全スキル自動攻撃【オートスキル】で無双 ~自動狩りで楽々レベルアップ~

桜井正宗

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第57話 必殺スキル - 愛と悲しみの聖なる炎 -

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 まさかこんな海底に『キングデビルオクトパス』なんてレイドボスがいるとはな……。『超猛毒』を食らい、絶体絶命のピンチ。


 こんな時の『3分』は長すぎる!


 ――ていうか、まてよ。
 『超猛毒』を食らっている割には、俺はなんともなかった。体に変化もなければ、ピンピンしている。

「ん……? 普通、泡吹いて倒れるよな? リースですら卒倒したんだが」
「そうよ! あんた『聖者』でしょ! そんなのヘッチャラでしょ!」
「あ、そうだ、すっかり忘れていた」

 つい、そんな単純な事を忘れていた。
 よし、そうなると――


「まずは、リース助けますか」


 高速で駆け、ウネウネの触手を『ホーリーブレード』で切り裂きまくり、一気にリースのところまで辿たどり着く。触手で服をビリビリに破られ、すっかり裸のリースを助けた。

「大丈夫か、リース」
「サ、サトルさん……怖かったです~!」

 とりあえず、お姫様抱っこして救出。
 裸のまま抱きつかれる。俺は、心の中でガッツポーズした。

 さて、リースを安全なところまで運んで、さっさとタコを倒そうと思ったのだが……


「あとは、この女神様に任せなさい!!」


 と、メサイアが珍しく攻撃態勢に入っていた。
 あんな威風堂々と仁王におう立ちして、どこからそんな自信が沸いてくるんだ。

「おい、やめとけ。お前じゃあ、あのレイドボスは……」
「ちっちち~。サトル、ついに私の真の力・・・を見せる時がきたようね」
「あん? なに寝惚けた事いってやがる。この場は俺に任せて――」

 止めに入ろうとしたのだが、時既に遅し。
 メサイアは全速力で突っ走り、タコに接近。目の前でハイジャンプした。たかっ! なんちゅー跳躍力だ!


「んなっ!?」


 驚いた。
 アイツ、体操選手のようにあんな機敏に動けたのかよ!

 それだけじゃない。

 メサイアは、急速にてのひらに力をめ――


 ま……まさか!!



「愛と悲しみの、ひっさぁぁぁあぁあぁさつ!! 『モルス:アタック』改め――――シャイニング・ブレイズ・ゴッドフィンガァァァァァァァァアアアアアアッ!!!!!!」

「!?」


 掌からあふれんばかりの莫大《ばくだい》な熱量が――!!

 その超エネルギーをヤツの頭上に落とし、聖なる炎が一瞬でタコを包み始めるや否や――――爆発四散させた。


 全て吹っ飛んだのだ。


「――――――!!!!!」


 目に優しくない、まぶすぎる七色閃光が最下層を照らす。まさに、爆熱か!!

 うおっ、まぶしっ。


 【Amazingアメイジング!!】
 【Congratuコングラチュlationsレーションズ!!】


「えー…倒したのかよ……。俺の出番が……。ま、まあいい、メサイアお前凄いな。例のスキルがそんな熱血系の必殺技だったとはな。意外すぎたわ。とにかく、レベルアップおめでとう」

「ふぅ~~~…。ありがと、サトル。リースは?」
「大丈夫だ。この通り、裸だけどな」

「うぅ……恥ずかしいです…………」

「俺の服を貸すよ。――さて、宝箱の中身を回収すっか」
「もうしたわ! はい、エクサニウム」
「いつの間に! へえ、この黒くゴツゴツした物体が『エクサニウム』か。これで『ファントム』完成だな。あとは鍛冶屋に行って合成をっと……花の都でいっか」
「そうね。とりあえず、いったん戻りましょう」


 ◆


 久しぶりに、花の都の『フリージア』へ入った。
 以前は『聖者祭』アルビオンが開催されていたが、あの時と変わらない活気であった。都というだけあり、毎日がお祭り状態ってワケか。

 そんな都で人気の名物があるらしい。
 ちょっと寄っていくか。

「ほう、ここが噂の『クレープ屋』か。すごい並んでるな」
「みたいね。サクラクレープが有名なんですって、じゃあ、お願いね」
「メサイア、その手はなんだ……」
「買ってきて」
「この長蛇の列に並べと? 何時間掛かるんだ……」

 その要求には応えられんと拒否権を行使しようとしたところ――

「――ん。あの先頭から出て来た二人組……どこかで」

 今丁度、クレープを購入した二人組。

 ひとりはヴェールを被った銀髪シスター。
 もうひとりは、獣耳に尻尾を生やした巨乳ビキニアーマー。


「えーっと……」


 どう見ても、フォルとベルである。
 あの二人、山籠もりで修行していたんじゃ!?


「ちょっと行ってくる」


 ダッシュで先頭へ向かう。

「おい……ヘンタイ聖女と盾女」

「「え……」」

 二人が振り向く。
 口をポッカ~~ンとさせ、

「あ、兄様!?」
「さ、理くん!?」


「お前等、修行はどうした!? な~~に、悠悠ゆうゆうとクレープ屋に並んでんだ!?」

「あの…………これは! は、はい! わたくしの食べかけですけれど、あ~ん!」
「んなもん……あ~ん」

 ぱくっ。
 うっまああああああ!!

「許した」
「許されました♡」

「理くん。わたしのも、あ~ん♡」

 ぱくっ。
 うめぇ~~~~~!! 犯罪的だッ……うますぎる!!

「ベル、お前も許す」
「ありがと!」


 ――ということで、いつの間にか全員集合。
 鍛冶屋へ向かった。
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