全スキル自動攻撃【オートスキル】で無双 ~自動狩りで楽々レベルアップ~

桜井正宗

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第100話 真世界より

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 聖地巡礼の旅は順調に続いている。
 何事もなくて怖いくらいに。


「ボスも張り合いないし、どうしたもんかね~」
「でもいいじゃない。今は海上を旅しているだなんて、まるで夢のようよ~」

 メサイアの言う通り、今は『海上』を進んでいた。
 俺の『家』は魔改造を重ねまくって、ついに【船モード】なんて便利な機能がついちまった。これで世界を旅できるってワケだ。


 次の国の到着まではしばらく掛かる。
 その間、俺はみんなとまったりとした時間を家の中で過ごしていた。

 それはいいのだが……。

「暑いな……暑すぎるな」
「そうですね……南国へ向かっているせいでしょうか」

 リースが舌を出し、完全に参っている。
 あまりに暑くてみんな『水着・・』になっているほどだ。……ま、俺は目の保養になって嬉しいんだが。

「ね~、理くん。サンオイル塗ってくれな~い?」

 熱気にやられてヘバっていれば、ベルがそんな要求をしてきた。……ほう、サンオイルとな? そりゃ~、俺がやるしかないだろ!!

「おう、任せろベル! 前からやろうか?」
「あはは。理くん、下心が見え見えだね~。えっちだなぁ。いいよ、好きにしていいよ。けど、変なとこ触ったら、さすがに怒るからね」
「分かってるって。つーか、結婚を約束しているんだから、別にどこ触ったっていいだろ……」
「だーめ」
「ちぇ~」

 結局、俺は何の面白みもなく、ベルの背中にサンオイルを塗りたくった。
 ――と、見せかけて、俺はベルの首筋・・にもサンオイルをりたくってみた。出来る限り、優しく丁寧に。

「んあっ……!? さ……理くん!?」
「おいおい、首筋・・だぞ? 変な声を出すな」

 だって~と、ベルはジト目をこちらに向ける……。
 まー、俺はこう見えて、うなじフェチだったりする。

「ば、ばかっ。そんな……激しくこねくり回されたら……」
「いや、激しくこねくり回してはいねえよ!? つーか、首筋・・だぞ!!」

 なに言ってんだ、ベルのヤツ!?
 もう一度言うが、首筋・・だ。

「………………」

 ベルは首筋をやられて、参っている。

「ふむ……」

 俺は、ベルのうなじに見惚れていると、


 ゴ~~~~~~~~~~~~~~~~ン!!


 などと、俺の頭に直撃した。


「ってええええええええええええ!!!!」

「あんた、ベルに何してんのよ」
「うわっ、メサイア! いやこれは……! つーか、100トンのダンベルを投げ飛ばしてくるな! 死ぬだろう普通!」

 なぜか奇跡的に生きていたが、きっとDEFが高いお陰だろう!

「それより、私にも塗りなさいよ、サンオイル」
「お前もか!」

「あ、じゃあ、わたくしも!」
「あたしもサンオイル塗って欲しいです~」

 フォルもリースまで!

 ……結果オーライ?

「お、おおう。いいぞ、みんなにもサンオイルを塗ってやる! どーんとこ~い!」

 みんな床に寝そべって背を向けた。
 それぞれのシミ一つない綺麗な白い背中が向けられる。

「うあぁ……こりゃ壮観だなぁ。ベルのもそりゃ綺麗だったけど、メサイアは女神だけあり有名絵画に勝るとも劣らない。フォルの背中は滑らかな曲線をしていて、とてもエロちっく。リースは幼くも大変魅力あるもちもちの肉体美」


 つまり、みんな最高ってことだな。


「サトル、そんな欲望丸出しな解説はいいから、早く」
「分かった、じゃ最初はメサイアな」
「うん」

 俺は丁寧にメサイアの背中にオイルを塗っていく。

「……気持ちいわね。うんうん、イイ感じ」

 なんだか眠そうだな。てか、寝た?
 よし、次はフォル。

「……うわ、フォル。お前スベスベだなぁ。どうしたらこんな滑るんだよ」
「わたくし、筋トレと肌のケアは毎日欠かさずしていますから。乙女――いえ、大人の女性としての当然の嗜みです」

 自信たっぷりだ。
 さすが聖女か……。いや、まじですごい。

 これだけで神聖なパワーを数億倍は感じられる。
 神秘最高!!

「さ、さて、次はリースだな」
「お、お願いしますね」

 小さな体だが、肉付きはいいんだよなリース。
 そのせいか背中はもっちりしていた。

「おお~、リースはもちもちかぁ」
「うう……。自分じゃ分からないです……。それと恥ずかしいです……」
「リース……優しくしてあげるからね」
「はい……」

 ふわふわのもちもちの背中に、丁寧にオイルを塗りたくっていく。
 すると時折、リースはとても小さな声を出していた。

 こ、これは……

 なんだかハラハラするな……。

 いや……オイルを背中に塗っているだけだ! だけなんだ!


「よ、よし。みんなこんなもんか。ふ~疲れたな。誰か膝枕してくれ」
「はいはーい。わたくしがしますよ~♪」

 フォルが起き上がり、俺の傍に腰を下ろした。

「ちょっと暑苦しいかもしれんが、じゃ頼む」
「はい♪ 全然へっちゃらです♪」

「むぅ~…フォルちゃんずるいのです。あとで交代してくださいね」
「分かっていますよ、リース。でもしばらく兄様はわたくしのものです♡」

 ぎゅぅっとされ、フォルの胸が俺の頭部に当たる。
 ほ~…これはいいね。


 ……あ~眠くなってきた。
 こう膝枕され、優しく包まれると眠くなってくるなぁ――。


 寝ようっと。


 ◆


 気づけば、新しい大陸に到着していた。

 まだ着港こそしていないが、もう国の姿が見えていた。


「おお……。あれが南国の聖地か!」


「へえ! 面白そうな場所じゃない」メサイアが顔を出す。

「ここが……新大陸なんですね。海が青くて綺麗です~」リースも。

「この大陸には聖地が三つあるそうですよ。楽しみですね」と、フォル。

「いやぁ暑いね。水着も脱ぎたいくらいだけど、我慢しておこう。――まあ、なんだかこれからが楽しそうだよ」ベルは期待を胸に。


 みんなで顔を合わせ、


「よし、聖地巡礼を始める~~~~~~!!」


「「「「おおおお~~~~!!!!」」」」



 俺たちはついに、新しい世界へ踏み入れた――。




 ◆ ◆ ◆




 【 ビフロスト - 神の座 】


『フフフ……。フフフフフハハ……!
 フゥ~~~~~~~~~~ハッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!』



 神は、腹を抱えて、笑っていた。




 【 救世主編 - 完 - 】
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