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第103話 聖者の行進
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レベルが【10000】になった。
自分自身に何が起こっているか分からないが……これだけはハッキリ分かった。
なんか覚醒したっぽい。
いや、これは厳密に言えば『限界突破』ではなかろうか。
レベルは9999までと決まっているらしいし、俺のパーティメンバーにも9999までしかいなかった。しかし、俺はそれを超えてしまったのだから……。
ま……細かいことは後でいいな!
今は目の前のことに集中する。
いや、集中すると言っても俺のするべき事はあまりない。
なぜならば――
敵が俺に触れた瞬間に、自動で爆発を起こしたからだ。
俺のメインスキルである『ニトロ』がオートスキルで発動した!
「うあああああああああああッ!!」
男は爆風で数十メートル先の固そうな建物に激突し、瓦礫の下敷きになった。
他のヤツ等は、フォルの奥義をまともに食らい、砂浜に逆さまで埋もれていたりで目を回している。これで一件落着っと。
「兄様、ご無事ですか?」
「ああ、無事もなにもこの通りピンピンしているよ。HPも全回復済み。てか、俺のレベル見てくれよ」
「はい? 兄様のレベルですか……って、なんですかこの数値!?」
「な、ビックリだろ。俺にもワケがわからん」
「なにか変な物でも食べたのです?」
「朝昼は普通のモンしか食ってないよ。あの中で禁断の果実を食した覚えはないけどな。てか、そんなもん口にしたら破滅の道しかなさそうだが」
食べ物でないとしたら、なんだ?
日頃の行い……とか。
いやーないね。聖地に到着してからは、人助けなんてこれっぽちもしていない。あるとしたら、ある落とし物を届けただけ。それだけだ。
「うーん……。これもフォーチュンの導きってやつかね~…」
俺がその言葉を口にすると、フォルは顔を輝かせ――
「兄様! そうですよ、神聖なるフォーチュンの導きです。聖女であるわたくしが断言するのですから間違いありません!」
「そうだなぁ。納得はいかんが、説得力はあるな。ま、そういうことにしておくか」
「はいっ♡」
腕を組まれた。
上機嫌だな、フォルのやつ。
さ~て、倒れているコイツら……『黒の十字』だっけ。あんまりよく覚えていないけど、そんなネーミングの怪しい集団だったはず。ヤツ等は、俺たちの聖地巡礼を阻むためにやって来たらしい。
俺たちを妨害したくなるほど集団でやってくるということは、それなりのワケ有集団ということだ。そうなると、情報を吐かせたいところだが。
「サトル~!」
「理くーん」
おっと、この声はメサイアとベル。
なぜか瓦礫になった建物の方角からやってきた。
「お、無事だったか二人とも」
「それはこっちのセリフよ、サトル。あんた、海の方へぶっ飛ばされてたじゃない。あの後、大変だったんだから」
眉間に皺が寄っているところ、メサイアの機嫌は悪そうだ。あんまり刺激はしない方が良さそうだな。
「実はだな……」
「って、あれ、フォルもいたの。教会から戻ってきていたのね。お疲れ様」
「ええ、先ほど挨拶を終えたところです。姉様たちはどこで何を?」
「あー…それね、うーん。話すと長くなるんだけどねー」
メサイアは珍しく、ベルを睨んでいた。
え……ベル?
