上 下
83 / 430

第83話 新装備 - 大金で最強装備揃えてみた① -

しおりを挟む
 この世界にも冬があるらしい。
 空は灰色に曇り、粉雪が蕭蕭しょうしょうと舞っていた。


「わぁ~! こなぁ~ゆきぃ~♪ ゆきぃ~♪」


 リースがそんな風に、楽しそうに歌っていた。
 どこかで聞いたことがあるぞソレ。


 俺は、窓辺でひとり冬空を眺め、ノスタルジックに浸って――などいなかった、今はアイテムや装備整理で大忙しだ。


 そう、次は【聖地・パーシヴァル】へ向かわねばならない。
 旅立つ前に備えているというワケだ。


 備えるといっても、この前得た『100億プル』で高級装備を買いまくって、固めただけだが。今の俺の装備はというと――


 【頭上段】なし
 【頭中段】伝説のスケスケメガネ
  効果:隠れている敵を見つける。
  女性限定で下着姿まで透視可能。
 【頭下段】クロスソウルエンペラー
  効果:MHP+50%。
  スキル[ディメンション]使用可能。
 【服】+80ブラックエンペラー
  効果:絶対に壊れない。ノックバックしない。
  純粋LUK10毎に物理攻撃5%上昇。
  精錬値1毎に魔法防御力1%上昇。
 【武器】なし
 【盾】なし
 【靴】+4ホムセンで買ったボロボロのスニーカー[破損]
  効果:サトルの思い出の品。やや臭う。
  DEF+0.02。思い出補正+3000%。
 【アクセサリー①】魔神の怒り
  効果:自分含むパーティ人数*ATK100%上昇。
  自分を含むパーティ全員のスキルSP消費量-25%。
  武器[なし]の場合、隠しステータス[フォーチュン]+50。
 【アクセサリー②】インセプション
  効果:5秒毎にHP5000回復。
  自身の属性を[無][火][水][風][地][光][闇]のどれかひとつ、任意のタイミングで変更できる。武器への属性付与も同等に可能になる。持続時間は30分。


 尚――『伝説のスケスケメガネ』は秘密裏に入手にした神器に等しい装備アイテムである。3億プルもしてしまったが、おかげで女の子たちが下着姿で見え――おっと、メサイアが来た。


 ……ほうほう、今日も『黒』か。


「な~に、ニヤニヤしてんのよ」
「いや、ちょっと装備が揃いつつあるからな。そりゃニヤケもするぜ。つーか、メサイア、お前もかなり装備を整えていたようだが……?」

「あー、うん。私のはこんな感じ」

 ――と、メサイアが装備を公開してくれた。


 【頭上段】+40蝶の髪飾り
  効果:固定詠唱-25% ディレイ-25%。
 【頭中段】ムーンゴシックリボン
  効果:DEF+10。
  ヒール系スキル回復量+50%。
  回復アイテムの回復量+50%。
  HP・SP自然回復力+100%。
 【頭下段】ソウルネックレス
  効果:Lv.9999時[ローレライ覚醒]解放。
 【服】+90ウラヌス
  効果:全属性ダメージ-50%。
  精錬値1毎にDEF+3、FLEE+3、HIT+3。
 【武器】なし
 【盾】なし
 【靴】+30ナイトメアブーツ
  効果:MHP/MSP+30% スキルダメージ+30%。
  クリティカルダメージ+40%。
 【アクセサリー①】アビスリング[秩序]
  効果:獲得経験値+40%。DEF+10%。
  人型モンスターからのダメージ-30%。
 【アクセサリー②】アビスリング[混沌]
  効果:MHP-50%。
  低確率で敵の武器を破壊する。
  低確率で敵の防具を破壊する。
  超低確率で敵の精神を破壊する。
  全ボスにダメージ+1600%。
  全種族にダメージ+1400%。
  全サイズにダメージ+1000%。


