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第113話 指輪の真実
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結局、みんなの力を借りることになった。
パロにも、重要な部分以外を話して協力してもらうことになった。あの小さき槍騎士少女には、このリースの家を守護してもらうことに。
若干、心もとないが……安全な場所でもあるし、きっと大丈夫だ。
ベル、フォル、リースはすでに、軍が現れるだろう出現ポイントに向かったはず。その別れの際、俺はリースから指輪――『ユニリング』を渡された。それをどうして俺に? と聞いても、答えてくれなかったが、親父さんに見せれば役に立つと、どこか寂しそうに言っていた。
「よし、メサイア。手筈通りに行くぞ」
「ちょっとまって……。その、さっきマニキュア塗り直していたせいで、お腹空いちゃって……」
と、メサイアは両手を俺の目の前に。黒い爪と謎の模様が入ったをマニキュアを見せてくれた。つーか、なんだその『放射性標識』のようなマーク。怖すぎるわ。
「まあなんだ、その爪はともかく……何も食ってないのか? 緊張感ないなぁもう」
「そんなこと言ったって~…」
メサイアは涙目になっていた。
そんなに空腹なのかよ。
「分かった。これが無事に終わったら、腹いっぱい食わせてやる。それまでは我慢するんだぞ」
「うー…。わかったわ。じゃ~、サトル、おんぶして。お腹減って歩けない」
「やなこった。自分の足で歩け。いくらお前の感触が味わえると言ってもだなー…よし、おんぶしてやろう」
「……なんか複雑ね。まあいいわ、お願い」
俺は、久しぶりにメサイアをおんぶした。軽ッ……!
見た目は、ムチムチしてるクセに本当に軽いなぁ。……もしかして、俺の筋力パラメータのせいか。
◆
リースの親父さん『ベラドンナ』の部屋をノック。
しばらくすると『入れ』と短く返事があったので、俺は入室した。
「夜分失礼します」
「本当に失礼なヤツだ。まさか連れを背負ってくるとはな……。まあいい。私の可愛い娘にベタベタされるよりは数億倍マシだからな。
それでなんだ、私に何か用かね。言っておくが、私はこれでも忙しいのだよ」
「親父さん。今夜にもアヴァロンは滅ぶ。俺はそれを救いたい」
「いきなりなんだ。アヴァロンが滅ぶ? 何をバカげたことを。くだらん。そんな戯言を言いにわざわざそんなふざけた状態で来たのか。私をからかっているのだろう? 娘を、リースを取られたくなくてな」
「お義父さんこそ、相変わらず『ふんどし一丁』じゃないですか……」
「お義父さん!? ……う、うるさい。ふんどし一丁で何が悪い。裸よりはいいだろ。いいか、私は裸族で――そんなことはどうでもいい。
いいか、これ以上は、君たちを家には置いておけん。明日には出て行ってもらう。いいかね。もしまだ居座るというのなら、リースはもう君たちと一緒には……」
親父さんの言葉を遮るようにして、金属音が静かに響く。
示したそれが黄金色に輝き、一瞬の時を止めた。
「……そ、それをどこで……」
俺の手にしている『ユニリング』を見て、親父さんは表情を変えた。あの悲しげな顔……そうか、やっぱりこのリングは。
「ネモフィラ……」
「親父さん。俺はこのリングをリースから託されました。この意味、分かりますか?」
「……あぁ。そのリングは妻の形見。リースは、子供の頃からそれを肌身離さず、ずっと持っていた。それをサトルくんに託したということは……キミをそれほどに信頼しているという証。娘がキミを信じているんだ…………私も信じよう」
そうか、リースはこの為に。
ありがとう。
「……親父さん。ぶっちゃけます。この家の良き隣人『カタバミ』が犯人です」
細かい説明は面倒なので、省いた。
その結果……
「ぬあぁあぁぁにィィィ!!! あのバカタレが!? おのれ、カタバミィ!! エルフの面汚しがあああああ、許せん!! 絶対に許せん!!! 我がアヴァロンをよりによって、あの鬼畜コンスタンティンに売るとは……ゲロクソ売国奴がッ!!! 私のふんどしで絞め上げてやる!!!」
あわわわわ……!
親父さん、超怒ってるよ。怒り狂ってるよ……。
俺はどうしたらいいか分からなくて、代わりにメサイアがなだめてくれた。
「お、落ち着いて。ベラドンナさん。これから、ヤツの家に殴り込みに行くんですから、ぜんぶ吐かせましょ。それから今までの恨みを込めて、全力で制裁してやればいいと思う」
「女神のお嬢ちゃん……。そうだな、よし、私は出来る限りの同胞を呼ぶ。今すぐにだ!」
メラメラ燃える親父さんは、目を閉じ、まるで『テレパシー』を送るかのように目を閉じた。……まさか!
「……ふっふふ。賛同してくれたみんなも来てくれる。さあ、行こう」
リースの親父さんは、ニヤリと悪い笑みを浮かべた。
どっちが悪者だか分からん表情だ。
けどま、ここからが逆襲の始まりだ!