「あははは……」
ベルもまた珍しく、はにかんでいた。
あの様子だと……なにかやらしかしたな。
◆
メサイアによれば……聖地・コンスタンティンの軍が今回の騒動を聞きつけたらしく、全軍出撃中。大軍勢がこちらへ向かってきているという。
もう一度言う。大軍勢で。
大軍勢で……。
「ほー…聖地・コンスタンティンの軍がね~…。軍がなぁ……。はぁ!?」
俺は、ただ驚くしかなかった。
この聖地に着いてから小耳に挟んだ情報だが、コンスタンティン軍と言ったら精鋭中の精鋭。世界最強とも謳われているらしいのだ。その戦力は十万強。しかも、それだけじゃない。
この国には、とんでもない兵器があるという。
今のところ噂の範疇ではあるが……。
火の無い所になんとやら。きっとその兵器とやらは存在するのだろうな。
「よし、逃げよう」
そう俺は提案するが、ベルが深刻な顔をして首を横に振った。
ちょ……なんでそんな顔面ブルーなの!? 冷や汗がすごいぞ!? いつものベルらしくない。いつもの彼女なら冷静に対処できるはずなのだが……。
「ど、どうしたベル……そんな、頭痛、腹痛、胃痛、吐き気を併発したかのような具合の悪そうな顔するなよ、怖いだろ!!」
「理くん。残念だけど、コンスタンティン軍は『聖者の行進』と比喩されるくらいヤバイ軍なんだよ。つまりね、彼らの中には聖者に匹敵するほどの力を持つ兵がわんさかいるのさ。逃げたとしても、わたしたちを捕まえるまで追いかけてくるだろうね。それこそ、地獄の果てへでも」
「まじ!?」
「まじ……」
あの狼狽えよう、間違いなさそうだ。
まず、ベルがあんな怯える姿は見たことがない。マジでヤバイらしい。
「どうしてこうなったあああああ!!」
あまりの事態に、俺はただ叫ぶしかなかった。
俺たちは、聖地巡礼をしているだけだぞ!
どうして、いきなり軍とか出てくるんだよ。
「サトル、落ち着くのよ。こうなったら、徹底抗戦よ。軍をボコボコにしてやるの!」
「アホか!?」
メサイアめ、むちゃくちゃ言い過ぎだろ。
さっきのベルの話を聞いていたのかコイツ!
あ~、もうダメだ、おしまいだぁ……!
絶体絶命のピンチ。
こんなところでゲームオーバーか……。
『サトルさ~~~~~~~~~~ん!』
あー…今度は幻聴まで聞こえ始めてきた。
『サトルさんってば~~~~~~~~』
あー…この優しくて可愛い声は……どこかで。
どこか……でぇ!?
俺は今、この瞬間、奇跡を目の当たりにしていた。
天使が舞い降りた。
自分自身に何が起こっているか分からないが……これだけはハッキリ分かった。
なんか覚醒したっぽい。
いや、これは厳密に言えば『限界突破』ではなかろうか。
レベルは9999までと決まっているらしいし、俺のパーティメンバーにも9999までしかいなかった。しかし、俺はそれを超えてしまったのだから……。
ま……細かいことは後でいいな!
今は目の前のことに集中する。
いや、集中すると言っても俺のするべき事はあまりない。
なぜならば――
敵が俺に触れた瞬間に、自動で爆発を起こしたからだ。
俺のメインスキルである『ニトロ』がオートスキルで発動した!
「うあああああああああああッ!!」
男は爆風で数十メートル先の固そうな建物に激突し、瓦礫の下敷きになった。
他のヤツ等は、フォルの奥義をまともに食らい、砂浜に逆さまで埋もれていたりで目を回している。これで一件落着っと。
「兄様、ご無事ですか?」
「ああ、無事もなにもこの通りピンピンしているよ。HPも全回復済み。てか、俺のレベル見てくれよ」
「はい? 兄様のレベルですか……って、なんですかこの数値!?」
「な、ビックリだろ。俺にもワケがわからん」
「なにか変な物でも食べたのです?」
「朝昼は普通のモンしか食ってないよ。あの中で禁断の果実を食した覚えはないけどな。てか、そんなもん口にしたら破滅の道しかなさそうだが」
食べ物でないとしたら、なんだ?
