全スキル自動攻撃【オートスキル】で無双 ~自動狩りで楽々レベルアップ~

桜井正宗

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第33話 改築構想 - 目指せ夢のマイホーム -

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 朝、目覚めると、フォルが水着エプロン姿で料理を。
 リースは掃除を、メサイアは建築を。それぞれの仕事をしていた。

「……なんだ、いつもの朝か」

 なんだか変だ。
 俺は昨日、凄く変な夢を見た気がする。魔王だの、フォルが魔王の娘だの……そんなワケの分からん夢。


 ……きっと、ただの夢さ。忘れよう。


「メサイア、おはよう」
「あら、起きたのね。おはよ、サトル。寝癖ボンバーヘアになってるわね」

 そう、ベッドの上であぐらをかくメサイア。
 なんだか、はしたないが……今日は珍しく、黒のインナーキャミソールにしまパン姿だった。なんだ、メサイアも水着か。
 ていうか、心なしか胸もふくらんだような。あれ、コイツこんな大きいっけ。育ち盛りなのかな。


 てか、いくら家の中とはいえ、軽装すぎんだろう。


「おいおい、もう少し何とかならんのかソレ。水着とはいえ、そんな姿でウロつかれても……今更か。もうその程度なら動じなくもなったわ俺」
「今更ね。水着だし、別に減るもんじゃないし、あんたにはメリットありまくるんだから。悪い事なんて何ひとつないわ」

 正論。おっしゃる通りだが。
 しかし最近、みんな俺の目を全く気にしていない。普通に薄着姿で過ごしてくれている。慣れたのか、それとももう、どうでもよくなったのか……。目の保養には凄くイイんだが、男としては悲しいというか、なんというか。


 まあどっちにしても……
 天国には変わりない。


 おかげで超絶面倒臭がりの俺ですら、生の女体を前にすると、生きる活力バイタリティを得られる。やはり、エロパワーは原動力の源。これがなければ、とうに野垂れ死んでいただろうな。


 さあ、今日も頑張ろう。


「――で、メサイア。【建築】と【改築】の方はどうなんだ? そろそろ、この『山小屋 Lv.5』を一軒家なり、城なりに進化できないものなのか」

「丁度、私も考えていたところよ。話が長くなりそうね、ほらココ」

 ココ……と、メサイアは手でベッドをポンポンしていた。

「ん? なんだ隣に座れってか」
「長話になりそうだしね。ほら」

 むぅ、やれやれ。
 そう誘われては断るワケにもイカンな。

 メサイアの隣に座った。
 肩と肩が密着する。なんだこの恋人同士な状況。

 ……まあいいか。

「山小屋の事なんだけどね。小屋のレベルを『10』にすれば、あんたの言う理想の『家』に出来るわね。だから、残りの必要材料数でいうと……これとこれ、あとこれ。これにこれよ」

 ふむふむ……


 【木材】×100000 【鉄】×65000
 【石】×15000 【コンクリート】×1500
 【ガラス】×900


 らしい……。

 むちゃくちゃ必要ですやん……!
 金に換算すると、ざっと『3000万プル』は必要かも。

 いや、それ以上かもしれない。

「そんなに欲しいのかよ。『家』までの道のりは険しく、遠いな」

「当たり前よ。これが『館』とか『城』にしようものなら、その3~5倍は必要よ。ちなみに、あんた次第だけど【要塞化ようさいか】も可能よ。これにはかなりの材料が必要だけどね。それとオプションで『学校』や『教会』、『神殿』……何なら『お店』とかも建てられるわ。もちろん、相応の材料が大量に必要だけど」


「マジか。3~5倍って、もう気が遠くなる数だな……。
 つーか、学校とか教会はいらんだろ……。お店はちょっと魅力的だが、いや、シムシティじゃあるまいし、街を作るつもりはないよ。家だけで充分さ」


