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第41話 ホーリーライト - おっさん血の雨を降らす -

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 マンドラゴラの体液は、服に限定・・・・して強力な『溶解能力』を誇っているらしい。俺の貸したジャージもドロドロに溶けてしまい、リースは再び裸に。

「あぁぁん、もうどうしてなんですかぁー!!」
「く、くそっ……ここまで強力だとはな! 仕方ない。俺のシャツでどうだ!」

 シャツを脱ぎ、それをリースに着させた。


 ――が、


 シャツも呆気なく溶けた・・・


「そ、そんなぁ~! なんで溶けちゃうんですかぁ……!!」


 やっぱり、リースは裸に。俺は上半身裸になっちまった。
 ちょっと肌寒い。

「ホント、どうなってんだか……」

 どうしようもなくなっていると、フォルがやってきた。

「兄様~、リース、お夕食ですよ~…って!? ふ、ふたりとも裸ではありませんか!! あ……兄様、裸のリースに何をしようとしていたんですか!? 事と次第によっては、わたくしもこのシスター服を脱ぎ捨て…… あられもない姿になり、肉体美の兄様とすっごいプレイを楽しみたいです♡」

 ――とか言って、もうシスター服をポイッと投げ捨てていた。

 すると、ド派手なワインレッドのような水着姿になっていやがった。……なんだ水着か。それも外し、ポイッ地面に投げ捨て、まっぱになった。なりやがった……!

 残念ながら『聖光』ホーリーライトが邪魔して、肝心な部分は見えない! おい、コラ、光が邪魔だぞ!!

 ていうか、

「ぬぐなァーーー!!! このヘンタイ聖女!!」
「わたくしも混ぜてくださいまし~~!!」

 ぴょ~~~んと、フォルが跳ね、飛び込んで来る。


「ええい、リースバリアァァ!!」


 俺は、リース(裸)を盾にした。
 フォルとリースは抱きしめ合う形となり――なんとアラマァなコリャイカンな絵になってしまっていたのである……。


「あ…………すまない。ふたりとも……」

「あらまあ。わたくし、これはこれでアリですけれど」
「フォ、フォルちゃん!?」

 フォルのヤツ、そっちもいけるクチなのか……。

「リースってば、こ~んなハシタナイ胸に成長してしまって……わたくしが毎晩お風呂でマッサージをしてあげているおかげですね♪」

 な、な、なぁーーーーーー!?

 なんて羨ましいことしてんだ、フォルのヤツーーー!!!

 く、くそう。想像しただけで鼻血が……
 鼻血がぁぁあぁぁぁあぁぁぁーーー!!!

「兄様、鼻血が」
「おまえのせいだろうがっ!!」

 と、とにかくだ。
 こんな所をメサイアとベルに見られるワケにはいかない。つーか、なによりも他人に見られるワケにいかない!!

「よ……よし、フォル。お前のシスター服をリースに貸してやってくれ」
「いいですよ。この服は、いつの間にか神王様から戴いた『神聖な服』で、大切なモノですけれど、リースになら構わないです」

 ――はいっと、フォルは地面からシスター服を拾い上げ、リースに。
 それをリースは受け取り、着替えた。

「おお! 溶けないのか!」

 なるほど。
 神王から貰った『神聖な服』というのは本当らしい。

 アイテムスペックが気になって来た。
 どれどれ……『千里眼』クレアボイヤンスで。

----------------------------------------------------------------
 服:【グロリア】 DEF:50
 効果:All Status + 7 、LUK&Cri + 20
 闇属性攻撃耐性 + 30%、異常状態耐性 + 80%
 聖職者が装備する場合、スキルダメージ + 20%
 【Lv.7777】以上の場合【神智覚醒】解放。
----------------------------------------------------------------

 すごいな。こんな装備だったんだなぁ、あのシスター服。
 『異常状態耐性 + 80%』のおかげで、服が溶けないってワケかな?

 ――ていうか、シスター服姿のリースとか……。


 新鮮すぎる!!

 なので、俺はつい、

「か、かわええ……。すごく可愛い」と、自然とつぶやいていた。
「そ……そぉですか? 自分じゃ分かんないですけど……嬉しいです♡」

「な、なんだか複雑な心境です……」

 フォルは、俺がリースにメロメロに見惚れているせいか、シスター服を渡してしまった事を少し後悔していた。

「とにかく、フォル。お前は早急に着替えろ」

 『聖光』ホーリーライトのおかげで、肝心な部分こそ見えてはいないが、これはマズイ。信者が見たら卒倒モンだぞ!


