全スキル自動攻撃【オートスキル】で無双 ~自動狩りで楽々レベルアップ~

桜井正宗

文字の大きさ
上 下
78 / 473

第78話 勝利の美酒 - ビールがキンキンに冷えてやがる! -

しおりを挟む
 裏カジノから逃走した俺たち。
 『100億プル』もの大金を手に入れ、無事に家への生還を果たした。


 まさか、フォルが『テレポート』できたとはね。
 つい最近――『Lv.7777』になり、装備しているシスター服【グロリア】の効果【神智覚醒】が解放され、強力なスキルを複数覚えたらしい。それだけでなく、ステータスも数倍跳ね上がったとか何とか。いつの間に。


 そんなワケで……裏カジノの地下にあった金庫室で、黒服総勢100名近くに襲われかけたが……その前に『テレポート』で脱出できた。


「でかしたぞ、フォル!」
「いえいえ! これも『フォーチュン』の導きですから」

 えっへんとその大きな胸を張った。

「よ~~~し、みんな今日は祝杯だ!! 飲むぞ~~!!」


「「「「おぉぉぉ~~~~~~~!!!!!!」」」」


 予め買っておいた名酒『ハニーワイン』で乾杯カンパイだ。
 ただし、俺だけはビールである。


「みんな……! 乾杯!」


「「「「かんぱ~~~~~~~い!!!!!!」」」」

 ゴクゴク……と、俺はビールをむさぼるようにして……流し込んだ!


「かぁぁぁぁぁあああッ!! キンキンに冷えてやがるぅ~~~~~!! ありがてえぇええ!!」


 うまい、うますぎる……!!
 涙がでそうだ!!


「このお酒、本当に美味しいわね~。もう体が火照ってきたわ」
「メサイアお前、酒に弱いのか?」
「う~ん。あんまりたしなまない方だから、でも嫌いじゃないわよ~。ていうか、サトル、お城にするの本気? それよりも土地を買いましょうよ、いっそ、街を作っちゃうのよ。で、王様にでも神様にでもなればいいじゃない! あと、ちゅ~して」

「あたしも、ちゅ~してくださーい♡」

 うわ、なんか絡んできた!
 メサイアとリースのヤツ、既に酔ってんなぁ……。

「お前らな!?」

 仕方ねぇ、ちゅーしてやろうと思ったが、メサイアとリースはでろ~んとソファに沈んだ。

 酔うのもそうだが、二人とも寝るのはえーな!!


「やれやれ、ちと早いが月見酒と洒落込むか」

 台所に忍ばせてある晩酌セットを持ち出し、俺は外へ――。


「兄様、わたくしも!」


 フォルは酔っていないんだな。
 ふむ、相手はいた方が楽しいな。

「じゃ、付き合ってくれ。ベルは……うわっ、なんか知らんがいつの間にか全裸で、しかも仰向けで寝ているじゃないか……! ベルに何があった!? あぁもう……フォル、すまないが丸裸のベルを何とかしてくれ……! 俺は先に外に出てる」

「わぁっ! なんてこと! あ……兄様、決して見てはいけませんよ! 見たら、目を潰しますからね!?」

 いや、既にチラッと見ちゃったけど……。
 それは言わないでおこう……。


 ◆


 今宵は――こんなにも、月が綺麗――だなぁ――。


 まん丸のお月様が輝いている。

 ただし、色は『緑』と『紫』と『桃』色である。


 つまり、この異世界には三つの月が存在するのだ。


「まぶしいな……」
「ええ、今更ですけれど、まぶしいですね。あ、そうでした! はい、兄様。ご一献いっこん


 ――と、おしゃくをしてくれるフォル。
 分かってるな。

「っとと……」

 徳利とっくりから盃に、溢れんばかりの酒が注がれる。
 良い感じにひたひただ。

 家の前にあるベランダで綺麗なお月さんを見ながら、聖女と二人きり。
 うむ……酒が最高に美味いな。

「フォル、お前も飲め」
「……え。わたくしは……それに、盃はひとつしかないですよ」
「これでいいだろう」
「こ……これは、兄様の…………そ、その、間接キスになってしまいますけれど……」
「ム。……そうだな、やっぱり止めて――」
「飲みます!」

 盃を渡し、今度は俺が。
 なんだかんだ酌み交わす形になってしまったが、たまにはこんな時があってもいいだろう。

「…………」
「どうした?」

「……い、戴きます」

 ひょっとして、意識してんのか。可愛いヤツめ。

「…………美味しい。すっごく美味しいです! お酒ってこんなに美味しいんですね、兄様」
「まあな。俺は、フォルがいるから普段の数十倍は美味しく感じられるよ」
「……そ、そうなんですね。嬉しい……。そ、その……兄様……いえ、サトル様・・・・


「――ん。どうし……」


 返事をする前に、フォルから唇を奪われた。


 えっと……?


 あれ――どうなってん、だ。


 頭がちょっとだけ……ぼうっとする。
 俺らしくもないけれど、少し、酔ったかな。


「…………サトル様、心より愛しています」


 酔いすぎたか――そんな幻聴が聞こえたような。


 ……それから、周囲から複数の気配・・・・・がして……まずい。酔ったらしい……意識が。


 ぼやける視界の中に、黒服の男たちの姿が……!


 しまった……追ってきやがったか!!