日頃の行い……とか。
いやーないね。聖地に到着してからは、人助けなんてこれっぽちもしていない。あるとしたら、ある落とし物を届けただけ。それだけだ。
「うーん……。これもフォーチュンの導きってやつかね~…」
俺がその言葉を口にすると、フォルは顔を輝かせ――
「兄様! そうですよ、神聖なるフォーチュンの導きです。聖女であるわたくしが断言するのですから間違いありません!」
「そうだなぁ。納得はいかんが、説得力はあるな。ま、そういうことにしておくか」
「はいっ♡」
腕を組まれた。
上機嫌だな、フォルのやつ。
さ~て、倒れているコイツら……『黒の十字』だっけ。あんまりよく覚えていないけど、そんなネーミングの怪しい集団だったはず。ヤツ等は、俺たちの聖地巡礼を阻むためにやって来たらしい。
俺たちを妨害したくなるほど集団でやってくるということは、それなりのワケ有集団ということだ。そうなると、情報を吐かせたいところだが。
「サトル~!」
「理くーん」
おっと、この声はメサイアとベル。
なぜか瓦礫になった建物の方角からやってきた。
「お、無事だったか二人とも」
「それはこっちのセリフよ、サトル。あんた、海の方へぶっ飛ばされてたじゃない。あの後、大変だったんだから」
眉間に皺が寄っているところ、メサイアの機嫌は悪そうだ。あんまり刺激はしない方が良さそうだな。
「実はだな……」
「って、あれ、フォルもいたの。教会から戻ってきていたのね。お疲れ様」
「ええ、先ほど挨拶を終えたところです。姉様たちはどこで何を?」
「あー…それね、うーん。話すと長くなるんだけどねー」
メサイアは珍しく、ベルを睨んでいた。
え……ベル?
「あははは……」
ベルもまた珍しく、はにかんでいた。
あの様子だと……なにかやらしかしたな。
◆
メサイアによれば……聖地・コンスタンティンの軍が今回の騒動を聞きつけたらしく、全軍出撃中。大軍勢がこちらへ向かってきているという。
もう一度言う。大軍勢で。
大軍勢で……。
「ほー…聖地・コンスタンティンの軍がね~…。軍がなぁ……。はぁ!?」
俺は、ただ驚くしかなかった。
この聖地に着いてから小耳に挟んだ情報だが、コンスタンティン軍と言ったら精鋭中の精鋭。世界最強とも謳われているらしいのだ。その戦力は十万強。しかも、それだけじゃない。
この国には、とんでもない兵器があるという。
今のところ噂の範疇ではあるが……。
火の無い所になんとやら。きっとその兵器とやらは存在するのだろうな。
「よし、逃げよう」
そう俺は提案するが、ベルが深刻な顔をして首を横に振った。
ちょ……なんでそんな顔面ブルーなの!? 冷や汗がすごいぞ!? いつものベルらしくない。いつもの彼女なら冷静に対処できるはずなのだが……。
「ど、どうしたベル……そんな、頭痛、腹痛、胃痛、吐き気を併発したかのような具合の悪そうな顔するなよ、怖いだろ!!」
「理くん。残念だけど、コンスタンティン軍は『聖者の行進』と比喩されるくらいヤバイ軍なんだよ。つまりね、彼らの中には聖者に匹敵するほどの力を持つ兵がわんさかいるのさ。逃げたとしても、わたしたちを捕まえるまで追いかけてくるだろうね。それこそ、地獄の果てへでも」
「まじ!?」
「まじ……」
あの狼狽えよう、間違いなさそうだ。
まず、ベルがあんな怯える姿は見たことがない。マジでヤバイらしい。
「どうしてこうなったあああああ!!」
あまりの事態に、俺はただ叫ぶしかなかった。
俺たちは、聖地巡礼をしているだけだぞ!
どうして、いきなり軍とか出てくるんだよ。
「サトル、落ち着くのよ。こうなったら、徹底抗戦よ。軍をボコボコにしてやるの!」
「アホか!?」
メサイアめ、むちゃくちゃ言い過ぎだろ。
さっきのベルの話を聞いていたのかコイツ!
あ~、もうダメだ、おしまいだぁ……!
絶体絶命のピンチ。
こんなところでゲームオーバーか……。
『サトルさ~~~~~~~~~~ん!』
あー…今度は幻聴まで聞こえ始めてきた。
『サトルさんってば~~~~~~~~』
あー…この優しくて可愛い声は……どこかで。
どこか……でぇ!?
俺は今、この瞬間、奇跡を目の当たりにしていた。
天使が舞い降りた。
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