直に言うんだ」
「……俺は……『カタバミ』と接触した……。けど、これはあのお方の命令だったんだ! だから……仕方なかったんだ」
がくっと兵は崩れた。
俺は、兵の肩から槍を抜き、改めて『カタバミ』に向き直った。ヤツはすでに口をパクパクさせ、震え、嫌な汗をダラダラと流していた。
「…………ち、ちが……違うんだ。違う違う! 俺じゃない! 俺じゃないんだ……」
「黙れ!!」
リースの親父さんが叫ぶ。
そして、他のエルフたちも怒りや憎しみに満ちていた。
「カタバミ……貴様をアヴァロンから追放する!! 出ていけ!!」
「…………そ、そんな。まて、まってくれ!」
「このバカタレがああああああああああ!! 怒りのキング・ダイアストロフィズム!!」
親父さんの怒りのスキルが炸裂し、カタバミは強烈なゲンコツを顔面に受け、ぶっ飛ばされた。遠く……それは遠くへ。
もう二度とこっちへ戻ってこれないような、相当な距離飛んでいってしまった。
すげぇ力だ。
さすが、リースのお父上だ。
「裏切者には当然の報いだ。
ところで……サトルくん。キミには本当に助けられた。一同を代表して、この通りだ。今までの非礼を詫びさせてくれ」
頭を下げるエルフたち。
だが、これで終わっていない。
「いや、まだです。お義父さん。これからが災厄のはじまり……俺たちが全力でアヴァロンをお守りしましょう」
「本当かね、サトルくん!? 私たちも一緒に戦うが……」
「お義父さんたちは、女性や子供の避難を優先させてください。戦いはお任せを……だから、勝利した暁には娘さんを……」
「分かった。サトルくん、君になら娘を託せる。リースを頼む」
そんな頭を下げられたら、もう後には引けないよな。
そして、遠くから聞こえる爆裂音。
あれは、リースとフォルだろう。
「はじまったか。……よし、あとは軍を倒すだけ。敵将は『クローズド』と『アルデバラン』の二人らしい」
捕らえたコンスタンティンの騎士から、気絶する前に吐かせた情報だ。確実だろう。コイツ等を叩けば、俺たちの勝利だ!
俺たちは、まず名前に覚えのある『クローズド』を潰しに出た。
場所も分かっているからな、もうヤツ等は袋のネズミだ。
◆
情報通り、クローズドとその兵たちはアヴァロンの外よりも少し離れた場所にいた。林に隠れ、何かを伺っているような。しかし、そうはさせない。
「ベル、先陣を頼む。メサイアは後方支援よろしく」
「はいさ、『エレメントシールド』!」
「分かったわ。じゃ、私は女神専用スキル『パンスペルミア』で支援ね!」
『パンスペルミア』――
一定時間、パーティメンバー全員の移動速度を増加させる。さらに、どんなダメージでも、一定の割合で回復に変換する。……という、とんでもスキルだった。つまり、敵から超火力のダメージを受けようが、大体は回復になっちまうということだ。なかなか無敵に近い。
だが、慢心はいけない。あくまで一定時間だ。いつまで効力が持つかは不明。ならば、速攻で決着をつける必要があるだろう。
いけるさ……俺の【オートスキル】ならばな。
すでに数十人規模のエルフが『カタバミ』の家に、彼自身に詰め寄っていた。
「どういう事だね、カタバミ! キミが軍と接触していたらしいじゃないか!」「この裏切り者ォ~! 俺たち……いや、アヴァロンを売るとはいい度胸だ!」「旅人さんによれば、エルフの郷はキミのせいで滅びるそうじゃないか」「鬼畜コンスタンティンと繋がっているんだな!? そうなんだな!?」
ワー、ワーと完全に抗議集会のような騒ぎになっていた。その群を抜けて、俺たちはカタバミに更に詰め寄った。
「やあ、カタバミさん」
「お、お前たち! ベラドンナさんも! ひょっとして……あんた達の仕業かい!? もう、あなた方のせいでいい迷惑だよ。証拠もないのに、この模範的で善良な市民である俺を疑うとは心外だよ。なあ、みんなもそう思うだろ?」
ざわざわ……と、現場は混乱する。
証拠か。そうだな、確かな証拠がないと、それは一方的な嫌疑。冤罪になりうる。……だが、証拠はあった。
「証拠ならあるさ、ベル」
「いやぁ~、その接触してきたヤツを追いかけるので大変だったよ。すばしっこいヤツでさ。……はい、この男」