パロにも、重要な部分以外を話して協力してもらうことになった。あの小さき槍騎士少女には、このリースの家を守護してもらうことに。
若干、心もとないが……安全な場所でもあるし、きっと大丈夫だ。
ベル、フォル、リースはすでに、軍が現れるだろう出現ポイントに向かったはず。その別れの際、俺はリースから指輪――『ユニリング』を渡された。それをどうして俺に? と聞いても、答えてくれなかったが、親父さんに見せれば役に立つと、どこか寂しそうに言っていた。
「よし、メサイア。手筈通りに行くぞ」
「ちょっとまって……。その、さっきマニキュア塗り直していたせいで、お腹空いちゃって……」
と、メサイアは両手を俺の目の前に。黒い爪と謎の模様が入ったをマニキュアを見せてくれた。つーか、なんだその『放射性標識』のようなマーク。怖すぎるわ。
「まあなんだ、その爪はともかく……何も食ってないのか? 緊張感ないなぁもう」
「そんなこと言ったって~…」
メサイアは涙目になっていた。
そんなに空腹なのかよ。
「分かった。これが無事に終わったら、腹いっぱい食わせてやる。それまでは我慢するんだぞ」
「うー…。わかったわ。じゃ~、サトル、おんぶして。お腹減って歩けない」
「やなこった。自分の足で歩け。いくらお前の感触が味わえると言ってもだなー…よし、おんぶしてやろう」
「……なんか複雑ね。まあいいわ、お願い」
俺は、久しぶりにメサイアをおんぶした。軽ッ……!
見た目は、ムチムチしてるクセに本当に軽いなぁ。……もしかして、俺の筋力パラメータのせいか。
◆
リースの親父さん『ベラドンナ』の部屋をノック。
しばらくすると『入れ』と短く返事があったので、俺は入室した。
「夜分失礼します」
「本当に失礼なヤツだ。まさか連れを背負ってくるとはな……。まあいい。私の可愛い娘にベタベタされるよりは数億倍マシだからな。
それでなんだ、私に何か用かね。言っておくが、私はこれでも忙しいのだよ」
「親父さん。今夜にもアヴァロンは滅ぶ。俺はそれを救いたい」
「いきなりなんだ。アヴァロンが滅ぶ? 何をバカげたことを。くだらん。そんな戯言を言いにわざわざそんなふざけた状態で来たのか。私をからかっているのだろう? 娘を、リースを取られたくなくてな」
「お義父さんこそ、相変わらず『ふんどし一丁』じゃないですか……」
「お義父さん!? ……う、うるさい。ふんどし一丁で何が悪い。裸よりはいいだろ。いいか、私は裸族で――そんなことはどうでもいい。
いいか、これ以上は、君たちを家には置いておけん。明日には出て行ってもらう。いいかね。もしまだ居座るというのなら、リースはもう君たちと一緒には……」
親父さんの言葉を遮るようにして、金属音が静かに響く。
示したそれが黄金色に輝き、一瞬の時を止めた。
「……そ、それをどこで……」
俺の手にしている『ユニリング』を見て、親父さんは表情を変えた。あの悲しげな顔……そうか、やっぱりこのリングは。
「ネモフィラ……」
「親父さん。俺はこのリングをリースから託されました。この意味、分かりますか?」
「……あぁ。そのリングは妻の形見。リースは、子供の頃からそれを肌身離さず、ずっと持っていた。それをサトルくんに託したということは……キミをそれほどに信頼しているという証。娘がキミを信じているんだ…………私も信じよう」
そうか、リースはこの為に。
ありがとう。
「……親父さん。ぶっちゃけます。この家の良き隣人『カタバミ』が犯人です」
細かい説明は面倒なので、省いた。
その結果……
「ぬあぁあぁぁにィィィ!!! あのバカタレが!? おのれ、カタバミィ!! エルフの面汚しがあああああ、許せん!! 絶対に許せん!!! 我がアヴァロンをよりによって、あの鬼畜コンスタンティンに売るとは……ゲロクソ売国奴がッ!!! 私のふんどしで絞め上げてやる!!!」
あわわわわ……!
親父さん、超怒ってるよ。怒り狂ってるよ……。
俺はどうしたらいいか分からなくて、代わりにメサイアがなだめてくれた。
「お、落ち着いて。ベラドンナさん。これから、ヤツの家に殴り込みに行くんですから、ぜんぶ吐かせましょ。それから今までの恨みを込めて、全力で制裁してやればいいと思う」
「女神のお嬢ちゃん……。そうだな、よし、私は出来る限りの同胞を呼ぶ。今すぐにだ!」
メラメラ燃える親父さんは、目を閉じ、まるで『テレパシー』を送るかのように目を閉じた。……まさか!
「……ふっふふ。賛同してくれたみんなも来てくれる。さあ、行こう」
リースの親父さんは、ニヤリと悪い笑みを浮かべた。
どっちが悪者だか分からん表情だ。
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