上 下
17 / 440

第17話 海底洞窟ダンジョン捜索 - 水着の乙女たち -

しおりを挟む
 メサイアとフォルが帰ってきた。
 お土産を大量に持って。

「お。なんかいっぱい買ってきたな。そんな紙袋いっぱい抱えて、何を買ってきたんだ、メサイア」


「あ~、これ? これはね~」


 ……あ。
 悪い顔だなぁ。嫌な予感しかしないぞ。


「じゃ~~ん!」

 と、メサイアがそれ・・を広げた。

 なんだこのペラペラの黒い布切れ。
 かなり薄いし、なんだか見覚えがある形をしているような。


 ああ、そうかコレ!


「おい、メサイア。これって……」
「そ、これは水着よ! フォル、リースの分も買ってあるから。あとサトル、あんたの分もね!」

 まじか!
 まじで水着か、これ。

「でも、まてよ。俺はフリーサイズでも構わんが、リースのサイズは大丈夫なのか?」
「大丈夫ですよ、兄様。リースの胸のサイズは、わたくしが記憶済みですから。なぜなら、毎日お風呂で、この『ゴッドハンド』で測っていますからね!」


 ――と、フォルは無抵抗のリースの胸をみしだきながら、言った。

 おい、みしだくなセクハラ聖女!
 むしろ、そこ変わりやがれ!


「みぁ~~…フォルちゃん、や、止めてくださいなのですよぉ…………」

 あぁ……まずい!
 
 フォルのヤツ、リースのメロンのような胸を、あんなに激しく、いやらしい手つきで……俺に見せつけるように!


 ――って、俺に見せつけるな!


「ストップだ、フォル。それ以上は、リースが悶絶もんぜつしちまう……既に半分その領域に入り掛かっている気もするが……。とにかく、そこまでにしないと、もう構ってやらんぞ」
「うっ……。それはイヤです。分かりました」
「素直でよろしい。それじゃ、メサイア、海へ行くんだな?」


 俺は、ベッドの方へ振り向くと――


「みんな、もう準備はいいかしら!?」


 この女神、なんかもう、水着に着替えていやがった。準備万端じゃないか。


「はえーよ! て、黒のビキニ……いつもとあんまり変わらんな」


 そんなワケで、海へ行くことになった。


 ◆


 花の都・フリージアから海は近かった。
 歩いても数十分ってところだった。

 メサイアによると、この近辺に『海底洞窟ダンジョン』とかあるらしい。そこの捜索そうさくも兼ねての海のようだった。

「へぇ~、綺麗な場所だなぁ。でも、モンスターもそこそこか」


 ゆるキャラのようなモンスターがあちらこちらに見えた。あんなマヌケな顔しているのに【Lv.100】以上もあるようだ。でも、それなら俺でも対応できる。余裕だな。

 俺たちは周囲を警戒しつつ、浜へ出た。

 それにしても……


「ふ~む」
「な、なによサトル。私の水着そんなに変?」


 俺は、メサイアの水着ビキニを改めて見る。
 やっぱりスタイルは良いな。無駄が一切ないスマートな肉体美。とても健康的で、白い肌がマブしい。なるほど、女神なだけある。元・死神でもあるらしいけど。


「でも、やっぱりそのネックレスは身に付けているんだな。いい加減、教えてくれよ、そいつの謎を」
「イヤ。これ以上、詮索せんさくしたらあのゆるキャラモンスターを大量にき集めて、なすり付けてやるから」


 などと、恐ろしいことを言いやがったので、俺は諦めた。


「で、あのゆるキャラ系のイカモンスターは何だ?」

 今の所、攻撃をしてこないノンアクティブモンスターで、危険は感じないが。

「調べてみるわね。……えっと、うん。あれは『イカゲソ』という【Lv.105】程度のモンスターね。でも、油断しないことね、かなり強力な水属性攻撃があるみたいよ」

 『イカゲソ』ね。
 なんか美味そうな名前をしているヤツだ。けど、こっちから攻撃しない限りは無害。だったら、放置しておくのがいいだろうな。
 腹が減ったら狩ってやるけどな!