 ……ほうほう。
 メサイアのヤツ、ガチ高級装備で固めたなぁ~。
 これなら、安心して旅も出来そうだ。

「ちなみに、これでいくら使ったんだ?」
「そうね~、ざっと9億プルくらい」

「ほー…9億ね。……って、9億ゥ!? 使いすぎだろ……!!」
「だって、サトルがガチで固めろっていうから。それに、リースやフォル、ベルももっと凄いわよ」

「あわわわ……! バカッ! そんな高級装備買いまくったら、もうお金無くなっちゃうだろ!! 100億プルが!!」

「いいじゃない、100億プルもあったんだから」
「残りいくらだ……」
「え……」
「全財産だ……残りいくらある!?」


「………………」


 黙りこくるメサイア。


 ……おい。
 なんだその、やってしまったぁ……みたいな顔は。


「まさか、もう全部使ってしまったのか!?」
「ま、まあ多少は残ってるわよ、多少は……だけど」
「ええい、いくらだ! 言え!」

「その…………あと50億」

「……な、なんだ。まだ50億プルもあったのか。それならいいわ。残ってるのなら」


「――なんだけど」
「え?」
「服とかあと生活に必要なモノを買ったり……あと、土地もいくつか」

「…………はい? 土地? なにいィ!?」

「ほら、将来的には花の都で落ち着くのもいいかな~…って。土地を」
「バカヤロウ! なに勝手に土地なんか買ってんだ~! 今すぐ返してこい!」
「もう契約結んじゃったし……」
「……なんてこった。で、残りいくらだ?」

「あと30億くらい」

「なんだ、まだ30億あるじゃないか」

 胸を撫でおろしていると、


「兄様、兄様~!」


 フォルが元気よく介入してきた。


「この前のカジノのお金で、新しい教会を建てましたー!」

「……は?」


「おかげで10億プルも消えちゃいました、えへ……」
「えへ……じゃねえええええええええ! このアホ聖女めええ!!」

 俺は、フォルの頬を一応、優しく引っ張った。つるつるだ……。


「ひゃぁぁぁあ~~~~~~~~~!!!」


「アホ聖女! なに勝手に教会建ててんだー!! 装備はどうした装備は!」


「あ……兄様、ヒドイです……。もう、装備ならきちんと整えましたよ。見ます?」
「ああ、見せてくれ」


 【頭上段】ホーリーヴェール
  効果:通常詠唱・固定詠唱-50%。
 【頭中段】ヘアピン[献身]
  効果:魔法攻撃30%反射。
 【頭下段】ホーリークロス
  効果:ボス属性耐性35%。
 【服】+77グロリア
  効果:All Status + 7 、LUK&Cri + 20。
  闇属性攻撃耐性 + 30%、異常状態耐性 + 80%。
  聖職者が装備する場合、スキルダメージ + 20%。
  [Lv.7777]以上の場合[神智覚醒]解放。
 【武器】+90ハピネス・OF・グローブ
  効果:全ての種族にダメージ+50%。
  全ての種族のDEFを完全に無視する。
 【盾】なし
 【靴】+60オーディン
  効果:移動速度増加。
  精錬値1毎に物理ダメージ+7%。
  精錬値1毎にHIT+7。
  隠しステータス[フォーチュン]+30。
 【アクセサリー①】+80幸福のロザリオ
  効果:あらゆる幸福が齎される。
  LUK&Cri+100。パーティメンバーのLUK+20。
 【アクセサリー②】万有の証
  効果:精錬不可。ノックバックしない。
  [覇王]スキルのダメージ+3200%。
  純粋なLUK10毎にHP+1000、SP+50。
  異常状態攻撃を受けた時、それを敵に絶対反射する。
  戦闘中、一度に限り蘇生できる。


 ほうほう……。これは凄いな。
 もともと所持している装備もあるので、フォルはそこまでお金が掛かっていないみたいだが、それでも結構な金額を費やしたみたいだ。

「それで、いくらだった?」
「7億です。超低確率の過剰精錬を行った結果、費用が膨れ上がったんです」
「なるほ、精錬のせいか思ったよりも掛かってるワケか。納得した。――いやしかし、なんだか金銭感覚が狂うな、これ」
「ええ。でも、そのおかげで装備もだいぶマシになりましたから。……ところで、兄様、なんでメガネを?」
「……ああ、これか」

 そえば、フォルは今日は『黄』か――。

「……? どうして、わたくしを見つめるのです?」
「あー、いや。今日のフォルは可愛いなって思って」
「……! そ、それならいくらでも見て下さっていいですよ~♡ 嬉しいので、兄様、頭をナデナデしていいですよ~♡」

 よ、よし。なんとか誤魔化せた。
 さてまぁ――残り、リースとベルだが……。


 どんな装備になったか聞いてみよう。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

無限初回ログインボーナスを貰い続けて三年 ~辺境伯となり辺境領地生活~

桜井正宗
ファンタジー
 元恋人に騙され、捨てられたケイオス帝国出身の少年・アビスは絶望していた。資産を奪われ、何もかも失ったからだ。  仕方なく、冒険者を志すが道半ばで死にかける。そこで大聖女のローザと出会う。幼少の頃、彼女から『無限初回ログインボーナス』を授かっていた事実が発覚。アビスは、三年間もの間に多くのログインボーナスを受け取っていた。今まで気づかず生活を送っていたのだ。  気づけばSSS級の武具アイテムであふれかえっていた。最強となったアビスは、アイテムの受け取りを拒絶――!?