 【要塞化】はどうやら、モンスターの奇襲に耐えられるようにしたり、自動攻撃システムを備えたりできるらしい。けどまあ、普段は俺の【オートスキル】を設置しているし、これに関しては、急を要するほどでもないな。


 材料も無駄にしたくないし、【要塞化これ】はスルーっと。


「なるほどな~…その材料を買うのに金が必要なわけだな」
「そ。いちいち収集してたらキリがないし。だから、サトル。もっと良い家にしたかったら、稼ぐの。稼いで手っ取り早く材料を購入すればいいわ。でも、私はこの山小屋でも結構快適に過ごせて好きだけどね」

「そうだな。そんな急に背伸びしなくてもいいけどな。ま、ただ各々おのおのの部屋がないから、プライバシーがないのがな。俺はいいけど」

 そう、この小屋は未だに一室の空間のみ。
 この部屋に全てが集約されている。楽は楽なんだが、やっぱり落ちつける部屋がある方がいいと俺は思う。いやでも、下着姿のメサイア達が見れなくなるのも惜しいけど。


「兄様~。おはようございます。お部屋の話ですか?」
「おはようです~。サトルさん♪」


「二人ともおはよ。そそ、小屋を今後どう【改築】するか話し合っていたところ。けど、まだまだ『家』には程遠いみたいだ。まだしばらくは、このままだな」

「そうなんですね? わたくしは、このままでいいですけれど。だって、兄様と一緒に寝られるのですから♡」

 と、これはフォルの意見。

「恥ずかしながら……あたしは寝相が悪いので、部屋があった方がいいかなと思います。うぅ……」

 自分で言って赤くなるリース。
 確かに、リースの寝相は神様もビックリするくらい酷い。
 最近一番酷かったのは、ジャガイモ畑に頭から突っ込み、犬神家になっていたことだ。どうしたら、ああなっちまうんだろうね!?


 あの意味不明な恐怖を前にした時は、さすがにホラーを感じざるを得なかったが。いやもうホント、リースの寝相だけでホラー映画1本が制作できるな。


「なるほど、リースの為を考えると部屋があった方がいいかな。フォル、お前はどうせ部屋が出来ても、俺のところに来て寝るつもりだろ」
「当然です! わたくしと兄様は一蓮托生いちれんたくしょう。お互いもう離れようにも、離れられない存在なんです。超強力磁石ネオジムなんです」

 がばっと顔を近づけて、そう言ってくれるフォル。
 顔がむちゃくちゃ近い……。

 あぁ……もう、なんで唇そんなにぷるんぷるんの艶々つやつやピンクなんだよ。チクショウ。許されるのなら唇を重ねたい。でも、今はメサイアもリースもいるからな。昨晩は惜しいことをしてしまった……。

「……ま、とにかく、家の事は『聖者』になってからにするか。で、なんだっけ……『ビフロスト』へ向かわなきゃだっけな」
「そうね、そっちが優先ね。サトル、それじゃ朝食を済ませたら、さっそく移動する?」

「そうだな。【運搬スキル Lv.MAX】で小屋を収納できるからな、おっさん使わんでも徒歩でいける。面倒だが、あのカオスな移動手段よりはマシだ」

 そう、【移動スキル】で4人のおっさんを召喚して神輿みこし移動も可能だが、如何いかんせん鈍足どんそく。しかも、あのクレイジーすぎる外観。

 当時は、面倒臭がってそのままにしたが、


 アレはないわ……。


「よし、みんな。フォルの作ってくれたホットケーキ食ったら、出発だ!」


「おっけ~」「了解です!」「はいぃ~」


 メサイア、リース、フォル、それぞれ元気よく返事を返してくれた。よしよし、みんな素直でよろしい。


「いっただきま~~~」



 ドーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!



 いただきますと……
 ホットケーキにフォークを刺した瞬間、小屋の外に雷が落ちた。


「うわぁっ!? こんないい天気なのに、雷が!?」


 どうして!?
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