「サトルさ~ん!」
「兄様~!」


 着替え中だったリースとフォルが戻って来た。


「!?」


 まず、リース。
 彼女は何故か『スク水』を着ていた。


 しかも『旧スクール水着』だと!

 そんなもん何処ドコで買ってきた!!


「なんで、スク水!?」
「あ、あのぉ……サトルさん。これやっぱり変です? 見た事もない水着なので自信ないんですけど……」
「……その、刺激が。でも似合ってるよ」


 ただでさえスリム。ただでさえ巨乳なリースにそれは……最高です。カメラがあったら写真に収めたかったぜ……。


「それで、フォルは……うぉぉぉおぉ!?」


 マイクロビキニィ!?


 メサイアのよりも面積が少なく、肌の露出とんでもない。ま、まぶしすぎる。あまりのエロさに直視できねえ! まあ、やっぱりというか何というか……いつも、シスター服に隠れて見えないが、超絶セクシー、ダイナマイトボディである。


 くぅっ……、鼻血が……!


 そ、そういえば、あの胸の赤い『聖痕《せいこん》』が確か……【聖女の証】なんだっけ。改めて見ると、本当にそこに『聖痕』があったが……が、これ以上は俺の鼻が持ちそうにない。直視できない。

「どうして、目をらすんですか、兄様。ちゃんと、わたくしを見てください。ほら、どうですか、わたくしの水着。感想を四文字以内できちんと答えて戴きたいです」

 ズイズイッと距離をつめてくるフォル。
 そんな近寄ってくれるな! もれなく、鼻から大量出血するだろうが!
 つーか、四文字って――そりゃ『カワイイ』と言ってほしいのか? いや、カワイイけども!


「えーい、泳ぐぞー!!」


 誤魔化ごまかすようにして、俺はダッシュ。海へ向かった!


「あー、兄様~!」

 しかし、その時だった。
 海の奥底からギラリと怪しい光が――


「え……?」


 なんかいる!?



『ドバァァァァァァアアアー!!』



 と、巨大なモンスター・・・・・・・・が現れやがった。

 なんじゃそらああああ!?


「サトル! あれは【Lv.320】の『デビルクラーケン』で海底に潜むボスモンスターよ!! 気をつけて!」

 メサイアがそう冷静にスキル『モンスターサーチ』してくれたが……


「まじか!!」


 こんなところに巨大なイカボスモンスター……!
 しかも【Lv.320】だぁ!?
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

無限に進化を続けて最強に至る

お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。 ※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。 改稿したので、しばらくしたら消します

[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!

どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入! 舐めた奴らに、真実が牙を剥く! 何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ? しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない? 訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、 なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト! そして…わかってくる、この異世界の異常性。 出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。 主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。 相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。 ハーレム要素は、不明とします。 復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。 追記  2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。 8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。 2024/02/23 アルファポリスオンリーを解除しました。

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!

あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!? 資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。 そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。 どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。 「私、ガンバる!」 だったら私は帰してもらえない?ダメ? 聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。 スローライフまでは到達しなかったよ……。 緩いざまああり。 注意 いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。

ハズレスキル【分解】が超絶当たりだった件~仲間たちから捨てられたけど、拾ったゴミスキルを優良スキルに作り変えて何でも解決する~

名無し
ファンタジー
お前の代わりなんざいくらでもいる。パーティーリーダーからそう宣告され、あっさり捨てられた主人公フォード。彼のスキル【分解】は、所有物を瞬時にバラバラにして持ち運びやすくする程度の効果だと思われていたが、なんとスキルにも適用されるもので、【分解】したスキルなら幾らでも所有できるというチートスキルであった。捨てられているゴミスキルを【分解】することで有用なスキルに作り変えていくうち、彼はなんでも解決屋を開くことを思いつき、底辺冒険者から成り上がっていく。

【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~

くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】 その攻撃、収納する――――ッ!  【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。  理由は、マジックバッグを手に入れたから。  マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。  これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

処理中です...