ベルが『コンスタンティン兵』を捕らえて来てくれた。
これは、特別任務として、俺がベルにお願いした案件だ。見事捕まえてくるとはな、さすがだ。
……さて、拷問を始めよう。
「おい、あんた。名前は?」
「お、俺は……コンスタンティンの騎士だぞ! こんな極悪非道な拉致行為が発覚すれば戦争だぞ!? いいのか!?」
「うるせー!!」
俺は、コンスタンティン兵の肩に『パニッシャートライデント』をぶっ刺した。
「ひぃィぎゃあああああああああああああああッ!!!」
「いいから素直に吐け。この目の前にいる男……『カタバミ』と繋がっていたとな」
「……がぁっ、知らん。俺は知らんぞそんな男…………」
「ふむ。そう簡単には口は割らないか。さすが、誉れ高き騎士様。けどな、俺のこれは今まで見てきた炎の数には程遠い……だからな!!」
「ひぃ~~~!! 分かった。やめろ、やめてくれ!! それ以上、肩に槍を押し込まないでくれ!!! 死ぬ、出血多量で死んでしまう~~~~~~!!!」
「なら、素直に言うんだ」
「……俺は……『カタバミ』と接触した……。けど、これはあのお方の命令だったんだ! だから……仕方なかったんだ」
がくっと兵は崩れた。
俺は、兵の肩から槍を抜き、改めて『カタバミ』に向き直った。ヤツはすでに口をパクパクさせ、震え、嫌な汗をダラダラと流していた。
「…………ち、ちが……違うんだ。違う違う! 俺じゃない! 俺じゃないんだ……」
「黙れ!!」
リースの親父さんが叫ぶ。
そして、他のエルフたちも怒りや憎しみに満ちていた。
「カタバミ……貴様をアヴァロンから追放する!! 出ていけ!!」
「…………そ、そんな。まて、まってくれ!」
「このバカタレがああああああああああ!! 怒りのキング・ダイアストロフィズム!!」
親父さんの怒りのスキルが炸裂し、カタバミは強烈なゲンコツを顔面に受け、ぶっ飛ばされた。遠く……それは遠くへ。
もう二度とこっちへ戻ってこれないような、相当な距離飛んでいってしまった。
すげぇ力だ。
さすが、リースのお父上だ。
「裏切者には当然の報いだ。
ところで……サトルくん。キミには本当に助けられた。一同を代表して、この通りだ。今までの非礼を詫びさせてくれ」
頭を下げるエルフたち。
だが、これで終わっていない。
「いや、まだです。お義父さん。これからが災厄のはじまり……俺たちが全力でアヴァロンをお守りしましょう」
「本当かね、サトルくん!? 私たちも一緒に戦うが……」
「お義父さんたちは、女性や子供の避難を優先させてください。戦いはお任せを……だから、勝利した暁には娘さんを……」
「分かった。サトルくん、君になら娘を託せる。リースを頼む」
そんな頭を下げられたら、もう後には引けないよな。
そして、遠くから聞こえる爆裂音。
あれは、リースとフォルだろう。
「はじまったか。……よし、あとは軍を倒すだけ。敵将は『クローズド』と『アルデバラン』の二人らしい」
捕らえたコンスタンティンの騎士から、気絶する前に吐かせた情報だ。確実だろう。コイツ等を叩けば、俺たちの勝利だ!
俺たちは、まず名前に覚えのある『クローズド』を潰しに出た。
場所も分かっているからな、もうヤツ等は袋のネズミだ。
◆
情報通り、クローズドとその兵たちはアヴァロンの外よりも少し離れた場所にいた。林に隠れ、何かを伺っているような。しかし、そうはさせない。
「ベル、先陣を頼む。メサイアは後方支援よろしく」
「はいさ、『エレメントシールド』!」
「分かったわ。じゃ、私は女神専用スキル『パンスペルミア』で支援ね!」
『パンスペルミア』――
一定時間、パーティメンバー全員の移動速度を増加させる。さらに、どんなダメージでも、一定の割合で回復に変換する。……という、とんでもスキルだった。つまり、敵から超火力のダメージを受けようが、大体は回復になっちまうということだ。なかなか無敵に近い。
だが、慢心はいけない。あくまで一定時間だ。いつまで効力が持つかは不明。ならば、速攻で決着をつける必要があるだろう。
いけるさ……俺の【オートスキル】ならばな。
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