「フォル…………まずい。ヤツ等だ……! ぐっ、俺、こんな泥酔ありえないんだが……だめだ」


 どうしたことか……
 そこでぱたりと、俺は意識を失ってしまった。


 ◆


 ――次の日。


 俺は、何故か知らんが『大監獄』ヘルヘイムの中に閉じ込められていた。


「なんじゃここぉぉぉおおおおオオオオオオ!!!!?」
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

月が導く異世界道中extra

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  こちらは月が導く異世界道中番外編になります。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

スキル喰らい(スキルイーター)がヤバすぎた 他人のスキルを食らって底辺から最強に駆け上がる

けんたん
ファンタジー
レイ・ユーグナイト 貴族の三男で産まれたおれは、12の成人の儀を受けたら家を出ないと行けなかった だが俺には誰にも言ってない秘密があった 前世の記憶があることだ  俺は10才になったら現代知識と貴族の子供が受ける継承の義で受け継ぐであろうスキルでスローライフの夢をみる  だが本来受け継ぐであろう親のスキルを何一つ受け継ぐことなく能無しとされひどい扱いを受けることになる だが実はスキルは受け継がなかったが俺にだけ見えるユニークスキル スキル喰らいで俺は密かに強くなり 俺に対してひどい扱いをしたやつを見返すことを心に誓った

勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる! ×ランクだと思ってたギフトは、オレだけ使える無敵の能力でした

赤白玉ゆずる
ファンタジー
【コミックス第1巻発売です!】 早ければ、電子書籍版は2/18から販売開始、紙書籍は2/19に店頭に並ぶことと思います。 皆様どうぞよろしくお願いいたします。 【10/23コミカライズ開始!】 『勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる!』のコミカライズが連載開始されました! 颯希先生が描いてくださるリュークやアニスたちが本当に素敵なので、是非ご覧になってくださいませ。 【第2巻が発売されました!】 今回も改稿や修正を頑張りましたので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。 イラストは蓮禾先生が担当してくださいました。サクヤとポンタ超可愛いですよ。ゾンダールもシブカッコイイです! 素晴らしいイラストの数々が載っておりますので、是非見ていただけたら嬉しいです。 【ストーリー紹介】 幼い頃、孤児院から引き取られた主人公リュークは、養父となった侯爵から酷い扱いを受けていた。 そんなある日、リュークは『スマホ』という史上初の『Xランク』スキルを授かる。 養父は『Xランク』をただの『バツランク』だと馬鹿にし、リュークをきつくぶん殴ったうえ、親子の縁を切って家から追い出す。 だが本当は『Extraランク』という意味で、超絶ぶっちぎりの能力を持っていた。 『スマホ』の能力――それは鑑定、検索、マップ機能、動物の言葉が翻訳ができるほか、他人やモンスターの持つスキル・魔法などをコピーして取得が可能なうえ、写真に撮ったものを現物として出せたり、合成することで強力な魔導装備すら製作できる最凶のものだった。 貴族家から放り出されたリュークは、朱鷺色の髪をした天才美少女剣士アニスと出会う。 『剣姫』の二つ名を持つアニスは雲の上の存在だったが、『スマホ』の力でリュークは成り上がり、徐々にその関係は接近していく。 『スマホ』はリュークの成長とともにさらに進化し、最弱の男はいつしか世界最強の存在へ……。 どん底だった主人公が一発逆転する物語です。 ※別小説『ぶっ壊れ錬金術師(チート・アルケミスト)はいつか本気を出してみたい 魔導と科学を極めたら異世界最強になったので、自由気ままに生きていきます』も書いてますので、そちらもどうぞよろしくお願いいたします。

月が導く異世界道中

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  漫遊編始めました。  外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。

倒した魔物が消えるのは、僕だけのスキルらしいです

桐山じゃろ
ファンタジー
日常のなんでもないタイミングで右眼の色だけ変わってしまうという特異体質のディールは、魔物に止めを刺すだけで魔物の死骸を消してしまえる能力を持っていた。世間では魔物を消せるのは聖女の魔滅魔法のみ。聖女に疎まれてパーティを追い出され、今度は魔滅魔法の使えない聖女とパーティを組むことに。瞳の力は魔物を消すだけではないことを知る頃には、ディールは世界の命運に巻き込まれていた。

異世界転生したのだけれど。〜チート隠して、目指せ! のんびり冒険者 (仮)

ひなた
ファンタジー
…どうやら私、神様のミスで死んだようです。 流行りの異世界転生?と内心(神様にモロバレしてたけど)わくわくしてたら案の定! 剣と魔法のファンタジー世界に転生することに。 せっかくだからと魔力多めにもらったら、多すぎた!? オマケに最後の最後にまたもや神様がミス! 世界で自分しかいない特殊個体の猫獣人に なっちゃって!? 規格外すぎて親に捨てられ早2年経ちました。 ……路上生活、そろそろやめたいと思います。 異世界転生わくわくしてたけど ちょっとだけ神様恨みそう。 脱路上生活!がしたかっただけなのに なんで無双してるんだ私???

元勇者パーティーの雑用係だけど、実は最強だった〜無能と罵られ追放されたので、真の実力を隠してスローライフします〜

一ノ瀬 彩音
ファンタジー
元勇者パーティーで雑用係をしていたが、追放されてしまった。 しかし彼は本当は最強でしかも、真の実力を隠していた! 今は辺境の小さな村でひっそりと暮らしている。 そうしていると……? ※第3回HJ小説大賞一次通過作品です!

処理中です...