無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ

桜井正宗
ファンタジー
 帝国の第三皇子・ラスティは“無能”を宣告されドヴォルザーク帝国を追放される。しかし皇子が消えた途端、帝国がなぜか不思議な力によって破滅の道へ進む。周辺国や全世界を巻き込み次々と崩壊していく。  ラスティは“謎の声”により無人島へ飛ばされ定住。これまた不思議な能力【無人島開発】で無人島のレベルをアップ。世界最強の国に変えていく。その噂が広がると世界の国々から同盟要請や援助が殺到するも、もう遅かった。ラスティは、信頼できる仲間を手に入れていたのだ。彼らと共にスローライフを送るのであった。

チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?

桜井正宗
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」  その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。  影響するステータスは『運』。  聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。  第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。  すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。  より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!  真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。 【簡単な流れ】 勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ 【原題】 『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

ゴミアイテムを変換して無限レベルアップ!

桜井正宗
ファンタジー
 辺境の村出身のレイジは文字通り、ゴミ製造スキルしか持っておらず馬鹿にされていた。少しでも強くなろうと帝国兵に志願。お前のような無能は雑兵なら雇ってやると言われ、レイジは日々努力した。  そんな努力もついに報われる日が。  ゴミ製造スキルが【経験値製造スキル】となっていたのだ。  日々、優秀な帝国兵が倒したモンスターのドロップアイテムを廃棄所に捨てていく。それを拾って【経験値クリスタル】へ変換して経験値を獲得。レベルアップ出来る事を知ったレイジは、この漁夫の利を使い、一気にレベルアップしていく。  仲間に加えた聖女とメイドと共にレベルを上げていくと、経験値テーブルすら操れるようになっていた。その力を使い、やがてレイジは帝国最強の皇剣となり、王の座につく――。 ※HOTランキング1位ありがとうございます! ※ファンタジー7位ありがとうございます!

神様との賭けに勝ったので、スキルを沢山貰えた件。

猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。突然足元に魔法陣が現れると、気付けば目の前には神を名乗る存在が居た。 そこで神は異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。 あれ?これもしかして頑張ったらもっと貰えるパターンでは? そこで彼は思った――もっと欲しい! 欲をかいた少年は神様に賭けをしないかと提案した。 神様とゲームをすることになった悠斗はその結果―― ※過去に投稿していたものを大きく加筆修正したものになります。

とあるオタが勇者召喚に巻き込まれた件~イレギュラーバグチートスキルで異世界漫遊~

剣伎 竜星
ファンタジー
仕事の修羅場を乗り越えて、徹夜明けもなんのその、年2回ある有○の戦場を駆けた夏。長期休暇を取得し、自宅に引きこもって戦利品を堪能すべく、帰宅の途上で食材を購入して後はただ帰るだけだった。しかし、学生4人組とすれ違ったと思ったら、俺はスマホの電波が届かない中世ヨーロッパと思しき建築物の複雑な幾何学模様の上にいた。学生4人組とともに。やってきた召喚者と思しき王女様達の魔族侵略の話を聞いて、俺は察した。これあかん系異世界勇者召喚だと。しかも、どうやら肝心の勇者は学生4人組みの方で俺は巻き込まれた一般人らしい。【鑑定】や【空間収納】といった鉄板スキルを保有して、とんでもないバグと思えるチートスキルいるが、違うらしい。そして、安定の「元の世界に帰る方法」は不明→絶望的な難易度。勇者系の称号がないとわかると王女達は掌返しをして俺を奴隷扱いするのは必至。1人を除いて学生共も俺を馬鹿にしだしたので俺は迷惑料を(強制的に)もらって早々に国を脱出し、この異世界をチートスキルを駆使して漫遊することにした。※10話前後までスタート地点の王城での話になります。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

処理中です...