「兄様につけてほしいです」
「――は?」
「コレつけてください♡」
「コレって……水着くらい自分でつけろよ……」
「後ろ向きますから、お願いしますね♡」
「話を聞けよ……。ああ、もう分かった」

 俺は、地面に落ちている、フォルの水着を拾い集めた。

 うわぁ……。
 なんだこの水着の触り心地。しかも、生温かいなぁもう。体温が残ってるじゃないか……。つーか、聖女がこんなハデなのつけているものなのか!? けしからん。

「はい、どうぞ」

 後ろを向くフォル。

「まずは下からな。ほいっと」

 細足を上げてもらい、水着を穿かせた。
 すると、

「ちょっ……兄様!」
「あ? 水着を穿かせただけだろ!?」
「兄様。もうちょっと優しくしてくれないとですよ……。す、れて……」

 す、れて!? ドコがぁ!?
 どうやら俺の手がフォルのフトモモ・・・・に触れて、それがれたと錯覚さっかくしたらしい。なんだまぎらわしい!

「次は、上ですね」
「あ…………あぁ」

 ちなみにリースは、不思議そうに俺たちのやりとりを見守っていた。そんな観察されるとやり辛いのだが。
 嫉妬したり、怒る気配もないし、まあいいか。

「おい、フォル。おっさん俺は、残念ながら人生で一度も水着用ブラなんてものは、取り扱ったことがないんだ。未経験なんだ、教えてくれ」
「そうなんです? ではぜひ、わたくしで勉強して下さい。まず、こう通して、前へ」


「前へ!?」


「はい。これ、フロントホック・・・・・・・ですから」

 通常、背中にホックがあるのが一般的だ。
 だが、フォルのブラ(水着)は、正面フロントにホックがあるタイプらしい。どうやら、フォルは、フロントホックが好みらしくつけているのだとか……。


 知るか!!


「も、もういいだろ。自分でやれよ……」
「ダメです。やって戴けなければ、この場で思いっきり悲鳴をあげます」
「くぅ……。もれなく、俺の信用は地のどん底。失墜するな」
「そーゆーコトです。さあ、早く」
「わかったわかった」

 フォルの後ろに立ち、ブラ(水着)を背中からワキへ。
 前へ通していくと、いよいよ谷間バストへ。

 フォルも胸はかなりあるんだよなぁ……。まったく、ウチの聖女とエルフはどうしてこう巨乳なんだか!

 ブツブツ言いながらも、胸に触れないようホックをつける。――いや、無理だ。どう考えても、指が触れるわ!

 う……やり辛ぇ。

「そうです。あとはホックをこうつけて」
「ん~? こうか」
「はい、お上手です。完成ですよ。なんだか初めてな気がしませんね?」
「正真正銘、初めてだ」


 ようやく終わった……。
 はぁ、なんかドっと疲れが。

「もういいだろ。家に戻るぞ」
「はい! それでは、夕食にしましょうか!」

「あの……サトルさん」
「ん、どうしたんだ、リース」
「今度、あたしにもそれ、やってもらえますか!?」
「…………」

 リース、お前もかッ!!

 却下だ!!


 ◆


 家に戻ると、メサイアが飛び跳ねた。

「わぁ~! リース、そのコスプレ似合ってるわ~!」
「おい、メサイア、これはコスプレじゃない。本物だ」
「そーなの? ああ、フォルのヤツだったのね。私はてっきり、そういう衣装を買ってきたのかと。でも、凄く似合ってるわ。違和感ゼロね」

「あ、ありがとうございます。そんな褒められると照れちゃうのですよぉ」

「……」

 あ、まずい。
 フォルの目が死にかけている。

「で、なぜ、サトルは上半身裸で、フォルは水着姿なのかしら? 説明ぷりーず」
「あぁ、ちょっと外でイロイロあってね。リースは、フォルのシスター服しか着れなくなった。だから、服しか・・・着ていない状態だ」

「え……。リース、あんた、今どうなってるの?」
「……え、えと…………。
 今更気づいたのですが……とても、すーすーして恥ずかしいのです……」

 ボンッと顔から湯気を出した。

 すーすー・・・・しているエルフ……。

 だ、だめだ!!
 考えただけで……俺はもうだめだぁ!!


「んのぉぉおぉぉぉーーーーーーー!!!!!」


 プッシューーーーーーーーーー!!!!!!
 …………ドバドバドバドバドバ(鼻血)


 俺は、大量の鼻血を天井に届くほど噴き出し、ぶっ倒れた。


「サ、サトル!?」「サトルさん!?」「兄様!?」


 …………性欲、持て余す。
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