全スキル自動攻撃【オートスキル】で無双 ~自動狩りで楽々レベルアップ~

桜井正宗

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第70話 フルパワー - 奥義・闇の覇王天翔拳 -

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 突如として襲い掛かってきた『光の騎士』と『闇の騎士』。
 先手を打つべくして、俺は【トランセンデンス】を即発動した。


「ほォ~、力が膨れ上がったか。どォれ……!!」


 闇の騎士が恐るべき、猛スピードで接近してくる。速いッ!!
 だが、そのおかげで、【バルトロメオ】が【オートスキル】で展開された――青い謎空間が現れ『オーディール』が数えきれないほどの【聖櫃アーク】を放ち、闇の騎士を押しのけた。


「グォォォォ――――――!?」


 大炸裂する光の渦。
 属性の相性のせいだろうか、効果は抜群のようだ。


「なんだ、あんまり強くなかったな。――と!! っぶね」


 光の騎士のスキルが飛来していた。
 なんだ、あのやたら長い『ライトセーバー』!

 それをベルが『盾』で防いでくれた。しかも、遠隔操作で。

「せんきゅ、ベル。助かったよ」
「礼なら後でいいさ。それより、クラウディオスが話があるってさ」
「クラウディオスが? なんだよ?」

「その二人の騎士だが、どうやら『アルラトゥ』からマインドコントロールを受けているようだ。だから、狂戦士バーサークと化してしまっている。だから殺してはならん」

「あー…そいや、あんたは心が読めるんだっけ。なるほどね、アルラトゥの仕業か……!」

 どこかで『アルラトゥ』に襲われ、洗脳されたってところかね。まったく。


「はぁっ!!」


 光の騎士……確か『マナス』だったか。
 ヤツの光の剣が伸びてくる。厄介な!

 その上、闇の騎士『アロンダイト』がいつの間にか宙に飛んでいたようで、黒い剣を向けてきた。

 同時攻撃か!
 それでも!!

 敵二人が俺を集中狙いしてきた、かと思った――

 しかし、見誤ってしまった。


「――――フハハハ!! 馬鹿が!! クラウディオスはブラフ! 最初から狙いはただ一人……!! 死ねええええええええ!!」


「く……くそおおおおおお、メサイアァァァッ!!!!!」


 闇の騎士が俺を飛び越え、後方へ接近。
 俺は、光の騎士に阻まれ動けない。

「行かせませんよ」
「じゃ、邪魔だぁぁぁ!!」

 まずい! やたらリーチのあるライトセーバーのせいで、動けない!
 ベルがいるとはいえ、間に合うか!?


「任せて、シアはわたしが守る……!」


 ベルから心強いセリフが出る。

 だが――


 ドン、ドン、ドンと三つの気配が更に接近、落ちてきた。


 なっ……!!


 アレは……!!


 炎の騎士『グレン』、氷の騎士『リクエ』、雷の騎士『カローラ』!


『闇の騎士様の邪魔はさせん!!』


 グレンが青い炎を。


『足止めは任せてください』


 リクエが俺たちに向けて、足元に氷を張り巡らせてくる。


『あと、念のため。エレクトロマグネティックウェーブ!!』


 カローラの異常状態攻撃により、俺たち側は全員『超麻痺』状態に陥った。


「そんなもん俺には効かねぇけどな!! 間に合え! 聖槍・アンティオキア!!」


 光速で飛んでいく槍。
 それは、闇の騎士に確かに命中した。


「グボオォェ…………ひゃははははは!! これしき! これしき!!! 痛みなんぞいくらでも制御可能なのだよ――ヒャッハアアアアア!!」


 だめだ……!!
 致命傷を避け、ヤロウの肩付近に槍をぶっ刺したっていうのに、倒れない! 狂戦士バーサーク状態が痛みを消しているようだ。大ダメージではあるらしいが、アレでは!!

「メサイア!! 逃げろ!!」
「…………」


 くそっ、恐怖で動けないらしい。


 なんとか助けてやらねば――!!


 だが、もう間に合わな…………!


 その時。


「諦めるなァ!! 兄貴ィ!! オレに任せてください!!!」

 大きな声が響く、男の声。
 誰だ……いや、この声は、まさか!!

「チョースケお前!!」

「オレは……今までの人生、なんの役にも立てなかったグズのカスだけどよォ! オレにだって『盾』になるくらいは出来るんですぜ!! あんたの大切な人なんだろ、オレが守ってやらあああああああああああああああ!!!!!」


 まさかの、チョースケが、メサイアの目の前に……!!

 ウソだろ……!! お前……!!



 闇の騎士の黒い剣が、チョースケに。



「………………」


 チョースケは、メサイアをかばい…………死んだ。


「バカヤロウ……無茶しやがって……。仇はとってやるからな……チョースケ」


 全員、俺が倒す……。


「アブソリュートサイレンス!」


 敵全員に『絶対沈黙』の異常状態を与えた。

 【ペトルス】【バルトロメオ】展開。
 続いて『パニッシャートライデント』と『聖槍・アンティオキア』の二槍を手に持ち、それぞれをぶん投げた。


 『ヒドゥンクレバス』、『ホーリーブレード』、『血の煉獄』発動。
 炎の騎士、氷の騎士、雷の騎士に。


 【ダークニトロ】を両手に付与し――、


「このアホがあああああああああああああッ!!!!!」


 闇の騎士の顔面に思いっきり、チョキを入れた。


「ドブォオォォォォォォオオオオオオオオオオオオ――――――!?!?!?」


 闇の騎士は、今度こそ倒れた。

 次、光の騎士のところへ瞬時に接近。
 一気に距離を詰め――


「フォル、お前のスキル借りるぜ……! 最近覚えた新スキル【イミテーション】 ……か・ら・の、奥義!!!!!」


「え……兄様、そんなまさか!!」



「闇・覇王天翔拳――――――ッ!!!!!!!!!!!!」



 ドゴォッ!! ――と、フルパワーの【ダークニトロ】付きの『覇王天翔拳』を光の騎士の鳩尾みぞおちに完全命中させた。


「………………!!!」


 断末魔を上げることもなく、光の騎士は、遥か彼方へ吹っ飛んでいった。


「ヒーリングシールド」

 ――と、ベルが回復および異常状態回復をしてくれた。

「すまない、油断していて遅れを取ってしまったよ……」
「いや、お前のせいじゃない、ベル」


 それより……。

「メサイア……。チョースケは……」

「……」

「チョースケは、俺がとむらってやる」
「……うん」


「兄様、わたくしも。聖職者プリーストとしての務めがありますから」
「ああ、そうしてやってくれ」


 ◆


 俺は今日、はじめて心の底から怒りを、憎しみを抱いた。


 クラウディオスによれば、今回の件は全て『冥界の死女神・アルラトゥ』の仕業だと断定できたようだ。ヤツの得意とする『マインドコントロール』で騎士たちは操られていたようだ。


 それで、まさか、メサイアを狙うとはな。


「――――」


 俺は、心に誓った。


 仲間全員のステータスをカンスト・・・・させ、アルラトゥに必ず復讐してやる――と。


 世界なんてどうだっていい……。
 俺はただ、ヤツに復讐がしたい。


 そのため、俺は全員を最強にすべく……新たな旅へ出ることにした。
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