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第54話 リフォーム - エルフからの素敵な贈り物 -

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 再び、花の都――『フリージア』。

 例の湖へ戻った。
 そこに『山小屋マイホーム』を戻し、拠点とした。やっぱり、家は綺麗キレイな場所にある方が気分もいいし、過ごしやすい。あと水源がある方が何かと便利だしな。

 などと、湖に向かって恰好カッコウをつけながら物思いにふけっていれば、

「サトルさ~ん!」

 ビキニ姿のリースに呼び止められた。
 そういえば、さっきから泳いでいましたな。

 ちなみに、メサイアは【建築スキル】を使って、ついに『家』へのリフォーム作業を開始した。必要とされる大量の材料を節約するため、小屋を解体するらしい。

 解体することによって、材料を使いまわせるんだとか。

 ああ、そんな……思い出の小屋を解体するだなんて……。だが、もっと快適にするならば、必要なことだ。仕方ない。
 尚、小屋自体はまだ解体には至っていない。まだ使用可能。


 何にしても、ついにこの時が来るとはな!!


 しかも。
 しかもだ!

 今回から、敵の奇襲に耐えられるように【耐久性】も大きく上げられるようで、ついでにトラップとか迎撃システムも設置できるようにするらしい。


 ああ、そいや以前【要塞化】がどうとか言っていたな。
 それの前段階が可能だとか。


 確かに、一週間前に魔王が放った『15498の軍勢』の一件があったし。アレをかんがみれば、強化するに越したことはない。それに、今回のパワーアップは、あの一件で大儲けできたおかげだ。魔王ヤツには逆に感謝しておかなければな。

 でも、俺の腹を突き破ってきた件は絶対に許さんけど。

 あと、フォルはベル共に『修行』へ出てしまった。
 リフォームして、しばらく住めないならと行ってしまわれた。

 なんでも、一週間ほど山にこもるらしい。

 フォルのヤツ、ベルの強さに惚れ込んだようで……自分をもっと鍛え上げたいということで希望が叶った形だ。ついでに筋肉もつけたいとか。――いや、どう考えても筋肉付けたいだけだろ、脳筋マッスル聖女め。


 ――そんなワケで、今は久しぶりにリースと二人きり。


 う~~~ん。
 あのグリーンのホルターネックビキニ……すごくえっちだ。
 あんな露出しちまって……眼福。


「サトルさ~~~ん」


 ばいんばいんに揺れる胸。
 あまりにハデに上下しているので、つい凝視してしまう。
 あァ~…脳が綻ぶ。

「サトルさん!」
「なあリース」
「はい?」
「わざとじゃないよな」
「何のことです?」

 ふむ。
 そうだよね。ぽんこつだったな。うん。

「ところで、サトルさん。こんなの拾ったんですけれど」

 ほいっと、なにか紙切れを手渡される。
 金、じゃないな。

「ん? なんだこりゃ……地図?」

 いわゆる『ダンジョンマップ』らしい。
 なるほど……どれどれ。


 その地図は『海底洞窟ダンジョン』と書かれていた。

 アレ……『海底洞窟ダンジョン』ってどこかで聞いたような。


「むむ~。忘れてしまったな」
「これって確か以前、イカのモンスターの時じゃありませんでしたっけ? そこを目指していたような。結局、有耶無耶うやむやになっていましたけど」

「ああ~!」

 そうだ。
 あの時、イカ野郎が出現したから、それどころじゃなくなったんだ。今にしてみれば、なぜ『海底洞窟ダンジョン』なんか目指したのかサッパリだが――。ふむ、そうだな、たまにはダンジョンを冒険してみるのもいいのではないだろうか。

 ちょっと暇だし。


 それに、俺はそもそも『冒険者』。
 あっちこっち見て回るのは嫌いじゃなかった。


「よし、リース。今度みんなでこの場所へ行ってみよう」
「はい、そうですね! そうしましょう」

 いや~、まさかこんな湖で『地図』が見つかるとはな。魔王を倒しに、聖地・アーサーなんぞダルくて行くつもりもなかったし、丁度いい。


 それにしても、今日は天気も良いし……快晴。
 こんな日は、草場に寝っ転がるに限る。

 俺は、その場で仰臥位ぎょうがいになって、だら~んと寝ころんだ。


「空気は美味いし、この曇りひとつない青空。サイコ~だね」


 土も上質なせいか、良い匂いがする。
 土の……匂い。スイカ畑でもしようかな?

 なんて呑気にしていると、

「サトルさん」

 リースがそのまま・・・・俺に重なってきた。
 ビキニで抱き着いてくるとか……!
 ほぼ生の体が密着している。あの豊満な胸も当たってる……。ぐっ、鼻血がッ!! 血が込みあげてくるぅ……!

「リ、リース……」
「ねえ……サトルさん」

 見つめ合う状態となった。リースの顔も息が掛かるほど近い。というか、もうキス寸前の距離だ……。ピンクの唇があんなに近い。……まさか。


「キス……していいですか?」


 ――そう言われたので、冗談交じりに断りを入れようかと思ったが、その前に唇が重なっていた。……あれ。


「――――」


 …………まさか、リースからしてくるだなんて。
 俺はすっごく嬉しかった。


「……リース」
「これが、あたしの気持ちです♡ これも受け取ってください♪」

 これって……?
 俺のてのひらに手渡されるソレは――『ビキニトップス』だった。正真正銘、ブラの部分である。あのリースの爆乳を包み込んでいるアレである。

「うわっ! リースこれ、付けてたヤツじゃ!!」

「は、はい……。どうぞ……」
「どうぞって、うわっ、リース。胸……胸を隠して!」


 丸だし。なんもつけてねー!!!


「ほら、手で隠せば大丈夫です。そのトップスはサトルさんのモノですから、ご自由にお使いください。なんでしたら、し……下も差し上げますけれど」

 と、手ブラして隠す。
 で――下も脱ごうとする、リース。


 まっずーーーーーーーーーい!!!!!!


「そ、それはマズイって! そっちはいらないよ……。トップスだけで充分。せっかくのリースの気持ちだし、家宝にしておくよ(?)」

「はい、家宝にしちゃってください♡ もちろん、えっちな事に使ってもいいですからね♡ 絶対、あたしの顔を思い浮かべてくださいね? もし、他の女の子を思い浮かべたら……絶対に許しませんし、軽蔑しますからね」

 ……リースって大人しい感じだけど、実は結構、Sっ気がある。そのギャップがまたいいんだけど! いっそ、蔑まれながら……踏まれたい!

「それでは……あたしは着替えてきちゃいますね」
「おう」

 リースは、小走りで家へ向かった。
 あー…やっぱり、恥ずかしかったんだ。

「ま、俺もだけど。このトップスどうすっかな~…」

 とりあえず、ポケットに保存した。


「きゃぁぁぁ~~~~!!!」


 この声!
 リース!!

 振り向いてみると、そこには――

「あのヤロウ……! また性懲りもなく!!! チョースケ! パースケ! グースケ!」

 あのモヒカン!!
 まだ生きてやがったか!!

 世紀末共がまたリースを…………



 おぉ!?!?!?
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